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1 誕生日
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チロリーン
携帯のアラームが鳴り響く中、欠伸をしながら携帯を取りアラームを消すとメールが来ている事に気づく。
[ちず!お誕生日おめでとう!!今日は、ミロクに18時集合ね!!]
可愛い絵文字にスタンプでお祝いのメッセージだった。千鶴って名前は言いづらいからと、ちずってあだ名を付けられたのだ。
「そっか、今日誕生日だっけ~もう20かぁ…」
呟きながら机を見ると、両親の写真が飾ってあり2人の笑顔に癒される。
ん~~と背伸びをしながら、着替えて準備をする。
親友の美来(みく)からお泊りにおいでと誘われたのだ。ミロクは、美来の家の近くにある居酒屋さん。1つ年上の美来は20歳になる私の為に居酒屋を予約してくれて、そのまま泊って行きなよって誘われたから二つ返事したんだけどーーまさか、それが私の人生を大きく変えるなんて思いもよらなかった。
◇
仕事を早めに切り上げて、お泊りセットをいれた鞄を持つ。といっても、着替えと歯ブラシに化粧セットだけ。小さめのボストンバッグに入れたので、持ち運びは楽。
初めて飲むお酒にドキドキしながら、美来の待つ居酒屋へと向かう。
チロリーン。携帯が鳴り、見てみると美来からで「着いているよ。」って連絡だった。早足になりながら、携帯ナビを見て進むと“ミロク”と看板が見えた。
「あった!ここだ~雰囲気が素敵。あっ!美来~~!」
入り口で携帯を見ながら立っている美来に声をかける。
相変わらずのプロポーションの良さに嫉妬してしまう。
175センチで、モデル体型の美来はベリーショートがとても似合っている。小顔にぱっちり二重の目はつけまつ毛をしなくてもいいぐらいまつ毛がフサフサ。
「相変わらず綺麗だね!おまたせ、今日はありがとう!」
「いーのよ。さっ、中に入りましょ」
クールに返す美来に「ふふ」と笑みがこぼれる。
中に入ると、レトロな雰囲気が目に飛び込んできた。外観も古びた感じだったけど、中々素敵だ。
案内された個室には、ワインレッドのソファーがあり、重厚感のあるテーブルだった。ぱっと見、恋人と来る部屋だと思ってしまった。恋人なんていないけどね。
「オススメはこれ!絶対飲みやすいから!」
そういうと、美来は“ミロクッす”と書かれたメニューを指差す。
お酒が分からないから、全部任せる事にした。
「こちら、ミロクッす2つになります。」
店員さんが持ってきた飲み物をみると、グラスの底が青く上にいくにつれ透明になっている。カットしたフルーツも入っていて綺麗だ。
「綺麗…」
「ちずは、お酒が初めてだからね。まずは、カクテルが飲みやすいと思うんだ。これは、甘いから甘党のちずにはピッタリよ。」
ニッコリ笑いながら説明してくれる美来に「男だったら絶対好きになるレベル!」と言ってしまった。それだけ、美来が千鶴の好みを把握しており料理も頼んでくれているのだ。
満面の笑みで「かんぱーい!!!」と一口飲むと、青いから何かと思ったらかき氷のブルーハワイに似た味で飲みやすかった。
炭酸が効いていて、本当にお酒!?と疑問に思ったが、お酒にきまってるでしょ?とクールに言われてしまった。
どうやら、顔に出ていたようだ。
料理も運ばれてきて、見た目も味も美味しくついつい食べ過ぎてしまう。
会話も弾み、気付けば時計は12時を回っていた。
「そろそろ帰りましょうか?」
「え~~まだ飲む~~」
「ちずは、お酒が弱かったのね。ほら、もう帰るよ。」
「うー」
ビールは苦くて飲めなかったけど、カクテルは美味しかったので何杯も飲んでしまった。
ほろ酔い気味になった千鶴を美来は、たしなめながらお店を出る。少し歩いた場所にマンションがあるので、千鶴の手を繋ぎながら美来が先導する形で歩いて行く。
「あれ?あんな所に…」
「えっ?何か言った?」
千鶴が何か言ったので振り向くと。
誰もいなかった。
「・・・え」
手を繋いでいた千鶴がいない。
頭が真っ白になり、思考が追いつかない。
「ちず・・・ちず!ちずる!??」
慌てて、ミロクに戻るがのれんを片付けている店員を捕まえて「ちず!あのっっさっき一緒に出た子!戻ってますか!?」
「はっ?えっ?誰もきてないけど…」
「うそ、うそうそうそ!!どこにいったの!?ちずーーーー!!!」
美来はその場で叫ぶが真っ暗な道には誰も返事をする者はいなかった。
もしかして、家にいった?
1人パニックになりながらも、頭をフル回転させながら、駆け足で急いで家に向かう。家の場所は教えてあるから、もしかしたら先にいった?そんなはずないけど。と頭の中でグルグル考えながら走る。
マンションにつくと、入り口の明かりだけが暗闇を照らしており、人影は見当たらない。
「どこにいったの!?ちず!はっ!!携帯!!」
鞄から携帯を取り出し、履歴でちずを探すが見当たらない。
「はぁ!?何で履歴がないのよ!あの子とはさっき話したばかりーーーあの子?えっと、あの子って誰?ーーあれ?何で私ここで携帯見てるの??部屋に戻らないと。」
美来は、携帯をしまい落ち着いた様子で部屋に戻る。
先程まで取り乱していたのが嘘の様だ。
ガチャリとドアを開けると、用意された2つのスリッパに違和感を感じた。
「何で客用のスリッパが出てるの?」
不思議に思いながらも、スリッパをしまい。リビングに向かう。
テーブルには、おつまみの用意がしてありソファーの横にはお布団が用意されていた。
「えっ?今日は誰も来る予定が無いけど…彼もしばらく出張って行ってたからーーー勘違いしたかしら。」
美来は、彼氏が来ると勘違いして用意したと思い。布団を片付ける。
この瞬間。
千鶴は、美来の中から消えてしまった。
携帯のアラームが鳴り響く中、欠伸をしながら携帯を取りアラームを消すとメールが来ている事に気づく。
[ちず!お誕生日おめでとう!!今日は、ミロクに18時集合ね!!]
可愛い絵文字にスタンプでお祝いのメッセージだった。千鶴って名前は言いづらいからと、ちずってあだ名を付けられたのだ。
「そっか、今日誕生日だっけ~もう20かぁ…」
呟きながら机を見ると、両親の写真が飾ってあり2人の笑顔に癒される。
ん~~と背伸びをしながら、着替えて準備をする。
親友の美来(みく)からお泊りにおいでと誘われたのだ。ミロクは、美来の家の近くにある居酒屋さん。1つ年上の美来は20歳になる私の為に居酒屋を予約してくれて、そのまま泊って行きなよって誘われたから二つ返事したんだけどーーまさか、それが私の人生を大きく変えるなんて思いもよらなかった。
◇
仕事を早めに切り上げて、お泊りセットをいれた鞄を持つ。といっても、着替えと歯ブラシに化粧セットだけ。小さめのボストンバッグに入れたので、持ち運びは楽。
初めて飲むお酒にドキドキしながら、美来の待つ居酒屋へと向かう。
チロリーン。携帯が鳴り、見てみると美来からで「着いているよ。」って連絡だった。早足になりながら、携帯ナビを見て進むと“ミロク”と看板が見えた。
「あった!ここだ~雰囲気が素敵。あっ!美来~~!」
入り口で携帯を見ながら立っている美来に声をかける。
相変わらずのプロポーションの良さに嫉妬してしまう。
175センチで、モデル体型の美来はベリーショートがとても似合っている。小顔にぱっちり二重の目はつけまつ毛をしなくてもいいぐらいまつ毛がフサフサ。
「相変わらず綺麗だね!おまたせ、今日はありがとう!」
「いーのよ。さっ、中に入りましょ」
クールに返す美来に「ふふ」と笑みがこぼれる。
中に入ると、レトロな雰囲気が目に飛び込んできた。外観も古びた感じだったけど、中々素敵だ。
案内された個室には、ワインレッドのソファーがあり、重厚感のあるテーブルだった。ぱっと見、恋人と来る部屋だと思ってしまった。恋人なんていないけどね。
「オススメはこれ!絶対飲みやすいから!」
そういうと、美来は“ミロクッす”と書かれたメニューを指差す。
お酒が分からないから、全部任せる事にした。
「こちら、ミロクッす2つになります。」
店員さんが持ってきた飲み物をみると、グラスの底が青く上にいくにつれ透明になっている。カットしたフルーツも入っていて綺麗だ。
「綺麗…」
「ちずは、お酒が初めてだからね。まずは、カクテルが飲みやすいと思うんだ。これは、甘いから甘党のちずにはピッタリよ。」
ニッコリ笑いながら説明してくれる美来に「男だったら絶対好きになるレベル!」と言ってしまった。それだけ、美来が千鶴の好みを把握しており料理も頼んでくれているのだ。
満面の笑みで「かんぱーい!!!」と一口飲むと、青いから何かと思ったらかき氷のブルーハワイに似た味で飲みやすかった。
炭酸が効いていて、本当にお酒!?と疑問に思ったが、お酒にきまってるでしょ?とクールに言われてしまった。
どうやら、顔に出ていたようだ。
料理も運ばれてきて、見た目も味も美味しくついつい食べ過ぎてしまう。
会話も弾み、気付けば時計は12時を回っていた。
「そろそろ帰りましょうか?」
「え~~まだ飲む~~」
「ちずは、お酒が弱かったのね。ほら、もう帰るよ。」
「うー」
ビールは苦くて飲めなかったけど、カクテルは美味しかったので何杯も飲んでしまった。
ほろ酔い気味になった千鶴を美来は、たしなめながらお店を出る。少し歩いた場所にマンションがあるので、千鶴の手を繋ぎながら美来が先導する形で歩いて行く。
「あれ?あんな所に…」
「えっ?何か言った?」
千鶴が何か言ったので振り向くと。
誰もいなかった。
「・・・え」
手を繋いでいた千鶴がいない。
頭が真っ白になり、思考が追いつかない。
「ちず・・・ちず!ちずる!??」
慌てて、ミロクに戻るがのれんを片付けている店員を捕まえて「ちず!あのっっさっき一緒に出た子!戻ってますか!?」
「はっ?えっ?誰もきてないけど…」
「うそ、うそうそうそ!!どこにいったの!?ちずーーーー!!!」
美来はその場で叫ぶが真っ暗な道には誰も返事をする者はいなかった。
もしかして、家にいった?
1人パニックになりながらも、頭をフル回転させながら、駆け足で急いで家に向かう。家の場所は教えてあるから、もしかしたら先にいった?そんなはずないけど。と頭の中でグルグル考えながら走る。
マンションにつくと、入り口の明かりだけが暗闇を照らしており、人影は見当たらない。
「どこにいったの!?ちず!はっ!!携帯!!」
鞄から携帯を取り出し、履歴でちずを探すが見当たらない。
「はぁ!?何で履歴がないのよ!あの子とはさっき話したばかりーーーあの子?えっと、あの子って誰?ーーあれ?何で私ここで携帯見てるの??部屋に戻らないと。」
美来は、携帯をしまい落ち着いた様子で部屋に戻る。
先程まで取り乱していたのが嘘の様だ。
ガチャリとドアを開けると、用意された2つのスリッパに違和感を感じた。
「何で客用のスリッパが出てるの?」
不思議に思いながらも、スリッパをしまい。リビングに向かう。
テーブルには、おつまみの用意がしてありソファーの横にはお布団が用意されていた。
「えっ?今日は誰も来る予定が無いけど…彼もしばらく出張って行ってたからーーー勘違いしたかしら。」
美来は、彼氏が来ると勘違いして用意したと思い。布団を片付ける。
この瞬間。
千鶴は、美来の中から消えてしまった。
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