水平思考ショートストーリー

顎(あご)

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・公平な会議

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 ある会社で、社運を賭けた大きなプロジェクトの方針を決める会議が開かれていた。かねてから議論は難航しており、方々から賛否両論の声が上がっていたが、今日はとうとうその最終決定の日だった。
 会議の最後、数十人の役員が集まるフロアの中で司会を務めていた男が言った。

 「それでは最後に、多数決で可決か否かを決めたいと思います。賛成の方は挙手をしてください。賛成が過半数を超えればこの案は可決とさせて頂きます」
 
 男が言い、皆同意した。
 果たして、多数決が行われた。結果、過半数の人間が手を挙げた。案は可決かに思われたが、司会の男が言った。

 「えー‥‥この多数決は無効として、再度機会を設けたいとおもいます」

 役員達は全員が多数決に参加していた、また、奇数人居たので票が割れる事はなかった。
 何故司会の男はこの多数決が無効だと判断したのだろう?

↓解説は次ページ










[解説]
 確かに過半数が手を挙げたが、挙げたのはその場にいた数十人の役員全員だった。
 これまで賛否両論だった事を考えると、どう見ても怪しい結果であると司会の男は考えたのだ。
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