愛し方を知らない氷帝の愛し方

永江寧々

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裏の顔

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「アンブローズって?」
「先代皇帝の名だ」

 宛名がアルフローレンスではなく先代皇帝になっていたものもあった。
 ということは父親は先代皇帝のときからずっと付き合いがあったということだと、それだけでミュゲットはあまりの不可解さに怪訝な表情を浮かべる。
 覚悟を決めて手紙を開き、目を通す。

「これは父が即位した直後の手紙?」
「らしいな。ほとんど残ってはいなかったが、数通だけ残っていた」
「フローラリアとグラキエスはずっと水面下で交流があったということ?」
「それほど長くはないが、少なくともアイザック・フォン・ランベリーローズが即位する前から付き合いはあったらしいな」
「お祖父様の代から……? どうして隠していたのかしら……」

 交流があるなら隠す必要などなかったはず。南国には敵国はいない。だからグラキエスと手を組んだからといって損益が生じるわけではないだろうになぜだと疑問に首を傾げる。

「グラキエスと親交があることがわかれば狙われる可能性が出てくるだろう。戦争をしたことがない国を落とすのは簡単だ。余がしたようにな。それは戦争国である他国にとっても同じだ。グラキエスに救助を要請したところで知らせが届くのに数日、救助が向かうまで数日。グラキエスの兵が到着した頃には既に制圧を受け、女は慰み者に、男は皆殺しとなる」
「労働力にしないの?」
「余はそうは考えぬ。その国の者に地力を発揮されては困るからな」
「脱走とか?」
「脱走ならまだいい。自然と共に生きてきた者たちが武器を持つとどうなる?」
「フローラリアの民は武器の扱い方なんて知らないし、もし数人がかりで一人の兵士を襲って武器を奪えたとしても使えないんじゃ意味ないと思う」

 ミュゲットの回答にアルフローレンスは頭を撫でる。
 ここまで来たのだからもう隠すのはやめようとため息と共に首を振った。

「余はフローラリアの人間を殺すつもりはなかった」
「でもあなたは殺した。一人残らず全員……」

 連れて行かれる道中で見た使用人たちの無惨な姿。
 今思い出しても苦しいほど胸が締め付けられる。
 たくさんの笑顔と共にあるのは良い思い出ばかり。
 使用人たちがいるからミュゲットの人生は楽しかったというのもあった。
 彼らが床に倒れ、カーペットでは吸収できないほどの血の量が流れていた。
 殺すつもりはなかったなんて過去となった今ならいくらでも言える。
 だが、彼は自分を良く見せるための嘘はつかない。
 ならなぜ殺したのだと目で訴えかけた。 

「使用人たちは全員武器を所持していたからだ」

 耳を疑うような言葉に身体だけではなく思考まで固まる。

「嘘よ……武器なんて持ってるはずない。だってフローラリアは武器なんて必要ない国だもの。小競り合いだってない国にどうして武器があるの? それも使用人全員が武器を持ってたってどういうこと?」

 アルフローレンスに聞いたところで知るはずないのにミュゲットは自分の頭を整理したく、独り言のように問いかけた。

「手紙を読めばわかるが、お前の父親は…………クズだった」

 愛する女に向けてその父親を表現するのに使うべき言葉か迷ったのだろうが、使った。
 ミュゲットはその言葉を信じないとは言わなかった。それを否定するように首を振ることも……
 父親が何かしているのではないかというのは、なんとなくわかっていた。でなければフローラリアが蹂躙されてから今まで湧き上がる疑問に答えが出ないはずがないのだから。
 もし父親が清廉潔白の身であれば娘たちを置いて死を選んだりはしない。こんな手紙があるはずがない。使用人が武器を持っているはずがない。
 優しい人だと思っていたし、実際とても優しい人だった。国のため、民のため、家族のために一生懸命な人だと思ったのに、氷帝と呼ばれるほど恐れられている男がクズと呼ぶほどの行為とは一体どれほどのものなのか──父親が持つ裏の顔に恐ろしくなった。

