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アレン・レッドローズは告白する
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空が黄昏に染まる頃、馬の足音に気付いたロイは膝の間に埋めていた顔を上げた。
エリスローズが驚いた顔で馬車から降りてくる。
「エリー!」
抱きついてきたロイを抱きしめるもなぜこんな場所にロイがいるのかわからず困惑している。
「暇だったからエリーを待ってた」
安堵した表情を見せるエリスローズに笑顔を見せながら手を握ると一緒に部屋へと歩き始めるが、すぐに足を止めた。
不思議そうにこっちを見るエリスローズに嘘はつけない。アレンが来たらどうせすぐにバレてしまう。
なら自分から話すと顔を上げた。
「俺を知ってるって男が来た」
『どういうこと?』
手に持っていたノートを開いて字を書くエリスローズが書き終わるのに合わせて首を振る。
「わかんない。俺に会いたかったって。俺がスラムに来る前に会ってるって言うんだ。リオンの伯父──エリー!?」
その言葉にエリスローズは目を見開いてドレスの裾を持ち上げ走りだした。
生まれる前に会っている人物など一人しかいない。
だが、今のエリスローズの頭にはそれに関することを考える余裕はなく、怒りで支配されていた。
(どこ!? どこにいるの!?)
探し回ろうにも城の中を歩き回ったことがないため王と王妃の部屋さえ知らない。
手当たり次第部屋を開けるが、大体が無人の応接間らしき部屋。
「エリー、どうしたんだい?」
『ロイを知ってる男はどこ!?』
「伯父さんなら国王と……」
「俺を探してる?」
後ろから聞こえた声に振り返ると随分と大きな男が立っていた。
顔を見た途端に眉を寄せたエリスローズが男の頬を思いきりひっぱたく。
響いた音の大きさに結構な力が入っていることがわかり、リオンも一緒に部屋から出てきたばかりの国王たちも目を丸くして口を開けた。
「な、何をするんだ無礼者!」
「愚か者! 自分の立場を弁えなさい!」
「エリーどうしたんだい!?」
リオンが肩を掴んでダメだと言うとエリスローズは持っていたノートに書き殴る。
『ロイにスラムに行く前って言ったの!?』
「ああ、言った」
『どういうつもり!? 彼は何も知らなかったのにどうして勝手にそんなこと言うの!?』
「知らなかったのか、すまない。知ってるものだとばかり」
『あの子を傷つけるつもりなら絶対に許さない!』
「やめなさい!」
王妃の怒声にエリスローズが王妃を睨みつける。
十九歳の小娘に睨まれただけでビクッと怯える王妃を恐れる理由はエリスローズにはない。
この男がどこの誰かは知らないが、不容易にロイを傷つけようものなら容赦しないと視線をアレンに移す。
「お前はいつからそんな子供好きになったんだ、と言いたいとこだが、お前さんはロイの姉か」
「ッ!?」
全員が驚いた顔でアレンを見る。
エリスローズの化粧は落ちていない。完璧にエリーナと瓜二つを保っているのにアレンは一発でそれを見抜いた。
「な、何を言ってるんだ兄さん! エリーナだよ、忘れたのか?」
「顔は化粧で変えられてもな、そいつが持つ人間性までは化粧じゃ変えられんのさ。女の腐った部分を煮詰めたエリーナと間違えろってほうが難しいだろ」
リオンでさえ見抜けなかったのにと驚くエリスローズにズイッと顔を近付けたアレンがエリスローズの喉を撫でる。
「おいおい、魔法使ったのか? 可哀想に。辛かったろ」
「余計なことをするな!」
急に声を張った弟に振り向いたアレンの表情は冷たいもので
「誰にそんな口利いてんだよ」
たった一言そう言っただけで震え上がっている。
「エリーナはどうした? またどっかで男に股開いてんのか?」
「……たぶんね」
「どうしようもねぇな、あのバカ。離婚しちまえよ。お前の人生がもったいないぜ」
「兄さん、余計なことを言わないでくれ」
「親の言いなりになってたった一度の人生棒に振るつもりか?」
「兄さん!」
もう強くは止められないのは凄まれると怖いから。
アレンの言葉に苦笑しかできないリオンはそんなことよりとエリスローズに視線を受けた。
「魔法を使ったってどういう意味?」
「リオン、お前は部屋に帰りなさい。伯父さんは疲れてるんだ」
「伯父さん、どうか教えてほしい」
「リオン、私の言うことが聞けないのか!」
「まあまあ、いいじゃねぇか。息子が知りたがってんだから教えてやるのが大人の役目ってもんだろ」
弟の言うことなど気にもしないアレンはエリスローズの喉を撫でたまま真実を話そうとした。
『やめろ!』
走ってきたロイが飛びつくようにアレンの腕にしがみつくと噛みついた。
「いてて、ロイお前噛み付いたら痛いだろ?」
