4 / 71
光
しおりを挟む
「二十五歳になったら婚約者を作って結婚、かな」
父親が何歳まで自慢し続けるのかはわからない。今がピークかもしれないし、まだまだ続くかもしれない。長くて二十五歳まで。この美しさに翳りが見えたらきっと解放されるはず。
だんだんと減っていくパーティーの数。一週間に一度が二週間に一度となり、一ヶ月、二ヶ月と空いていく。どうして?と問いかけると「忙しくなってきたからな」と笑顔で嘘をつくだろう。
でもクラリッサはその嘘に傷つきはしない。その日を今か今かと待ち望んでいるのだから。
(でも問題は相手)
相手を決めるとなったとき、自分の国よりもずっと大きな国の王子を何がなんでも婚約者にすると意気込む必死な姿が目に浮かぶ。クラリッサにどういう相手が好みなのか、と聞くこともなく、どんな性格であろうと国の大きさで決める。
そして父親は笑顔でこう言うだろう。
「立派な相手だぞ!」と。
娘の幸せなんてこれっぽっちも考えていない父親にクラリッサは答える。
「ありがとうございます」
完璧な笑顔で。
「自分の足で歩いて世界を見るってどんな感じかしら……」
いつも寝る前はこうしてテラスに出て想像する。世界はどんな感じなのか、リズが休日になると必ず足を運ぶ城下町はどんな場所なのか、広場で見る大道芸はどんなものか──知りたいことはたくさんあるのにクラリッサにはそれを知るチャンスがない。
そのチャンスが訪れることはないとわかっているから想像するだけ。
「王女様、ホットミルクをお持ちしました」
「ありがとう」
きっとここよりずっと素晴らしい場所なのだろうと楽しく想像していてもこうして現実に引き戻されるこの瞬間が一番嫌いだった。
使用人なら返事を待って入ってくるものじゃないのかと思っても、何かあっては困るからノックの後はすぐに入れと命令を父親が出しているため侍女たちはそれに従っている。
「夜風は身体を冷やしますので、あまりお出になられない方がよろしいかと」
「ええ、そうね」
「他に必要な物はございますか?」
「いいえ、これを飲んだら寝るわ。あなたたちも休んで」
「失礼いたします」
風邪は一度もひいたことがない。少し身震いをするだけで医者が飛んできて状態を見る。そして少し寒気を感じるとでも言おうものなら風邪でもないのに看病されていた。
侍女に促され中に入るとテラスへ続くドアが閉められ、カーテンも閉められ、そして鍵も閉められた。ドアの鍵と同じでクラリッサが勝手に出ていかないようにと父親が警戒してつけたクラリッサの部屋にだけある特別なドア。
この音はもう外には出るなという合図。
ソファーに腰掛けてミルクティーを飲むと完飲するのを見届けてからカップと共に部屋を出ていった。
これで今日は邪魔が入ることはないが、残念なことにまだ眠気はきていない。
「……退屈ね……」
一人の時間は好き。見張りの侍女がいなくなるから何をしていても注意を受けることはないし、父親に報告されることもない。こうして大人しくソファーに腰掛けて静かにしていれば外で聞き耳を立てて様子を窺っているであろう侍女たちも騙せる。
だが、時として虚しくてたまらない時間でもあった。
デイジーはきっと今頃、姉のことをボロカス言っているだろう。『顔しか取り柄がないくせに甘やかされていい気になってんじゃないわよ!』と枕を叩いているのが目に浮かぶ。そして明日の授業の準備を嫌々ながらする。その際にもきっと文句を言っているだろう。
『もしアイツが学校に通ってたら絶対に私の方が成績が良かったのに! バカにしてやれたのに!』と。
デイジーはわかりやすい。鑑賞用として育てられた姉とは違う。まだ決められたレールの上を歩いてはいるが、干渉されることも少ない。自由に自分の人生を歩いていけるチャンスがある。
クラリッサの交流はパーティーだけ。パーティーの翌日、どんな身分の男性が訪ねてこようと父親は門前払いすると決めている。門番に追い払われる男性を窓から何度見たことか。
(両親は十五歳で結婚したのよね。王女が二十五歳で結婚なんて行き遅れかしら?)