「アルは父に返信した?」
「お前の父親が持ちかけてきたことへの拒否としてな」
「……何を……持ちかけられたの……?」

 一通目の手紙に書いてあったのは『今後ともよろしくお願いします』ということと『末永くお付き合いできることを願っている』ということだけだった。
 先代が公認していたことをアルフローレンスは拒んだ。彼が誰かと手を組み仲良くという男ではないことはわかっている。
 知りたいのはその先だ。

「フローラリアはお前が愛しているように海も空も山も花も美しい国だ。それは世界に誇れる宝と言えるだろう」

 それはミュゲットも思っている。フローラリアの美しさは世界中のどこと比べても負けないものだと。

「問題なのはその中身だ」

 ミュゲットが知らなかった中身。純潔を守る女性は一人もいなかった。美しい景色の裏で男女が一糸纏わぬ姿で抱き合う姿を見たことがなかったため疑うこともなかった。
 見ていた世界が急に翳りを帯びたように見えた瞬間だった。
 他にまだ何があるのかと思わず身体に力が入る。

「フローラリアの舞のあと、観客に向かって粉を巻いていたな」
「貝殻の粉のこと? あれはルゥルゥって宝石が入った貝殻を粉にして花の蜜を加えたリラックス効果のあるもので──」
「あれは麻薬だ」

 突きつけられた言葉にまた固まる。

「麻薬って……違う。フローラリアに麻薬はないわ。違う違う。あれは貝殻を粉にしたものよ。だって私見たもの。貝殻を粉にしてるところ。それに花の蜜を加えるのも見たんだから。フローラリアのハーブは特産なのよ。リラックス効果があって、それでいて香り高くて──」
「ならハーブティーでも出せばいいだろう。なぜわざわざあのようなわけのわからぬ方法でリラックスをもたらそうとするのか説明できるのか?」
「それは……」

 麻薬などあるはずがない。それは他国で盛んなものであってフローラリアは関係ない。新聞に載っている事件として読むだけの別世界の問題だったのに、アルフローレンスはそれがフローラリアの問題であるかのように言う。
 フローラリアの舞が行われる日は一年で最も観光客が多くなる。普段からあの粉を使っているのならわかるが、あの粉が使われるのは舞のあとだけ。
 父親は『あれは特別な物だから特別な日にしか使わない』と言っていた。それもあってフランが舞台からまくようになったのだが……
 それがもしアルフローレンスの言う通り麻薬だったとしたら、父親はとんでもないことに手を染めていたことになる。
 
「納得できないのなら読めばいい。そこにお前の父親の全てが書いてある」

 自分の目で確かめるしかない。それ以外に自分を納得させられる方法などないのだと新たな手紙に手を伸ばした。

「……そんな……」

 次から次へと手紙に手を伸ばして目を通す。
 アルフローレンスが皇帝に即位したときの祝いの言葉。先代皇帝とは親しくさせてもらっていたこと。それをこれからも継続させていきたいこと。南国はのんびりとした人間しかいないが、フローラリアは違う。自分ならグラキエスのために力になれること。
 そして新たな絆のためにと【贈り物】をさせてもらうと書いてあった。

「もしかして……」

 これが麻薬かと瞳を揺らすミュゲットにアルフローレンスが頷く。
 目を閉じて唇を噛み締めると震えた息を吐き出した。

「あれだけの花や植物がある国だ。麻薬を栽培していてもわからぬだろうな」
「変な匂いがする場所があるのは知ってた。それをお父様に言ったら私には合わない植物だろうから近付かないようにしなさいって言われて、それ以来近付かなかったけど……」
「そこで栽培されていたはずだ」
「そんな……!」

 あんなにも優しい人が、あんなにも素敵な笑顔の裏で別の顔を持っていたなど信じたくないが、これが全てなのだと反論はしなかった。できなかった。
 戦争未経験のフローラリアが戦争大国のグラキエスのために力になれることなどあるはずがないのに、父親は力になれると言いきっている。