痛がっている様子はなく、むしろ嬉しそうにさえ見えた。
「エリーから離れろクソ野郎! 馴れ馴れしく触ってんじゃねーぞ!」
「クソ野郎、ね。それもそうだよな……。わかった、離れるよ。これでいいか?」
「下ろせ!」
「自分からしがみついて来たんだろ? しばらくこうさせてくれよ」
「嫌だ! なんだお前、誰なん──」
「伯父さん!」
ロイの言葉を遮ってリオンが大声を出した。
リオンの中の疑問は解決していないのだ。
「魔法って?」
「お前には関係ねーだろ!」
「あるんだよ!」
初めて出された大声にロイが驚くもすぐに眉を寄せる。
「もし彼らがエリスローズに何かしたのなら……許されることじゃない」
自分たちを睨む息子の変化に父親は驚くが、母親は気に入らないと睨み返す。
「……嬢ちゃん、教えてやってもいいか?」
すぐに首を振るエリスローズにリオンが眉を下げる。
「どうして教えてくれないんだ? 僕が頼りないからかい?」
『契約の一つだからです』
「そんな……」
シンプルな理由にリオンは泣きたくなった。
魔法で何かされたのにエリスローズは何も言わない。料理のことも差別のことも何も。
使用人たちの暴露合戦で聞いた情報の多さにリオンは吐きそうになった。
それらを全て受けていながらなんでもない顔で過ごしていたエリスローズにこんなにも想いが届かないことが辛かった。
「こんなとこで立ち話もなんだ。部屋に行こうぜ。腹ペコペコなんだよ、付き合え」
ロイを抱いたままエリスローズの手を掴んで歩きだすアレンを国王たちは追いかけることができない。
全てバラされてしまうのではないかと焦りはあるが、追いかけたところでついてくるなと言われるのは目に見えている。
「すぐに飯持ってくるように言ってくれ。山盛りの肉にフルーツの盛り合わせ、あと酒とジュースな」
まるで召使いにでも言うように伝えると角を曲がって部屋へと入っていく。
「引っ張っちまって悪いな。痛くなかったか? あのままアイツらに聞かれ続けんのも面倒だろ?」
頷きはするが、まだ怪訝な表情を向けるエリスローズを見てアレンが笑う。
「まあそう警戒しなさんな。伯父さんってことはここの国王の兄貴だ。怪しいもんじゃねぇよ」
「下せバカッ」
抱えたままソファーに座ったアレンから離れると唾を吐くように吐き捨ててエリスローズに駆け寄り抱きついた。
「声を奪われたこと、リオンに言ったほうがいんじゃねぇか? 不便だろ?」
『慣れました。それに、喋れないほうが予定が入らないし、意外と便利なんです』
「悪趣味なお茶会とかか?」
素直に頷く様子にまたアレンが笑う。
「聞きたいことがあるって顔だな」
つられて笑うことをしない二人の表情が同じであることに眉を下げ、肩を竦める。
「気まぐれに帰ってきてよかったと言うべきか? ロイ、この十年間、ずっとお前さんに会いたかったのは事実だぜ」
「知らねーよ」
『まず聞きたいのは、どうしてあなたがロイを知っているのかってことです。私が知る限り、あなたのような人はスラム街に来たこともない。来ていたら大騒ぎになるはずですから」
身なりからして金持ち。そんな人間がスラム街に来れば間違いなくザワつくだろう。しかしそんなことは一度もなかった。
「言っただろ、ロイがスラムに行く前に会ってんだよ」
そんなことができるのは一人しかいない。
カッとなった頭では深く考えもしなかったその理由にエリスローズの身体に緊張が走る。
それはロイも同じで、エリスローズに抱きつく腕に力が入っていた。
守るように抱きしめてアレンを見つめると二人の様子に目を細めながらハッキリと言った。
「俺の子だからな」
優しい笑顔でロイを見つめる男に二人はただ驚いた顔を向けることしかできなかった。
エリスローズが驚いた顔で馬車から降りてくる。
「エリー!」
抱きついてきたロイを抱きしめるもなぜこんな場所にロイがいるのかわからず困惑している。
「暇だったからエリーを待ってた」
安堵した表情を見せるエリスローズに笑顔を見せながら手を握ると一緒に部屋へと歩き始めるが、すぐに足を止めた。
不思議そうにこっちを見るエリスローズに嘘はつけない。アレンが来たらどうせすぐにバレてしまう。
なら自分から話すと顔を上げた。
「俺を知ってるって男が来た」
『どういうこと?』
手に持っていたノートを開いて字を書くエリスローズが書き終わるのに合わせて首を振る。
「わかんない。俺に会いたかったって。俺がスラムに来る前に会ってるって言うんだ。リオンの伯父──エリー!?」
その言葉にエリスローズは目を見開いてドレスの裾を持ち上げ走りだした。
生まれる前に会っている人物など一人しかいない。
だが、今のエリスローズの頭にはそれに関することを考える余裕はなく、怒りで支配されていた。
(どこ!? どこにいるの!?)
探し回ろうにも城の中を歩き回ったことがないため王と王妃の部屋さえ知らない。
手当たり次第部屋を開けるが、大体が無人の応接間らしき部屋。
「エリー、どうしたんだい?」
『ロイを知ってる男はどこ!?』
「伯父さんなら国王と……」
「俺を探してる?」
後ろから聞こえた声に振り返ると随分と大きな男が立っていた。
顔を見た途端に眉を寄せたエリスローズが男の頬を思いきりひっぱたく。
響いた音の大きさに結構な力が入っていることがわかり、リオンも一緒に部屋から出てきたばかりの国王たちも目を丸くして口を開けた。
「な、何をするんだ無礼者!」
「愚か者! 自分の立場を弁えなさい!」
「エリーどうしたんだい!?」
リオンが肩を掴んでダメだと言うとエリスローズは持っていたノートに書き殴る。
『ロイにスラムに行く前って言ったの!?』
「ああ、言った」
『どういうつもり!? 彼は何も知らなかったのにどうして勝手にそんなこと言うの!?』
「知らなかったのか、すまない。知ってるものだとばかり」
『あの子を傷つけるつもりなら絶対に許さない!』
「やめなさい!」
王妃の怒声にエリスローズが王妃を睨みつける。
十九歳の小娘に睨まれただけでビクッと怯える王妃を恐れる理由はエリスローズにはない。
この男がどこの誰かは知らないが、不容易にロイを傷つけようものなら容赦しないと視線をアレンに移す。
「お前はいつからそんな子供好きになったんだ、と言いたいとこだが、お前さんはロイの姉か」
「ッ!?」
全員が驚いた顔でアレンを見る。
エリスローズの化粧は落ちていない。完璧にエリーナと瓜二つを保っているのにアレンは一発でそれを見抜いた。
「な、何を言ってるんだ兄さん! エリーナだよ、忘れたのか?」
「顔は化粧で変えられてもな、そいつが持つ人間性までは化粧じゃ変えられんのさ。女の腐った部分を煮詰めたエリーナと間違えろってほうが難しいだろ」
リオンでさえ見抜けなかったのにと驚くエリスローズにズイッと顔を近付けたアレンがエリスローズの喉を撫でる。
「おいおい、魔法使ったのか? 可哀想に。辛かったろ」
「余計なことをするな!」
急に声を張った弟に振り向いたアレンの表情は冷たいもので
「誰にそんな口利いてんだよ」
たった一言そう言っただけで震え上がっている。
「エリーナはどうした? またどっかで男に股開いてんのか?」
「……たぶんね」
「どうしようもねぇな、あのバカ。離婚しちまえよ。お前の人生がもったいないぜ」
「兄さん、余計なことを言わないでくれ」
「親の言いなりになってたった一度の人生棒に振るつもりか?」
「兄さん!」
もう強くは止められないのは凄まれると怖いから。
アレンの言葉に苦笑しかできないリオンはそんなことよりとエリスローズに視線を受けた。
「魔法を使ったってどういう意味?」
「リオン、お前は部屋に帰りなさい。伯父さんは疲れてるんだ」
「伯父さん、どうか教えてほしい」
「リオン、私の言うことが聞けないのか!」
「まあまあ、いいじゃねぇか。息子が知りたがってんだから教えてやるのが大人の役目ってもんだろ」
弟の言うことなど気にもしないアレンはエリスローズの喉を撫でたまま真実を話そうとした。
『やめろ!』
走ってきたロイが飛びつくようにアレンの腕にしがみつくと噛みついた。
「いてて、ロイお前噛み付いたら痛いだろ?」
痛がっている様子はなく、むしろ嬉しそうにさえ見えた。
「エリーから離れろクソ野郎! 馴れ馴れしく触ってんじゃねーぞ!」
