17 / 83
17
しおりを挟む
はい、またまたやって来ましたよ~掃除にやって来ましたよ~
レオの屋敷の前で仁王立ちする椿。
朝は、ウルが魔法で刈った草達を1箇所にまとめる事を先にやろうとせっせと集め始めた。ボコボコとまだ残っている草も抜き、エマに借りた竹箒で綺麗にしていく。
以前は芝生だったのだろうか、見事に土が丸出しになっている庭を見て、苦笑いする。
「まぁ通れないよりはましよね」
でも、流石にこの屋敷にただ草花が無くなったただのグランドを見ると味気ない気がするがしょうがない。
ため息混じりに庭を見渡すと、ふと山積みになった草が目に入る。
「ん?キラキラしてる?」
不思議に思い近づくとキラキラしているのが妖精の羽だと分かるとまた会えた喜びに歓喜する。
「キャー!!妖精ちゃん!!」
〔わぁーびっくりー〕
〔僕たちが見えてるー?〕
〔この子といると気持ちいいーー〕
「はぁ~ん、やっぱり可愛い~」うっとり、妖精を見つめていた。すると妖精たちが椿にお礼を言い始めた。
不思議に思い。聞いて見ると庭を綺麗にしてくれたからだと言う。
〔この庭~怖くて入れなかったー〕
〔そうそうー庭が死んでたからねー〕
〔何も出来なくて困ってたー〕
妖精たちの断片的な話を纏めると、レオが怖くて近づけなく少しづつ死んでいく植物達を助ける事が出来ず困っていたと言う。
そこで、椿が庭を綺麗にしてくれてお礼が言いたいて来たと言う。
「そうだったんだね。確かにあの庭は酷かったからね、綺麗になって良かったね!」
〔お礼ーー〕
〔お礼するー〕
〔何がいいー?〕
「お礼?別にいいよ~」そう断るも妖精たちのキュルンとした目で言われたら断るに断れない。うーんと考えるとグランドになった庭を見ながら思いついた。
「それなら、この庭に新しい草花をお願い出来るかな?何も無いと寂しいからね」
〔任されたー〕
〔うん~新しい花植えるー〕
〔よーしやるぞーー〕
やる気に満ちた妖精たちに庭を任せて屋敷の中へと入る。
二階にいる雇い主、レオに挨拶するが返事がない。
まだ寝てるのかと思い、静かに一階に降り昨日の続きを始める。
床を掃き掃除して、雑巾をかける。
ゴミもまとめておきビニール袋が無い代わりに麻袋に入れていく。
◇◇◇◇◇◇
「はぁー、お腹空いた。勝手に台所使うのは気がひけるから、聞いてみよう」
お弁当を作って持っていこうとしたら、朝やって来たエマに上げてしまった(正確には奪われたんだよね)から無いんだよね。
お昼になり、レオに確認しようとノックするがまた返事がない。
トントントン「レオさん?居ますか?」
失礼します。と言いながらドアを開けると中はとても、整頓されておりとても綺麗な部屋で驚いた。
「掃除出来るんじゃない!何でやらないんだろ?レオさーん?」
部屋の中を見渡してもレオの姿が見えない。
奥にいるのかな?と一歩足を踏み入れると床が光り、椿はその光に包まれた。
「わっ!わっ!!」
ギュウッと目を瞑る。光が収まり、チラッと片目を開けると景色が変わっており、別の部屋にいた。
「ーーーーえ?どこ?」唖然と立ち尽くす。
「つばき!!つばきではないか?!」
背後から名前を呼ばれ、振り返ると 椿は怪訝な顔をする。だって、そこにいたのはあのシュバーツ王子だったのだ。
二度と会わないと思っていたのに、会ってしまった。あからさまに嫌な顔をしているが、シュバーツ王子は御構い無しに近付いてきて、片膝をつき椿の手にキスをする。
「また、会えて嬉しいよ。どうしてここにいるんだい?」
「私も分からないんですが、レオさんの屋敷にいたんですけど…」
「レオ?屋敷ーーーそれはどういう」
「お前!!何故ここにいるんだ!!!」
2人の会話に怒鳴り込んで来たのは、怒りを露わにしたレオだった。スッとシュバーツ王子が椿の前に立ち「怒鳴らないで下さい。レオ、彼女は私の知り合いです。それが何か問題でも?」
紳士らしく椿を守るシュバーツ王子にレオは苛立ちを抑えるつもりもなく、椿を罵る。
「その女は、掃除婦として俺が雇ったんだが。はっ、俺が居ない間に屋敷に忍び込んで俺の魔法陣でここに来たんだろ?はいはい、俺の依頼を受けたのは王宮に来る足掛かりにしたわけだ。シュバーツ王子、その女はズル賢いからやめておけ」
ズバズバと言うレオに、椿はイラっとする。有る事無い事言われたら気分が良くないに決まってる。
「ちょっと!黙って聞いていれば、有る事無い事言わないでくれる?!私は仕事だから屋敷にいったのよ!朝も挨拶しようと部屋を何度もノックして返事がなかったじゃない!お昼も部屋をノックしたら返事が無いから、開けたらここに勝手に来ただけよ!
