異世界の花嫁?お断りします。

momo6

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久しぶりの我が家。
やっぱり、ふかふかのベッドが1番。うん、もうすっかり当たり前になったけどーーエマが隣で寝てる。

以前の私だったら、「きゃー」なんて叫んでいたけど今は違う。
寝顔も美人。本当に男の人なんだよね…この唇にキスされたんだっけ。
寝ているエマを起こさないようにソッと唇に触れる。スースー寝息を立てているので、少し触っても起きない。

「・・・柔らかい。」
ボソッと呟くと「う~ん」とエマが起きそうになったので、慌ててベッドから降りて急いで着替える。
冷静になると、自分がした事が恥ずかしくなり顔が赤くなってきた。
「顔でも洗ってこよ…」そう言いながら部屋を出ていく。

残されたエマは、椿が出たのを確認するとパチリと目を開けた。
「あのままチューしても良かったのに、残念」
そう言いながら、ん~と背伸びをしながら起き出す。

何食わぬ顔で部屋を出ると良い匂いが漂ってきた。椿が朝ごはんを作っているようだ。

「おはよ~」
にこやかに話す椿に(可愛いわね)と思いながら、用意された朝食を一緒に食べる。















「うわぁー!凄い凄い!!インドみたい~!」
「ん?いんど?何?」
「んーん、何でもない~昨日は、気づかなかったけど日中は暑いんだね~」
南国かな?と思っていたが、道行く人を見ると頭にターバンを巻いたり、クルトやサリーなど着ていて色鮮やかだった。

「さっ!早く準備しましょ~申請してくるから、場所を決めといて~」そういうエマは広場の受付に向かった。
椿は空いてる所は無いかな~とキョロキョロ見渡すが、どこも人で溢れていた。

「あっ、あそこがいいかな~」
お店が立ち並ぶ中、列のはじが空いておりそこに決めた。
空いてるスペースを意識しながら、アイテムバックから取り出すようにしてタープ(白い屋根)を出した。簡単に組み立てられる。
朝、エマと計画したものだ。
炎天下の中、屋根が無いと危ないって思い エマに伝えたら許可が出た。けれど実物は見せていないから驚く顔が楽しみ。
テーブルと椅子も出して、エマが来るのを待っていたら周りがザワザワと見られている気がした。

「ん?」なんだと思いながらも気にせず座って待っていたら人混みの中からエマが搔き分けるようにやってきた。

「あっ!エマ~ここだよ~」
手を振りながら教えると、はぁ~と溜息をつきながら隣に座った。


「どうかしたの?」
「はぁ~、気付いて無いのね。ちょっと外に出て見なさいよ」
不思議に思いながらタープの外に出ると「暑い!!」そう口に出すのも無理はない。
タープの外は蒸し暑かったのだ。
「あれ?でも、中は暑くなかったけどーー」
そう思い、手を近づけるとヒヤリと冷気を感じた。
「うわ!?」
驚いて手を引っ込めると日に照らされ、手は暑くなる。

恐る恐る手を近づけるとヒヤリと感じた。中で、座りながら品物を出しているエマと目が合うと「わかった?」と目で訴えてた。

中に入り、椅子に座ると「だから、人だかりが出来てたの?」
いまだに入り口では動こうとしない人だかりが出来ていた。品物が無いのに立っているので、なんだ?と周りが気にして集まったようだ。

「まさか、中が涼しくなっているなんて普通は思わないわよ。それにこの形。今まで見たことないゎ、横も後ろも布で隠れているから場所がはっきり分かって良いわね。まっ、私は快適に商売出来るから大助かりだけどね~さぁ、いらっしゃーい!ほらほら、立ってないで品物を買っていってね~」
エマは涼んでいる人達に商品を見せたり、上手に商売をしていて感心する。

「はぁ~凄いな~」そう思い眺めていたら、「つばきちゃんも、売って売って売りまくらないとダメじゃない!」と怒られてしまった。涼みに来た人をターゲットにエマは商品の説明をしたりと張り切っていた。

エマの商品は、魔石と呼ばれる石をアクセサリーに加工して色々な付与魔法を付けた物だった。値段も安いのから高いのがあったが、石の大きさで付与できるのが決まっていると言う。
お客さんに聞かれた物を探すのに、鑑定が助かった。初めて、鑑定が使える事に感謝、感謝。

余ったスペースには、色々な洋服も置いてあり順調に売れている。

物珍しいお店構えの為、その作りに対して人が集まってきたが、負けじとエマの商品も凄い人気で安い物は完売してしまった。
1人ホクホク顔でお金を数えているのを見ると、いつものエマだな~とにやけてしまう。

「お腹空いた??休憩にしようよ~」
「そうね~ある程度、売れたから休憩にしましょうか」
並べていた商品を一度終い、朝食を作った時に作っておいたスープとパンを出して一息つく。

美味しそうに食べるエマを見ると幸せな気分になる。
「ねぇ?エマ、ご飯が終わったら少しお店を見たいな。こんなにたくさんあるから目移りしちゃうね」
「そうね~久しぶりに沢山売れたから、何か好きな物があれば買ってあげるわよ?」
「えっ!?それは悪いよ!エマのお金だよ?簡単に使ったらだめだよ!」
「そんな事を気にしてるの?ふふ。今の私はすこぶる機嫌がいいから、ちょっと高くても大丈夫よ~」
ほら~行くよ!っと強引なエマに苦笑しながらも先程気になっていた、エマの商品が欲しいとお願いした。

「何かあった?どれかしら?」
「えっと、赤い石がついたネックレスなんだけど…」
ん~?と考えながら鞄の中に入れたネックレスを探す。やっと見つけたのか、「あっ!これね~。」と椿に渡した。

「うん!これ!見た時に綺麗だな~って思って。これを貰ってもいいかな?」
「あら~全然いいわよ~むしろ、それはあげるわよ。他に欲しいのがあれば買ってあげるわよ?」と、ふりだしに戻ってしまった。
苦笑しながらも、これだけで大丈夫だよ。と伝えても聞き入れて貰えなかった。

3センチぐらいの赤い石が六角形にカットされており、銀色の装飾が施されたネックレスを首にかけると椿の白い肌に映えて綺麗に光り輝いていた。

(綺麗、大切にしよう)キラキラしている石を持ちながら思うのであった。

【 鑑定 : 守りの魔石。付けている人が危ない事に巻き込まれないように願っている。助けてくれるわけではないが、温かく見守っている。地球の言葉で、神社で買う“お守り”の事である。】
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