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22 滞在
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「おはようございます。お目覚めですか?」
ベルルに起こされ目を覚ます。ふかふかのベットで熟睡してしまったようだ。
隣にはピンク頭の妖精メルがクークーと寝息を立ててまだ寝ている。
「おはようございます」
欠伸をしながらベットから降りると、何故か煌びやかなドレスが目に入った。
「・・・えっとーーこれは?」
「チズル様のお召し物でございます。」
「へっ?いやいやいや!着れないよ!?」
「チズル様は、淡い色合いがよろしいかと。」
「いや!だから、着ないから!自分の服がありますから!」
「?陛下より頂いたドレスは気に入りませんか?」
明らかにシュンってするベルルには悪いけど。尚更受け取れない。
バーの手紙を持ってきただけの私にここまで尽くす意味が分からない。このままいたら危険だと頭の中で警報がなっている。
「お気持ちだけで充分です。こちらはお返しください。私には勿体無いです。」
ハッキリ断るも納得していない感じのベルル。
「第一、私は手紙を渡したらすぐ引き上げるつもりだったので、ここまで良くしていただき。それだけでも充分感謝しています。住む場所も自分で探しますので、私は帰らせていただきますね。陛下にもお伝え下さい。」
ペコリと挨拶をして、荷物を片付け始める。
「おっお待ちください!!チズル様は奥の院に住む事を許可されたんですよ!?お分かりですか?」
焦るベルルは食い気味に言い、千鶴の手を止めようと必死だ。
「?ただの部屋でしょ?」
この国に来たばかりで、奥の院が何なのか分からない千鶴は怪訝な顔をする。
「違います。奥の院。すなわち、陛下の気に入った方しか使えません。それは、後に伴侶を意味しているのです。」
「・・・・・は?」
「チズル様は、陛下が初めて奥の院の許可をした方です。」
体が凍りつく。ベルルの言っている意味が分からない。
初対面の私をどう考えたら伴侶に結びつくのだ。
・・・バーが手紙に書いたとしか思えない。
「…尚更出て行きます。」
「そんな!お待ちください!!」
ベルルが必死に止めるが私だって、見知らぬ人と結婚なんて死んでも嫌だ。それが、すんごくタイプのイケメンでも。
荷物は鞄しかないので。出してあった物を鞄にしまう。メルは千鶴の頭が気に入ったようで、2人の声に目を覚ましたら真っ直ぐ千鶴の頭に乗って、欠伸をしながらウトウトする。まだ眠いようだ。
「お待ち下さい!!!」
ベルルを無視して、部屋から出て行く。奥の院の出口に向かい早足で行くと、叫ぶベルルに何事かと衛兵が集まってきた。
「誰か!チズル様を止めて!!!」
ベルルの声に反応した衛兵は、千鶴の前に立ちはだかり「お戻り下さい」と低姿勢で話しかける。
だが、頭にきていた千鶴が聞くわけもなく「どいて下さい。帰るだけです」とぶっきら棒に話す。
「しかし、陛下より滞在するよう伺っておりますので」
「関係ありません。帰ります。」
「しかし」
「くどい!」
しつこく言う衛兵に金縛りの魔法をかける。ピキッとその場で固まる衛兵を尻目に「少しだけ、そのままでいて下さい」冷たく言い放つ。
そのままお城を通りすぎるが、騒ぎを聞きつけた衛兵がドタバタと駆けつけてきた。
「何かありましたか!?」
「あちらで、衛兵が動かなくなったみたいなんです!」
「なに!?」
千鶴に言われ皆、奥の院へと向かう。
(馬鹿な人達)
心の中で悪態をつくも何食わぬ顔で歩いて行く。
「ホッホッホ。奥の院は気に入らなかったかの?」
声のする方を見ると、昨日助け船を出してくれた老人が椅子に座っていた。
「えぇ、私には勿体ない場所です。」
「ほほー?そうかえ、なら一等地はどうするんじゃ?」
「それこそ、私には有りあまります。」
「なるほどのぅ。欲の無い娘じゃ、ならどうするんじゃ?」
「自分で住む場所を見つけます。」
「そうかえそうかえ。立派じゃな、コレをやろう。何かの役に立つじゃろう。」
老人から受け取ったのは、龍の刻印が刻まれた銀色のペンダント。
「綺麗ーーって!受け取れませんよ!」
「いいんじゃよ、息子が迷惑かけたしの。それに、母が世話した娘なら儂の娘も当然じゃ。」
「・・・母?」
「ん?バファイの所からきたんじゃろ?バファイは儂の母親じゃ。」
「・・・えっ!?息子さん!?えっ?えっ?」
「ホッホッホ。その反応は好きじゃの~」
バーって、何歳なんだろ?目の前の老人は明らかに80歳は過ぎてる…うん。考えるのはやめよう。うんうん。
「ーーーペンダントありがとうございます。そろそろ行きますので、失礼します」
「ホッホッホ。では、また会おうの。」
ペコリとお辞儀をして、お城を出る。
最後に衝撃の事実を知りフラフラする。恐るべしバー。
『愛し子!大丈夫なの?』
メルがペシペシとおでこを叩いて心配するが千鶴は大丈夫。とだけ言うと重い足取りで城門に向かう。
「チズ!大丈夫か!?」
城門の外にはイスンとリュカが居た。2人の顔を見るとなんだか安心する。
