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思っていた以上に楽しい。
人混みは凄くて、人の波に流されそうになりながらも負けじと気になるお店を見つけては、手にとって見れるように頑張っていた。
「つばきちゃん、あそこに美味しそうなのを売ってるわよ!」
「えー?どこー?って、あれ?エマは?」
エマの声が聞こえたが近くに見当たらない。はぐれたのかな?そう思いながらキョロキョロしながら声の方に進んでいくと、ふいにガシって腕を掴まれた。
「わっ!だれ?!」
エマかな?と思い、掴まれた腕の先を見ると下品に笑う男がいた。ゾワリと嫌な予感がして「エマ!!っっっ」恐怖が椿を襲い叫びをあげようとした時影の中からウルが飛び出して男に襲いかかる。
「うわっー!!」
「何?!なに!?きゃーーー」
人混みの中、急に現れたウルに驚き人々が逃げ惑う。
〔おのれ、つばき様に危害を加えるとはーー死に値する。〕
グルルと怒りを露わにしたウルが男を押し倒し、今にも嚙み殺そうとしていた。男は恐怖で青ざめ口をパクパクとしている。
呆然としていた、椿は我に帰ると「はっ!ウル!ダメだよ!!殺してはダメ!!私は大丈夫、驚いただけだから」震える足でウルを抱きしめて止める。「大丈夫、人を傷つけるウルなんて見たくないよ」カタカタと手を震わしながら話す椿にウルは、男から離れる。その隙に「ヒィィ~」と逃げていく。
〔怖い思いをさせてしまい、申し訳ありません〕
「んーん、そんな事ないよ。ありがとう、ウル」
ウルの頭をなでなでしていたら、騒ぎを聞きつけたエマがぜぇーぜぇー言いながら人混みの間から出てきた。
「あっ!エマ~…どうかしたの?」
「ごめんなさいね、つばきちゃん。はぐれちゃって、振り向いたら違う人で慌てて探しに戻ったのよ~ウルもありがとうね~何となく状況は、分かったわ」
そう話しながらギュッと椿を抱きしめた。思わず、仰け反ってしまったがガッチリと抱きしめられており抜け出せなかった。
「本当にごめん。」
エマが申し訳なさそうに謝るので、こんな人混みならしょうがないよ。と話したが、しばらく離してくれそうにない。
〔エマ様、先程の者から嫌な予感がします。つばき様とはぐれない方がよろしいかと〕
「そうね、一度お店に戻りましょう。」
〔御意〕
そういうと影の中に戻っていく。ウルとエマのやりとりに椿は抱きしめられている恥ずかしさで気付いていなかった。
「エマ!もう大丈夫だよ!」
「あら?また襲われたら大変でしょ?このまま、お店に戻りましょう」
そういうと、椿の手をしっかりと握りしめながら戻っていく。
(あわわ!恋人繋ぎしてる~恥ずかしい)
ガッチリと指を絡めて繋いでいるのに気付いて、椿は赤面しながら早歩きで歩いていく。
お店に戻ると、まだ人集りが出来ていた。エマの魔石が凄く良いと噂を聞いた人達のようで、「早く売ってくれ」と急かされてしまった。エマは営業スマイルで、素早く商品を出すとニコニコしながら販売している。
椿は先程の事があったから。と休んでいる様にいわれ、奥の椅子に座りながら掴まれた腕をさすっていた。
(怖かった。もし、ウルが助けてくれなかったら…)
今更ながらに、恐怖が椿を襲う。
〔大丈夫ですか?側に出ていましょうか?〕
椿の不安定な気配にウルは。影から話しかけてきた。「大丈夫だよ」と話すが、本当は怖くて震えていた。心配そうにウルが話しかけ、少しは気が紛れる。コップに飲み物を注ぎ、一息ついているとーー
キーーンッ
急に耳鳴りがした。誰かに見られている感じがして、あたりを見渡すが誰もいない。それは、ジットリと品定めでもするかの様に椿の視線に絡みつく、嫌な気分がして椿はゾワリと先程よりも怖い感じになった。
「ウル…やっぱり出てこれる?」不安げにウルに話しかけると、返事がない。
「ウル?ウル?どうかしたの?」
何度も話すが、やはり返答が無く何かあったのかとエマの方を見た。
「エマーーーっ」
椿の声は後ろから現れた黒い手に飲み込まれてしまった。
一瞬の出来事で、椿が消えた事に気付く者はいなかった。
カタンッと飲みかけのコップが地面に落ち中身が無残にも飛び散っていた。
「これも、くれんかの?」
「はいはい。ありがとうね~、ふぅ。つばきちゃん、そろそろお店を片付けましょうか?」
クルッと後ろを見たら誰もいなく、エマは凍りついた。
「つばきちゃん!?」
ガタっと立ち上がり、タープの中を探すが椿の姿は見当たらなかった。
「ウルがついているからと油断したわ、探さなくちゃ」そう言うエマは急いで、商品などを片付けた。
「魔石が欲しいんだがの~」
そう言う、お爺さんに「ごめんなさいね、今日はもう店じまいなの。また来てね~」と愛想笑いをしながら内心焦っていた。
(急にいなくなるわけがないから、誰かに連れ攫われた?でも、誰に?)