「アイザック・フォン・ランベリーローズは他国とも取引があったはずだ」 
「麻薬の……?」
「ああ。麻薬の売買は問題が多い。上手い取引ばかりではないからな。アイザックの手腕がどれほどの物だったかは知らぬが、フローラリアの人間らしからぬ狡猾さは持っていたのだろう。いつ何が起こってもいいように対処はしてあったはずだ」
「……それが、使用人たちが武器を持っていた理由?」
「だろうな。この手紙には余が望む武器を用意することができると書いてある」

 アルフローレンスが開けた手紙を受け取ると確かにそう書いてあった。

『あなたの望むままに全てご用意いたします』と。

「おそらく、武器商人と手を組んでいたのだろう」
「なんのためにそんなこと……」
「戦争は儲かる。世界が荒廃して人が飢え、水が枯れ、必要のない争いが生まれる地獄と化しても武器商人だけは潤い続ける」
「どうして?」
「残りわずかな物を手に入れるために人々は争うだろう。力なき者がある者に勝つために必要な物は強力な武器だ。余がフローラリアに兵士を送り込めばお前たちは絶望するだろう。だが、強力な武器を持っていればそうはならない。馬で駆けてくる兵士に向かって一斉に銃を放てば勝てる可能性は大いにある。そのために国は各々武器を所持しているのだ」

 理解はできるが納得はできない。
 なぜこの穏やかな国で生まれ育った父親がそんな腐った真似事をして悪事に手を染めていたのかがわからない。
 フローラリアは貧乏ではない。観光客は多く、輸出する物も多かった。
 それなのになぜ武器商人と手を組んでしまったのか──

「お前も知っての通り、余に武器は必要ない。兵士たちの武器は必要だが、必要な物は全てグラキエスで準備できる。フローラリアと手を組むつもりなどなかった」

 アルフローレンスが返信した手紙は当然ここにはない。あったとしてもアルフローレンスがわざわざ自分が書いた手紙を持ち帰らせるはずがない。この場にないからといってその言葉を疑っているわけではないが、この事実はミュゲットの想像を超えていて、苦しすぎる。
 彼が持つ魔力が彼にとって最大の武器なのだからフローラリアからの武器は必要ない。
 それはミュゲット自身、何度も目の当たりにしているためわかっている。

「提案を拒んだあなたに父は怒ってた」
「そうだ」

 アイザックの返信にはこう書いてあった。

『先代とは仲良くさせていただいていたのですが、アルフローレンス皇帝陛下はそうなさらないとのお言葉を受けて大変残念に思っております。フローラリアとしましては、グラキエスとは長く良いお付き合いをと思っておりましただけに、皇帝陛下のお考えは理解できません。グラキエスで死と向かい合う兵士たちの皆様に少しでも恐怖を和らげていただきたいと願っております私の心、ご理解いただけないということでしょうか? 皇帝陛下にとって兵士は捨て駒同然だとしても、グラキエスの勝利は兵士の犠牲あってこそ。それをお忘れなく』

 ミュゲットにとって父親は優しい人だった。のんびりしていて、笑顔溢れ、愛情豊かな人。そういう人だったのに、この文章から想像するのは自分の父親ではなく、小説に出てくる愚かな貴族の男。少し小太りで強欲な十本の指全てに大きな宝石がついた指輪をしているようなそんな人物。
 だが、差出人は間違いなく父親。
 そして内容はどんどんと過激になっていく。

「どうして父はこんなに怒り続けているの?」
「余の返事が気に入らなかったのだろう」
「何を書いたの?」
「フローラリアの王でいたければ手紙を寄越すなと書いただけだ」

