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エリスローズの瞳に映るもの
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「お前はコイツに辛かったはずだって言ったよな?」
「言った……」
「それはコイツがあそこでどんな扱いを受けてたか知ってたからだろ? 傍にいたいじゃなくて、傍にいてほしいってことはコイツを呼び戻すってことだ。コイツにとって忌々しい人間しかいないクソッタレな場所にな」
「ちがっ──……僕は……」
「自分は何も手放さない。でも手に入れ難い物も欲しい。一つも失わずに欲しい物だけ手に入れられりゃあ、そりゃ幸せだろうよ。でもコイツはどうだ? それで幸せになれんのか?」
アレンの言葉が矢継ぎ早に飛んでくる。
尋問を受けているような気分になるリオンが顔を上げたり下げたりする様子をロイは同情するような目で見ていた。
「声を奪われたことをなんで言わなかったかって聞いたことも、考えりゃわかることだろ。お前に言ったところでどうにもならないからだよ」
「ッ!」
「親の敷くレールの上を安全に走り続けてる甘ったれの坊ちゃんに何を言えってんだよ」
「全てを投げ出して彼女の手を引いて逃げられるならそうしたいよ! でもそれができる立場じゃないから苦しんでるんじゃないか!」
「お前の苦しみなんざコイツらにとっちゃどうだっていいことなんだよ。お前が苦しんでるのはお前が抵抗しねぇからだ。できねぇって思うならすんな。受け入れろ。その代わり苦しむな」
「……伯父さんはいつもそうやってなんでもわかったような口振りで僕を責めるけど……伯父さんと僕じゃ背負ってるものが違うんだよ……」
俯いて身体を震わせるリオンが怒りを堪えているのがわかる。
ロイがアレンを見上げるとアレンはロイを見ないまま頭だけ撫でる。
「だったら責務を果たせよ。やることやれ。コイツに想いを伝えんのはそれからだろうが。順番間違えてんじゃねぇよ」
「わかってるよ!」
「わかってねぇだろうが!」
アレンの怒鳴り声がさっきよりも一際大きくなり、空気まで震えたような気がした。
エリスローズの膝に乗って抱きつくロイの背中を撫でながら不安げに二人を見るエリスローズは穏やかではないこの空気の中にいるべきかどうか迷っていた。
ロイが不安になることは避けたい。だが、自分の話題でこうなっているのにその場を離れていいものかと戸惑いながらロイの耳を手で押さえる。
「その頭はなんのためにある? 考えるためだろうが。なんのために手がある? 守るためだろ。 なんのために足がある? ガムシャラに駆けるためだ」
一つずつ指差しながらアレンが怒気を含む声で問う。
「お前のその目はなんのためにあるんだ? 先を見るためか? 今だけを見るためか? お前のその口はなんのためにあんだよ? 言い訳するためか? 自分の意思を伝えるためか?」
リオンの顔が悔しげに歪んでいく。
「今だけしか見ることができねぇなら目を閉じろ。言い訳しかできねぇから口を塞げ。周りからの重圧が怖ぇなら人形みたいに座ってろ。今のお前にはそれがお似合いだ」
突き放すように言ったアレンに結局リオンは何も言い返せなかった。
「帰り時間考えりゃここで無駄に過ごしてる時間なんざねぇはずだ。帰りな」
グッと拳を握りながらも無言で立ち上がったリオンはそのまま玄関へと向かう。
それをエリスローズとロイだけが見送りに追いかける。
「エリー」
馬車の前で振り返ったリオンの顔に明るさはない。それでも目だけはしっかりと意思を持っているように見えた。
「僕は……今はまだ君に誇れるような人間じゃない。口ばかりの言い訳ばかりで、こうやって話してる今も君に良く思われたいと思って話してるのかもしれない」
そういうことは自分で言わないほうがいいのではないかと思ったが、こういう素直なところが憎めない人だったとエリスローズは思う。
「だけど、僕は君たちに恥じない自分になりたい」
「民に、じゃなくて?」
「君たちだって民だから」
「ここはアクティーではないですよ」
「あ……そうだった」
アレンの領地で暮らしているためアクティーにはもう住んでいない。
あの場所にはたくさんの思い出があるが、新しい人生は新しい場所で始めたほうがいいと言うアレンの意見を採用して引っ越した。
アクティーから遠く離れた異国の地。
