61 / 78
炎国への旅路編
27話 ここまでするつもりは・・・
しおりを挟む
香ばしいイカ焼きの匂いが立ち込める中、火炎放射器をしまい、突撃銃を取り出します。この突撃銃に特殊な銃弾を入れます。
普通なら着弾して爆発するだけの物なのですが、Aクラスともなるとそれだけでは中々致命傷を与えられないので、着弾と同時に魔術が発動する銃弾なのです。
そして、高く上昇し船の真上でから下を見下ろします。船体の周りに3体の影が触腕を切られたことで怒っているのか、グルグルと回り始めていました。このままだと、船が作り出された渦の中に飲まれてしまいます。そうなる前に仕留めます。
1発、2発、3発と確実に仕留める為に一発づつ射ち、発砲した銃弾が海の中に落ちていき、魔術が発動されます。一瞬巨大な陣が展開され・・・あれ?ここまでの大きさの魔術を発動するつもりは・・・。
バッシュという音とともに海面に電撃がはしり、船の中から「「「ギャー」」」という叫び声が・・・
ごめんなさい。先日の狩った雷狼竜の魔石で作った銃弾だったのです。Aクラスって聞いていましたから、これぐらいじゃないとダメかと思ったのですよ。まさかあそこまでの巨大な陣が形成されるなんて思わなかったのです。
いえ、本音を言いますと、試し撃ちがしたかったのです。本当にごめんなさい。
周りにクラーケンがプカリと3体浮かんだ船に急いで戻り、電撃で痺れている皆さんに謝りながら癒やしの光の魔術を使っていきます。
一通り皆さんを回復したところにザックさんがやってきました。
「あのさぁ。クラーケンを倒してもらったことには感謝するけど、もう少し手加減っていうものはできなかったのか?」
「ごめんなさい。あそこまでの威力があると思わなかったのです。」
「おかげで、航行するのに必要な魔石が壊れてしまったのだが?」
「え?」
魔石が壊れてしまったということは、船の動力源が無くなってしまったということですか!それでは船が動かないです。あっ!
「これで代用できないですか?」
最近、軍の方から写真機の注文がありデートでドラゴンを狩ってきたのですが、目のレンズだけ使用して魔石などの素材はまだ残っているのです。
その30セルメル²の魔石を取り出しザックさんに渡します。
「でかい。いったい何の魔石だ?これだと大きすぎて入らない。」
「ドラゴンです。大きすぎましたか。では半分に切りましょう。」
魔石を切る為に作った刃物を取り出し、半分に切ろうとすれば
「待て!なぜ、ドラゴンの魔石を切ろうとする。勿体無い。それに普通は、魔石は切れないだろ?」
「切らなければ使えないじゃないですか。それにドラゴンなんてまた狩ってくればいいだけですから。」
「マリア!お前の主はおかしすぎる。魔石を切ろうとするし、ドラゴンなんて、ってあのSクラスのドラゴンだぞ。おかしいだろ。」
ザックが文句を言っている方をみますと皿を持ったマリアがこちらに来ていました。
「それが奥様ですから。」
マリア、それはどういうことでしょう?マリアは持っていた皿を目の前に差し出してきました。
「魔石が壊れてしまったことで、厨房も使えなくなったそうです。先程、奥様が香ばしく焼いてくださったクラーケンですが、お食べになりますか?」
それは勿論食べます。未だに香ばしい匂いが立ち込めた甲板には焼かれたクラーケンの腕に船員の人たちが群がり食べていらっしゃい・・・その中にクストとセーラの姿も混じっているようです。
もう、日は上りきっているので、お腹が空いていたのですよ。
マリアから皿を受け取り、ザックさんにもう一度尋ねます。
「魔石を切りましょうか?」
と。
その後、魔石を切ってザックさんに渡し、手に持っていた皿をクスト取り上げられ、食べさせようとするのを止めさせ、何とか自分で食べることができました。だって、こんなに沢山の人がいる中、クストに食べさせられるのは恥ずかしいじゃないですか。
魔石の設置の為に半日掛かるということでしたので、昼寝中だったキョウさんをマリアに連れて来てもらい炎国の話しをしてもらいました。
そして、魔石の設置が終わり、2日後無事に炎国の港に到着することができました。
「ここが炎国なんですね。」
セーラが珍しそうに周りを見渡しながら、船を降りていきます。
「あー地面に降りたっていうのに、まだ揺れている感じがする。」
そう言っているクストに手を取られ4日振りに地面に降り立ちました。そうですね。この感覚が無くなるまで時間がかかりそうです。
「キョウ!こっそりと何処に行こうとしているのです。」
後ろを振り返ると、マリアに首根っこを掴まれた状態のキョウさんがいました。案内役はいないと困りますからね。
「マリア、離せ。俺はまだ命が惜しい。あいつと話しをしてみてよくわかった。どう見てもクロードの爺さんと同じだろ?あのおかしな言動。それに魔眼の嬢ちゃん並の破壊力。無理だ。俺には手に負えない。他を当たれ!」
なんですか?私あの少女のように炎の柱なんて作れないですよ。
「ザックからキョウ用にと小遣いをもらってますので、ダメですよ。」
「ザック!俺を売りやがったな!」
普通なら着弾して爆発するだけの物なのですが、Aクラスともなるとそれだけでは中々致命傷を与えられないので、着弾と同時に魔術が発動する銃弾なのです。
そして、高く上昇し船の真上でから下を見下ろします。船体の周りに3体の影が触腕を切られたことで怒っているのか、グルグルと回り始めていました。このままだと、船が作り出された渦の中に飲まれてしまいます。そうなる前に仕留めます。
1発、2発、3発と確実に仕留める為に一発づつ射ち、発砲した銃弾が海の中に落ちていき、魔術が発動されます。一瞬巨大な陣が展開され・・・あれ?ここまでの大きさの魔術を発動するつもりは・・・。
バッシュという音とともに海面に電撃がはしり、船の中から「「「ギャー」」」という叫び声が・・・
ごめんなさい。先日の狩った雷狼竜の魔石で作った銃弾だったのです。Aクラスって聞いていましたから、これぐらいじゃないとダメかと思ったのですよ。まさかあそこまでの巨大な陣が形成されるなんて思わなかったのです。
いえ、本音を言いますと、試し撃ちがしたかったのです。本当にごめんなさい。
周りにクラーケンがプカリと3体浮かんだ船に急いで戻り、電撃で痺れている皆さんに謝りながら癒やしの光の魔術を使っていきます。
一通り皆さんを回復したところにザックさんがやってきました。
「あのさぁ。クラーケンを倒してもらったことには感謝するけど、もう少し手加減っていうものはできなかったのか?」
「ごめんなさい。あそこまでの威力があると思わなかったのです。」
「おかげで、航行するのに必要な魔石が壊れてしまったのだが?」
「え?」
魔石が壊れてしまったということは、船の動力源が無くなってしまったということですか!それでは船が動かないです。あっ!
