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108話 話し合い

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リンドは面倒そうな顔をしながら、紅茶をすすった。

10日ぶりに起きた昨日、余りに体が固まってしまって、少し体も衰弱していたため、

今日は急激な運動は避けつつも、体調を戻すために、外の光が浴びられるよう、庭園のガゼボでティータイムをしていた。…ティアと一緒に。


———「それで…?」

と言いながら、リンドはティーカップをソーサーに置き、冷たい目でティアを見た。

完全にティアに出会う以前の、女性に対して冷血なリンドに戻っていた。

「君は俺の婚約者なんだって?」

今までの経緯を両親から説明を受けていたリンドは、開口一番に冷えた目でそう言った。

「…ええ、そうですわ」

その目に少し怯えながらティアは答える。

「はあ…」

間違いない事実と確認したリンドは、後ろの背もたれに投げやりに身を任せ、

おでこに手をやりながら、大きな溜息を吐いた。

「しかも、なんだって?俺が?君に?デビュタントの日にベタ惚れした?」

嘘か本当か確かめるように一語一語区切って聞く。

「…ええ、まぁ、それはリンドール様のお気持ちですから、なんとも…?」

リンド呼びは昨日怒られたので、きちんとした名前で呼んだ。

「しかも?嫌がる君を無理矢理引っ張ってきて俺と婚約させたって⁈」

目を釣り上げて、声には怒気を孕み始める。

「はぁ、まぁ当初は私もまだリンドール様をお好きにはなっておりませんでしたから…あっ!でも今はお好きです!」

「はぁ…ちょっとごめん。

だめだ…ほんとにそれ俺か?

…別人としか思えない…しかも会えば四六時中俺からベタベタしに行ってたとか…

もう、ほんと、誰?それ?

俺はずっと自他共に認める女性嫌いで有名なんだけど…?」

リンドは俯きながらぶつぶつ言った。

「…それは私にはわかりませんが…」
一応聞こえてはきたので返事をしてみる。

「…ところで、それでちょっと…その確認しておきたいんだけど…」

はっとした顔で、ティアを見た。

「言いにくいことで申し訳ないが、これだけどうにも引っかかって…

もし、そうなら、腹括るしかないし…」

「?」

何を言っているのかわからないティアはキョトンと不思議そうな顔でリンドを見た。

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