「僕はやっぱり君が好きだ。この気持ちに嘘はないよ。妻になってほしいと思ってるし、君との間に子供だって欲しい。でも、それに返事が欲しいわけじゃないんだ。もし明日エリーナと離婚しても君にプロポーズはしない。君はここで新しい人生を始めてる。それを僕の一存で壊すわけにはいかないから。それに、君にはロイがいるもんね」
「リオン様、私──」
何か言おうとするエリスローズの前に手を出して首を振る。
「待って待って待って待って。ごめんなさいとかそういうのは言わないでほしい。伯父さんの言うことにはすごく腹が立つけど全部当たってて、悔しいけど今の僕じゃ何も言い返せないんだ。今、僕が歩いてる人生は親が決めたようでそうじゃない。僕が決めた道なんだ。だからそれを変えるのも僕なんだって気付いた。誰かのせいにしちゃいけない。自分が変わらなきゃ人生が変わるはずないなんて当たり前なのにね。そんなことにも気付かないなんてホント、情けないよ」
笑顔より見慣れたように思う苦笑にエリスローズが手を伸ばして頬に触れる。
驚いた顔でエリスローズを見るが、何も言わずに目を閉じた。
「あの一年は私にとって夢のような時間でした。それは良い夢でもあり、悪夢でもあった」
「そうだね」
「幼い頃の夢がほんの少しだけ叶ったんです。王子様とお城で暮らすお姫様になるという夢」
「言ってたね」
「でも、現実は想像と違って全くキラキラしてなくて、ひどく汚いものだった。歪んだ人減たちが集まる歪んだ世界。それが常識のように許されている場所」
「ごめんね」
手に添えられる大きな手が懐かしく、エリスローズは目を細めた。
「それでも、悪い思い出ばかりじゃないのは、あなたのおかげです。あなたの気遣いと優しさには感謝しかありません。メイやシオンとたくさん遊んでくれてありがとうございました。家族に素敵な思い出をたくさんありがとうございました。あなただから彼らは幸せだったんです。本当にありがとうございました」
家族は幸せだったと言いきるエリスローズの言葉に目を開けるとリオンは泣きそうになった。
エリスローズとロイが揃って頭を下げている。
アレンが言った独りよがりという言葉は間違っていない。いつも自分の気持ちを一方的に押し付けてばかりだったから。
家に行きたいと言って勝手に同行したのも、困るであろう大量のプレゼントを贈ったのも、家族になりたいと言ったのも全部独りよがりな行動だった。
それでも彼らはそれを笑顔で受け入れてくれた。兄だ、家族だと言って。
「僕はお礼なんて言ってもらえるような人間じゃないんだ。伯父さんの言う通り、独りよがりでどうしようもない人間だ」
「そんなこと──」
「それでも」
否定しようとするエリスローズに言葉をかぶせて首を振って笑顔を見せる。
「それでも、僕の独りよがりで幸せだったって言ってもらえることがあったなら、少しだけ自分を誇らしく思うよ」
ダメだと思っても涙が溢れてしまう。それを隠すように頭を下げた。
「僕のほうこそありがとう。君たちに出会えたことは僕の宝物だ。これほど誇らしいことはないよ。もし次に君たちに会えるとしたら、良い報告ができるときかな」
「できんのかよ」
急に生意気さを取り戻したロイの言葉に頭を上げたリオンが満面の笑みを見せる。
「もちろんだよ。もしかしたら伯父さんぐらいの年齢になってるかもしれないけど、ちゃんと伝えるよ。アクティーは差別のない素晴らしい国になったってね」
今はまだ口だけ。それも当然。まだ彼の取り組みは始まったばかり。
でも疑ってはいない。エリスローズはもちろん、ロイも。
「手紙ぐらいならやりとりしてやってもいーぜ」
「じゃあ聖リュミエール祭の時期にはカードは贈ろうかな」
「誕生日プレゼント送ってこいよ」
「いいの?」
「させてやってもいーぜって話」
ロイから提案したことにはエリスローズも驚いたが、これがロイなんだと嬉しくなって頭にキスを落とす。
「でも会わねーからな。約束守れよ」
「もちろんだよ。約束する」
小指を差し出すリオンにどうしようか少しだけ迷ったあと、小指を絡めて約束を交わす。
「君たちに祝福あれ」
そう言って馬車に乗り込んだリオンにエリスローズが駆け寄ってドアを叩く。
不思議そうに窓を開けたリオンにエリスローズが告げた。
「エリスローズです」
「……エリスローズか。美しい名前だね」
数回目を瞬かせたあと、それがなんのことか理解したリオンは少し目を潤ませながら笑って頷いた。
いつだって彼は美しいと言ってくれた。生き方も考え方も振る舞いも過去さえも──
「お元気で」
「君たちもね」
ゆっくりと走り出す馬車。
今度こそ本当の別れ。
余計な言葉はかけず、互いに手を振り合うだけ。
馬車が見えなくなるまで手を振り続けたエリスローズを後ろから抱き締めるロイに振り返ると唇を尖らせていた。
「どうしたの?」
「アイツのこと嫌いになりきれなかった自分にムカついてる」
「ロイはいい子だもの。理由もなく人を嫌いになったりしないじゃない」
「エリーのこと好きって言った時点で嫌いになる理由がある」
「でも嫌いになれなかったのよね?」
「だって……」
しゃがんで目線を合わせると視線を逸らしながらまだ唇を尖らせている。
「頑張ろうってしてるし、俺らに出会えてよかったって言った。そんな奴いなかったじゃん……」
「そうね」
「メイもシオンも母さんも父さんもアイツのことが好きだった。エリーも……」
「うん」
「俺だけが嫌いなのおかしいじゃん……」
素直じゃない。でもわかりやすい部分が多くて、そんなところが愛おしくてたまらない。
リオンにもわかっていたのだろう。ロイが一方的に言っているのではなく、エリスローズもロイがいなければ生きていけないのだと。
「なーに外でイチャコラしてんだよ」
タバコを咥えながら歩いてきたアレンに振り返ると横目でリオンが去ったほうを一瞬だけ見た。
「ひどい言い方ばっかりして。冷たいおじさん」
「あれぐらい言わねぇとわかんねぇよ、アイツには。あれで変われば化けるだろうし、あれでわからなきゃアクティーは終わる。それだけだ」
「アイツは嘘つかねーよ」
「お、なんだ? お前アイツの味方かよ」
「味方じゃねーよ。嘘つきじゃねーってだけだ」
「俺が庇ってやったのに俺の味方しねぇのかよ」
「タバコ臭い奴マジ嫌い」
「お前もすぐに吸うようになる」
「くっさッ!」
フーッとわざと顔に吐きかけるアレンの尻を思いきり拳で叩くと「いてて」と声を漏らしながら腕を遠くに伸ばして灰を落とす。
「でっけー夕陽」
「お前の顔ぐらいあんな」
「おっさんの尻の間違いだろ」
「エリーの乳……ぐらいはねぇか」
「おっさんの乳のがデカいもんな」
「二人とも今日は野宿して」
怒った顔で家へと向かうエリスローズを慌てて追いかけるロイと追いかけずにそこで笑うアレン。
「エリスローズ」
上機嫌な声で呼びかけるアレンにエリスローズが振り返ると追いついたことに安堵するロイがエリスローズにしがみつく。
「お前のそのルビーみたいに真っ赤な瞳にはこの世界はどう映ってんだ?」
どういう意図で聞いてるんだと思わずキョトンとしてしまったエリスローズが少し考えるように空を見上げる。
真っ赤な夕陽が落ちてきている。青くなったり赤くなったり白くなったり黒くなったりする空。
空を見上げて風船を楽しんでいたシオンが恋しい。
庭でシャボン玉を追いかけて転んだメイが恋しい。
この空よりも大きな愛で包んでくれた両親が恋しい。
エリスローズが見てきた世界は暗くて貧しいが、愛があった。
見に行った世界は明るくて裕福だが、歪んでいた。
家族のために働き、嘘をつき、必死に終えたあと、家族を失った。
残った家族と新しい家族と始まった新しい生活。
思い返せば、口が裂けても楽勝などと言える人生ではなかった。
神などいない。平等などない。世界はなんて残酷なんだと嘆くこともあった。
それでも前を向いて笑えているだけまだ恵まれていると思う。
彼らを失った悲しみと寂しさ、虚しさは一生消えることはないだろうが、それに囚われることもない。
それでも今こうして穏やかに日々を過ごせている人生はとても幸せなもので、ようやくのんびりと過ごせているのだ。
だからエリスローズは懐かしむように言葉を吐く。
「煌びやかな世界は何も美しくなかった。ゴミ捨て場と吐き捨てられた世界のほうがずっと美しかった」
「そうか」
寄ってきたアレンに笑顔を見せ、こう告げた。
「すごく美しくてすごくクソッタレな腐りきった世界が見えるだけ」
人生には貧富があって、命には重さと軽さがあった。
それはどれだけ足掻いても変えられないもので、スラム街を抜けて貴族のような暮らしに身を置いても、結局最期はスラム街にいるような死に方をした。
自分のしたことは正しかったのだろうか。
この一年、家族のために必死に耐えてきた。スラム街を抜ける日を夢見て。
でも終わりを見れば、家族と一年離れていた“だけ”だった。
断って、貧しくてもスラム街にいれば笑い合えた一年だったかもしれないのに──そう思わずにはいられない。