二十五歳で結婚できればまだいい。三十代になっても輝きに翳りが見えなければずっと父親に囚われ続ける可能性もある。
(想像するだけでゾッとする)
身震いを起こして立ち上がったクラリッサが窓に寄ってカーテンを開ける。
(あの子たちの方がまだ自由ね)
大空を飛び回る鳥たちは誰にも飼われていない。自分の力だけで自然界を生きている。それに比べて自分はどうだ。父親に自慢させるために存在しているようなもの。
親にわがままも言えず、きょうだいに自然な笑顔も向けられないこんな人生にいったいなんの価値があるのだろう。
でもこれ以外の生き方を知らない。外の世界を一ミリだって知らないクラリッサが裸足のまま出ていけるはずがない。そんな勇気もないのだから。
「さーて、寝ようかなー」
あえて大きな声を出したあと、ドアに近づいて小さくノックを鳴らす。誰も入ってこない。侍女は自室に帰ったということ。以前は部屋の前に番が立っていたが、監視されているようで嫌だと抗議したことで解放された。
ドアをそっと押し開けて廊下を覗き込むと人はいない。数回頷いてドアを閉めれば同時に鍵も閉める。そしてそのまま閉められたテラスへと出た。一人でお茶を楽しむために作られたクラリッサ専用のテラス。夜風は少し冷たいが、その冷たさが気持ちよかった。
テラスから一段降りれば立派な中庭に繋がっており、昼間はよくそこを散歩する。花畑と呼ぶほど立派な花壇へ続く道もクラリッサがリラックスできるようにと父親が特別に作ってくれた場所。そこを抜けると温室がある。それも、デイジーは使えないクラリッサ専用の温室。
そうやってなんでもクラリッサのために作るのに他のきょうだいたちのためには専用の場所を一つだって作らないからデイジーは父親が大嫌いで、それに進言しない母親も、受け入れるクラリッサも嫌いだった。その感情は嫌というほどクラリッサにも伝わっている。
クラリッサは中庭を歩くのも花畑を眺めるのも温室でお茶をするのもデイジーの好きにしていいと何度も言ってきたのだが、デイジーは強く拒否するばかり。
自分にするならきょうだいたちにも同じようにしてほしいと父親に何度言っても父親は『お前のきょうだいは飽き性だから』で終わってしまう。
確かにきょうだいたちには飽き性なところがあって、その熱し方は世の中の流行と同じ。一瞬で火がつき、あっという間に飽きてしまう。あれやこれやと次から次に欲しがってはすぐに使わなくなる。それは母から再三注意を受けているのを何度も見かけた。それでも直らないらしい。
きょうだいの中でもデイジーだけがクラリッサに牙を剥くため放っておくべきだろうかと考えるが、距離を置けば一生仲良くはなれない。
幼い頃からいつもデイジーはクラリッサに『ズルい!』と言い続けている。仲良く手を繋いで歩いたのは三歳までで、四歳からはずっと『ズルい!』とまるで流行り言葉のように口にしては睨まれ、怒鳴られ、泣かれての繰り返し。そして今はもう嫌悪丸出しで睨まれるだけ。
そんな対応を受けてもクラリッサにとってデイジーは可愛い妹。揃ってパーティーに来る姉妹のように仲良くしたいのにできない。
それが昨今とても悲しい出来事となっている。
「何を送ってもお下がりを喜ぶと思うのかって言われちゃうし」
自分が使わない装飾品を母親が管理しているから欲しい物があれば持っていくよう言っても喜びはしない。
「姉がバカだと嫌になるのも当然よね」
学校に行ったことも家庭教師をつけたこともない姉の学力は十歳の四男より下。学校で出た宿題をする弟の教科書を覗き込んでも何もわからない。何をしてやるでもない、パーティーに出席することしかしない姉を誇れるはずがないことはクラリッサもわかっている。
だからこそどうすればいいのかがわからない。
「あーあ……」
ため息しか出てこない。きょうだいの中で誰よりも恵まれていると分かっていても、ないものねだりが出てしまう。
きょうだいたちと同じように学校に行きたかった。ダンスの練習をしてみたかった。好きな物を好きなだけ食べてみたかった。庭を走り回ってみたかった。
パーティーに出席して、顔と名前もわからない男性にお礼を言い続ける人生よりずっと良かったはずだと思ってしまう。
「ん? ……なに、あれ……?」
森のほうで何かが光ったのが見えた。よくテラスには出ているが、何かが光ったのは見たことがない。
「すぐに戻れば大丈夫よね」
