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「うわ~~!凄いね!もう、あんなに街が小さく見えるよ~~」
馬車の窓から見ると、凄いスピードで街が小さくなっていく。
その景色に興奮しながら椿は、はしゃいでいた。
微笑ましくエマが見守っているとは気付いていない程、ずっと窓の外を見ている。
「エマ!凄いよー!街が見えなくなったよーーー」
「ふふ、そうね~~」
「どこに向かってるの?この先は何も見えないけど?」
馬が走っている方向を見ると特に目立つ物が見当たらない。
不思議に思って聞いてみると、エマが首からぶら下げていた石を見せてくれた。
「この石は、道導といってね。どこに行くのか馬に指示をしているのよ?馬にも同じ石を付けているから私が思った場所へ進んでくれるの。1つの石を2つに分けたのを使うから同じ物は無いのよ~」
「へー!便利なのがあるんだね!」
「勉強になったでしょ?今はインディゴスへ向かっているわ。つばきちゃんが喜ぶ所よ~~」
どんな所?と聞いても教えてくれなかった。着いてからのお楽しみってニコニコしてるけど、この顔は何か企んでいる時の顔。
若干の不安を覚えながらも外の景色を眺める事にした。
◇◇◇◇◇◇
椿達が街を出て、しばらく経った頃。
はぁはぁと息を切らした人達が物凄い形相でギルドにやってきた。
「炊事係の依頼完了で、つばきと名乗る女性は来なかったか!?」
「はいーーー!!少々お待ちくださいー」
鬼気迫る騎士に圧倒されながら、受付嬢は「炊事係・・・つばき・・」と呪文の様に何度も口にしながら書類を確認していた。
苛立ちを露わにし、騎士は机を指でトントントンとさせながら急かしている。
「ありました!えっとー、昨晩の内に受理されています。」
「なんだと!?」
「ひぇ~~」
バンっと机を叩きつけながら受付嬢に怒鳴る騎士。
可哀想な受付嬢は、ビクビクしていたら「やめなさい」と騎士を止めるシュバーツ王子がいた。
「王子!申し訳ございません、一歩遅かったようです。」
項垂れる騎士に「もうよい。下がっていなさい」と伝えると、
にっこりスマイルで受付嬢に話しかけた。
「この方の依頼主なんですけど、手違いがあったようで依頼完了していないんですよね。本人と連絡を取りたいんですが?ギルドカードを教えて貰えますか?」
「えっと、既に受理されたものは変更出来ません。ここにサインがありますのでーーー後、ギルドカードは個人情報となりますので、こちらではお教えする事は出来ない決まりになってまして・・・」
「依頼完了してないんです。だから、本人と連絡を取りたいんですが、教えて貰えませんか?」
「申し訳ございません、どちらも対応出来ないっっっ」
「教えて下さい」
にっこり笑っているが、声は威圧しているシュバーツに受付嬢は涙目になりながら頑張って断っている。
相手が王子なだけに、周りの人達も助け舟を出せずにいた。
隣にいたレイルが耳をピンと立て、横から「私が変わります」と涙目になっている受付嬢を席から外す。
「どの様なご用件でしょうか?」
「以来完了していないので、本人と連絡を取りたいんだ。だが、ダメだと言われたが何故だ?」
「こちらでは、依頼完了のサイン・印を確認しましたら報酬金を渡しています。その後の変更・苦情は受け付けていません。
それに、本人との連絡は当人同士でお願いしていますので、当方では対応していません。最初の依頼注文の規約に記載されていた筈ですが?まさか、王族ともあろう方が規約を破る。なんて事はしませんよね?」
負けじとレイルもにっこりと切り返すがシュバーツも引き下がらない。
ピリピリした空気に周りは動けずにいた。
痺れを切らした騎士が「ふざけるな!」と口を挟むも、シュバーツに制止され「今日は引き下がりますが、また来ます。良い返事を期待していますよ?」
不気味なほどにっこり笑っているが、腹の中では何を考えているのかよく分かる。
シュバーツ達が出て行くと、レイルは舌打ちをしながら「二度と来るな!」と悪態をついていた。
周りの人達も、嵐が去ったと胸を撫で下ろす。
ギルドを出たシュバーツは、椿がいた場所へと急ぐが既に出発しており、空き地となった場所にたどり着くと呆然と立ち尽くしていた。
「どこに行ってしまったんだーーー」
馬車の窓から見ると、凄いスピードで街が小さくなっていく。
その景色に興奮しながら椿は、はしゃいでいた。
微笑ましくエマが見守っているとは気付いていない程、ずっと窓の外を見ている。
「エマ!凄いよー!街が見えなくなったよーーー」
「ふふ、そうね~~」
「どこに向かってるの?この先は何も見えないけど?」
馬が走っている方向を見ると特に目立つ物が見当たらない。
不思議に思って聞いてみると、エマが首からぶら下げていた石を見せてくれた。
「この石は、道導といってね。どこに行くのか馬に指示をしているのよ?馬にも同じ石を付けているから私が思った場所へ進んでくれるの。1つの石を2つに分けたのを使うから同じ物は無いのよ~」
「へー!便利なのがあるんだね!」
「勉強になったでしょ?今はインディゴスへ向かっているわ。つばきちゃんが喜ぶ所よ~~」
どんな所?と聞いても教えてくれなかった。着いてからのお楽しみってニコニコしてるけど、この顔は何か企んでいる時の顔。
若干の不安を覚えながらも外の景色を眺める事にした。
◇◇◇◇◇◇
椿達が街を出て、しばらく経った頃。
はぁはぁと息を切らした人達が物凄い形相でギルドにやってきた。
「炊事係の依頼完了で、つばきと名乗る女性は来なかったか!?」
「はいーーー!!少々お待ちくださいー」
鬼気迫る騎士に圧倒されながら、受付嬢は「炊事係・・・つばき・・」と呪文の様に何度も口にしながら書類を確認していた。
苛立ちを露わにし、騎士は机を指でトントントンとさせながら急かしている。
「ありました!えっとー、昨晩の内に受理されています。」
「なんだと!?」
「ひぇ~~」
バンっと机を叩きつけながら受付嬢に怒鳴る騎士。
可哀想な受付嬢は、ビクビクしていたら「やめなさい」と騎士を止めるシュバーツ王子がいた。
「王子!申し訳ございません、一歩遅かったようです。」
項垂れる騎士に「もうよい。下がっていなさい」と伝えると、
にっこりスマイルで受付嬢に話しかけた。
「この方の依頼主なんですけど、手違いがあったようで依頼完了していないんですよね。本人と連絡を取りたいんですが?ギルドカードを教えて貰えますか?」
「えっと、既に受理されたものは変更出来ません。ここにサインがありますのでーーー後、ギルドカードは個人情報となりますので、こちらではお教えする事は出来ない決まりになってまして・・・」
「依頼完了してないんです。だから、本人と連絡を取りたいんですが、教えて貰えませんか?」
「申し訳ございません、どちらも対応出来ないっっっ」
「教えて下さい」
にっこり笑っているが、声は威圧しているシュバーツに受付嬢は涙目になりながら頑張って断っている。
相手が王子なだけに、周りの人達も助け舟を出せずにいた。
隣にいたレイルが耳をピンと立て、横から「私が変わります」と涙目になっている受付嬢を席から外す。
「どの様なご用件でしょうか?」
「以来完了していないので、本人と連絡を取りたいんだ。だが、ダメだと言われたが何故だ?」
「こちらでは、依頼完了のサイン・印を確認しましたら報酬金を渡しています。その後の変更・苦情は受け付けていません。
それに、本人との連絡は当人同士でお願いしていますので、当方では対応していません。最初の依頼注文の規約に記載されていた筈ですが?まさか、王族ともあろう方が規約を破る。なんて事はしませんよね?」
負けじとレイルもにっこりと切り返すがシュバーツも引き下がらない。
ピリピリした空気に周りは動けずにいた。
痺れを切らした騎士が「ふざけるな!」と口を挟むも、シュバーツに制止され「今日は引き下がりますが、また来ます。良い返事を期待していますよ?」
不気味なほどにっこり笑っているが、腹の中では何を考えているのかよく分かる。
シュバーツ達が出て行くと、レイルは舌打ちをしながら「二度と来るな!」と悪態をついていた。
周りの人達も、嵐が去ったと胸を撫で下ろす。
ギルドを出たシュバーツは、椿がいた場所へと急ぐが既に出発しており、空き地となった場所にたどり着くと呆然と立ち尽くしていた。
「どこに行ってしまったんだーーー」
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