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悪意
しおりを挟む「ダメだ」
「何故ダメなのですか?」
「そもそも狩猟大会には参加していないお前に異議を唱える資格はない」
家族での食事会。ヴィンセントはフローリアに約束したように狩猟大会の廃止を訴えたが父親は聞く耳を持たず拒否した。
「ですが、人間の娯楽による殺生はなくすべきです」
「私達が生まれる何千年も前から狩りは行われている」
「それは生きるためであって、僕達がしている事は娯楽です」
「貴族は暇人が多いからな」
「別の娯楽を開催されてはいかがですか?」
「提案してみろ」
父親の言葉にヴィンセントは黙り込む。中止を訴える事は考えていたが他の案を提示する事は考えていなかった。
困った顔をするヴィンセントを見たフローリアは手を上げた。
「私が、言ったんです」
「君が?」
「はい。鳥は人が歩くのと同じでそこを飛んでいるだけです。なのに自分の腕を競うために撃つなんておかしいと思うんです」
「アストルム王国でもされている事だろう?」
「いいえ。アストルム王国はそのような事はしていません」
「戦争にしか興味がないか」
ハッと鼻で笑い飛ばすエヴァンは感じの良い人ではなかった。
結婚した時にも会ったが、あまり部屋から出てこないため会う事も少ない。こうして食事をするのも今日が初めてだった。
「人は撃ってはいけないのに何故鳥は撃ってもいいのですか?」
「弱肉強食だ」
「では強い人間が弱い人間を撃っても文句は言えないのですか?」
「人間は人間に決められたルールの中で生きている。人間は人間を殺してはいけない。ルールを破った者は捌かれる。だが鳥を撃ってはいけないというルールはない」
あまりの勝手な言い分にフローリアは涙が出そうになった。
人が作ったルールの中に猟の禁止がないから許される。人を殺す事は禁止されているから許されない。同じ命なのに。
初めて目にする人間の汚さに涙がこぼれた。
「何故泣く?」
「鳥だって生きているんです。一日一日を一生懸命。それなのに人間の勝手で命を奪っていいはずがないんです。そんな身勝手が許されていいはずないのに」
「人間とはそういう生き物だ」
「やめてください」
涙が何度も頬を伝い、膝上で握られたフローリアの手を濡らす。
命を奪う事を何とも思っていないエヴァンの言葉に両手で顔を押さえて泣き出すフローリアを抱きしめるとヴィンセントが怒気を含ませた声で声を上げた。
「見なければいいだけだ。お前達が言う可哀相で伝統は変えられん」
「わかりました。もういいです」
「ヴィンセント座りなさい」
「結構です」
見なければいい。確かにそうだ。関わらなければいい話だとフローリアの肩を抱いたまま立ち上がるヴィンセントを引き留めるがヴィンセントは聞かず部屋を去った。
「ごめんね、フローリア」
ヴィンセントは悪くない。ヴィンセントは断られる事をわかっていながら言ってくれたとわかっている。だが、エヴァンの言葉があまりにも悲しかった。
人間は慈悲深く優しい生き物だと思ってきたフローリアにとって身勝手に動物の命を奪うのはショックが大きく、涙が止まらなかった。
「へえ、そんな事がねぇ」
「人間ってそういう生き物だって知ってた?」
「知ってたよ」
ウルマリアは人間がどういう生き物かを地上に落ちる前から知っていた。優しさも醜さも持っている天秤の上に乗っているような生き物だと思っていた。
「天使と悪魔が合体すれば人間が出来るだろうね」
ウルマリアの言葉にフローリアはハッとして顔を上げる。
「ヴィンセント様が言ってた。人間の中には天使と悪魔が住んでるって」
「そうさ。だから人間が悪さをしない優しい生き物っていうのはアンタの思い込みなんだよ」
「でもヴィンセントはとても優しいわ。エミリア様だってそうよ」
「もちろん皆が皆そうってわけじゃない。優しさに溢れた人間だっている。でも多くはそうじゃない」
ヘレナやエヴァンのように殺生さえも〝伝統〟と言いきってしまえる人間の方が多いのをフローリアは知らなかった。
アストルム王国が戦争大国というのは知っていても実際にアストルム王国で戦争が起こっているわけではないため人間の残酷さは目にした事がないのだ。だから初めてヴィンセントから狩猟大会の話を聞いた時は驚いた。
「ま、アタシだって動物や魚の肉を食べるんだから批判は出来ないけど」
「食べるの?」
「ああ」
「……そう」
ウルマリアはフローリアほど優しい心は持っていなかった。
自分はどちらかと言えば人間に近いのかもしれないとさえ思っていた。
欲しい物を手に入れるためなら禁忌も犯そうとするのだから。
肉や魚など食べなくとも人間は生きていける。だが食べてしまう。美味しそうに見えるから。そして美味しいと舌鼓を打つ。
だが、フローリアは違う。
欲しいと思った物が既に誰かの手に渡ってしまったのなら諦めるだろう。
いくら肉や魚が美味しそうに見えたとしても絶対に食べようとはしない。
当たり前に奪われる命を可哀相だと嘆き、涙を流す。
天使に生まれるべくして生まれたような子だった。
「アンタは生きにくいだろうね。どうせ落ちるならレオと一緒に落ちれば良かったのに」
「仕事で来たのにレオを巻き込めない」
「アイツはアンタのお願いなら喜んで聞くだろうけどね」
「子供じゃないんだからついてきてなんてお願いしない」
自分がクローディア・ベルの願いを叶えに行った後、レオがどこへ行ったのかわかっているだけにもし願ったとしてもヨナスが許さなかっただろうと容易に想像がつく。
「あら、お客様だったのね」
「デアさん」
ノックもなしにドアが開いた事に驚いて顔を向けると着飾ったデアが姿を見せた。
「随分みすぼらしい格好ね」
「やめてください」
「お友達かしら?」
「私の話し相手になってくださっているウルマリア・バーンズさんです」
言われた事など気にしていないかのように笑顔を見せて軽く頭を下げるもウルマリアは立ち上がらなかった。それが気に入らないのか見下すような視線を向けたまま暫く黙っていた。
「デアさん、ノックはしてください」
「あら、したつもりだったけどしてなかったかしら? 話が盛り上がりすぎて聞こえてなかっただけじゃない?」
デアはヘレナと同じぐらい苦手で顔を合わせているだけで息が詰まりそうだった。
「そういえば入ってくる時に聞こえたんだけどレオって誰?」
大袈裟なほどフローリアの肩がビクッと跳ね、目が泳ぎ出した。
「ねえ、レオって誰?」
何か企んでいるような笑みを浮かべて詰め寄るデアの前にウルマリアが間に入って見下ろす。
「レオは私の友人です。よく話をするんですよ」
「でもフローリア様も知り合いみたいな話し方をしてなかった?」
「聞き間違いじゃないですか? 盛り上がりすぎてましたし」
デアの睨みにウルマリアは笑顔を崩さなかった。
ウルマリアはデアより人間歴は短いとしてもデアより厳しい環境で生きてきて、こういう人間は飽きるほど見てきた。今更デアが何を言おうとどういう態度で来ようと鼻で笑って一蹴出来るだけの余裕があった。
「生意気ね。私が誰かわかって言ってるわけ?」
「いえ、全く。貴族の方とは縁がないもので」
「でしょうね。あなたみたいな貧乏人じゃ繋がる事も無理よね」
「でも王族の方とはご縁があったようでこうして仲良くさせていただいてます」
ワザとクスッと笑い声を漏らしてから発言するウルマリアにカッとなるデアが手を上げるもその手は簡単に掴まれて振り下ろす事も出来なくなる。
「離しなさいよ馬鹿力!」
「あなたこそフローリア様に対して馴れ馴れしいのではありませんか? あなたはたかだか貴族でしょう。王女様への礼儀は習わずですか?」
「ッ……あなたには関係ないでしょ!」
腕を振り払ったデアはまだ傷みが残る手首を擦りながらウルマリアから一歩距離を取る。
「粗暴な人間ね」
「手を上げようとする方が粗暴だと思いますが」
「こんな女を選ぶなんてさすがね」
「ウルマリアは良い人です。乱暴な事はおやめください」
庇う者は一人もいない状況に舌打ちをするとそのまま大きなヒール音を立てながら部屋から出ていった。
ドアが軋むほど強く閉めたのは怒りを見せたつもりなのだろう。ウルマリアは肩を竦め、フローリアは困った顔になる。
「そりゃヴィンセント様が選ばないわけだ」
明らかに悪意があるデアの態度は気に入らないが攻撃をし返すわけにはいかない。あれが普段の態度などしたら大問題だが、使用人が止めないのを見るとフローリアよりもこの家に馴染んでいるということ。
ウルマリアは厄介な女だと腕を組む。
「いつから会話聞いてたんだろ」
「……わからない。レオのこと聞かれたみたい」
「チクるかもね」
「ちくる?」
「報告するかもってこと。アンタがレオって男の名前を口にしてたって」
そんな事ないと言いたかったがデアの性格上それを避ける事は出来ない。ウルマリアが話を合わせてくれるため誤魔化す事は出来るが、ヴィンセントを不安にさせてしまうのは確かで心苦しかった。
「暫くは普通の話をしてた方がいいね。アタシも口調気をつけるよ」
いつから盗み聞きしていたかわからないのでは二人にしかわからない話は危険になると判断したウルマリアの提案にフローリアも頷く。
ウルマリアと二人で話をしたいからウィルにも席を外してもらったのにこれでは意味がないと下がった眉が寄っていく。
デアが何を考えて盗み聞きをしたのか……。
ヴィンセントを訪ねてもフローリアを訪ねる理由はない。それなのに何故?
ヘレナはフローリアよりデアを気に入っている。
デアが言った事を信じれば何か探りを入れてくるかもしれない。何かを聞かれたところで天使の力が消えたフローリアはボロが出るようなものは持っていない。
デアが何を言おうとこの地上にレオは存在しないし誰にも見えない。デアの狂言として消えるはず。
それなのにフローリアの中で不安が大きくなっていく。
「気分悪い……」
「大丈夫かい? もう休みな」
口を押さえながら青い顔で今にも倒れそうなフローリアを椅子に座らせるとドアを開けて大声でウィルを呼んだ。
慌てて駆け付けてきたウィルがフローリアを抱えて寝室へ向かう。
「何があったんですか?」
「デアって人が来たんです。それからすぐ顔色が悪くなって……」
あえてデアのせいという言い方をするウルマリア。ウィルがデアを快く思っていないのは知っているためそういう言い方をした。
狙い通り不愉快な顔を見せるウィルは怒りを抑えるように大きく息を吐き出す。
「やっぱり私が部屋にいた方がいいのではないでしょうか?」
「私としてはお願いしたいですね。今日も盗み聞きされてたので。ノックもありませんでしたし」
「明日からは私が部屋にいます」
「フローリア!」
フローリアを寝室に運ぶ時に他の使用人に呼ぶように頼んだヴィンセントが部屋に飛び込んできた。
「どうしたんだい!? 顔が真っ青だ。何があった?」
「デア様が来られたそうなのですが、それからこうなられたようで」
「デアに何か言われた?」
「ヴィンセント様……」
息をきらせながら駆け寄るヴィンセントがフローリアの頬に手を添えて心配そうに見つめるとフローリアが涙を浮かべてその手を握る。
「一緒にいてください」
「いるよ。ここにいるから」
何も起こってはいないのに嫌な予感がして仕方なかった。まるでこれから何か起こるような、そんな暗示がされているようで不安でたまらなくなる。
強く握られる手に力を込めて握り返しても不安は消えない。
どうかこの温もりが永遠でありますように。
不安を振り払うように願うフローリアは意識を手放すように眠りに落ちていった。
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