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第36話 雪の降る夜、舞い降りた二つの奇跡
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「旦那様! 廊下を行ったり来たりするのはやめてください! 絨毯が擦り切れてしまいます!」
「うるさい! じっとしていられるか! エルナが……エルナが苦しんでいるんだぞ!」
寝室の厚い扉の向こうから、レオン様の怒鳴り声と、セバスチャンの冷静な諌める声が聞こえてくる。
陣痛が始まってから数時間。
外は猛吹雪だったが、アイスバーン城の中は、別の意味で嵐のような騒ぎになっていた。
「うぅっ……!」
波のように押し寄せる痛みに、私はシーツを強く握りしめた。
額から脂汗が流れる。
身体が引き裂かれるような痛み。聖女としての修練で多少の苦痛には慣れているつもりだったけれど、これは次元が違う。
「エルナ様、息を吐いてください。そうです、ヒッ、ヒッ、フー、ですわ!」
ベテランの産婆さんと、マーサさんが私の手を握り、励ましてくれる。
彼女たちの手は温かく、頼もしい。
「大丈夫です、赤ちゃんも頑張っていますよ。……頭が見えてきました!」
医師の声に、私は最後の力を振り絞った。
レオン様が言っていた。
『私たちがついていますから』と。
そう、私は一人じゃない。
この痛みは、愛する人との結晶に出会うための、最後の試練なのだ。
(レオン様……見ていてくださいね)
私は大きく息を吸い込み、腹の底から力を込めた。
「んんんーーっ!!」
私の叫び声と共に、熱い塊が体から押し出される感覚があった。
そして――。
「オギャァァァ! オギャァァァ!」
元気な産声が、部屋中に響き渡った。
「生まれました! 元気な男の子です!」
産婆さんが、血と羊水に濡れた小さな身体を抱き上げる。
男の子。レオン様に似た、元気な子だ。
「はぁ……はぁ……よかった……」
私が安堵の息を吐いた、その時だった。
「……あれ? エルナ様、まだお腹が……」
医師が驚いたような声を上げた。
「え?」
「もう一人、いらっしゃいます! 双子です!」
「ふ、双子!?」
まさかの展開に、私は痛みも忘れて叫んでしまった。
定期検診では分からなかったのか、それとも二人がぴったりくっついていて一人に見えていたのか。
どちらにせよ、休憩している暇はないらしい。
「さあ、エルナ様! もう一息です! 頑張ってください!」
「は、はいぃぃぃ!」
私は再び、痛みの波に立ち向かった。
一度産道が開いているおかげか、二人目は比較的スムーズだった。
「オギャァ! フニャァァ……」
少し控えめな、しかし透き通るような高い声。
「女の子です! 可愛らしい女の子ですよ!」
マーサさんが、二人目の赤ちゃんをタオルで包みながら、涙声で報告してくれた。
男の子と、女の子。
双子の赤ちゃん。
レオン様が夢見ていた、「私似の剣士」と「君似の聖女」が、一度にやってきてくれたのだ。
「……終わった……」
全身の力が抜け、私は枕に沈み込んだ。
心地よい疲労感と、達成感。
そして何より、部屋に満ちる二つの命の泣き声が、私を幸福感で包み込んでいく。
バンッ!!
その時、寝室の扉が勢いよく開かれた。
「エルナ!」
飛び込んできたのは、髪を振り乱し、顔面蒼白になったレオン様だった。
彼はベッドに駆け寄ると、私の無事を確認して、その場に崩れ落ちるように膝をついた。
「エルナ……生きてるか……? 無事か……?」
「はい……レオン様。元気ですよ」
私が弱々しく微笑むと、彼は私の手を額に押し当て、震える声で言った。
「よかった……本当によかった……。君の悲鳴が聞こえるたびに、私の寿命が十年ずつ縮む思いだった」
「ふふっ……それじゃあ、レオン様はもうおじいちゃんですね」
「ああ、おじいちゃんでいい。君が無事なら何でもいい」
彼は涙目で私の顔を撫で回した。
最強の公爵様が、こんなにボロボロになって。
愛おしさがこみ上げてくる。
「旦那様、奥様への愛の囁きも結構ですが……こちらをご覧ください」
マーサさんが、綺麗に産湯を使わせ、柔らかい布に包まれた二人の赤ちゃんを連れてきた。
「……二人?」
レオン様が目を丸くする。
「はい。双子ちゃんでございます。……男の子と、女の子です」
「双子……」
レオン様は、恐る恐る赤ちゃんたちを覗き込んだ。
右腕に抱かれた男の子は、レオン様譲りの黒髪に、私と同じ紫色の瞳を持っていた。
左腕に抱かれた女の子は、私と同じ黒髪に、レオン様と同じ蒼い瞳を持っていた。
二人は、私たち二人の特徴を分け合って、この世に生まれてきたのだ。
「……私の、子供……」
レオン様が、震える指で男の子の頬に触れる。
すると、男の子がギュッとその指を握り返した。
「っ……!」
レオン様の目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
彼は声を詰まらせ、肩を震わせて泣いた。
「温かい……。小さい……。なんて、愛おしいんだ……」
彼は二人を同時に抱きしめようとして、壊してしまいそうで躊躇い、結局、マーサさんと産婆さんに手伝ってもらって、ベッドの上の私に二人を並べてくれた。
私と、レオン様と、二人の赤ちゃん。
川の字ならぬ、幸せの四角形。
「ありがとう、エルナ。……君は私に、一度に二つの奇跡をくれた」
「いいえ。……三つですよ」
私はレオン様の手を握った。
「貴方という奇跡を含めて、三つです」
「……ああ。そうだな」
彼は泣き笑いのような顔をして、私と子供たちに交互にキスをした。
窓の外では、いつの間にか吹雪が止み、美しい朝日が昇り始めていた。
雪原に反射した光が、部屋の中を神々しく照らし出す。
新しい朝。
新しい家族の始まりだ。
***
出産から数日が経ち、私の体調も回復してきた頃。
城は再びお祭り騒ぎになっていた。
双子の誕生を祝う祝砲が鳴り響き、国中からお祝いの品が届いている。
「名前は決まりましたか?」
ベッドの上で授乳をしている私に、レオン様が尋ねた。
彼は最近、執務室よりもこの部屋にいる時間の方が長い。
「育児休暇だ」と言い張って、オムツ替えから寝かしつけまで、甲斐甲斐しく手伝ってくれている。
最初は恐る恐るだった彼も、今では手慣れたもので、赤ちゃんたちもパパの抱っこがお気に入りだ。
「ええ。……二人で考えた候補の中から、一番しっくりくるものを」
私は男の子を見つめた。
彼は元気いっぱいで、お腹が空くと城が揺れるほどの大声で泣く。
将来はきっと、ロベルト様も驚くような豪傑になるかもしれない。
「この子は、『アレン』。……光という意味を込めて」
「アレン・アイスバーン。……いい名前だ」
レオン様がアレンの頬をつつく。アレンはキャッキャと笑った。
「そして、この子は」
