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散歩に誘ったザイルだったが、一向に話をせず・黙って歩く椿が心配になる。
逢いたい気持ちを抑えきれず、異世界から無理やり連れて来て“花嫁”として迎え入れたのを怒っているのか?そう感じてしまう。
「つばきは、どんな生活をしていたんだい?」
少しでも椿の事を知ろうとザイルは優しく話す。
急に質問され、「生活?」と聞き返してしまった。
「異世界の話が聞きたいな、こことは違うのかい?」
場を和ます様にゆったり話すザイルの優しさが伝わってくる。椿はこのまま、何もしないで前に進まないのはダメだと思い。自分の生まれた町・食べ物や仕事の事…他愛もない話だったがザイルは1つひとつ耳を傾けて聞いてくれた。
「私が住んでいた所は、建物が建ち並んでいたからこっちにきて、こんなに自然が多いのにビックリしたんだよ!それに、魔法!!私、初めてで驚いたのなんのってーーー」
話している内に普通に打ち解けている自分に驚いた。
ザイルが愛おしそうに見つめながら聞いているのに気付くと恥ずかしくなる。
「私の事ばかり話してましたね。ザイルさんの事も話して下さい。」
いつの間にか自分の事しか話していなかったので、話を振ると手を握られた。
「僕の話はつまらないさ。つばきの話はとても興味があるから楽しいよ、もっときかせて?」
イケメンにおねだりされると恥ずかしい。あまり気にしていなかったがザイルは、整った顔をしていてカッコいいかも…
しかも、手を繋がれているんですけど!とても恥ずかしい!
「えっと…手を離して貰えませんか?」
「ダメ。僕が繋ぎたいんだ、それに敬語で話さないで。さっきみたいに普通に話してくれる?」
「!!!」
なんだ!このイケメン!急に甘えてくるとか不意打ちすぎる!
色々なイケメンを見て慣れた椿だったが、その頂点に君臨するぐらい椿のタイプだった。
「ヤバイな…」
ボソっと呟く椿は、モヤモヤしていたが改めてザイルを見ると気持ちが揺らいでしまったのだ。
「ん?どうかしたのかい?」
「ーー何でもないです。」
(なんでもない、そうよ!何でもないのよ!!私にはエマがいるんだから!ーーーはっ!?エマ、ウル…)
「あの、私のウル…獣魔がいなくなったんです!探しに行かないと!!」
椿はウルの事を思い出し、ザイルに話し探しに行こうと駆け出した。が、ザイルが手を離さないで引き止めた。
「獣魔は、ここにいる。はい、この蓋を開けたら出てこれるよ」
ザイルから渡された小瓶を見て驚いた。
「こんな所に閉じ込められて…ごめん。今、助けてあげるからね」
ポンっと蓋を開けると中からグルルと唸りながらウルが飛び出てきた。その姿は、怒りに満ちており今にもザイルに飛び掛かりそうだった。
「ごめんなさい。すぐに助けてあげられなくてーー」
ウルを抱きしめ謝る椿は、ふわふわの毛に顔を埋める。
〔つばき様が謝る事はありません。私がお守り出来ずに申し訳ありませんでした〕
申し訳ないと言いながらも側にいるザイルに敵意を示していた。
「立派な獣魔だ。フェンリル が守ってくれていたんだね。」
ザイルはグルルと敵意を露わにするウルに近づき頭を下げた。
「つばきを守っていてくれてありがとう。これからもつばきの側にいて欲しい。」
何を言われるのか身構えたウルと椿だったが、ザイルの真っ直ぐな言葉に警戒を解いてしまう。
ウルがいたら、すぐにでもここから逃げ出せるのにーーそう思って口に出してしまった。
「ーーウルがいたら、いつでも逃げられるけど…それでもいいの?」
試す様な事を言ってしまったと後悔する。
「逃げても、僕は君を見つける。何度だって探してみせる。
僕の花嫁はつばき、君しか考えられない。
他の女なんて愛せるわけがない。
愛しているのはつばきだけだ。」
熱い眼差しで話すザイルの目には椿しか映っていなかった。
逢いたい気持ちを抑えきれず、異世界から無理やり連れて来て“花嫁”として迎え入れたのを怒っているのか?そう感じてしまう。
「つばきは、どんな生活をしていたんだい?」
少しでも椿の事を知ろうとザイルは優しく話す。
急に質問され、「生活?」と聞き返してしまった。
「異世界の話が聞きたいな、こことは違うのかい?」
場を和ます様にゆったり話すザイルの優しさが伝わってくる。椿はこのまま、何もしないで前に進まないのはダメだと思い。自分の生まれた町・食べ物や仕事の事…他愛もない話だったがザイルは1つひとつ耳を傾けて聞いてくれた。
「私が住んでいた所は、建物が建ち並んでいたからこっちにきて、こんなに自然が多いのにビックリしたんだよ!それに、魔法!!私、初めてで驚いたのなんのってーーー」
話している内に普通に打ち解けている自分に驚いた。
ザイルが愛おしそうに見つめながら聞いているのに気付くと恥ずかしくなる。
「私の事ばかり話してましたね。ザイルさんの事も話して下さい。」
いつの間にか自分の事しか話していなかったので、話を振ると手を握られた。
「僕の話はつまらないさ。つばきの話はとても興味があるから楽しいよ、もっときかせて?」
イケメンにおねだりされると恥ずかしい。あまり気にしていなかったがザイルは、整った顔をしていてカッコいいかも…
しかも、手を繋がれているんですけど!とても恥ずかしい!
「えっと…手を離して貰えませんか?」
「ダメ。僕が繋ぎたいんだ、それに敬語で話さないで。さっきみたいに普通に話してくれる?」
「!!!」
なんだ!このイケメン!急に甘えてくるとか不意打ちすぎる!
色々なイケメンを見て慣れた椿だったが、その頂点に君臨するぐらい椿のタイプだった。
「ヤバイな…」
ボソっと呟く椿は、モヤモヤしていたが改めてザイルを見ると気持ちが揺らいでしまったのだ。
「ん?どうかしたのかい?」
「ーー何でもないです。」
(なんでもない、そうよ!何でもないのよ!!私にはエマがいるんだから!ーーーはっ!?エマ、ウル…)
「あの、私のウル…獣魔がいなくなったんです!探しに行かないと!!」
椿はウルの事を思い出し、ザイルに話し探しに行こうと駆け出した。が、ザイルが手を離さないで引き止めた。
「獣魔は、ここにいる。はい、この蓋を開けたら出てこれるよ」
ザイルから渡された小瓶を見て驚いた。
「こんな所に閉じ込められて…ごめん。今、助けてあげるからね」
ポンっと蓋を開けると中からグルルと唸りながらウルが飛び出てきた。その姿は、怒りに満ちており今にもザイルに飛び掛かりそうだった。
「ごめんなさい。すぐに助けてあげられなくてーー」
ウルを抱きしめ謝る椿は、ふわふわの毛に顔を埋める。
〔つばき様が謝る事はありません。私がお守り出来ずに申し訳ありませんでした〕
申し訳ないと言いながらも側にいるザイルに敵意を示していた。
「立派な獣魔だ。フェンリル が守ってくれていたんだね。」
ザイルはグルルと敵意を露わにするウルに近づき頭を下げた。
「つばきを守っていてくれてありがとう。これからもつばきの側にいて欲しい。」
何を言われるのか身構えたウルと椿だったが、ザイルの真っ直ぐな言葉に警戒を解いてしまう。
ウルがいたら、すぐにでもここから逃げ出せるのにーーそう思って口に出してしまった。
「ーーウルがいたら、いつでも逃げられるけど…それでもいいの?」
試す様な事を言ってしまったと後悔する。
「逃げても、僕は君を見つける。何度だって探してみせる。
僕の花嫁はつばき、君しか考えられない。
他の女なんて愛せるわけがない。
愛しているのはつばきだけだ。」
熱い眼差しで話すザイルの目には椿しか映っていなかった。
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