愛し子は鈍感で、愛に気付きません。

momo6

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2 出会い

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「ねぇ、あれってウサギだよね?」
道の端に白い兎を見つけて 美来に教えようと前を見たら、美来がいなくなっていた。
「あれ?美来~~?」
辺りをキョロキョロするが人影が無く、千鶴は嫌な予感がした。
「えっと、美来と手を繋いでたんだよね?って言うよりこんな道だった?あれ?!お店が無くなってる??」
後ろを見ると、今出てきたばかりのミロクが無くなっていた。
アスファルトの道ではなく、舗装されていない土の道に立っていた。
状況が飲み込めず、ふらつく体を支えながら考える。
(夢でも見てるのかな?お酒のせいかな。思考がまとまらない。)

千鶴は、そう思いながら立ちすくんでいた。
ガサガサッと近くの木々が音を立てて何かが向かってくる気配がした。ピクリと肩を震わせ、身動きが取れないでいると人が飛び出てきた。

「うわ!!!」
「きゃっ!」
お互いに人がいるとは思いもしなかったのか、驚きの声をあげた。
千鶴は、目を見開きその人を見つめる。相手も千鶴を見つめていた。2人は、似ていたのだ。
髪色が違うだけで、容姿は双子みたいだ。銀髪に青い目の女性をまぢまぢと見てしまう。

先に声をかけたのは、女性だった。
「あなたは?」
その声も自分と同じで、千鶴は驚いた。
「私は、千鶴。えっとーーここは?」
相手も同じように驚いている。すると、遠くの方で人々の荒々しい話し声が聞こえてきた。

「こっちよ!早く!!」
女性に言われるがまま、手を引かれて進んで行くと洞窟があった。
「早く!この中に!」
まるで、何かから逃げるように慌てている女性は千鶴の手を引っ張り洞窟に入る。
奥に進むと、ひらけた場所に出て水があり地底湖の様だと思った。その場所は、うっすらと苔が光っており心が落ち着く。

「あの!ここは!?っっ」
千鶴が女性に聞くと、先程は暗闇で気付かなかったが腹部から大量の出血をしているのか、元は水色だったドレスは血に染まり赤黒くなっていた。
「その血はーー怪我してるの!?早く病院に!!」
立ち上がろうとした千鶴を女性はガシッと引き止めた。

「しっ!!静かに!!この傷は、治らない。あなたにお願いがっっつー」
「あっ急に動いたらダメだよ!」
「もう、これは運命なのよ。お願い!私の代わりに生きて!!」
「えーー何言って、」
「私は、エレン・カーター・ブルックス。伯爵令嬢だった、けど私以外みんな殺されて…私も長くない。私が死んだら、この国は終わってしまうーーだから!私の代わりに生きていて欲しい!」

急に何を言われたのか分からず、戸惑っていると「時間が無い、手を出して」エレンは千鶴の手を取り祈り始めた。

「我の願いを聞き入れよ。我が名はエレン・カーター・ブルックス。我が身・力・能力の全てをこの者に与えよ。我が命と引き換えに、光の導きがあらんことをーーー」
そう祈ると、エレンの体は光に包まれて千鶴の体にまとわり付き、体の中に消えていった。

「えっえっ?」
光が無くなったエレンはその場で倒れた。
「ちずる、貴女に出会えてーーよかっーーた・・・ごめ・・ん・・・」
そう話すとエレンは息を引き取った。そして、体は光の粒となり消えてしまった。

あっという間の出来事で、千鶴は放心状態になりしばらく動けずにいた。




ピチャーン
水滴が落ちる音で我にかえるが先程と変わらない地底湖だ。
エレンと会ったばかりだが、自然と涙が出てくる。
彼女は、何から逃げていたのか?生きてって意味が分からない。何がごめんなの?
もっと話したかったのに、彼女はもういない。
私のいた世界では無い事だけは、理解した。
これからどうすればいいのか。


「エレンが、私に何かしたのが分かればいいんだけどーー能力?とか言ってたような、」
ピコーン

「わっ!?急に目の前に画面が出た!!!ーーーエッ、何これ」
千鶴の目の前には、ステータスが現れたのだ。
その内容を見て驚愕した。



【名前: チズル・カーター・ブルック(光一族の生き残り)
職業: 聖女
ランク: ∞(異世界人にこの世界の常識は通用しない)
能力 : 全ての魔法が使える】

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