今まで言いつけを破ったことはない。だから寝ると言ったクラリッサの言葉を疑って使用人が戻ってくることはないだろう。
睡眠不足はお肌の敵だと言われ、誰であろうとクラリッサの睡眠の邪魔は許されない。
だから今日はもう誰かが訪ねてくることはないということ。
クラリッサは疼き出した好奇心に駆られ、ローヒールの靴を片手に一階へと続く階段を下りて森へと向かった。
父親が何歳まで自慢し続けるのかはわからない。今がピークかもしれないし、まだまだ続くかもしれない。長くて二十五歳まで。この美しさに翳りが見えたらきっと解放されるはず。
だんだんと減っていくパーティーの数。一週間に一度が二週間に一度となり、一ヶ月、二ヶ月と空いていく。どうして?と問いかけると「忙しくなってきたからな」と笑顔で嘘をつくだろう。
でもクラリッサはその嘘に傷つきはしない。その日を今か今かと待ち望んでいるのだから。
(でも問題は相手)
相手を決めるとなったとき、自分の国よりもずっと大きな国の王子を何がなんでも婚約者にすると意気込む必死な姿が目に浮かぶ。クラリッサにどういう相手が好みなのか、と聞くこともなく、どんな性格であろうと国の大きさで決める。
そして父親は笑顔でこう言うだろう。
「立派な相手だぞ!」と。
娘の幸せなんてこれっぽっちも考えていない父親にクラリッサは答える。
「ありがとうございます」
完璧な笑顔で。
「自分の足で歩いて世界を見るってどんな感じかしら……」
いつも寝る前はこうしてテラスに出て想像する。世界はどんな感じなのか、リズが休日になると必ず足を運ぶ城下町はどんな場所なのか、広場で見る大道芸はどんなものか──知りたいことはたくさんあるのにクラリッサにはそれを知るチャンスがない。
そのチャンスが訪れることはないとわかっているから想像するだけ。
「王女様、ホットミルクをお持ちしました」
「ありがとう」
きっとここよりずっと素晴らしい場所なのだろうと楽しく想像していてもこうして現実に引き戻されるこの瞬間が一番嫌いだった。
使用人なら返事を待って入ってくるものじゃないのかと思っても、何かあっては困るからノックの後はすぐに入れと命令を父親が出しているため侍女たちはそれに従っている。
「夜風は身体を冷やしますので、あまりお出になられない方がよろしいかと」
「ええ、そうね」
「他に必要な物はございますか?」
「いいえ、これを飲んだら寝るわ。あなたたちも休んで」
「失礼いたします」
風邪は一度もひいたことがない。少し身震いをするだけで医者が飛んできて状態を見る。そして少し寒気を感じるとでも言おうものなら風邪でもないのに看病されていた。
侍女に促され中に入るとテラスへ続くドアが閉められ、カーテンも閉められ、そして鍵も閉められた。ドアの鍵と同じでクラリッサが勝手に出ていかないようにと父親が警戒してつけたクラリッサの部屋にだけある特別なドア。
この音はもう外には出るなという合図。
ソファーに腰掛けてミルクティーを飲むと完飲するのを見届けてからカップと共に部屋を出ていった。
これで今日は邪魔が入ることはないが、残念なことにまだ眠気はきていない。
「……退屈ね……」
一人の時間は好き。見張りの侍女がいなくなるから何をしていても注意を受けることはないし、父親に報告されることもない。こうして大人しくソファーに腰掛けて静かにしていれば外で聞き耳を立てて様子を窺っているであろう侍女たちも騙せる。
だが、時として虚しくてたまらない時間でもあった。
デイジーはきっと今頃、姉のことをボロカス言っているだろう。『顔しか取り柄がないくせに甘やかされていい気になってんじゃないわよ!』と枕を叩いているのが目に浮かぶ。そして明日の授業の準備を嫌々ながらする。その際にもきっと文句を言っているだろう。
『もしアイツが学校に通ってたら絶対に私の方が成績が良かったのに! バカにしてやれたのに!』と。
デイジーはわかりやすい。鑑賞用として育てられた姉とは違う。まだ決められたレールの上を歩いてはいるが、干渉されることも少ない。自由に自分の人生を歩いていけるチャンスがある。
クラリッサの交流はパーティーだけ。パーティーの翌日、どんな身分の男性が訪ねてこようと父親は門前払いすると決めている。門番に追い払われる男性を窓から何度見たことか。
(両親は十五歳で結婚したのよね。王女が二十五歳で結婚なんて行き遅れかしら?)
