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21話 どんな選択肢を選んでも好感度が上がる男
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潤くんは、何も覚えてないのかもしれない。
それでも、私はあんなに強烈な事件は忘れられないよ。
「あ、朝から潤くんの顔なんて見たくなかった」
心の中で潤くんごめん!と謝りながら、明らかに不正解の選択肢を選ぶ。
とにかく昨日の一件が夢なのかそうでないのか分からない以上、なるべく潤くんに関わらないようにして、好感度も上げないようにしよう。
必要以上に好感度を上げなければ、ヤンデレ化して刺されない……はず。
「そっか、ごめんね」
潤くんはシュンとしながらも、笑顔を浮かべる。
さすがに良心が痛むけど、しょうがないよね。
……ん? え、どうして?
私は、たしかに不正解の選択肢を選んだはずなのに。
潤くんのハートのピンク色部分がたったいま増えたのを見てしまった。
ええ……。もう、何がどうなってるの?
◇
何が何だか分からないまま半日を過ごし、下校の時間になった。
いつも下駄箱のところで待ってくれている潤くんがいない代わりに、今日は悠真がいた。
「悠真」
一日緊張していたからかな。
悠真の顔を見たら、なんとなくホッとしちゃった。
悠真だけが、本当の私のことも、ここがゲームだってことも知ってるんだもんね。
「守れなくてごめん」
何から話そうかって考えていたら、突然深刻そうな顔で謝られてしまった。
「え?」
何のことだろう?
いつもは順序立てて話してくれる悠真にしてはめずらしく主語もないし、支離滅裂だ。
「帰りながら話そう」
「う、うん?」
言われるがままに学校を出て、いつもの電車に乗る。
みんなが途中で降りていって、同じ制服の人が車内にだいぶ少なくなってきた頃。ようやく悠真は話を切り出した。
「吉川潤のこと。もっと強く警告するべきだったね」
「へ?」
「だから、あの人を入れるのは反対だったんだ」
入れるって? 攻略じゃないの?
「どういう意味?」
悠真の言っている意味がよく分からなくて、聞き返す。そうしたら、悠真はハッとしたような顔をした。
それでも、私はあんなに強烈な事件は忘れられないよ。
「あ、朝から潤くんの顔なんて見たくなかった」
心の中で潤くんごめん!と謝りながら、明らかに不正解の選択肢を選ぶ。
とにかく昨日の一件が夢なのかそうでないのか分からない以上、なるべく潤くんに関わらないようにして、好感度も上げないようにしよう。
必要以上に好感度を上げなければ、ヤンデレ化して刺されない……はず。
「そっか、ごめんね」
潤くんはシュンとしながらも、笑顔を浮かべる。
さすがに良心が痛むけど、しょうがないよね。
……ん? え、どうして?
私は、たしかに不正解の選択肢を選んだはずなのに。
潤くんのハートのピンク色部分がたったいま増えたのを見てしまった。
ええ……。もう、何がどうなってるの?
◇
何が何だか分からないまま半日を過ごし、下校の時間になった。
いつも下駄箱のところで待ってくれている潤くんがいない代わりに、今日は悠真がいた。
「悠真」
一日緊張していたからかな。
悠真の顔を見たら、なんとなくホッとしちゃった。
悠真だけが、本当の私のことも、ここがゲームだってことも知ってるんだもんね。
「守れなくてごめん」
何から話そうかって考えていたら、突然深刻そうな顔で謝られてしまった。
「え?」
何のことだろう?
いつもは順序立てて話してくれる悠真にしてはめずらしく主語もないし、支離滅裂だ。
「帰りながら話そう」
「う、うん?」
言われるがままに学校を出て、いつもの電車に乗る。
みんなが途中で降りていって、同じ制服の人が車内にだいぶ少なくなってきた頃。ようやく悠真は話を切り出した。
「吉川潤のこと。もっと強く警告するべきだったね」
「へ?」
「だから、あの人を入れるのは反対だったんだ」
入れるって? 攻略じゃないの?
「どういう意味?」
悠真の言っている意味がよく分からなくて、聞き返す。そうしたら、悠真はハッとしたような顔をした。
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