328 / 334
第328話 創作焼きうどんからの、思わぬ副産物
しおりを挟む
「うん! これでさらに美味しくなった」
ユキは大喜びで、鍋から『創作焼きうどん』を自分の取り皿へと入れる。おかわりはこれで三回目だ。
佐野の酔った勢いから出た適当な思いつきとはいえ、生卵と天かすの投入は結果的には大成功であった。
「俺が求めていたのは、この味だ」
ユキはそう呟いたあと、さらに取り皿のなかへ、七味唐辛子を派手にふりかける。
「そんなに入れたら辛いでしょう」
佐野は、どんどん赤くなるうどんを見て、目を丸くする。
「いやいや。これだ。これなのだ」
納得するまでふりかけたあと、実に美味そうにほおばる。
「では、僕も」
そこで佐野も負けじとユキと同様に七味唐辛子をたっぷりとかけて口に運ぶ。
「ああ! 辛いけど、すごく美味しいです」
佐野は両眉を上げて絶賛する。もちろん本心からである。
「だろ? やっぱり食事は同じ好みの者同士でするのが一番だよな」
ユキはとても嬉しそうな顔をして、残りのビールを一気に飲み干す。
こうして瞬く間に鍋は空となり、他の料理も食べ尽くした頃、ユキは照れくさそうな顔をして、佐野へこう言ったのだった。
「全くの想定外だったが、ケイのおかげで俺もAとのデートのやり直しというか、リベンジができた。焼きうどんからの思わぬ副産物っていうやつだ。ありがとう。助かったよ」
ユキは大喜びで、鍋から『創作焼きうどん』を自分の取り皿へと入れる。おかわりはこれで三回目だ。
佐野の酔った勢いから出た適当な思いつきとはいえ、生卵と天かすの投入は結果的には大成功であった。
「俺が求めていたのは、この味だ」
ユキはそう呟いたあと、さらに取り皿のなかへ、七味唐辛子を派手にふりかける。
「そんなに入れたら辛いでしょう」
佐野は、どんどん赤くなるうどんを見て、目を丸くする。
「いやいや。これだ。これなのだ」
納得するまでふりかけたあと、実に美味そうにほおばる。
「では、僕も」
そこで佐野も負けじとユキと同様に七味唐辛子をたっぷりとかけて口に運ぶ。
「ああ! 辛いけど、すごく美味しいです」
佐野は両眉を上げて絶賛する。もちろん本心からである。
「だろ? やっぱり食事は同じ好みの者同士でするのが一番だよな」
ユキはとても嬉しそうな顔をして、残りのビールを一気に飲み干す。
こうして瞬く間に鍋は空となり、他の料理も食べ尽くした頃、ユキは照れくさそうな顔をして、佐野へこう言ったのだった。
「全くの想定外だったが、ケイのおかげで俺もAとのデートのやり直しというか、リベンジができた。焼きうどんからの思わぬ副産物っていうやつだ。ありがとう。助かったよ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
81
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる