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宿敵ルキウス
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「何処を見ているんだ!ロレッタ!」
騎士団の修練場で男性たちの下半身をいつものように見ている時に、後ろから声をかけられた。
宿敵ルキウスと可愛い下半身。
うっかり魔法で全裸にしてから彼の事が思った以上に腹が立つことが少なくなった。
仕事を真面目にしているから絡まれる事もない。治癒室にやってきた時、
「おいおい今日もスッキリさせてやるよ」
と孕ませイケメンボイスを耳元で囁き悪戯を繰り返す。今ではイケメンボイスを返してくれるご褒美を貰えるがちっとも胸がときめかない。
「上から目線で女性と付き合ったことがない事が丸分かりです。あんなに格好いいと言われていたのに付き合ったことがないのですか?一声かけたら付き合ってくれそうなのに」
「何度も付き合って欲しいと言ったけれど、時間がないと言われてあしらわれた」
「好みのタイプじゃなかったんですね。身長も高いし格好いいのに性格がアレだから。でも安心してください。騎士団内には素晴らしい女性たちがいますし、男性だっていますよ。治療が終わったから、私はこれで帰ります。この後、パン屋さんで仕事が入っているんですよ」
「治癒師の給料はそれなりに貰っていると聞いたが何に使うんだ」
「魔法学校にドレスを寄付しようと思って。イベントごとに参加しないと出席日数が満たされないし、ドレスがあれば参加できるでしょう。私以外にもそういう子多かったから」
次の治癒師に入れ替わって引継ぎをし、パン屋に向かって走っていく。
騎士団の人で掛け持ちバイトしている人なんて聞いたことがない。平民でも家族4人で暮らしても余るくらいだ。残っている魔力を体力増強と筋力強化すればいくらでも働ける。
前世の知識に頼り過ぎて没落してから寝る暇もなく働く。働いている時は余計な事を考えなくていい。わたしは普通の人間と違う。人より若い見た目で長く生きているから知識がある。
前は自分の事だけに使って罰が当たった。今は他人のために尽くそうと思う。
「ロレッタ…………」
ルキウスはこの時わたしを切なげな目で見ていたと同僚に言われた。
騎士団で働いて1か月経ちと歓迎会が行われた。お酒を飲むことが大好きな人たちに囲まれて席に座っている。ルキウスは遠くの席に座っていて少し安心した。
「ロレッタちゃん飲んでる?」
「はい、飲んでます」
ぬるいエールを飲んでいる時、厭らしい顔をした騎士が近くに寄ってきた。こういうやつは決まって同じことを聞いてくる。べちゃべちゃの唐揚げを口に運んでいる時、手を重ねてキモ親父のように擦ってきた。何処の世界も歳を取った男は同じような事をする。あからさまにセックスアピールをしてきて、タダで美少女の手を握って喜んでいるコイツにどうやってやり返そうか考えていた。ルキウスとしている孕ませボイスで話しかける。
「さみしいの?」
「っ……そうだが」
一瞬触れていた手の動きが止まる。
「さっきからエッチな触り方するね。そっちが触るならこっちも好きなところ触ってもいいよね?」
胸を寄せて触れている手に手を重ねて見つあって向こうから目を逸らす。
「ふぇぇ今日は男の子の日だから無理っ…………」
顔を背けて立ち上がった男より先に立ち上がって、そいつにしか聞こえない耳元で甘い低い声を出した。
――情けねぇちんぽ
男は邪魔にならないように勢いよく外に出て、そのまま帰ってこなかった。やり切った気持ちで胸がいっぱいになり再び座って、前世の居酒屋が安くて美味しい事を思い出していた。家に帰って作りたくても油が高くて無理だから、鶏肉の皮の部分をパリパリに焼こうかと考えている時、ルキウスが横に座っていた。
「さっきのはいけない。男を煽ってどうする」
「学生時代の時から全くモテない女だから殴られるかもしれませんね。不細工が顔を怪我したところで誰も気にしない。おまけにデブ。制服だって特注。ルキウス、そこにある鶏肉とわたしの肉のどっちが柔らかいか比べてよ」
反応がないイケメンを見ても面白くない。ため息をついてエールを飲みきったところで解散の声が聞こえた。明日は休みだから、真っすぐ帰る人は少ない。ルキウスに声をかけて肩を揺すると眠そうにしていた。
仕方がないから自分の家に宿泊させることにした。
歓迎会が行われた金豚亭の近くのアパートにルキウスをおんぶして運んだ。
廃れた家が周囲にたくさんある道を歩いている時、ふと横を向くと汚らしいお地蔵様があった。ルキウスを背負ったまま見ていると思わず「可愛い」と呟いていた。ルキウスが反応して「俺の方が可愛い」と言い返していた。
途中で露出狂に出会って挨拶をして、自宅のアパートの階段を上った。
最近野良ホモたちが出歩いていて露出狂の男女ともに怖くて露出出来ないと怯えていた。治安が悪くなるといけないから騎士たちを巡回させた方がいい。後で報告させよう。
ルキウスを全裸にしようとしたら手でガードされた。弱弱しい反応で怯えているように見える。可哀想だったから全裸にして身体を温かいタオルで拭きあげて、手がかさついていたから乳液を塗ろうとして間違ってお尻の上にを落とした。気にせずわたしは簡単にシャワーで済ませた。
寝る場所がなくなってしまいソファで眠ることに。
久しぶりに伯爵令嬢だった時の夢を見た。毎日たくさんやる事があって、沢山の人たちに囲まれていた。欲しい物を好きなだけ買って美味しい物を好きなだけ食べられる。両親は経営手腕で成り上がっていて手に入れられないものはなかった。
貧民街にいる人たちに寄付をし感謝されるのは当たり前の事だと思っていた。身寄りのない子供たちや貧しい人たちの希望になればそれでいい。
いつも謎の自信に包まれて輝かしい日々だった。
ソファで目を覚まして、まだ寝ているルキウスを横目に身支度をして朝食を作り始める。2人分の方がいいか分からず、残ったら昼食のお弁当に使えばいいやと思いながらフライパンを温める。ベーコンと卵を取り出して悩んでいる時に、ルキウスは目を覚ました。
「おはようございます。昨日は楽しかったですね。酔っぱらっているルキウスをベッドまで運びました。ところで、朝食は食べますか?パン屋さんで頂いた美味しいパンを切りますが」
「…………食べる」
「裏首席一位の朝食を食べるのはルキウスが初めてですよ」
朝食を作ることに集中しているうちにルキウスは着替え終わっていて、朝食を一緒に食べている時無言だった。
後日、新しいベッドと布団一色が贈られてきて喜んだ。
少し大きくなったベッドのせいで引っ越すことになったから、ルキウスに負担して貰った。
騎士団の修練場で男性たちの下半身をいつものように見ている時に、後ろから声をかけられた。
宿敵ルキウスと可愛い下半身。
うっかり魔法で全裸にしてから彼の事が思った以上に腹が立つことが少なくなった。
仕事を真面目にしているから絡まれる事もない。治癒室にやってきた時、
「おいおい今日もスッキリさせてやるよ」
と孕ませイケメンボイスを耳元で囁き悪戯を繰り返す。今ではイケメンボイスを返してくれるご褒美を貰えるがちっとも胸がときめかない。
「上から目線で女性と付き合ったことがない事が丸分かりです。あんなに格好いいと言われていたのに付き合ったことがないのですか?一声かけたら付き合ってくれそうなのに」
「何度も付き合って欲しいと言ったけれど、時間がないと言われてあしらわれた」
「好みのタイプじゃなかったんですね。身長も高いし格好いいのに性格がアレだから。でも安心してください。騎士団内には素晴らしい女性たちがいますし、男性だっていますよ。治療が終わったから、私はこれで帰ります。この後、パン屋さんで仕事が入っているんですよ」
「治癒師の給料はそれなりに貰っていると聞いたが何に使うんだ」
「魔法学校にドレスを寄付しようと思って。イベントごとに参加しないと出席日数が満たされないし、ドレスがあれば参加できるでしょう。私以外にもそういう子多かったから」
次の治癒師に入れ替わって引継ぎをし、パン屋に向かって走っていく。
騎士団の人で掛け持ちバイトしている人なんて聞いたことがない。平民でも家族4人で暮らしても余るくらいだ。残っている魔力を体力増強と筋力強化すればいくらでも働ける。
前世の知識に頼り過ぎて没落してから寝る暇もなく働く。働いている時は余計な事を考えなくていい。わたしは普通の人間と違う。人より若い見た目で長く生きているから知識がある。
前は自分の事だけに使って罰が当たった。今は他人のために尽くそうと思う。
「ロレッタ…………」
ルキウスはこの時わたしを切なげな目で見ていたと同僚に言われた。
騎士団で働いて1か月経ちと歓迎会が行われた。お酒を飲むことが大好きな人たちに囲まれて席に座っている。ルキウスは遠くの席に座っていて少し安心した。
「ロレッタちゃん飲んでる?」
「はい、飲んでます」
ぬるいエールを飲んでいる時、厭らしい顔をした騎士が近くに寄ってきた。こういうやつは決まって同じことを聞いてくる。べちゃべちゃの唐揚げを口に運んでいる時、手を重ねてキモ親父のように擦ってきた。何処の世界も歳を取った男は同じような事をする。あからさまにセックスアピールをしてきて、タダで美少女の手を握って喜んでいるコイツにどうやってやり返そうか考えていた。ルキウスとしている孕ませボイスで話しかける。
「さみしいの?」
「っ……そうだが」
一瞬触れていた手の動きが止まる。
「さっきからエッチな触り方するね。そっちが触るならこっちも好きなところ触ってもいいよね?」
胸を寄せて触れている手に手を重ねて見つあって向こうから目を逸らす。
「ふぇぇ今日は男の子の日だから無理っ…………」
顔を背けて立ち上がった男より先に立ち上がって、そいつにしか聞こえない耳元で甘い低い声を出した。
――情けねぇちんぽ
男は邪魔にならないように勢いよく外に出て、そのまま帰ってこなかった。やり切った気持ちで胸がいっぱいになり再び座って、前世の居酒屋が安くて美味しい事を思い出していた。家に帰って作りたくても油が高くて無理だから、鶏肉の皮の部分をパリパリに焼こうかと考えている時、ルキウスが横に座っていた。
「さっきのはいけない。男を煽ってどうする」
「学生時代の時から全くモテない女だから殴られるかもしれませんね。不細工が顔を怪我したところで誰も気にしない。おまけにデブ。制服だって特注。ルキウス、そこにある鶏肉とわたしの肉のどっちが柔らかいか比べてよ」
反応がないイケメンを見ても面白くない。ため息をついてエールを飲みきったところで解散の声が聞こえた。明日は休みだから、真っすぐ帰る人は少ない。ルキウスに声をかけて肩を揺すると眠そうにしていた。
仕方がないから自分の家に宿泊させることにした。
歓迎会が行われた金豚亭の近くのアパートにルキウスをおんぶして運んだ。
廃れた家が周囲にたくさんある道を歩いている時、ふと横を向くと汚らしいお地蔵様があった。ルキウスを背負ったまま見ていると思わず「可愛い」と呟いていた。ルキウスが反応して「俺の方が可愛い」と言い返していた。
途中で露出狂に出会って挨拶をして、自宅のアパートの階段を上った。
最近野良ホモたちが出歩いていて露出狂の男女ともに怖くて露出出来ないと怯えていた。治安が悪くなるといけないから騎士たちを巡回させた方がいい。後で報告させよう。
ルキウスを全裸にしようとしたら手でガードされた。弱弱しい反応で怯えているように見える。可哀想だったから全裸にして身体を温かいタオルで拭きあげて、手がかさついていたから乳液を塗ろうとして間違ってお尻の上にを落とした。気にせずわたしは簡単にシャワーで済ませた。
寝る場所がなくなってしまいソファで眠ることに。
久しぶりに伯爵令嬢だった時の夢を見た。毎日たくさんやる事があって、沢山の人たちに囲まれていた。欲しい物を好きなだけ買って美味しい物を好きなだけ食べられる。両親は経営手腕で成り上がっていて手に入れられないものはなかった。
貧民街にいる人たちに寄付をし感謝されるのは当たり前の事だと思っていた。身寄りのない子供たちや貧しい人たちの希望になればそれでいい。
いつも謎の自信に包まれて輝かしい日々だった。
ソファで目を覚まして、まだ寝ているルキウスを横目に身支度をして朝食を作り始める。2人分の方がいいか分からず、残ったら昼食のお弁当に使えばいいやと思いながらフライパンを温める。ベーコンと卵を取り出して悩んでいる時に、ルキウスは目を覚ました。
「おはようございます。昨日は楽しかったですね。酔っぱらっているルキウスをベッドまで運びました。ところで、朝食は食べますか?パン屋さんで頂いた美味しいパンを切りますが」
「…………食べる」
「裏首席一位の朝食を食べるのはルキウスが初めてですよ」
朝食を作ることに集中しているうちにルキウスは着替え終わっていて、朝食を一緒に食べている時無言だった。
後日、新しいベッドと布団一色が贈られてきて喜んだ。
少し大きくなったベッドのせいで引っ越すことになったから、ルキウスに負担して貰った。
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