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過去にも色々ありました
第74話 ルーカスの助け舟②
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「えっと…どこかで面識ありましたでしょうか…?」
エリオット様はやけに親しげな態度を取るルーカスお兄様を不思議に思い首を傾げる。
「いや実は」
「ちょっっとこっち来てください!!」
私はお兄様に反対側を向かせ、背中をグイグイと押して廊下を曲がった先まで移動させる。
「どうしたんだよシェリー?」
「それはこっちのセリフです!なんでここに居るんですか??」
「いやあ、ちょっと"エリオット様"に会ってみたいと思ってな?あとついでにシュバルツ邸にも招待しようかと。」
「な…!?やめてください、そんなのエリオット様も迷惑ですよ!」
「それより、さっきのがエリオットか?」
せめて人の話は聞いて欲しいな!
「……違います。今日は代わりの人が来たので。」
「嘘つくなって。お前を"シェリー"なんて呼び方するのは家族とエリオットくらいだろ?」
「ぐ……」
なんでこういう時に限って鋭いんだ…というか、最初からわかってるなら聞かないで欲しい。
「じゃ、早くしないとあいつ行っちゃうから行こうぜ!おーいエリオット!」
「あ、ちょっと!」
ルーカスお兄様はまたエリオット様の方へ向かっていく。もう、こうなったらなるようになれ。
「えっと…あの…」
エリオット様は非常に困惑している。お兄様はまだ名乗ってないんだから当然だ。
「ああ、すまんすまん!俺はルーカスだ、よろしく!多分歳も近いし敬語はいらないぞ!」
お兄様は元気よくエリオット様に手を差し出す。
お兄様、名前だけ言っても何者かわからないです。
「よ、よろしく…」
エリオット様は戸惑いながら手を差し出し、お兄様と握手する。それと同時に助けを求めるようにこちらを見てくる。
「私の兄です…」
私が観念して補足すると、エリオット様は納得した顔を浮かべる。
ちなみにお兄様は私と違ってお父様譲りの暗い赤髪なので、銀髪の私と兄妹だとはパッと見じゃ分からない。
「それで、今日はシェ…妹さんに会いに来た…んですか?」
エリオット様は迷った結果敬語を使うことにしたらしい。
「それもあるけど、どちらかと言うと用事があるのはエリオットの方だ!」
「え、俺…?」
「今週末、暇か?」
「あ、いや…特に用事はありませんが…」
「じゃあうちの屋敷まで遊びに来い!」
「え」
「場所は知ってると思うが、もし分からなければシェリーに聞けよ、それじゃ!」
それだけ言うと、ルーカスお兄様はそのまま立ち去ってしまった。
「どうすりゃいいんだ…?」
エリオット様がつぶやく。
「…ルーカスお兄様が何を考えているのか分かりませんし、私の方から断っておきます…」
「…いや、やっぱ行くよ。」
「本気ですか?」
「別に、シェリーのお兄さんなんだから悪い人じゃねえんだろ?侯爵家の子息から直々のお誘いだからあんまり無下にもできねえし、1回行ってもバチは当たらねえだろ。」
「まあ…確かに悪人では無いですね。」
だいぶ変人だけど。
「それじゃあえっと…場所は」
「ああ、それは分かるから問題ねえよ。仕事柄城下町の主要な建物の位置は把握してるからな。」
「あ、なるほど…」
「じゃあ仕事に戻るが、ここがちょっと分からなくてだな…」
「あ、えっとこれは…」
そんなこんなで、エリオット様が我が屋敷に来ることが決まったのだった。
エリオット様はやけに親しげな態度を取るルーカスお兄様を不思議に思い首を傾げる。
「いや実は」
「ちょっっとこっち来てください!!」
私はお兄様に反対側を向かせ、背中をグイグイと押して廊下を曲がった先まで移動させる。
「どうしたんだよシェリー?」
「それはこっちのセリフです!なんでここに居るんですか??」
「いやあ、ちょっと"エリオット様"に会ってみたいと思ってな?あとついでにシュバルツ邸にも招待しようかと。」
「な…!?やめてください、そんなのエリオット様も迷惑ですよ!」
「それより、さっきのがエリオットか?」
せめて人の話は聞いて欲しいな!
「……違います。今日は代わりの人が来たので。」
「嘘つくなって。お前を"シェリー"なんて呼び方するのは家族とエリオットくらいだろ?」
「ぐ……」
なんでこういう時に限って鋭いんだ…というか、最初からわかってるなら聞かないで欲しい。
「じゃ、早くしないとあいつ行っちゃうから行こうぜ!おーいエリオット!」
「あ、ちょっと!」
ルーカスお兄様はまたエリオット様の方へ向かっていく。もう、こうなったらなるようになれ。
「えっと…あの…」
エリオット様は非常に困惑している。お兄様はまだ名乗ってないんだから当然だ。
「ああ、すまんすまん!俺はルーカスだ、よろしく!多分歳も近いし敬語はいらないぞ!」
お兄様は元気よくエリオット様に手を差し出す。
お兄様、名前だけ言っても何者かわからないです。
「よ、よろしく…」
エリオット様は戸惑いながら手を差し出し、お兄様と握手する。それと同時に助けを求めるようにこちらを見てくる。
「私の兄です…」
私が観念して補足すると、エリオット様は納得した顔を浮かべる。
ちなみにお兄様は私と違ってお父様譲りの暗い赤髪なので、銀髪の私と兄妹だとはパッと見じゃ分からない。
「それで、今日はシェ…妹さんに会いに来た…んですか?」
エリオット様は迷った結果敬語を使うことにしたらしい。
「それもあるけど、どちらかと言うと用事があるのはエリオットの方だ!」
「え、俺…?」
「今週末、暇か?」
「あ、いや…特に用事はありませんが…」
「じゃあうちの屋敷まで遊びに来い!」
「え」
「場所は知ってると思うが、もし分からなければシェリーに聞けよ、それじゃ!」
それだけ言うと、ルーカスお兄様はそのまま立ち去ってしまった。
「どうすりゃいいんだ…?」
エリオット様がつぶやく。
「…ルーカスお兄様が何を考えているのか分かりませんし、私の方から断っておきます…」
「…いや、やっぱ行くよ。」
「本気ですか?」
「別に、シェリーのお兄さんなんだから悪い人じゃねえんだろ?侯爵家の子息から直々のお誘いだからあんまり無下にもできねえし、1回行ってもバチは当たらねえだろ。」
「まあ…確かに悪人では無いですね。」
だいぶ変人だけど。
「それじゃあえっと…場所は」
「ああ、それは分かるから問題ねえよ。仕事柄城下町の主要な建物の位置は把握してるからな。」
「あ、なるほど…」
「じゃあ仕事に戻るが、ここがちょっと分からなくてだな…」
「あ、えっとこれは…」
そんなこんなで、エリオット様が我が屋敷に来ることが決まったのだった。
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