 それほど怒る理由にはならないような言い方だが、全ては受け取るほうのプライド次第。
 もし父親が娘も知らないほどプライドが高い男だったとしたらアルフローレンスの返事を傲慢だと感じるだろう。『王でいたければ』は『フローラリアを支配することは容易く、そうなれば王座に座っていることはできない』という意味。
 フローラリアの戦力など微々たるもの。どう足掻こうとグラキエスに勝つことはできないことなど明白。それなのに父親はどうして怒り続けていたのかがわからない。

「虫ケラとか書かなかった?」

 よく言っていた言葉を思い出して問いかけるもアルフローレンスが首を振ることにミュゲットは首を傾げる。

「お前の父親は典型的な弱者だ。武器商人と手を組んだことで自分が力を得たように思えたのだろう。それで気を大きくした」
「武器商人はどうして父と手を組むことにしたのかしら……」
「話を持ちかけたのは間違いなく武器商人からだろう。どこかでフローラリアが麻薬で稼いでいるのを聞きつけて寄ってきた」
「武器商人は麻薬が欲しかった?」
「いや、奴らは金にしか興味がない。麻薬は戦争拡大のアイテムとして利用しようとした考えたのだろう」
「麻薬と戦争に関連性があるとは思えないけど……」
「そこの手紙に書いてあっただろう」
「兵士のため?」

 頷くアルフローレンスにミュゲットはまだ理解できないと眉を寄せる。

「お前はいつだったか余に言ったな、誰だって死にたくはない殺したくはないはずだと」
「ええ」
「だが戦争は殺さねば殺される。立ち止まることは降伏と同じだ。余も戦場に出たばかりの頃は恐怖を感じていた。誰かが背中を守ってくれるわけではない。誰かが盾になってくれるわけではない。前の敵にばかり気を取られていては後ろから来た敵に背中を刺されることもある。常に異常なほど気を張り詰めさせる戦場では恐怖に支配されたほうが負ける。グラキエスの兵士は余が認めるほど強者揃いだが、それでも恐怖を感じていないわけではないだろう。戦場で殺されるか余に殺されるかを天秤にかけながら生きているだけだ。常に緊張と恐怖の中にいる奴らの根性は称賛に値する。しかし、戦争をする国の兵士が皆必ずしもそうあり続けられるわけではない」

 ミュゲットは戦争を目にしたことはない。小説の中で描かれる行為として知っているだけ。だが、そこには戦争に勝つために鼓舞する者もいれば隅で怯え、戦場で怯え死んでいく者もいた。
 死ぬかもしれないことへの恐怖と殺さなければならない恐怖──それは小説の中も現実も同じなのだとミュゲットは頷く。

「麻薬はその恐怖を感じさせなくする作用がある。恐怖さえなくせば負けるはずだった国が勝つこともあり、そうなれば戦は長引く。恐怖に慄く兵士ばかりの国はあっという間に支配される。力を持つ者が支配を広げればあっという間に戦争は終わる。武器商人が避けたいのはそこだ」
「戦争を終わらせること?」
「一つの国が支配者となれば戦争は終わる。戦争が終われば武器など必要ないからな」
「戦争は恐怖で勝敗がつく世界だから一回で勝敗がつかなくするために麻薬を一緒に売ってるってこと?」 
「可能性としてはそうだ」

 それに父親が加担していたことには言葉も出ないほどのショックを受けたが、不思議と涙は出てこなかった。
 どんどん荒くなっていく内容はきっとアルフローレンスに一方的に送り続けていたものだろう。その内容の酷さに、これがもし父親の本性なのだとしたら色々と納得できることのほうが多く、子供の頃に抱いた小さな疑問さえも解けていく。
 母親が隠していたこと。父親が隠していたこと。自分の出生から嘘が始まり、大半が嘘で作り上げられていたのだと笑いさえ起こりそうになるミュゲットを見てアルフローレンスがミュゲットの目を手で覆った。

「深呼吸しろ」

 囁くように言うアルフローレンスの言葉で何度か深呼吸を繰り返し、爆発しそうな感情を落ち着かせた。
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