二十五歳で結婚できればまだいい。三十代になっても輝きに翳りが見えなければずっと父親に囚われ続ける可能性もある。
(想像するだけでゾッとする)
身震いを起こして立ち上がったクラリッサが窓に寄ってカーテンを開ける。
(あの子たちの方がまだ自由ね)
大空を飛び回る鳥たちは誰にも飼われていない。自分の力だけで自然界を生きている。それに比べて自分はどうだ。父親に自慢させるために存在しているようなもの。
親にわがままも言えず、きょうだいに自然な笑顔も向けられないこんな人生にいったいなんの価値があるのだろう。
でもこれ以外の生き方を知らない。外の世界を一ミリだって知らないクラリッサが裸足のまま出ていけるはずがない。そんな勇気もないのだから。
「さーて、寝ようかなー」
あえて大きな声を出したあと、ドアに近づいて小さくノックを鳴らす。誰も入ってこない。侍女は自室に帰ったということ。以前は部屋の前に番が立っていたが、監視されているようで嫌だと抗議したことで解放された。
ドアをそっと押し開けて廊下を覗き込むと人はいない。数回頷いてドアを閉めれば同時に鍵も閉める。そしてそのまま閉められたテラスへと出た。一人でお茶を楽しむために作られたクラリッサ専用のテラス。夜風は少し冷たいが、その冷たさが気持ちよかった。
テラスから一段降りれば立派な中庭に繋がっており、昼間はよくそこを散歩する。花畑と呼ぶほど立派な花壇へ続く道もクラリッサがリラックスできるようにと父親が特別に作ってくれた場所。そこを抜けると温室がある。それも、デイジーは使えないクラリッサ専用の温室。
そうやってなんでもクラリッサのために作るのに他のきょうだいたちのためには専用の場所を一つだって作らないからデイジーは父親が大嫌いで、それに進言しない母親も、受け入れるクラリッサも嫌いだった。その感情は嫌というほどクラリッサにも伝わっている。
クラリッサは中庭を歩くのも花畑を眺めるのも温室でお茶をするのもデイジーの好きにしていいと何度も言ってきたのだが、デイジーは強く拒否するばかり。
自分にするならきょうだいたちにも同じようにしてほしいと父親に何度言っても父親は『お前のきょうだいは飽き性だから』で終わってしまう。
確かにきょうだいたちには飽き性なところがあって、その熱し方は世の中の流行と同じ。一瞬で火がつき、あっという間に飽きてしまう。あれやこれやと次から次に欲しがってはすぐに使わなくなる。それは母から再三注意を受けているのを何度も見かけた。それでも直らないらしい。
きょうだいの中でもデイジーだけがクラリッサに牙を剥くため放っておくべきだろうかと考えるが、距離を置けば一生仲良くはなれない。
幼い頃からいつもデイジーはクラリッサに『ズルい!』と言い続けている。仲良く手を繋いで歩いたのは三歳までで、四歳からはずっと『ズルい!』とまるで流行り言葉のように口にしては睨まれ、怒鳴られ、泣かれての繰り返し。そして今はもう嫌悪丸出しで睨まれるだけ。
そんな対応を受けてもクラリッサにとってデイジーは可愛い妹。揃ってパーティーに来る姉妹のように仲良くしたいのにできない。
それが昨今とても悲しい出来事となっている。
「何を送ってもお下がりを喜ぶと思うのかって言われちゃうし」
自分が使わない装飾品を母親が管理しているから欲しい物があれば持っていくよう言っても喜びはしない。
「姉がバカだと嫌になるのも当然よね」
学校に行ったことも家庭教師をつけたこともない姉の学力は十歳の四男より下。学校で出た宿題をする弟の教科書を覗き込んでも何もわからない。何をしてやるでもない、パーティーに出席することしかしない姉を誇れるはずがないことはクラリッサもわかっている。
だからこそどうすればいいのかがわからない。
「あーあ……」
ため息しか出てこない。きょうだいの中で誰よりも恵まれていると分かっていても、ないものねだりが出てしまう。
きょうだいたちと同じように学校に行きたかった。ダンスの練習をしてみたかった。好きな物を好きなだけ食べてみたかった。庭を走り回ってみたかった。
パーティーに出席して、顔と名前もわからない男性にお礼を言い続ける人生よりずっと良かったはずだと思ってしまう。
「ん? ……なに、あれ……?」
森のほうで何かが光ったのが見えた。よくテラスには出ているが、何かが光ったのは見たことがない。
「すぐに戻れば大丈夫よね」
今まで言いつけを破ったことはない。だから寝ると言ったクラリッサの言葉を疑って使用人が戻ってくることはないだろう。
睡眠不足はお肌の敵だと言われ、誰であろうとクラリッサの睡眠の邪魔は許されない。
だから今日はもう誰かが訪ねてくることはないということ。
クラリッサは疼き出した好奇心に駆られ、ローヒールの靴を片手に一階へと続く階段を下りて森へと向かった。
1
あなたにおすすめの小説
理想の男性(ヒト)は、お祖父さま
たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。
そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室?
王太子はまったく好みじゃない。
彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。
彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。
そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった!
彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。
そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。
恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。
この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?
◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
R-Kingdom_1
他サイトでも掲載しています。
捨てられ聖女は、王太子殿下の契約花嫁。彼の呪いを解けるのは、わたしだけでした。
鷹凪きら
恋愛
「力を失いかけた聖女を、いつまでも生かしておくと思ったか?」
聖女の力を使い果たしたヴェータ国の王女シェラは、王となった兄から廃棄宣告を受ける。
死を覚悟したが、一人の男によって強引に連れ去られたことにより、命を繋ぎとめた。
シェラをさらったのは、敵国であるアレストリアの王太子ルディオ。
「君が生きたいと願うなら、ひとつだけ方法がある」
それは彼と結婚し、敵国アレストリアの王太子妃となること。
生き延びるために、シェラは提案を受け入れる。
これは互いの利益のための契約結婚。
初めから分かっていたはずなのに、彼の優しさに惹かれていってしまう。
しかしある事件をきっかけに、ルディオはシェラと距離をとり始めて……?
……分かりました。
この際ですから、いっそあたって砕けてみましょう。
夫を好きになったっていいですよね?
シェラはひっそりと決意を固める。
彼が恐ろしい呪いを抱えているとも知らずに……
※『ネコ科王子の手なずけ方』シリーズの三作目、王太子編となります。
主人公が変わっているので、単体で読めます。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
女嫌いな騎士が一目惚れしたのは、給金を貰いすぎだと値下げ交渉に全力な訳ありな使用人のようです
珠宮さくら
恋愛
家族に虐げられ結婚式直前に婚約者を妹に奪われて勘当までされ、目障りだから国からも出て行くように言われたマリーヌ。
その通りにしただけにすぎなかったが、虐げられながらも逞しく生きてきたことが随所に見え隠れしながら、給金をやたらと値下げしようと交渉する謎の頑張りと常識があるようでないズレっぷりを披露しつつ、初対面から気が合う男性の女嫌いなイケメン騎士と婚約して、自分を見つめ直して幸せになっていく。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる