2 / 31
2 出会い
しおりを挟む
「ねぇ、あれってウサギだよね?」
道の端に白い兎を見つけて 美来に教えようと前を見たら、美来がいなくなっていた。
「あれ?美来~~?」
辺りをキョロキョロするが人影が無く、千鶴は嫌な予感がした。
「えっと、美来と手を繋いでたんだよね?って言うよりこんな道だった?あれ?!お店が無くなってる??」
後ろを見ると、今出てきたばかりのミロクが無くなっていた。
アスファルトの道ではなく、舗装されていない土の道に立っていた。
状況が飲み込めず、ふらつく体を支えながら考える。
(夢でも見てるのかな?お酒のせいかな。思考がまとまらない。)
千鶴は、そう思いながら立ちすくんでいた。
ガサガサッと近くの木々が音を立てて何かが向かってくる気配がした。ピクリと肩を震わせ、身動きが取れないでいると人が飛び出てきた。
「うわ!!!」
「きゃっ!」
お互いに人がいるとは思いもしなかったのか、驚きの声をあげた。
千鶴は、目を見開きその人を見つめる。相手も千鶴を見つめていた。2人は、似ていたのだ。
髪色が違うだけで、容姿は双子みたいだ。銀髪に青い目の女性をまぢまぢと見てしまう。
先に声をかけたのは、女性だった。
「あなたは?」
その声も自分と同じで、千鶴は驚いた。
「私は、千鶴。えっとーーここは?」
相手も同じように驚いている。すると、遠くの方で人々の荒々しい話し声が聞こえてきた。
「こっちよ!早く!!」
女性に言われるがまま、手を引かれて進んで行くと洞窟があった。
「早く!この中に!」
まるで、何かから逃げるように慌てている女性は千鶴の手を引っ張り洞窟に入る。
奥に進むと、ひらけた場所に出て水があり地底湖の様だと思った。その場所は、うっすらと苔が光っており心が落ち着く。
「あの!ここは!?っっ」
千鶴が女性に聞くと、先程は暗闇で気付かなかったが腹部から大量の出血をしているのか、元は水色だったドレスは血に染まり赤黒くなっていた。
「その血はーー怪我してるの!?早く病院に!!」
立ち上がろうとした千鶴を女性はガシッと引き止めた。
「しっ!!静かに!!この傷は、治らない。あなたにお願いがっっつー」
「あっ急に動いたらダメだよ!」
「もう、これは運命なのよ。お願い!私の代わりに生きて!!」
「えーー何言って、」
「私は、エレン・カーター・ブルックス。伯爵令嬢だった、けど私以外みんな殺されて…私も長くない。私が死んだら、この国は終わってしまうーーだから!私の代わりに生きていて欲しい!」
急に何を言われたのか分からず、戸惑っていると「時間が無い、手を出して」エレンは千鶴の手を取り祈り始めた。
「我の願いを聞き入れよ。我が名はエレン・カーター・ブルックス。我が身・力・能力の全てをこの者に与えよ。我が命と引き換えに、光の導きがあらんことをーーー」
そう祈ると、エレンの体は光に包まれて千鶴の体にまとわり付き、体の中に消えていった。
「えっえっ?」
光が無くなったエレンはその場で倒れた。
「ちずる、貴女に出会えてーーよかっーーた・・・ごめ・・ん・・・」
そう話すとエレンは息を引き取った。そして、体は光の粒となり消えてしまった。
あっという間の出来事で、千鶴は放心状態になりしばらく動けずにいた。
◇
ピチャーン
水滴が落ちる音で我にかえるが先程と変わらない地底湖だ。
エレンと会ったばかりだが、自然と涙が出てくる。
彼女は、何から逃げていたのか?生きてって意味が分からない。何がごめんなの?
もっと話したかったのに、彼女はもういない。
私のいた世界では無い事だけは、理解した。
これからどうすればいいのか。
「エレンが、私に何かしたのが分かればいいんだけどーー能力?とか言ってたような、」
ピコーン
「わっ!?急に目の前に画面が出た!!!ーーーエッ、何これ」
千鶴の目の前には、ステータスが現れたのだ。
その内容を見て驚愕した。
【名前: チズル・カーター・ブルック(光一族の生き残り)
職業: 聖女
ランク: ∞(異世界人にこの世界の常識は通用しない)
能力 : 全ての魔法が使える】
道の端に白い兎を見つけて 美来に教えようと前を見たら、美来がいなくなっていた。
「あれ?美来~~?」
辺りをキョロキョロするが人影が無く、千鶴は嫌な予感がした。
「えっと、美来と手を繋いでたんだよね?って言うよりこんな道だった?あれ?!お店が無くなってる??」
後ろを見ると、今出てきたばかりのミロクが無くなっていた。
アスファルトの道ではなく、舗装されていない土の道に立っていた。
状況が飲み込めず、ふらつく体を支えながら考える。
(夢でも見てるのかな?お酒のせいかな。思考がまとまらない。)
千鶴は、そう思いながら立ちすくんでいた。
ガサガサッと近くの木々が音を立てて何かが向かってくる気配がした。ピクリと肩を震わせ、身動きが取れないでいると人が飛び出てきた。
「うわ!!!」
「きゃっ!」
お互いに人がいるとは思いもしなかったのか、驚きの声をあげた。
千鶴は、目を見開きその人を見つめる。相手も千鶴を見つめていた。2人は、似ていたのだ。
髪色が違うだけで、容姿は双子みたいだ。銀髪に青い目の女性をまぢまぢと見てしまう。
先に声をかけたのは、女性だった。
「あなたは?」
その声も自分と同じで、千鶴は驚いた。
「私は、千鶴。えっとーーここは?」
相手も同じように驚いている。すると、遠くの方で人々の荒々しい話し声が聞こえてきた。
「こっちよ!早く!!」
女性に言われるがまま、手を引かれて進んで行くと洞窟があった。
「早く!この中に!」
まるで、何かから逃げるように慌てている女性は千鶴の手を引っ張り洞窟に入る。
奥に進むと、ひらけた場所に出て水があり地底湖の様だと思った。その場所は、うっすらと苔が光っており心が落ち着く。
「あの!ここは!?っっ」
千鶴が女性に聞くと、先程は暗闇で気付かなかったが腹部から大量の出血をしているのか、元は水色だったドレスは血に染まり赤黒くなっていた。
「その血はーー怪我してるの!?早く病院に!!」
立ち上がろうとした千鶴を女性はガシッと引き止めた。
「しっ!!静かに!!この傷は、治らない。あなたにお願いがっっつー」
「あっ急に動いたらダメだよ!」
「もう、これは運命なのよ。お願い!私の代わりに生きて!!」
「えーー何言って、」
「私は、エレン・カーター・ブルックス。伯爵令嬢だった、けど私以外みんな殺されて…私も長くない。私が死んだら、この国は終わってしまうーーだから!私の代わりに生きていて欲しい!」
急に何を言われたのか分からず、戸惑っていると「時間が無い、手を出して」エレンは千鶴の手を取り祈り始めた。
「我の願いを聞き入れよ。我が名はエレン・カーター・ブルックス。我が身・力・能力の全てをこの者に与えよ。我が命と引き換えに、光の導きがあらんことをーーー」
そう祈ると、エレンの体は光に包まれて千鶴の体にまとわり付き、体の中に消えていった。
「えっえっ?」
光が無くなったエレンはその場で倒れた。
「ちずる、貴女に出会えてーーよかっーーた・・・ごめ・・ん・・・」
そう話すとエレンは息を引き取った。そして、体は光の粒となり消えてしまった。
あっという間の出来事で、千鶴は放心状態になりしばらく動けずにいた。
◇
ピチャーン
水滴が落ちる音で我にかえるが先程と変わらない地底湖だ。
エレンと会ったばかりだが、自然と涙が出てくる。
彼女は、何から逃げていたのか?生きてって意味が分からない。何がごめんなの?
もっと話したかったのに、彼女はもういない。
私のいた世界では無い事だけは、理解した。
これからどうすればいいのか。
「エレンが、私に何かしたのが分かればいいんだけどーー能力?とか言ってたような、」
ピコーン
「わっ!?急に目の前に画面が出た!!!ーーーエッ、何これ」
千鶴の目の前には、ステータスが現れたのだ。
その内容を見て驚愕した。
【名前: チズル・カーター・ブルック(光一族の生き残り)
職業: 聖女
ランク: ∞(異世界人にこの世界の常識は通用しない)
能力 : 全ての魔法が使える】
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる