Finally the world to bring about

何で来ちゃうのかな…？

私と誠弥くんが良い？切ない？優しい？ムードで話してたら、ドアをノックする音が聞こえた。
｢入るよ、紀衣ちゃん！｣
こんな切ないムードをぶち壊したのは…みっくんだった。
｢みっくん！切ないムードぶち壊したなー！｣
｢ごめんごめん！｣
…絶対思ってないよね。
｢で、父さん、どうしたんだ？｣
｢あぁ…、紀衣ちゃんにお客さんが来てるんだが…紀衣ちゃん、会う勇気はある？…5人来てるんだけど｣
……え？5人って…あの5人？
｢みっくん、どんな人だった？｣
｢大人っぽい子と、ふわふわしてる子と、はしゃいでる子と、かっこいい子と、関西弁の子｣
え、嘘…嘘でしょ？その人達、絶対私が大好きな人達なんだから。だって私は…突き放したんだから。
｢誠弥くん…それって…何でだと思う？｣
｢わかんねぇ…けど紀衣に、お前に会いに来たんだろ｣
皆は、私に会いに来た？何で？何で私がここにいるって知ってるの？…聞いてみないとわからないこともあるよね。
私は決心した。
｢みっくん、彼女達を通して…お願いします｣
｢…わかった。ちょっと待ってて！｣
そう言ってみっくんは病室を出ていった。
｢誠弥くん…何でだと思う？｣
誠弥くんは少し目を泳がして、こう言った。
｢俺さ、実は、雑誌出たことあんだよな…｣
｢えっ！？雑誌！？｣
｢そう、雑誌！病院の医者の紹介みたいなやつなんだけど、それをあの5人の中の誰かが見たのかも…しれない｣
｢まさか出てたとはね…それで見てたとしたら…納得いくよ｣
そんなことを話していたら、ドアがノックされた。
｢紀衣ちゃん、入るよ｣
ドアを開け、みっくんが最初に入ってきた。そしてその後ろには…
やっぱりいた。彼女達が…。
｢どうして…どうしてここに来たの｣
…私は死ぬかもしれない身。生きれるかわからない身。だから私は、冷たくする。結構きついんだけどね…。
｢紀衣…ごめん。本当にごめん。あんなこと言って。許してもらえるとは思ってないけど…私本当はあんなの本心じゃないんだよ｣
…さやちゃん…さやちゃん。
｢さやちゃん。わかってたよ、そんなこと。私が演技したしね…今は笑い話に出来るけど、結構辛かったな！｣
そう言って私は笑う。
｢紀衣。私さ…見たんだよ、源先生が載ってた雑誌。だからわかったんだ｣
｢やっぱり見てたんだね、誠弥くん！｣
｢そうだな！｣
｢紀衣ちゃん…話してくれないかな？今までのこと…｣
ゆーちゃんがそう言ってきた。
｢話すよ…今までのこと、全部。｣
私は話し始めた。