「クソ野郎、ね。それもそうだよな……。わかった、離れるよ。これでいいか?」
「下ろせ!」
「自分からしがみついて来たんだろ? しばらくこうさせてくれよ」
「嫌だ! なんだお前、誰なん──」
「伯父さん!」
ロイの言葉を遮ってリオンが大声を出した。
リオンの中の疑問は解決していないのだ。
「魔法って?」
「お前には関係ねーだろ!」
「あるんだよ!」
初めて出された大声にロイが驚くもすぐに眉を寄せる。
「もし彼らがエリスローズに何かしたのなら……許されることじゃない」
自分たちを睨む息子の変化に父親は驚くが、母親は気に入らないと睨み返す。
「……嬢ちゃん、教えてやってもいいか?」
すぐに首を振るエリスローズにリオンが眉を下げる。
「どうして教えてくれないんだ? 僕が頼りないからかい?」
『契約の一つだからです』
「そんな……」
シンプルな理由にリオンは泣きたくなった。
魔法で何かされたのにエリスローズは何も言わない。料理のことも差別のことも何も。
使用人たちの暴露合戦で聞いた情報の多さにリオンは吐きそうになった。
それらを全て受けていながらなんでもない顔で過ごしていたエリスローズにこんなにも想いが届かないことが辛かった。
「こんなとこで立ち話もなんだ。部屋に行こうぜ。腹ペコペコなんだよ、付き合え」
ロイを抱いたままエリスローズの手を掴んで歩きだすアレンを国王たちは追いかけることができない。
全てバラされてしまうのではないかと焦りはあるが、追いかけたところでついてくるなと言われるのは目に見えている。
「すぐに飯持ってくるように言ってくれ。山盛りの肉にフルーツの盛り合わせ、あと酒とジュースな」
まるで召使いにでも言うように伝えると角を曲がって部屋へと入っていく。
「引っ張っちまって悪いな。痛くなかったか? あのままアイツらに聞かれ続けんのも面倒だろ?」
頷きはするが、まだ怪訝な表情を向けるエリスローズを見てアレンが笑う。
「まあそう警戒しなさんな。伯父さんってことはここの国王の兄貴だ。怪しいもんじゃねぇよ」
「下せバカッ」
抱えたままソファーに座ったアレンから離れると唾を吐くように吐き捨ててエリスローズに駆け寄り抱きついた。
「声を奪われたこと、リオンに言ったほうがいんじゃねぇか? 不便だろ?」
『慣れました。それに、喋れないほうが予定が入らないし、意外と便利なんです』
「悪趣味なお茶会とかか?」
素直に頷く様子にまたアレンが笑う。
「聞きたいことがあるって顔だな」
つられて笑うことをしない二人の表情が同じであることに眉を下げ、肩を竦める。
「気まぐれに帰ってきてよかったと言うべきか? ロイ、この十年間、ずっとお前さんに会いたかったのは事実だぜ」
「知らねーよ」
『まず聞きたいのは、どうしてあなたがロイを知っているのかってことです。私が知る限り、あなたのような人はスラム街に来たこともない。来ていたら大騒ぎになるはずですから」
身なりからして金持ち。そんな人間がスラム街に来れば間違いなくザワつくだろう。しかしそんなことは一度もなかった。
「言っただろ、ロイがスラムに行く前に会ってんだよ」
そんなことができるのは一人しかいない。
カッとなった頭では深く考えもしなかったその理由にエリスローズの身体に緊張が走る。
それはロイも同じで、エリスローズに抱きつく腕に力が入っていた。
守るように抱きしめてアレンを見つめると二人の様子に目を細めながらハッキリと言った。
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