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「椿ーーーお前といても楽しくないんだよ。俺にはコイツみたいな女が合ってるんだ、俺は悪くない。お前が悪いんだーーー」
久々に夢を見た。
元彼の浮気を目撃した時に彼が言った言葉。
仕事優先で彼に構っていなかったからと言われたんだっけ、今思えばあんな男のどこが良かったのかしら。
ゴロンっと寝返りをすると、違和感を感じた。
「ーーー何してるんですか?」
隣にはリビングで寝ているはずのエマが椿のベットにいたのだ。
ユサユサとエマを起こすと気怠そうに欠伸をしながら「おはよう」って言ってきた。
「おはようございます。って違う違う!ここは私の部屋ですけど!エマさんはリビングのソファーで寝ていたはずですよね?」
「う~ん?だぁって~ソファー硬いのよ~?狭いし~」
「じゃあ、隣の部屋にもベットがあるじゃないですか」
「あんたね~あの部屋見たの?悪趣味にも程があるじゃない、あんな部屋で寝れるはずないでしょ?」
ん?悪趣味?そういえばまだ見てなかったな。と思い、ベットから降りると隣の部屋を見に行く。
ドアを開けると驚いた。
同じ間取りのはずなのに、異様にデカイベット。キングサイズかしら?その色合いは蛍光ピンクや赤が入っており、目が痛い。
お姫様の様に天蓋付きのベッドがエロスを際立てていた。
「・・・・・」
バタン。
静かにドアを閉めると無心になる。
「ねぇ?言った通りでしょ?つばきちゃんが模様替えしたの?」
「違います。誰が好き好んでこんな色合いを選びますかっっッキャーーー!何て格好してるんですか!?」
改めてエマの服装をみると、かろうじて下着は付けているが裸体の上にバスローブを羽織っているだけだった。
「ぇえ~?だって、つばきちゃんが服を着ろって言ったじゃない~」
「確かに言いましたけどーーー」
バスローブって服だけど、私がいったのはパジャマなんだけど。
モヤっとしながらも「まぁまぁ」とエマに背中を押され、出かける準備をと促された。
今日中にはギルドに着けるとウルが教えてくれたので、エマには今後の事を話そうと思う。
思えば、この街に来てからずっと友達であるエマと離れるのは寂しい。けど、私の事でエマを巻き込むのは嫌だし。キチンと話そう。
「あのね、ギルドで依頼完了したらこの国を出ようと思うの。誰にも言わないつもりだったんだけど、エマには色々とお世話になったから話すね。今までありがとう!」
ぺこりと頭を下げると、ポンポンされて
「まぁ、こうなるかな?とは思ってたけどね~勿論一緒に付いて行くわよ?」
えっと、驚く椿に呆れたと言った表情で「当たり前じゃない~世の中を知らない女の子を一人で行かせるわけ無いでしょ?そこまで鬼じゃないわよ。ーーー美味しいエールの味が飲めないとか地獄だゎ」
「えっ?何か言いましたか?」
「んん、何も言ってないわよ~さぁさぁ、そうと決まれば早く出発しましょ!」
「あっ、でもエマにはお店があるでしょ?」
「そんなの気にしない~お店はどこでも開けるわよ~~さぁ!出発~~」
グイグイ進むエマに圧倒されながらも、「大丈夫かな?」と不安になる。
でも、一人旅だと思っていたからエマが一緒なら心強い。
「お待たせ!ウル行こうか!」
ウルの背に乗り出発した。
ギルドに着く頃には、辺りは暗くなっていた。
流石に夜遅くにはギルドの中も静かだ。ギリギリ受付に間に合い、依頼完了をする。
特に何も言われなかったから、まだシュバーツから報告が無いと安堵する。
そのまま、エマのお店に行くとエマは片付けてくるとお店に入っていったので、残された椿はハウスを出し夕飯の準備をする。
近くにはウルがいるので心強い。
戻って来たエマと今後の計画を立てる2人。
色々な国があるけど、近いと直ぐに見つかるのではと危惧しあえて、遠い国に決めた。
ウルで移動は目立つから馬車を購入する事にし、明日の朝一で探しに行こうって事になったから、今日は早く寝る事にした。
ーーー普通に後ろにいるけど、エマさんの家は隣ですよね?
ジト目で見るとあっけらかんとした対応をされてしまった。
「女同士だも~ん、別にいいじゃい~それに、もう何度も一緒に寝たでしょ?」
「っっ何度も寝てません!!」
顔を真っ赤にして怒る椿に、ニマニマしながら意地悪く話すエマ。
「あら~?変な意味で捉えたわね?つばきちゃんって意外に・・・」
「もう!ふざけてないで、自分の家に帰って下さい!」
「別にいいじゃない~これから一緒に過ごすんだし~早く慣れなさいよ」
まぁまぁと先にベッドに潜り込むエマ。
(女同士ーーーエマは気にしてないのに、私だけ気にして馬鹿みたい)
腹をくくったものの、抵抗があり椿はソファーで眠る事にした。
隣の部屋は開かずの間にしようと決め、ソファーにしたのだ。
電気を消すとすっかり暗くなった部屋でソファーに横になる。床にはウルがいて、毛並みを撫でながら椿はスヤスヤと寝息を立て始めた。
久々に夢を見た。
元彼の浮気を目撃した時に彼が言った言葉。
仕事優先で彼に構っていなかったからと言われたんだっけ、今思えばあんな男のどこが良かったのかしら。
ゴロンっと寝返りをすると、違和感を感じた。
「ーーー何してるんですか?」
隣にはリビングで寝ているはずのエマが椿のベットにいたのだ。
ユサユサとエマを起こすと気怠そうに欠伸をしながら「おはよう」って言ってきた。
「おはようございます。って違う違う!ここは私の部屋ですけど!エマさんはリビングのソファーで寝ていたはずですよね?」
「う~ん?だぁって~ソファー硬いのよ~?狭いし~」
「じゃあ、隣の部屋にもベットがあるじゃないですか」
「あんたね~あの部屋見たの?悪趣味にも程があるじゃない、あんな部屋で寝れるはずないでしょ?」
ん?悪趣味?そういえばまだ見てなかったな。と思い、ベットから降りると隣の部屋を見に行く。
ドアを開けると驚いた。
同じ間取りのはずなのに、異様にデカイベット。キングサイズかしら?その色合いは蛍光ピンクや赤が入っており、目が痛い。
お姫様の様に天蓋付きのベッドがエロスを際立てていた。
「・・・・・」
バタン。
静かにドアを閉めると無心になる。
「ねぇ?言った通りでしょ?つばきちゃんが模様替えしたの?」
「違います。誰が好き好んでこんな色合いを選びますかっっッキャーーー!何て格好してるんですか!?」
改めてエマの服装をみると、かろうじて下着は付けているが裸体の上にバスローブを羽織っているだけだった。
「ぇえ~?だって、つばきちゃんが服を着ろって言ったじゃない~」
「確かに言いましたけどーーー」
バスローブって服だけど、私がいったのはパジャマなんだけど。
モヤっとしながらも「まぁまぁ」とエマに背中を押され、出かける準備をと促された。
今日中にはギルドに着けるとウルが教えてくれたので、エマには今後の事を話そうと思う。
思えば、この街に来てからずっと友達であるエマと離れるのは寂しい。けど、私の事でエマを巻き込むのは嫌だし。キチンと話そう。
「あのね、ギルドで依頼完了したらこの国を出ようと思うの。誰にも言わないつもりだったんだけど、エマには色々とお世話になったから話すね。今までありがとう!」
ぺこりと頭を下げると、ポンポンされて
「まぁ、こうなるかな?とは思ってたけどね~勿論一緒に付いて行くわよ?」
えっと、驚く椿に呆れたと言った表情で「当たり前じゃない~世の中を知らない女の子を一人で行かせるわけ無いでしょ?そこまで鬼じゃないわよ。ーーー美味しいエールの味が飲めないとか地獄だゎ」
「えっ?何か言いましたか?」
「んん、何も言ってないわよ~さぁさぁ、そうと決まれば早く出発しましょ!」
「あっ、でもエマにはお店があるでしょ?」
「そんなの気にしない~お店はどこでも開けるわよ~~さぁ!出発~~」
グイグイ進むエマに圧倒されながらも、「大丈夫かな?」と不安になる。
でも、一人旅だと思っていたからエマが一緒なら心強い。
「お待たせ!ウル行こうか!」
ウルの背に乗り出発した。
ギルドに着く頃には、辺りは暗くなっていた。
流石に夜遅くにはギルドの中も静かだ。ギリギリ受付に間に合い、依頼完了をする。
特に何も言われなかったから、まだシュバーツから報告が無いと安堵する。
そのまま、エマのお店に行くとエマは片付けてくるとお店に入っていったので、残された椿はハウスを出し夕飯の準備をする。
近くにはウルがいるので心強い。
戻って来たエマと今後の計画を立てる2人。
色々な国があるけど、近いと直ぐに見つかるのではと危惧しあえて、遠い国に決めた。
ウルで移動は目立つから馬車を購入する事にし、明日の朝一で探しに行こうって事になったから、今日は早く寝る事にした。
ーーー普通に後ろにいるけど、エマさんの家は隣ですよね?
ジト目で見るとあっけらかんとした対応をされてしまった。
「女同士だも~ん、別にいいじゃい~それに、もう何度も一緒に寝たでしょ?」
「っっ何度も寝てません!!」
顔を真っ赤にして怒る椿に、ニマニマしながら意地悪く話すエマ。
「あら~?変な意味で捉えたわね?つばきちゃんって意外に・・・」
「もう!ふざけてないで、自分の家に帰って下さい!」
「別にいいじゃない~これから一緒に過ごすんだし~早く慣れなさいよ」
まぁまぁと先にベッドに潜り込むエマ。
(女同士ーーーエマは気にしてないのに、私だけ気にして馬鹿みたい)
腹をくくったものの、抵抗があり椿はソファーで眠る事にした。
隣の部屋は開かずの間にしようと決め、ソファーにしたのだ。
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