シュバーツ王子も知り合いってだけで、何とも思ってないわよ!!失礼な事言わないで!まだ、仕事が残ってるしお腹も空いてるから早く元の場所に戻してくれますか!?」
早口言葉になりながらも一気に捲し立て、息が上がる。あまりの椿の迫力に2人は口をパクパクさせ押し黙ってしまった。
「ほら?!帰るから、早くしてくれる?1日は早いのよ!」
レオに戻るように急かすと、「ぁあ、」と魔方陣を展開する。
「では、シュバーツ王子。失礼します」
「あっ!待って!まだ話はーーーー終わってないのに、また逃げられてしまった。つばき、私は諦めないからね」
あっと言う間に帰ってしまった椿に、密かに恋心を抱くシュバーツ王子だった。
屋敷に戻ると、先程取り乱した事を後悔する椿。
(どうしよ~やっちゃった、もー!私の馬鹿!馬鹿!クビになったら、また仕事探さないと)心配になりレオを見ると先程までとは違い、黙っている。
「あの、先程は失礼な事を言いまして申し訳ございません。ーーーーやはり、私はクビでしょうか?」
不安になり聞いて見ると意外にもまだ居ていいと言われた。
パァーッと顔が笑顔になる。
「ありがとうございます!期日まで頑張ります!!」
部屋を出る時にお腹がなり、台所を使ってもいいか聞きに来た事を思い出す。
「お昼を作るのに、台所を使ってもいいでしょうか?」
オズオズと聞くと「構わない」と許可を貰いルンルン気分で台所に向かう。
レオの屋敷の前で仁王立ちする椿。
朝は、ウルが魔法で刈った草達を1箇所にまとめる事を先にやろうとせっせと集め始めた。ボコボコとまだ残っている草も抜き、エマに借りた竹箒で綺麗にしていく。
以前は芝生だったのだろうか、見事に土が丸出しになっている庭を見て、苦笑いする。
「まぁ通れないよりはましよね」
でも、流石にこの屋敷にただ草花が無くなったただのグランドを見ると味気ない気がするがしょうがない。
ため息混じりに庭を見渡すと、ふと山積みになった草が目に入る。
「ん?キラキラしてる?」
不思議に思い近づくとキラキラしているのが妖精の羽だと分かるとまた会えた喜びに歓喜する。
「キャー!!妖精ちゃん!!」
〔わぁーびっくりー〕
〔僕たちが見えてるー?〕
〔この子といると気持ちいいーー〕
「はぁ~ん、やっぱり可愛い~」うっとり、妖精を見つめていた。すると妖精たちが椿にお礼を言い始めた。
不思議に思い。聞いて見ると庭を綺麗にしてくれたからだと言う。
〔この庭~怖くて入れなかったー〕
〔そうそうー庭が死んでたからねー〕
〔何も出来なくて困ってたー〕
妖精たちの断片的な話を纏めると、レオが怖くて近づけなく少しづつ死んでいく植物達を助ける事が出来ず困っていたと言う。
そこで、椿が庭を綺麗にしてくれてお礼が言いたいて来たと言う。
「そうだったんだね。確かにあの庭は酷かったからね、綺麗になって良かったね!」
〔お礼ーー〕
〔お礼するー〕
〔何がいいー?〕
「お礼?別にいいよ~」そう断るも妖精たちのキュルンとした目で言われたら断るに断れない。うーんと考えるとグランドになった庭を見ながら思いついた。
「それなら、この庭に新しい草花をお願い出来るかな?何も無いと寂しいからね」
〔任されたー〕
〔うん~新しい花植えるー〕
〔よーしやるぞーー〕
やる気に満ちた妖精たちに庭を任せて屋敷の中へと入る。
二階にいる雇い主、レオに挨拶するが返事がない。
まだ寝てるのかと思い、静かに一階に降り昨日の続きを始める。
床を掃き掃除して、雑巾をかける。
ゴミもまとめておきビニール袋が無い代わりに麻袋に入れていく。
◇◇◇◇◇◇
「はぁー、お腹空いた。勝手に台所使うのは気がひけるから、聞いてみよう」
お弁当を作って持っていこうとしたら、朝やって来たエマに上げてしまった(正確には奪われたんだよね)から無いんだよね。
お昼になり、レオに確認しようとノックするがまた返事がない。
トントントン「レオさん?居ますか?」
失礼します。と言いながらドアを開けると中はとても、整頓されておりとても綺麗な部屋で驚いた。
「掃除出来るんじゃない!何でやらないんだろ?レオさーん?」
部屋の中を見渡してもレオの姿が見えない。
奥にいるのかな?と一歩足を踏み入れると床が光り、椿はその光に包まれた。
「わっ!わっ!!」