でも、受けたからこそ自分もロイもシオンも字が読めるようになった。メイは絵本の面白さを知った。
両親は自分がしてやりたくてもしてやれなかったことをしてやることができた。
申し訳ないという気持ちの中で彼らが少しでも幸せな時間を過ごしてくれていたのであればエリスローズは救われる。
平等などない、神などいない──この腐りきった世界をエリスローズは死ぬまで恨み続けるだろう。
それでも、その瞳に映る真っ赤な夕日だけはとても美しく見えた──
「言った……」
「それはコイツがあそこでどんな扱いを受けてたか知ってたからだろ? 傍にいたいじゃなくて、傍にいてほしいってことはコイツを呼び戻すってことだ。コイツにとって忌々しい人間しかいないクソッタレな場所にな」
「ちがっ──……僕は……」
「自分は何も手放さない。でも手に入れ難い物も欲しい。一つも失わずに欲しい物だけ手に入れられりゃあ、そりゃ幸せだろうよ。でもコイツはどうだ? それで幸せになれんのか?」
アレンの言葉が矢継ぎ早に飛んでくる。
尋問を受けているような気分になるリオンが顔を上げたり下げたりする様子をロイは同情するような目で見ていた。
「声を奪われたことをなんで言わなかったかって聞いたことも、考えりゃわかることだろ。お前に言ったところでどうにもならないからだよ」
「ッ!」
「親の敷くレールの上を安全に走り続けてる甘ったれの坊ちゃんに何を言えってんだよ」
「全てを投げ出して彼女の手を引いて逃げられるならそうしたいよ! でもそれができる立場じゃないから苦しんでるんじゃないか!」
「お前の苦しみなんざコイツらにとっちゃどうだっていいことなんだよ。お前が苦しんでるのはお前が抵抗しねぇからだ。できねぇって思うならすんな。受け入れろ。その代わり苦しむな」
「……伯父さんはいつもそうやってなんでもわかったような口振りで僕を責めるけど……伯父さんと僕じゃ背負ってるものが違うんだよ……」
俯いて身体を震わせるリオンが怒りを堪えているのがわかる。
ロイがアレンを見上げるとアレンはロイを見ないまま頭だけ撫でる。
「だったら責務を果たせよ。やることやれ。コイツに想いを伝えんのはそれからだろうが。順番間違えてんじゃねぇよ」
「わかってるよ!」
「わかってねぇだろうが!」
アレンの怒鳴り声がさっきよりも一際大きくなり、空気まで震えたような気がした。
エリスローズの膝に乗って抱きつくロイの背中を撫でながら不安げに二人を見るエリスローズは穏やかではないこの空気の中にいるべきかどうか迷っていた。
ロイが不安になることは避けたい。だが、自分の話題でこうなっているのにその場を離れていいものかと戸惑いながらロイの耳を手で押さえる。
「その頭はなんのためにある? 考えるためだろうが。なんのために手がある? 守るためだろ。 なんのために足がある? ガムシャラに駆けるためだ」
一つずつ指差しながらアレンが怒気を含む声で問う。
「お前のその目はなんのためにあるんだ? 先を見るためか? 今だけを見るためか? お前のその口はなんのためにあんだよ? 言い訳するためか? 自分の意思を伝えるためか?」
リオンの顔が悔しげに歪んでいく。
「今だけしか見ることができねぇなら目を閉じろ。言い訳しかできねぇから口を塞げ。周りからの重圧が怖ぇなら人形みたいに座ってろ。今のお前にはそれがお似合いだ」
突き放すように言ったアレンに結局リオンは何も言い返せなかった。
「帰り時間考えりゃここで無駄に過ごしてる時間なんざねぇはずだ。帰りな」
グッと拳を握りながらも無言で立ち上がったリオンはそのまま玄関へと向かう。
それをエリスローズとロイだけが見送りに追いかける。
「エリー」
馬車の前で振り返ったリオンの顔に明るさはない。それでも目だけはしっかりと意思を持っているように見えた。
「僕は……今はまだ君に誇れるような人間じゃない。口ばかりの言い訳ばかりで、こうやって話してる今も君に良く思われたいと思って話してるのかもしれない」
そういうことは自分で言わないほうがいいのではないかと思ったが、こういう素直なところが憎めない人だったとエリスローズは思う。
「だけど、僕は君たちに恥じない自分になりたい」
「民に、じゃなくて?」
「君たちだって民だから」
「ここはアクティーではないですよ」
「あ……そうだった」
アレンの領地で暮らしているためアクティーにはもう住んでいない。
あの場所にはたくさんの思い出があるが、新しい人生は新しい場所で始めたほうがいいと言うアレンの意見を採用して引っ越した。
アクティーから遠く離れた異国の地。
「僕はやっぱり君が好きだ。この気持ちに嘘はないよ。妻になってほしいと思ってるし、君との間に子供だって欲しい。でも、それに返事が欲しいわけじゃないんだ。もし明日エリーナと離婚しても君にプロポーズはしない。君はここで新しい人生を始めてる。それを僕の一存で壊すわけにはいかないから。それに、君にはロイがいるもんね」
「リオン様、私──」
何か言おうとするエリスローズの前に手を出して首を振る。
「待って待って待って待って。ごめんなさいとかそういうのは言わないでほしい。伯父さんの言うことにはすごく腹が立つけど全部当たってて、悔しいけど今の僕じゃ何も言い返せないんだ。今、僕が歩いてる人生は親が決めたようでそうじゃない。僕が決めた道なんだ。だからそれを変えるのも僕なんだって気付いた。誰かのせいにしちゃいけない。自分が変わらなきゃ人生が変わるはずないなんて当たり前なのにね。そんなことにも気付かないなんてホント、情けないよ」
笑顔より見慣れたように思う苦笑にエリスローズが手を伸ばして頬に触れる。
驚いた顔でエリスローズを見るが、何も言わずに目を閉じた。
「あの一年は私にとって夢のような時間でした。それは良い夢でもあり、悪夢でもあった」
「そうだね」
「幼い頃の夢がほんの少しだけ叶ったんです。王子様とお城で暮らすお姫様になるという夢」
「言ってたね」
「でも、現実は想像と違って全くキラキラしてなくて、ひどく汚いものだった。歪んだ人減たちが集まる歪んだ世界。それが常識のように許されている場所」
「ごめんね」
手に添えられる大きな手が懐かしく、エリスローズは目を細めた。
「それでも、悪い思い出ばかりじゃないのは、あなたのおかげです。あなたの気遣いと優しさには感謝しかありません。メイやシオンとたくさん遊んでくれてありがとうございました。家族に素敵な思い出をたくさんありがとうございました。あなただから彼らは幸せだったんです。本当にありがとうございました」
家族は幸せだったと言いきるエリスローズの言葉に目を開けるとリオンは泣きそうになった。
エリスローズとロイが揃って頭を下げている。
アレンが言った独りよがりという言葉は間違っていない。いつも自分の気持ちを一方的に押し付けてばかりだったから。
家に行きたいと言って勝手に同行したのも、困るであろう大量のプレゼントを贈ったのも、家族になりたいと言ったのも全部独りよがりな行動だった。
それでも彼らはそれを笑顔で受け入れてくれた。兄だ、家族だと言って。
「僕はお礼なんて言ってもらえるような人間じゃないんだ。伯父さんの言う通り、独りよがりでどうしようもない人間だ」
「そんなこと──」
「それでも」
否定しようとするエリスローズに言葉をかぶせて首を振って笑顔を見せる。
「それでも、僕の独りよがりで幸せだったって言ってもらえることがあったなら、少しだけ自分を誇らしく思うよ」
ダメだと思っても涙が溢れてしまう。それを隠すように頭を下げた。
「僕のほうこそありがとう。君たちに出会えたことは僕の宝物だ。これほど誇らしいことはないよ。もし次に君たちに会えるとしたら、良い報告ができるときかな」
「できんのかよ」
急に生意気さを取り戻したロイの言葉に頭を上げたリオンが満面の笑みを見せる。
「もちろんだよ。もしかしたら伯父さんぐらいの年齢になってるかもしれないけど、ちゃんと伝えるよ。アクティーは差別のない素晴らしい国になったってね」
今はまだ口だけ。それも当然。まだ彼の取り組みは始まったばかり。
でも疑ってはいない。エリスローズはもちろん、ロイも。
「手紙ぐらいならやりとりしてやってもいーぜ」
「じゃあ聖リュミエール祭の時期にはカードは贈ろうかな」
「誕生日プレゼント送ってこいよ」
「いいの?」
「させてやってもいーぜって話」
ロイから提案したことにはエリスローズも驚いたが、これがロイなんだと嬉しくなって頭にキスを落とす。
「でも会わねーからな。約束守れよ」
「もちろんだよ。約束する」
小指を差し出すリオンにどうしようか少しだけ迷ったあと、小指を絡めて約束を交わす。
「君たちに祝福あれ」
そう言って馬車に乗り込んだリオンにエリスローズが駆け寄ってドアを叩く。
不思議そうに窓を開けたリオンにエリスローズが告げた。
「エリスローズです」
「……エリスローズか。美しい名前だね」
数回目を瞬かせたあと、それがなんのことか理解したリオンは少し目を潤ませながら笑って頷いた。
いつだって彼は美しいと言ってくれた。生き方も考え方も振る舞いも過去さえも──
「お元気で」
「君たちもね」
ゆっくりと走り出す馬車。
今度こそ本当の別れ。
余計な言葉はかけず、互いに手を振り合うだけ。
馬車が見えなくなるまで手を振り続けたエリスローズを後ろから抱き締めるロイに振り返ると唇を尖らせていた。
「どうしたの?」
「アイツのこと嫌いになりきれなかった自分にムカついてる」
「ロイはいい子だもの。理由もなく人を嫌いになったりしないじゃない」
「エリーのこと好きって言った時点で嫌いになる理由がある」
「でも嫌いになれなかったのよね?」
「だって……」
しゃがんで目線を合わせると視線を逸らしながらまだ唇を尖らせている。
「頑張ろうってしてるし、俺らに出会えてよかったって言った。そんな奴いなかったじゃん……」
「そうね」
「メイもシオンも母さんも父さんもアイツのことが好きだった。エリーも……」
「うん」
「俺だけが嫌いなのおかしいじゃん……」
素直じゃない。でもわかりやすい部分が多くて、そんなところが愛おしくてたまらない。
リオンにもわかっていたのだろう。ロイが一方的に言っているのではなく、エリスローズもロイがいなければ生きていけないのだと。
「なーに外でイチャコラしてんだよ」
タバコを咥えながら歩いてきたアレンに振り返ると横目でリオンが去ったほうを一瞬だけ見た。
「ひどい言い方ばっかりして。冷たいおじさん」
「あれぐらい言わねぇとわかんねぇよ、アイツには。あれで変われば化けるだろうし、あれでわからなきゃアクティーは終わる。それだけだ」
「アイツは嘘つかねーよ」
「お、なんだ? お前アイツの味方かよ」
「味方じゃねーよ。嘘つきじゃねーってだけだ」
「俺が庇ってやったのに俺の味方しねぇのかよ」
「タバコ臭い奴マジ嫌い」
「お前もすぐに吸うようになる」
「くっさッ!」
フーッとわざと顔に吐きかけるアレンの尻を思いきり拳で叩くと「いてて」と声を漏らしながら腕を遠くに伸ばして灰を落とす。
「でっけー夕陽」
「お前の顔ぐらいあんな」
「おっさんの尻の間違いだろ」
「エリーの乳……ぐらいはねぇか」
「おっさんの乳のがデカいもんな」
「二人とも今日は野宿して」
怒った顔で家へと向かうエリスローズを慌てて追いかけるロイと追いかけずにそこで笑うアレン。
「エリスローズ」
上機嫌な声で呼びかけるアレンにエリスローズが振り返ると追いついたことに安堵するロイがエリスローズにしがみつく。
「お前のそのルビーみたいに真っ赤な瞳にはこの世界はどう映ってんだ?」
どういう意図で聞いてるんだと思わずキョトンとしてしまったエリスローズが少し考えるように空を見上げる。
真っ赤な夕陽が落ちてきている。青くなったり赤くなったり白くなったり黒くなったりする空。
空を見上げて風船を楽しんでいたシオンが恋しい。
庭でシャボン玉を追いかけて転んだメイが恋しい。
この空よりも大きな愛で包んでくれた両親が恋しい。
エリスローズが見てきた世界は暗くて貧しいが、愛があった。
見に行った世界は明るくて裕福だが、歪んでいた。
家族のために働き、嘘をつき、必死に終えたあと、家族を失った。
残った家族と新しい家族と始まった新しい生活。
思い返せば、口が裂けても楽勝などと言える人生ではなかった。
神などいない。平等などない。世界はなんて残酷なんだと嘆くこともあった。
それでも前を向いて笑えているだけまだ恵まれていると思う。
彼らを失った悲しみと寂しさ、虚しさは一生消えることはないだろうが、それに囚われることもない。
それでも今こうして穏やかに日々を過ごせている人生はとても幸せなもので、ようやくのんびりと過ごせているのだ。
だからエリスローズは懐かしむように言葉を吐く。
「煌びやかな世界は何も美しくなかった。ゴミ捨て場と吐き捨てられた世界のほうがずっと美しかった」
「そうか」
寄ってきたアレンに笑顔を見せ、こう告げた。
「すごく美しくてすごくクソッタレな腐りきった世界が見えるだけ」
人生には貧富があって、命には重さと軽さがあった。
それはどれだけ足掻いても変えられないもので、スラム街を抜けて貴族のような暮らしに身を置いても、結局最期はスラム街にいるような死に方をした。
自分のしたことは正しかったのだろうか。
この一年、家族のために必死に耐えてきた。スラム街を抜ける日を夢見て。
でも終わりを見れば、家族と一年離れていた“だけ”だった。
断って、貧しくてもスラム街にいれば笑い合えた一年だったかもしれないのに──そう思わずにはいられない。
でも、受けたからこそ自分もロイもシオンも字が読めるようになった。メイは絵本の面白さを知った。
両親は自分がしてやりたくてもしてやれなかったことをしてやることができた。
申し訳ないという気持ちの中で彼らが少しでも幸せな時間を過ごしてくれていたのであればエリスローズは救われる。
平等などない、神などいない──この腐りきった世界をエリスローズは死ぬまで恨み続けるだろう。
それでも、その瞳に映る真っ赤な夕日だけはとても美しく見えた──
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この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
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きれいなお話でした。
いや。内容はきれいとは言い難いですが、絵がね~読んでいて浮かぶ絵がきれいなお話でした。
風船をみんなで飛ばすシーンでは、青空バックに色とりどりの風船が浮かび上がる絵…ではなく、青空を背に地上を見下ろした構図で、浮かび上がってくる風船越しに地上にいる7人がそれはそれは嬉しそうな顔で見上げている絵が見えました。みんながそれぞれの幸せを乗せた笑顔です。見上げると誰でもちょっと間抜け顔になりますが、その間抜けさが、今その瞬間そこにある幸せの証のようで。束の間の輝きが持つ特別なキラキラしさでした。7人のうち、5人から少し離れたところに寄り添って立つ2人、コリンとフィーネがこの極彩色のような絵にさくら色のフィルターをうっすら加えている、そんな絵。
雨に打たれて1人立ち尽くすエリスローズを空から見下ろす絵では、目を瞑り空に向けられた彼女の表情が圧巻でした。どこか幸福感のある絶望っていうのかしら?ずっとずっと張り詰めていた糸が今まさに切れそうになっているというのに、雨に打たれてずぶ濡れという幸せ?のお陰で未だ切れずにいる。雨粒が筋を描いて彼女の額から鼻筋、口角から顎を伝って流れていく様は息が止まるほど美しく輝いているけれど。絵の端で、目を見開いて走り出しているリオンがこの絵に仕上げの暗い色調、澄んだ濃紺を加えていました。
アルとミュゲットの童話(!!!)を読む2人はアレン視点の絵でした。ソファに寄り添い膝にのせた1冊の本の同じ場所をみつめる2人の穏やかな顔。やがて男の子が姉を見上げて姉が男の子を見て。笑顔が弾けるように動き出す。そこにアレンが仕上げの色を加えていました。どちらも身体が芯からあったまるような香り立つ琥珀色の色合いです。膝にのせた本は孤独で冷たい氷帝のお話だというのに!笑
絵に描かれた人物が、或いは視点となった人物が絵に色を加える、その色が常に絵を美しくしている…そんな絵を1枚1枚夢中でめくっていくお話だったんだなと。ああ、だからタイトルが「瞳に映るもの」なのね!って。
どんな話も、たらればは付き物ですが、絵が必然を感じさせる、そんなお話でもあったなと。
ためて一気読みしましたが、良い時間でした。濃かった。笑
感想ありがとうございます!励みになります。
素敵な表現をありがとうございます。とてもとても嬉しいです。
間抜けさや束の間というのは本当にそうで、貧しく世界から隔離されたような場所で育ったエリスローズにとって幸せは当たり前ではなく、これから掴み取る物でもなかったんですよね。一瞬一瞬が不幸であり幸せである……それがエリスローズの人生だったのかなと思います。
氷帝のお話は私自身お気に入りなのでこれからもどこかでちょいちょい出てくると思います笑
もしかすると長年描かれてきた絵本は少し違う形で描かれる日が来るかもしれませんね。
貧しさ、裕福さ、幸福、不幸、希望、絶望と対極にあるそれら全てをエリスローズは経験しました。
世界の美しさ、汚さ。人の優しさ、醜さ──……汚さと醜さしかなかった世界に美しさや優しさが入ってまた変わっていく。エリスローズの瞳に映るもの全てが詰め込まれた物語でした。
詩的で美しい表現で彩ってくださりありがとうございました。絵まで感じていただけたことは感無量でございます。
またこうしてお読みいただけるよう精進して参ります。
感想ありがとうございました!
アレンの言う「人形のように」生きてきたリオン。
きっと帰ってもエリーナと離婚は出来ないし、王太子である間は改革も出来ないかもしれない。
でも、彼が国王となった時には必ずやり遂げてくれるのではないかとおもいます。
彼が退位するその時には、きっとエリスローズの望んだ世界に。
でも、リオン休憩時間に異国の地に来たとはビックリ⊙.☉
それは休憩時間ではなく、休暇では…
今生の別れなのかな~
ちょっと切ない。
エリスローズは最後の一年、家族と過ごせればと回顧してますが、
エリスローズが拒否しても、王家の手により連れ攫われて、家族はあの時に殺されていたかも。
エリスローズが交渉に応じたから一年ではあるけれどあんなに穏やかに家族で過ごせて彼らは幸せだったと思います。
完結お疲れ様でした
今回のお話は大変考えさせられるお話でした。
綺麗事を言っても差別意識って誰の中にも多かれ少なかれあるもので。
差別意識全くありませんなんて人はいないなと。
アレンの言葉をを考えてるうちにそう思い至りました。
アレンが正しいですね。
あと、アレンの名前、ずっとアランと思い込んで投稿しておりました💦💦💦
人名苦手なんです、覚えられなくて💦💦💦💦
スミマセンでした、_(._.)_
最終回で気づきました😱😱😱
また、次回作でお会いできますように。
いつも感想ありがとうございます!励みになります。
今はまだお人形のリオンですが、王位を継ぐまでにやるべきことはちゃんとわかっていると思います。
今までは離婚することを恐怖にしか思っておらず、エリーナという妻にうんざりしていましたが、これからは開き直ってエリーナとその背後を利用していくのではないかなと思います。目指すべき未来のために。
帰ったら仕事が山積みなのは間違いないと思います笑
彼らはもしかしたら二十年後ぐらいに会えるのではないかなーと想像しています。
家族のために頑張ってきたエリスローズにとって彼らと過ごせなかった、彼らを殺す結果になってしまったことは死ぬまで後悔し続けると思います。苦しんで死んでいったであろう家族を思い、いつかは涙を流す日が来るかもしれません。
それでもエリスローズが見ていない日々の中に彼ら家族の幸せがあったのも確かだと思います。
聖人君子は存在しない。どんな人間でも心の中に差別はあって、表に出す出さないの差なのかなと思います。
差別は良くないと口にするのは簡単でも、無意識に行い、周りが差別を認めていればそれがおかしなことだとは思わない。それが人間なんだと思います。
差別を客観的に見る側と受ける側。そこにはどうしても相容れない部分があるのかなと。
名前のことはお気になさらず!思っているとそう読んでしまいますよね^^
二ヶ月間、お付き合いいただき、たくさんの感想ありがとうございました!大変励みになりました。
明日より別作品の公開が始まりますので、またそちらでお会いできるのを楽しみにしております。
気が向いたときにでも足をお運びいただけますと幸いです^^
最後まで暗く重苦しい話ではありましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
完結おめでとうございます🎉🎉🎉
毎朝8時が楽しみでした。
やっと本名を聞けた王太子、どうするのか分からないけどエリスローズ(もっともレッドローズ家が王家という中でこの名前というのも気にはなっていたんですが)という経験で良い方向に行ってほしいです。
抜け出した三人は幸せになるだろうし努力もするだろうから心配はありませんが。
エリスローズが捨てられた忌み双子ではないかと思ってはいます。
いつも感想ありがとうございます!励みになります。
王太子はこれでようやく覚悟を決めたのだと思います。
エリスローズとロイが安全な場所にいる。邪悪な王が手出しできない場所にいることはリオンに安心と覚悟を与えたのかなと。
アレン、エリスローズ、ロイはこれからゆっくりとした時間を過ごしていきます。
エリスローズはコリン夫妻の実子なのですが、エリーナと似ていたことやロイやメイたちと違ってそういう名前を付けたのにはなんらかの理由があったのかもしれませんね。
本編では語らなかったのですが、エリーナの出身国にはスラム街も貧困街もないことで有名ですが、実際は存在しないのではなく、存在させていないだけなのです。税を払えない者は国外へと追放する。税を払える者だけが国民だと認められる。
その点、アクティーは貧困街もスラム街も存在する国として有名です。それ故に国王は慈悲深いとさえ言われていたりします。だから自国を追い出された者がアクティーに行くことはあります。
幾度も感想をくださり、本当にありがとうございました!大変励みになりました。
明日から新しい物語が始まります。
気が向きましたら足をお運びいただけますと幸いです^^
二ヶ月間お付き合いいただき、ありがとうございました!