私は女の子を見つめた。
彼女は大人しく、いつもじっと私やレオン様の顔を観察している。
その瞳には、すでに聡明な光が宿っているようだ。
「『シルヴィア』。……森の精霊のように、優しく賢く育ってほしいから」
「シルヴィア・アイスバーン。……美しい響きだ。君にぴったりだ」
レオン様はシルヴィアを抱き上げ、高い高いをした。
シルヴィアは目を丸くして、それからニパッと笑った。
その笑顔の破壊力たるや、レオン様を一瞬で撃沈させるほどだった。
「ぐっ……可愛い。可愛すぎる。……嫁にはやらんぞ。絶対にやらん」
「気が早すぎますわ」
親バカ全開のパパを見て、私は幸せな溜息をついた。
***
そして、アレンとシルヴィアのお披露目会が開かれることになった。
場所は、城の大広間。
国内の有力者や、親しい友人たちを招いてのささやかな(レオン様基準では)パーティーだ。
「うおおおお! ちっせぇ! 壊れそうだ!」
一番乗りでやってきたのは、やはりロベルト様だった。
彼は双子を見て、その筋肉質な体を小さく縮こまらせて感動している。
「おいロベルト、近寄るな。暑苦しさで子供が泣く」
「なんだと!? 俺の筋肉からはマイナスイオンが出てるんだぞ!」
「嘘をつくな」
「あら、可愛いわねぇ! どっちもお姉様に似て美人さんだわ!」
ミューアも駆けつけてくれた。
彼女は「お祝いよ!」と言って、またしても手作りのベビー服(今度はかなり上達していた)をプレゼントしてくれた。
「これ、着せてみていいかしら?」
「ええ、もちろんよ」
ミューアが着せてくれたのは、フリルのついた可愛らしいロンパースだ。
アレンには水色、シルヴィアにはピンク色。
「きゃー! 似合う! 私がデザインしただけあるわ!」
「ありがとう、ミューア。……貴方も、すっかり『おば様』ね」
「お、おば様!? やめてよ、まだピチピチの十代よ!」
「ふふっ」
会場は笑いに包まれた。
かつてはいがみ合っていた私たち姉妹が、こうして笑い合える日が来るなんて。
本当に、人生は何が起こるか分からない。
「旦那様、エルナ様。……そろそろ皆様へのご挨拶を」
セバスチャンに促され、私たちは双子を抱いて壇上に立った。
会場が静まり返り、注目が集まる。
「本日は、我が子アレンとシルヴィアのために集まっていただき、感謝する」
レオン様が堂々とした声で挨拶する。
その腕にはシルヴィアが、私の腕にはアレンが抱かれている。
「この子たちは、私とエルナの希望であり、この国の未来だ。……どうか皆も、私たちと共にこの子たちの成長を見守ってほしい」
「おめでとうございます!」
「アイスバーン公国に栄光あれ!」
拍手と歓声が、波のように押し寄せる。
その温かさに、アレンとシルヴィアも驚いたのか、キョロキョロと周囲を見回している。
泣き出しはしない。
大物になりそうな予感だ。
***
それから数年後。
アイスバーン城の庭園には、子供たちの笑い声が響き渡っていた。
「待てー! アレン、逃がさないぞ!」
「パパには捕まらないよーだ!」
五歳になったアレンが、庭を駆け回っている。
その後ろを、公務を放り出したレオン様が本気で追いかけている(もちろん、手加減はしているが)。
アレンは運動神経が抜群で、すでに剣術の真似事も始めている。
性格はレオン様に似て負けず嫌いだが、私に似て少しお調子者なところもあった。
「あらあら。……二人とも、転ばないようにね」
私は木陰のベンチで、その様子を眺めていた。
膝の上には、絵本を読んでいるシルヴィアがいる。
「ママ、この魔法陣の構成、少し変じゃないかしら?」
シルヴィアが指差したのは、絵本に出てくる魔法のイラストだ。
彼女は私に似て魔力が強く、そしてレオン様に似て頭が良い。
五歳にして、すでに簡単な魔法理論を理解し始めていた。
将来は宮廷魔導士か、あるいは賢者か。
末恐ろしい才能だ。
「そうね。……ここはこう繋げた方が、効率が良いわね」
「やっぱり! パパに教えてあげなきゃ」
「ふふっ、パパは今、アレンと遊ぶのに忙しいみたいよ」
平和な午後。
かつて孤独だった「呪われ公爵」と「捨てられた聖女」は、今や二人の子供に恵まれ、賑やかすぎるほどの幸せな家庭を築いていた。
「……ママー! パパが転んだー!」
アレンの叫び声。
見ると、レオン様が芝生の上に大の字になって寝転がっていた。
どうやら、わざと転んでアレンに捕まってあげたらしい。
「やったー! 僕の勝ちだ!」
アレンがレオン様のお腹の上に乗って勝利宣言をする。
レオン様は苦しそうに、でも嬉しそうに笑っている。
「まいった、まいった。……アレンは強いな」
「当然さ! 僕はパパの子だもん!」
「……そうだな」
レオン様はアレンを抱きしめ、それからこちらを見て手招きをした。
「エルナ、シルヴィア! こっちにおいで!」
「はーい!」
シルヴィアが本を置いて駆け出す。
私もゆっくりと立ち上がり、彼らのもとへ向かった。
芝生の上で、四人が寄り添う。
太陽の匂いと、土の匂い。
そして、愛する家族の匂い。
「幸せだな」
レオン様が空を見上げて呟いた。
「ええ。……とても」
私は彼の肩に頭を乗せた。
王都での辛かった日々も、婚約破棄の屈辱も、雪の中での絶望も。
すべては、この瞬間のためにあったのだと思える。
過去の全てを肯定できるほど、今の私は満たされていた。
「パパ、ママ! 大好き!」
アレンとシルヴィアが抱きついてくる。
小さな腕の力強さ。
「私たちもよ。……世界で一番、愛しているわ」
私たちは子供たちを抱きしめ返した。
風が吹き抜け、花びらが舞う。
北の大地に訪れた永遠の春。
私たちの物語は、ここで一旦幕を閉じる。
けれど、この幸せな日々は、これからもずっと、ずっと続いていくのだ。
「偽聖女の妹が良い」と捨てられた私が、世界一幸せな母親になるまで。
それは、魔法よりも奇跡的な、愛の物語だった。
***
エピローグ 「偽聖女」と呼ばれた私が、世界一幸せになるまで
数十年後。
歴史書には、こう記されることになる。
『アイスバーン公国の奇跡。
それは、一人の聖女と、一人の公爵の愛によって成し遂げられた。
彼らは荒野を楽園に変え、民を救い、独自の文化を築き上げた。
その繁栄は、南の旧王国を遥かに凌ぎ、大陸北部の黄金時代を築いた』
そして、歴史書の片隅には、こんな逸話も残されている。
『大公妃エルナは、晩年になってもその美しさと魔力を失わず、夫であるレオンハルト大公と変わらぬ愛を育んだ。
二人は、公国のどこへ行くにも手を取り合い、その姿は「比翼の鳥」のようであったという。
また、彼らの子供たちも優秀で、長男アレンは武勇に優れた次期大公として、長女シルヴィアは稀代の魔法研究者として名を馳せた』
ある冬の日。
老境に差し掛かったエルナとレオンハルトは、暖炉の前で揺り椅子に座り、穏やかな時間を過ごしていた。
「……ねえ、レオン」
「なんだい、エルナ」
「私、今でも夢を見るんです。……あの雪の日、貴方が私を見つけてくれた瞬間の夢を」
シワの増えた手と手が、しっかりと握り合わされている。
「もし、あそこで貴方が来てくれなかったら……私はどうなっていたでしょうね」
「……愚問だな」
レオンハルトは、変わらぬ蒼い瞳で妻を見つめた。
「私は必ず見つけたさ。……何度時を戻しても、どの世界線でも、私は必ず君を見つけ出す」
「ふふっ。……自信家さんね」
「事実だ。……君は、私の魂の片割れなのだから」
彼はエルナの手を口元に運び、甲にキスをした。
その仕草は、出会った頃と変わらぬ、情熱と敬愛に満ちていた。
「ありがとう、レオン。……私を見つけてくれて」
「ありがとう、エルナ。……私を愛してくれて」
二人は微笑み合い、静かに目を閉じた。
暖炉の火が、二人の幸せな寝顔を優しく照らしている。
窓の外では、雪が静かに降り積もっていた。
けれど、もう寒くはない。
二人の間には、永遠に消えることのない愛の灯火が、燃え続けているのだから。
(本編完結)
「うるさい! じっとしていられるか! エルナが……エルナが苦しんでいるんだぞ!」
寝室の厚い扉の向こうから、レオン様の怒鳴り声と、セバスチャンの冷静な諌める声が聞こえてくる。
陣痛が始まってから数時間。
外は猛吹雪だったが、アイスバーン城の中は、別の意味で嵐のような騒ぎになっていた。
「うぅっ……!」
波のように押し寄せる痛みに、私はシーツを強く握りしめた。
額から脂汗が流れる。
身体が引き裂かれるような痛み。聖女としての修練で多少の苦痛には慣れているつもりだったけれど、これは次元が違う。
「エルナ様、息を吐いてください。そうです、ヒッ、ヒッ、フー、ですわ!」
ベテランの産婆さんと、マーサさんが私の手を握り、励ましてくれる。
彼女たちの手は温かく、頼もしい。
「大丈夫です、赤ちゃんも頑張っていますよ。……頭が見えてきました!」
医師の声に、私は最後の力を振り絞った。
レオン様が言っていた。
『私たちがついていますから』と。
そう、私は一人じゃない。
この痛みは、愛する人との結晶に出会うための、最後の試練なのだ。
(レオン様……見ていてくださいね)
私は大きく息を吸い込み、腹の底から力を込めた。
「んんんーーっ!!」
私の叫び声と共に、熱い塊が体から押し出される感覚があった。
そして――。
「オギャァァァ! オギャァァァ!」
元気な産声が、部屋中に響き渡った。
「生まれました! 元気な男の子です!」
産婆さんが、血と羊水に濡れた小さな身体を抱き上げる。
男の子。レオン様に似た、元気な子だ。
「はぁ……はぁ……よかった……」
私が安堵の息を吐いた、その時だった。
「……あれ? エルナ様、まだお腹が……」
医師が驚いたような声を上げた。
「え?」
「もう一人、いらっしゃいます! 双子です!」
「ふ、双子!?」
まさかの展開に、私は痛みも忘れて叫んでしまった。
定期検診では分からなかったのか、それとも二人がぴったりくっついていて一人に見えていたのか。
どちらにせよ、休憩している暇はないらしい。
「さあ、エルナ様! もう一息です! 頑張ってください!」
「は、はいぃぃぃ!」
私は再び、痛みの波に立ち向かった。
一度産道が開いているおかげか、二人目は比較的スムーズだった。
「オギャァ! フニャァァ……」
少し控えめな、しかし透き通るような高い声。
「女の子です! 可愛らしい女の子ですよ!」
マーサさんが、二人目の赤ちゃんをタオルで包みながら、涙声で報告してくれた。
男の子と、女の子。
双子の赤ちゃん。
レオン様が夢見ていた、「私似の剣士」と「君似の聖女」が、一度にやってきてくれたのだ。
「……終わった……」
全身の力が抜け、私は枕に沈み込んだ。
心地よい疲労感と、達成感。
そして何より、部屋に満ちる二つの命の泣き声が、私を幸福感で包み込んでいく。
バンッ!!
その時、寝室の扉が勢いよく開かれた。
「エルナ!」
飛び込んできたのは、髪を振り乱し、顔面蒼白になったレオン様だった。
彼はベッドに駆け寄ると、私の無事を確認して、その場に崩れ落ちるように膝をついた。
「エルナ……生きてるか……? 無事か……?」
「はい……レオン様。元気ですよ」
私が弱々しく微笑むと、彼は私の手を額に押し当て、震える声で言った。
「よかった……本当によかった……。君の悲鳴が聞こえるたびに、私の寿命が十年ずつ縮む思いだった」
「ふふっ……それじゃあ、レオン様はもうおじいちゃんですね」
「ああ、おじいちゃんでいい。君が無事なら何でもいい」
彼は涙目で私の顔を撫で回した。
最強の公爵様が、こんなにボロボロになって。
愛おしさがこみ上げてくる。
「旦那様、奥様への愛の囁きも結構ですが……こちらをご覧ください」
マーサさんが、綺麗に産湯を使わせ、柔らかい布に包まれた二人の赤ちゃんを連れてきた。
「……二人?」
レオン様が目を丸くする。
「はい。双子ちゃんでございます。……男の子と、女の子です」
「双子……」
レオン様は、恐る恐る赤ちゃんたちを覗き込んだ。
右腕に抱かれた男の子は、レオン様譲りの黒髪に、私と同じ紫色の瞳を持っていた。
左腕に抱かれた女の子は、私と同じ黒髪に、レオン様と同じ蒼い瞳を持っていた。
二人は、私たち二人の特徴を分け合って、この世に生まれてきたのだ。
「……私の、子供……」
レオン様が、震える指で男の子の頬に触れる。
すると、男の子がギュッとその指を握り返した。
「っ……!」
レオン様の目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
彼は声を詰まらせ、肩を震わせて泣いた。
「温かい……。小さい……。なんて、愛おしいんだ……」
彼は二人を同時に抱きしめようとして、壊してしまいそうで躊躇い、結局、マーサさんと産婆さんに手伝ってもらって、ベッドの上の私に二人を並べてくれた。
私と、レオン様と、二人の赤ちゃん。
川の字ならぬ、幸せの四角形。
「ありがとう、エルナ。……君は私に、一度に二つの奇跡をくれた」
「いいえ。……三つですよ」
私はレオン様の手を握った。
「貴方という奇跡を含めて、三つです」
「……ああ。そうだな」
彼は泣き笑いのような顔をして、私と子供たちに交互にキスをした。
窓の外では、いつの間にか吹雪が止み、美しい朝日が昇り始めていた。
雪原に反射した光が、部屋の中を神々しく照らし出す。
新しい朝。
新しい家族の始まりだ。
***
出産から数日が経ち、私の体調も回復してきた頃。
城は再びお祭り騒ぎになっていた。
双子の誕生を祝う祝砲が鳴り響き、国中からお祝いの品が届いている。
「名前は決まりましたか?」
ベッドの上で授乳をしている私に、レオン様が尋ねた。
彼は最近、執務室よりもこの部屋にいる時間の方が長い。
「育児休暇だ」と言い張って、オムツ替えから寝かしつけまで、甲斐甲斐しく手伝ってくれている。
最初は恐る恐るだった彼も、今では手慣れたもので、赤ちゃんたちもパパの抱っこがお気に入りだ。
「ええ。……二人で考えた候補の中から、一番しっくりくるものを」
私は男の子を見つめた。
彼は元気いっぱいで、お腹が空くと城が揺れるほどの大声で泣く。
将来はきっと、ロベルト様も驚くような豪傑になるかもしれない。
「この子は、『アレン』。……光という意味を込めて」
「アレン・アイスバーン。……いい名前だ」
レオン様がアレンの頬をつつく。アレンはキャッキャと笑った。
「そして、この子は」
私は女の子を見つめた。
彼女は大人しく、いつもじっと私やレオン様の顔を観察している。
その瞳には、すでに聡明な光が宿っているようだ。
「『シルヴィア』。……森の精霊のように、優しく賢く育ってほしいから」
「シルヴィア・アイスバーン。……美しい響きだ。君にぴったりだ」
レオン様はシルヴィアを抱き上げ、高い高いをした。
シルヴィアは目を丸くして、それからニパッと笑った。
その笑顔の破壊力たるや、レオン様を一瞬で撃沈させるほどだった。
「ぐっ……可愛い。可愛すぎる。……嫁にはやらんぞ。絶対にやらん」
「気が早すぎますわ」
親バカ全開のパパを見て、私は幸せな溜息をついた。
***
そして、アレンとシルヴィアのお披露目会が開かれることになった。
場所は、城の大広間。
国内の有力者や、親しい友人たちを招いてのささやかな(レオン様基準では)パーティーだ。
「うおおおお! ちっせぇ! 壊れそうだ!」
一番乗りでやってきたのは、やはりロベルト様だった。
彼は双子を見て、その筋肉質な体を小さく縮こまらせて感動している。
「おいロベルト、近寄るな。暑苦しさで子供が泣く」
「なんだと!? 俺の筋肉からはマイナスイオンが出てるんだぞ!」
「嘘をつくな」
「あら、可愛いわねぇ! どっちもお姉様に似て美人さんだわ!」
ミューアも駆けつけてくれた。
彼女は「お祝いよ!」と言って、またしても手作りのベビー服(今度はかなり上達していた)をプレゼントしてくれた。
「これ、着せてみていいかしら?」
「ええ、もちろんよ」
ミューアが着せてくれたのは、フリルのついた可愛らしいロンパースだ。
アレンには水色、シルヴィアにはピンク色。
「きゃー! 似合う! 私がデザインしただけあるわ!」
「ありがとう、ミューア。……貴方も、すっかり『おば様』ね」
「お、おば様!? やめてよ、まだピチピチの十代よ!」
「ふふっ」
会場は笑いに包まれた。
かつてはいがみ合っていた私たち姉妹が、こうして笑い合える日が来るなんて。
本当に、人生は何が起こるか分からない。
「旦那様、エルナ様。……そろそろ皆様へのご挨拶を」
セバスチャンに促され、私たちは双子を抱いて壇上に立った。
会場が静まり返り、注目が集まる。
「本日は、我が子アレンとシルヴィアのために集まっていただき、感謝する」
レオン様が堂々とした声で挨拶する。
その腕にはシルヴィアが、私の腕にはアレンが抱かれている。
「この子たちは、私とエルナの希望であり、この国の未来だ。……どうか皆も、私たちと共にこの子たちの成長を見守ってほしい」
「おめでとうございます!」
「アイスバーン公国に栄光あれ!」
拍手と歓声が、波のように押し寄せる。
その温かさに、アレンとシルヴィアも驚いたのか、キョロキョロと周囲を見回している。
泣き出しはしない。
大物になりそうな予感だ。
***
それから数年後。
アイスバーン城の庭園には、子供たちの笑い声が響き渡っていた。
「待てー! アレン、逃がさないぞ!」
「パパには捕まらないよーだ!」
五歳になったアレンが、庭を駆け回っている。
その後ろを、公務を放り出したレオン様が本気で追いかけている(もちろん、手加減はしているが)。
アレンは運動神経が抜群で、すでに剣術の真似事も始めている。
性格はレオン様に似て負けず嫌いだが、私に似て少しお調子者なところもあった。
「あらあら。……二人とも、転ばないようにね」
私は木陰のベンチで、その様子を眺めていた。
膝の上には、絵本を読んでいるシルヴィアがいる。
「ママ、この魔法陣の構成、少し変じゃないかしら?」
シルヴィアが指差したのは、絵本に出てくる魔法のイラストだ。
彼女は私に似て魔力が強く、そしてレオン様に似て頭が良い。
五歳にして、すでに簡単な魔法理論を理解し始めていた。
将来は宮廷魔導士か、あるいは賢者か。
末恐ろしい才能だ。
「そうね。……ここはこう繋げた方が、効率が良いわね」
「やっぱり! パパに教えてあげなきゃ」
「ふふっ、パパは今、アレンと遊ぶのに忙しいみたいよ」
平和な午後。
かつて孤独だった「呪われ公爵」と「捨てられた聖女」は、今や二人の子供に恵まれ、賑やかすぎるほどの幸せな家庭を築いていた。
「……ママー! パパが転んだー!」
アレンの叫び声。
見ると、レオン様が芝生の上に大の字になって寝転がっていた。
どうやら、わざと転んでアレンに捕まってあげたらしい。
「やったー! 僕の勝ちだ!」
アレンがレオン様のお腹の上に乗って勝利宣言をする。
レオン様は苦しそうに、でも嬉しそうに笑っている。
「まいった、まいった。……アレンは強いな」
「当然さ! 僕はパパの子だもん!」
「……そうだな」
レオン様はアレンを抱きしめ、それからこちらを見て手招きをした。
「エルナ、シルヴィア! こっちにおいで!」
「はーい!」
シルヴィアが本を置いて駆け出す。
私もゆっくりと立ち上がり、彼らのもとへ向かった。
芝生の上で、四人が寄り添う。
太陽の匂いと、土の匂い。
そして、愛する家族の匂い。
「幸せだな」
レオン様が空を見上げて呟いた。
「ええ。……とても」
私は彼の肩に頭を乗せた。
王都での辛かった日々も、婚約破棄の屈辱も、雪の中での絶望も。
すべては、この瞬間のためにあったのだと思える。
過去の全てを肯定できるほど、今の私は満たされていた。
「パパ、ママ! 大好き!」
アレンとシルヴィアが抱きついてくる。
小さな腕の力強さ。
「私たちもよ。……世界で一番、愛しているわ」
私たちは子供たちを抱きしめ返した。
風が吹き抜け、花びらが舞う。
北の大地に訪れた永遠の春。
私たちの物語は、ここで一旦幕を閉じる。
けれど、この幸せな日々は、これからもずっと、ずっと続いていくのだ。
「偽聖女の妹が良い」と捨てられた私が、世界一幸せな母親になるまで。
それは、魔法よりも奇跡的な、愛の物語だった。
***
エピローグ 「偽聖女」と呼ばれた私が、世界一幸せになるまで
数十年後。
歴史書には、こう記されることになる。
『アイスバーン公国の奇跡。
それは、一人の聖女と、一人の公爵の愛によって成し遂げられた。
彼らは荒野を楽園に変え、民を救い、独自の文化を築き上げた。
その繁栄は、南の旧王国を遥かに凌ぎ、大陸北部の黄金時代を築いた』
そして、歴史書の片隅には、こんな逸話も残されている。
『大公妃エルナは、晩年になってもその美しさと魔力を失わず、夫であるレオンハルト大公と変わらぬ愛を育んだ。
二人は、公国のどこへ行くにも手を取り合い、その姿は「比翼の鳥」のようであったという。
また、彼らの子供たちも優秀で、長男アレンは武勇に優れた次期大公として、長女シルヴィアは稀代の魔法研究者として名を馳せた』
ある冬の日。
老境に差し掛かったエルナとレオンハルトは、暖炉の前で揺り椅子に座り、穏やかな時間を過ごしていた。
「……ねえ、レオン」
「なんだい、エルナ」
「私、今でも夢を見るんです。……あの雪の日、貴方が私を見つけてくれた瞬間の夢を」
シワの増えた手と手が、しっかりと握り合わされている。
「もし、あそこで貴方が来てくれなかったら……私はどうなっていたでしょうね」
「……愚問だな」
レオンハルトは、変わらぬ蒼い瞳で妻を見つめた。
「私は必ず見つけたさ。……何度時を戻しても、どの世界線でも、私は必ず君を見つけ出す」
「ふふっ。……自信家さんね」
「事実だ。……君は、私の魂の片割れなのだから」
彼はエルナの手を口元に運び、甲にキスをした。
その仕草は、出会った頃と変わらぬ、情熱と敬愛に満ちていた。
「ありがとう、レオン。……私を見つけてくれて」
「ありがとう、エルナ。……私を愛してくれて」
二人は微笑み合い、静かに目を閉じた。
暖炉の火が、二人の幸せな寝顔を優しく照らしている。
窓の外では、雪が静かに降り積もっていた。
けれど、もう寒くはない。
二人の間には、永遠に消えることのない愛の灯火が、燃え続けているのだから。
(本編完結)
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ありがとうございました。
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あと、公爵のやっていることはほぼ革命。王都を武力制圧して、王子を牢にぶち込んでいるなら、もう、公爵が王になる以外選択肢ないけど、それをしない方が無責任かと思うのですがね
凄く面白いです。
続きが楽しみで仕方ありません。
ではでは