ギュウッと目を瞑る。光が収まり、チラッと片目を開けると景色が変わっており、別の部屋にいた。
「ーーーーえ?どこ?」唖然と立ち尽くす。
「つばき!!つばきではないか?!」
背後から名前を呼ばれ、振り返ると 椿は怪訝な顔をする。だって、そこにいたのはあのシュバーツ王子だったのだ。
二度と会わないと思っていたのに、会ってしまった。あからさまに嫌な顔をしているが、シュバーツ王子は御構い無しに近付いてきて、片膝をつき椿の手にキスをする。
「また、会えて嬉しいよ。どうしてここにいるんだい?」
「私も分からないんですが、レオさんの屋敷にいたんですけど…」
「レオ?屋敷ーーーそれはどういう」
「お前!!何故ここにいるんだ!!!」
2人の会話に怒鳴り込んで来たのは、怒りを露わにしたレオだった。スッとシュバーツ王子が椿の前に立ち「怒鳴らないで下さい。レオ、彼女は私の知り合いです。それが何か問題でも?」
紳士らしく椿を守るシュバーツ王子にレオは苛立ちを抑えるつもりもなく、椿を罵る。
「その女は、掃除婦として俺が雇ったんだが。はっ、俺が居ない間に屋敷に忍び込んで俺の魔法陣でここに来たんだろ?はいはい、俺の依頼を受けたのは王宮に来る足掛かりにしたわけだ。シュバーツ王子、その女はズル賢いからやめておけ」
ズバズバと言うレオに、椿はイラっとする。有る事無い事言われたら気分が良くないに決まってる。
「ちょっと!黙って聞いていれば、有る事無い事言わないでくれる?!私は仕事だから屋敷にいったのよ!朝も挨拶しようと部屋を何度もノックして返事がなかったじゃない!お昼も部屋をノックしたら返事が無いから、開けたらここに勝手に来ただけよ!
シュバーツ王子も知り合いってだけで、何とも思ってないわよ!!失礼な事言わないで!まだ、仕事が残ってるしお腹も空いてるから早く元の場所に戻してくれますか!?」
早口言葉になりながらも一気に捲し立て、息が上がる。あまりの椿の迫力に2人は口をパクパクさせ押し黙ってしまった。
「ほら?!帰るから、早くしてくれる?1日は早いのよ!」
レオに戻るように急かすと、「ぁあ、」と魔方陣を展開する。
「では、シュバーツ王子。失礼します」
「あっ!待って!まだ話はーーーー終わってないのに、また逃げられてしまった。つばき、私は諦めないからね」
あっと言う間に帰ってしまった椿に、密かに恋心を抱くシュバーツ王子だった。
屋敷に戻ると、先程取り乱した事を後悔する椿。
(どうしよ~やっちゃった、もー!私の馬鹿!馬鹿!クビになったら、また仕事探さないと)心配になりレオを見ると先程までとは違い、黙っている。
「あの、先程は失礼な事を言いまして申し訳ございません。ーーーーやはり、私はクビでしょうか?」
不安になり聞いて見ると意外にもまだ居ていいと言われた。
パァーッと顔が笑顔になる。
「ありがとうございます!期日まで頑張ります!!」
部屋を出る時にお腹がなり、台所を使ってもいいか聞きに来た事を思い出す。
「お昼を作るのに、台所を使ってもいいでしょうか?」
オズオズと聞くと「構わない」と許可を貰いルンルン気分で台所に向かう。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました
空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。
結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。
転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。
しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……!
「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」
農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。
「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」
ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる