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第279話 立ち直ったところで、とりあえず状況説明
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「……ありがとう。鈴木。 僕、頑張るよ」
佐野は鼻の下を指でこすりながら、スマホに向かって言う。
そしてまた、この言葉は隣に立っているユキへの宣言でもあった。
これが本当の僕なんだ。よし。みっともないままで行こう――
佐野は、根性悪をこじらせた末に見栄を張ってしまったことについて一切の言い訳をせず、また、取り繕う事もなく、泣き顔のまま微笑む。
「おう! 応援してるぞ。近いうちに就職祝いをかねて飲みに行こうぜ」
鈴木も明るい声で言う。
「でもよ――」
鈴木が続ける。
「古山建設、一体何があったんだろうな」
「救急車まで来てるんだから、かなりおおごとだよね」
佐野が肩をすくめる。
「だよな。星崎はどうでもいいが、他の社員は大丈夫かな」
「そのことなんだけど、実は僕が辞めてから、経理と総務の部長も辞めてるんだ」
「ええっ!」
「で、今はレイナの弟が取締役総務部長になってる。だから実質、総務部長は追い出されたかたちなんだ」
佐野は鼻の下を指でこすりながら、スマホに向かって言う。
そしてまた、この言葉は隣に立っているユキへの宣言でもあった。
これが本当の僕なんだ。よし。みっともないままで行こう――
佐野は、根性悪をこじらせた末に見栄を張ってしまったことについて一切の言い訳をせず、また、取り繕う事もなく、泣き顔のまま微笑む。
「おう! 応援してるぞ。近いうちに就職祝いをかねて飲みに行こうぜ」
鈴木も明るい声で言う。
「でもよ――」
鈴木が続ける。
「古山建設、一体何があったんだろうな」
「救急車まで来てるんだから、かなりおおごとだよね」
佐野が肩をすくめる。
「だよな。星崎はどうでもいいが、他の社員は大丈夫かな」
「そのことなんだけど、実は僕が辞めてから、経理と総務の部長も辞めてるんだ」
「ええっ!」
「で、今はレイナの弟が取締役総務部長になってる。だから実質、総務部長は追い出されたかたちなんだ」
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