そう思い、椿がいた場所を探すと一輪の花が置いてあった。
黒い百合に似た花を手に持ち、「何でこんな花が置いてあるの?」
不思議に思いながらも、椿の手掛かりになればと他に何かあるかと探す。
「つばきちゃんを攫ったやつ、見つけたらタダじゃおかないからね」怒りに満ちたエマは、だだならぬ殺気を振りまいていた。
人混みは凄くて、人の波に流されそうになりながらも負けじと気になるお店を見つけては、手にとって見れるように頑張っていた。
「つばきちゃん、あそこに美味しそうなのを売ってるわよ!」
「えー?どこー?って、あれ?エマは?」
エマの声が聞こえたが近くに見当たらない。はぐれたのかな?そう思いながらキョロキョロしながら声の方に進んでいくと、ふいにガシって腕を掴まれた。
「わっ!だれ?!」
エマかな?と思い、掴まれた腕の先を見ると下品に笑う男がいた。ゾワリと嫌な予感がして「エマ!!っっっ」恐怖が椿を襲い叫びをあげようとした時影の中からウルが飛び出して男に襲いかかる。
「うわっー!!」
「何?!なに!?きゃーーー」
人混みの中、急に現れたウルに驚き人々が逃げ惑う。
〔おのれ、つばき様に危害を加えるとはーー死に値する。〕
グルルと怒りを露わにしたウルが男を押し倒し、今にも嚙み殺そうとしていた。男は恐怖で青ざめ口をパクパクとしている。
呆然としていた、椿は我に帰ると「はっ!ウル!ダメだよ!!殺してはダメ!!私は大丈夫、驚いただけだから」震える足でウルを抱きしめて止める。「大丈夫、人を傷つけるウルなんて見たくないよ」カタカタと手を震わしながら話す椿にウルは、男から離れる。その隙に「ヒィィ~」と逃げていく。
〔怖い思いをさせてしまい、申し訳ありません〕
「んーん、そんな事ないよ。ありがとう、ウル」
ウルの頭をなでなでしていたら、騒ぎを聞きつけたエマがぜぇーぜぇー言いながら人混みの間から出てきた。
「あっ!エマ~…どうかしたの?」
「ごめんなさいね、つばきちゃん。はぐれちゃって、振り向いたら違う人で慌てて探しに戻ったのよ~ウルもありがとうね~何となく状況は、分かったわ」
そう話しながらギュッと椿を抱きしめた。思わず、仰け反ってしまったがガッチリと抱きしめられており抜け出せなかった。
「本当にごめん。」
エマが申し訳なさそうに謝るので、こんな人混みならしょうがないよ。と話したが、しばらく離してくれそうにない。
〔エマ様、先程の者から嫌な予感がします。つばき様とはぐれない方がよろしいかと〕
「そうね、一度お店に戻りましょう。」
〔御意〕
そういうと影の中に戻っていく。ウルとエマのやりとりに椿は抱きしめられている恥ずかしさで気付いていなかった。
「エマ!もう大丈夫だよ!」
「あら?また襲われたら大変でしょ?このまま、お店に戻りましょう」
そういうと、椿の手をしっかりと握りしめながら戻っていく。
(あわわ!恋人繋ぎしてる~恥ずかしい)
ガッチリと指を絡めて繋いでいるのに気付いて、椿は赤面しながら早歩きで歩いていく。
お店に戻ると、まだ人集りが出来ていた。エマの魔石が凄く良いと噂を聞いた人達のようで、「早く売ってくれ」と急かされてしまった。エマは営業スマイルで、素早く商品を出すとニコニコしながら販売している。
椿は先程の事があったから。と休んでいる様にいわれ、奥の椅子に座りながら掴まれた腕をさすっていた。
(怖かった。もし、ウルが助けてくれなかったら…)
今更ながらに、恐怖が椿を襲う。
〔大丈夫ですか?側に出ていましょうか?〕
椿の不安定な気配にウルは。影から話しかけてきた。「大丈夫だよ」と話すが、本当は怖くて震えていた。心配そうにウルが話しかけ、少しは気が紛れる。コップに飲み物を注ぎ、一息ついているとーー
キーーンッ
急に耳鳴りがした。誰かに見られている感じがして、あたりを見渡すが誰もいない。それは、ジットリと品定めでもするかの様に椿の視線に絡みつく、嫌な気分がして椿はゾワリと先程よりも怖い感じになった。
「ウル…やっぱり出てこれる?」不安げにウルに話しかけると、返事がない。
「ウル?ウル?どうかしたの?」
何度も話すが、やはり返答が無く何かあったのかとエマの方を見た。
「エマーーーっ」
椿の声は後ろから現れた黒い手に飲み込まれてしまった。
一瞬の出来事で、椿が消えた事に気付く者はいなかった。
カタンッと飲みかけのコップが地面に落ち中身が無残にも飛び散っていた。
「これも、くれんかの?」
「はいはい。ありがとうね~、ふぅ。つばきちゃん、そろそろお店を片付けましょうか?」
クルッと後ろを見たら誰もいなく、エマは凍りついた。
「つばきちゃん!?」
ガタっと立ち上がり、タープの中を探すが椿の姿は見当たらなかった。
「ウルがついているからと油断したわ、探さなくちゃ」そう言うエマは急いで、商品などを片付けた。
「魔石が欲しいんだがの~」
そう言う、お爺さんに「ごめんなさいね、今日はもう店じまいなの。また来てね~」と愛想笑いをしながら内心焦っていた。
(急にいなくなるわけがないから、誰かに連れ攫われた?でも、誰に?)
そう思い、椿がいた場所を探すと一輪の花が置いてあった。
黒い百合に似た花を手に持ち、「何でこんな花が置いてあるの?」
不思議に思いながらも、椿の手掛かりになればと他に何かあるかと探す。
「つばきちゃんを攫ったやつ、見つけたらタダじゃおかないからね」怒りに満ちたエマは、だだならぬ殺気を振りまいていた。
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