「大丈夫。早くここから離れたい。」
青白い顔で千鶴が言うと2人は頷きその場を離れた。
お城で何か騒がしいが、今は聞かず落ちついてからと考えるイスンだった。
ベルルに起こされ目を覚ます。ふかふかのベットで熟睡してしまったようだ。
隣にはピンク頭の妖精メルがクークーと寝息を立ててまだ寝ている。
「おはようございます」
欠伸をしながらベットから降りると、何故か煌びやかなドレスが目に入った。
「・・・えっとーーこれは?」
「チズル様のお召し物でございます。」
「へっ?いやいやいや!着れないよ!?」
「チズル様は、淡い色合いがよろしいかと。」
「いや!だから、着ないから!自分の服がありますから!」
「?陛下より頂いたドレスは気に入りませんか?」
明らかにシュンってするベルルには悪いけど。尚更受け取れない。
バーの手紙を持ってきただけの私にここまで尽くす意味が分からない。このままいたら危険だと頭の中で警報がなっている。
「お気持ちだけで充分です。こちらはお返しください。私には勿体無いです。」
ハッキリ断るも納得していない感じのベルル。
「第一、私は手紙を渡したらすぐ引き上げるつもりだったので、ここまで良くしていただき。それだけでも充分感謝しています。住む場所も自分で探しますので、私は帰らせていただきますね。陛下にもお伝え下さい。」
ペコリと挨拶をして、荷物を片付け始める。
「おっお待ちください!!チズル様は奥の院に住む事を許可されたんですよ!?お分かりですか?」
焦るベルルは食い気味に言い、千鶴の手を止めようと必死だ。
「?ただの部屋でしょ?」
この国に来たばかりで、奥の院が何なのか分からない千鶴は怪訝な顔をする。
「違います。奥の院。すなわち、陛下の気に入った方しか使えません。それは、後に伴侶を意味しているのです。」
「・・・・・は?」
「チズル様は、陛下が初めて奥の院の許可をした方です。」
体が凍りつく。ベルルの言っている意味が分からない。
初対面の私をどう考えたら伴侶に結びつくのだ。
・・・バーが手紙に書いたとしか思えない。
「…尚更出て行きます。」
「そんな!お待ちください!!」
ベルルが必死に止めるが私だって、見知らぬ人と結婚なんて死んでも嫌だ。それが、すんごくタイプのイケメンでも。
荷物は鞄しかないので。出してあった物を鞄にしまう。メルは千鶴の頭が気に入ったようで、2人の声に目を覚ましたら真っ直ぐ千鶴の頭に乗って、欠伸をしながらウトウトする。まだ眠いようだ。
「お待ち下さい!!!」
ベルルを無視して、部屋から出て行く。奥の院の出口に向かい早足で行くと、叫ぶベルルに何事かと衛兵が集まってきた。
「誰か!チズル様を止めて!!!」
ベルルの声に反応した衛兵は、千鶴の前に立ちはだかり「お戻り下さい」と低姿勢で話しかける。
だが、頭にきていた千鶴が聞くわけもなく「どいて下さい。帰るだけです」とぶっきら棒に話す。
「しかし、陛下より滞在するよう伺っておりますので」
「関係ありません。帰ります。」
「しかし」
「くどい!」
しつこく言う衛兵に金縛りの魔法をかける。ピキッとその場で固まる衛兵を尻目に「少しだけ、そのままでいて下さい」冷たく言い放つ。
そのままお城を通りすぎるが、騒ぎを聞きつけた衛兵がドタバタと駆けつけてきた。
「何かありましたか!?」
「あちらで、衛兵が動かなくなったみたいなんです!」
「なに!?」
千鶴に言われ皆、奥の院へと向かう。
(馬鹿な人達)
心の中で悪態をつくも何食わぬ顔で歩いて行く。
「ホッホッホ。奥の院は気に入らなかったかの?」
声のする方を見ると、昨日助け船を出してくれた老人が椅子に座っていた。
「えぇ、私には勿体ない場所です。」
「ほほー?そうかえ、なら一等地はどうするんじゃ?」
「それこそ、私には有りあまります。」
「なるほどのぅ。欲の無い娘じゃ、ならどうするんじゃ?」
「自分で住む場所を見つけます。」
「そうかえそうかえ。立派じゃな、コレをやろう。何かの役に立つじゃろう。」
老人から受け取ったのは、龍の刻印が刻まれた銀色のペンダント。
「綺麗ーーって!受け取れませんよ!」
「いいんじゃよ、息子が迷惑かけたしの。それに、母が世話した娘なら儂の娘も当然じゃ。」
「・・・母?」
「ん?バファイの所からきたんじゃろ?バファイは儂の母親じゃ。」
「・・・えっ!?息子さん!?えっ?えっ?」
「ホッホッホ。その反応は好きじゃの~」
バーって、何歳なんだろ?目の前の老人は明らかに80歳は過ぎてる…うん。考えるのはやめよう。うんうん。
「ーーーペンダントありがとうございます。そろそろ行きますので、失礼します」
「ホッホッホ。では、また会おうの。」
ペコリとお辞儀をして、お城を出る。
最後に衝撃の事実を知りフラフラする。恐るべしバー。
『愛し子!大丈夫なの?』
メルがペシペシとおでこを叩いて心配するが千鶴は大丈夫。とだけ言うと重い足取りで城門に向かう。
「チズ!大丈夫か!?」
城門の外にはイスンとリュカが居た。2人の顔を見るとなんだか安心する。
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