「これで代用できないですか?」
最近、軍の方から写真機の注文がありデートでドラゴンを狩ってきたのですが、目のレンズだけ使用して魔石などの素材はまだ残っているのです。
その30セルメル²の魔石を取り出しザックさんに渡します。
「でかい。いったい何の魔石だ?これだと大きすぎて入らない。」
「ドラゴンです。大きすぎましたか。では半分に切りましょう。」
魔石を切る為に作った刃物を取り出し、半分に切ろうとすれば
「待て!なぜ、ドラゴンの魔石を切ろうとする。勿体無い。それに普通は、魔石は切れないだろ?」
「切らなければ使えないじゃないですか。それにドラゴンなんてまた狩ってくればいいだけですから。」
「マリア!お前の主はおかしすぎる。魔石を切ろうとするし、ドラゴンなんて、ってあのSクラスのドラゴンだぞ。おかしいだろ。」
ザックが文句を言っている方をみますと皿を持ったマリアがこちらに来ていました。
「それが奥様ですから。」
マリア、それはどういうことでしょう?マリアは持っていた皿を目の前に差し出してきました。
「魔石が壊れてしまったことで、厨房も使えなくなったそうです。先程、奥様が香ばしく焼いてくださったクラーケンですが、お食べになりますか?」
それは勿論食べます。未だに香ばしい匂いが立ち込めた甲板には焼かれたクラーケンの腕に船員の人たちが群がり食べていらっしゃい・・・その中にクストとセーラの姿も混じっているようです。
もう、日は上りきっているので、お腹が空いていたのですよ。
マリアから皿を受け取り、ザックさんにもう一度尋ねます。
「魔石を切りましょうか?」
と。
その後、魔石を切ってザックさんに渡し、手に持っていた皿をクスト取り上げられ、食べさせようとするのを止めさせ、何とか自分で食べることができました。だって、こんなに沢山の人がいる中、クストに食べさせられるのは恥ずかしいじゃないですか。
魔石の設置の為に半日掛かるということでしたので、昼寝中だったキョウさんをマリアに連れて来てもらい炎国の話しをしてもらいました。
そして、魔石の設置が終わり、2日後無事に炎国の港に到着することができました。
「ここが炎国なんですね。」
セーラが珍しそうに周りを見渡しながら、船を降りていきます。
「あー地面に降りたっていうのに、まだ揺れている感じがする。」
そう言っているクストに手を取られ4日振りに地面に降り立ちました。そうですね。この感覚が無くなるまで時間がかかりそうです。
「キョウ!こっそりと何処に行こうとしているのです。」
後ろを振り返ると、マリアに首根っこを掴まれた状態のキョウさんがいました。案内役はいないと困りますからね。
「マリア、離せ。俺はまだ命が惜しい。あいつと話しをしてみてよくわかった。どう見てもクロードの爺さんと同じだろ?あのおかしな言動。それに魔眼の嬢ちゃん並の破壊力。無理だ。俺には手に負えない。他を当たれ!」
なんですか?私あの少女のように炎の柱なんて作れないですよ。
「ザックからキョウ用にと小遣いをもらってますので、ダメですよ。」
「ザック!俺を売りやがったな!」
64
あなたにおすすめの小説
婚約者の番
ありがとうございました。さようなら
恋愛
私の婚約者は、獅子の獣人だ。
大切にされる日々を過ごして、私はある日1番恐れていた事が起こってしまった。
「彼を譲ってくれない?」
とうとう彼の番が現れてしまった。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」
結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は……
短いお話です。
新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。
4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
番(つがい)はいりません
にいるず
恋愛
私の世界には、番(つがい)という厄介なものがあります。私は番というものが大嫌いです。なぜなら私フェロメナ・パーソンズは、番が理由で婚約解消されたからです。私の母も私が幼い頃、番に父をとられ私たちは捨てられました。でもものすごく番を嫌っている私には、特殊な番の体質があったようです。もうかんべんしてください。静かに生きていきたいのですから。そう思っていたのに外見はキラキラの王子様、でも中身は口を開けば毒舌を吐くどうしようもない正真正銘の王太子様が私の周りをうろつき始めました。
本編、王太子視点、元婚約者視点と続きます。約3万字程度です。よろしくお願いします。
2番目の1番【完】
綾崎オトイ
恋愛
結婚して3年目。
騎士である彼は王女様の護衛騎士で、王女様のことを何よりも誰よりも大事にしていて支えていてお護りしている。
それこそが彼の誇りで彼の幸せで、だから、私は彼の1番にはなれない。
王女様には私は勝てない。
結婚3年目の夫に祝われない誕生日に起こった事件で限界がきてしまった彼女と、彼女の存在と献身が当たり前になってしまっていたバカ真面目で忠誠心の厚い騎士の不器用な想いの話。
※ざまぁ要素は皆無です。旦那様最低、と思われる方いるかもですがそのまま結ばれますので苦手な方はお戻りいただけると嬉しいです
自己満全開の作品で個人の趣味を詰め込んで殴り書きしているため、地雷多めです。苦手な方はそっとお戻りください。
批判・中傷等、作者の執筆意欲削られそうなものは遠慮なく削除させていただきます…
【本編,番外編完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる