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しつこい男
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「またか」
郵便屋から届けられた手紙を見て瑞鳳が大きなため息をつく。差出人の名前は唐志龍。ここ一ヶ月、毎週のように手紙が送られてくるようになった。内容はほぼ同じで、少し変えているだけ。金額と待遇。
杏儿に紫雫楼を出る気がないため読んだところで同じだと受け取った手紙はその場でビリビリに破いて捨てることにしている。
「客寄せにしたいんやろ。老人ばっかの茶香里で杏儿みたいな若い美人が売り子やっとったらそれだけで男は並ぶもんな。しかも月の絶品肉饅頭となればそりゃ連日完売御礼間違いなしや」
「茶香里の人間は金の亡者だしね。売上の悪い店には罰金。目標売上未達成が三ヶ月続けば茶香里から撤退しなきゃならないんだって」
「なんやそれ……けったくそ悪いな」
客に身体を売る必要も媚びを売る必要もなくなり、今より給料は上がるという怪しい謳い文句のような言葉を並べ立ててはいるが、そんなに優しい世界であるわけがないと瑞鳳にはわかっている。
わかりやすいその狙いよりも黒い裏がある。だから危惧しているのだ。
「さすがにしつこいねぇ」
咥えていた煙草に火をつけようとする瑞成の横を通った雪儿がそれを流れるように没収して隣に腰掛ける。
「紫雫楼でぐらい我慢し」
「はあい」
マッチの火を消して煙草をしまう瑞成の素直さに香姫がクスクスと笑う。
「尻に敷かれとんなぁ」
「雪儿軽いからね。意外とヘーキ」
「いつまでそう言えるかなぁ?」
「しわくちゃになっても言ってると思うよ」
「なんやこいつ~。惚気る奴はあっち行って~!」
香姫たちは楽しげに笑うが、瑞鳳の顔には微笑み一つ滲まない。
唐志龍は厄介な男だ。それは黒龍白虎の人間ですらそう認識している。猛虎邪蛇のような雑魚とは違う。金の亡者だからこそ、その資金を使って更に至福を肥やそうとする。そのためならいくらでも払うだろう。だからこそ心配だった。業を煮やした唐志龍が何か仕掛けてくるのではないかと。
「瑞成、警察と黒龍白虎の関係は?」
「俺らが揉め事起こしても警察は出動しない。良くも悪くもね」
本当に良くも悪くもだと思った。
唐志龍が本気で杏儿を手に入れようと思えば誘拐だってするだろう。しかし、それは辰龍が許さない。だからこそ正当な手段で向かってきているのだが、これもいつまで続くかわからない。
「何を心配してんの? 大丈夫だよ、瑞鳳。もし唐志龍が香月街で問題起こしたら俺が処分してあげる」
「茶香里の人間を始末しちゃあ、辰龍が黙ってないだろう」
「知ったこっちゃないね。よその人間が人の縄張りで揉め事起こしたら粛清。これはどこの世界でもそうなんだよ」
「うちらの世界ではそうやないけどな?」
「そりゃお姫様たちがそんな汚い世界にいるわけないじゃん」
「お姫様やって! いややわぁ!」
上機嫌になって瑞成の膝を叩いた紅蓮の手の威力はなかなかのもので、瑞成は苦笑しながら膝を撫でる。
紫雫楼が営業停止になった過去は瑞鳳に問題があるわけではないが、トラウマになっているのは瑞成にもわかった。
「いつまで続くんやろ……」
ポツリと呟いた雪儿の言葉に場が水を打ったように静まり返った。
「あ……ご、ごめんやで。ただ……しつこいなぁって……」
うんざりなのは雪儿も同じ。中身を読まずとも唐志龍から手紙が送られてきたと知るだけで心が重くなる。手紙を受け取るのは雪儿の役目で、唐志龍という名前を見るだけでうんざりする。
「瑞成さん、そろそろ時間です」
「え~、もうそんな時間? もうちょっといーじゃん。今大事な話してるとこなんだけど」
「瑞成さん別に何もしてないですよね?」
「相談役みたいな?」
「それは瑞鳳に任せて、アンタは仕事してください」
舌打ちをして立ち上がった瑞成は皆に片手を上げて紫雫楼を出ていった。
杏儿が唐志龍に目をつけられたのは厄介で、これが他の香姫ならそれほど気にしないのだが、相手は雪儿の姉。杏儿が困れば雪儿も困り、落ち込む。恋人としてそれを見ているのはなかなか精神的にクるものがある。だから瑞成は仕事を無視して黒龍白虎のアジトへと向かった。
「入るよ~」
バンッと大きな音を立ててドアが開いた。中にいたのは辰龍と父親。手で開ければいいものをわざわざ足で蹴り飛ばして開けた瑞成に二人は揃って同じように眉を寄せていた。
「手はどうした? ヘタ打って失くしたのか?」
「ポケットの中で迷子かな」
「瑞成、どうした?」
ポケットに突っ込んだ手を出さないまま辰龍の嫌味に肩を竦めてソファーに腰掛け、テーブルの上に乱暴に乗せた足を組む。
「唐志龍どうにかしてくんない?」
「彼がどうかしたか?」
「紫雫楼のナンバーワンに仕事辞めて茶香里で店出せって手紙をずーっと送ってくるんだよ。一回ちゃあんと断ってんだよ? 理解力ないみたいだから仕方ないけどさぁ、毎週毎週送られてくることにさすがにうんざりしてんの。だからどうにかしてくんない? 茶香里は辰龍の担当でしょ?」
辰龍の表情は常にこちらを嘲笑するような笑みを浮かべてくる。瑞成の嫌いな反応だ。辰龍は昔からそう。一見すると爽やかなイイ男でも内面はそうじゃない。利己的な部分がある。だからこそ茶香里を任されたのだと瑞成は思っている。
「まあ、お節介かもしれんが、唐志龍は親切心で言ってるんだろう」
「は?」
「娼婦の仕事は楽じゃない。金もかかる。だが、茶香里で飲茶を売る仕事なら着飾る必要はないし、媚びを売る必要はない。楽だろ」
「媚びを売る必要がないとかマジで言ってんの? 茶香里で唐志龍に媚びを売らずに生きていけるって?」
あからさまな嘲笑を見せる瑞成を諌めるように父親が名前を呼ぶも瑞成は止まらない。
「茶香里の支配者である唐志龍に逆らって一体何件の屋台が店を畳んだ? 何人の人間が追い出された?」
「自主的な選択だ」
「そりゃそうだ。選択肢は二つあって、出ていくか、追い出されるか。素晴らしい選択肢じゃん。俺も見習おうかな?」
「瑞成、その見下した態度をやめろ」
「褒めてんじゃん。人に嫌がらせを続ける諦めの悪い狸爺を庇う低脳な人間なんか見下されて当然だし」
向かいに座った辰龍が怒りの表情を見せても瑞成の表情は変わらない。片眉を上げて肩を竦め、挑発めいた動きを返す。
「親父、こいつ殴っていいか?」
「その前に撃つけどダイジョブ?」
「拳のほうが早ぇんだよ」
「あーまだいるんだ。そうやって拳が最強だって思ってる馬鹿」
辰龍が机に足を乗せて構えた拳を瑞成の鼻先で止めるも瞬き一つしなかった。うっすらと弧を描く口元が「ね?」と声を出した。
「雷真テメー……どういうつもりだ?」
「すんません、辰龍様。でもこれは親父から許可されてることなんです」
辰龍のこめかみには雷真が押しつけた銃口が当たっている。下っ端の人間が銃を向けるだけでなく銃口を押し付けている状況に辰龍の額に青筋が浮かぶ。
「親父……許してんのか?」
「兄弟喧嘩とてお前らの実力では殺し合いになる。一方的な暴力はあってはならんと言ったはずだ」
「だからって俺の頭に風穴開いてもいいってのか?」
「拳のほうが速いなら止められるはずだろう」
「ふざけんじゃねぇぞ親父!!」
踵を叩きつけたテーブルが真っ二つに割れ、そのまま父親の前に立った辰龍の拳が机に振り下ろされた。厚みのある重厚な机でさえ、辰龍にかかれば腐った板も同然。
「図星突かれてキレるとか子供かよ。辰龍のそういう幼稚なとこ、瑞鳳は知ってんの?」
「テメーにゃ関係ねぇだろ!」
冷静を装うことが多い辰龍の本当の姿を瑞成はいつも嘲笑う。それが辰龍は気に入らない。
「丁寧にお願いしに来たのに唐志龍と同じだってわかったから帰るわ。無駄足だった」
ポケットに手を突っ込んだまま立ち上がると父親とは目を合わさずそのまま部屋を出た。
「どういう意味だ?」
「理解できない低脳だってことじゃん。ああ、ごめん。低脳だからわかんなかったか」
「瑞成……いい加減にしろよ……」
「そりゃこっちのセリフだろ、兄貴。紫雫楼の香姫に何かあったらタダじゃ済まさねぇぞ」
「殺すってか?」
瑞成は何も言わなかった。だが、目が物語っていた。「当然だ」と。部屋の入り口で足を止めた辰龍が「やってみろ!」と吠えるのを無視してアジトを出た。
郵便屋から届けられた手紙を見て瑞鳳が大きなため息をつく。差出人の名前は唐志龍。ここ一ヶ月、毎週のように手紙が送られてくるようになった。内容はほぼ同じで、少し変えているだけ。金額と待遇。
杏儿に紫雫楼を出る気がないため読んだところで同じだと受け取った手紙はその場でビリビリに破いて捨てることにしている。
「客寄せにしたいんやろ。老人ばっかの茶香里で杏儿みたいな若い美人が売り子やっとったらそれだけで男は並ぶもんな。しかも月の絶品肉饅頭となればそりゃ連日完売御礼間違いなしや」
「茶香里の人間は金の亡者だしね。売上の悪い店には罰金。目標売上未達成が三ヶ月続けば茶香里から撤退しなきゃならないんだって」
「なんやそれ……けったくそ悪いな」
客に身体を売る必要も媚びを売る必要もなくなり、今より給料は上がるという怪しい謳い文句のような言葉を並べ立ててはいるが、そんなに優しい世界であるわけがないと瑞鳳にはわかっている。
わかりやすいその狙いよりも黒い裏がある。だから危惧しているのだ。
「さすがにしつこいねぇ」
咥えていた煙草に火をつけようとする瑞成の横を通った雪儿がそれを流れるように没収して隣に腰掛ける。
「紫雫楼でぐらい我慢し」
「はあい」
マッチの火を消して煙草をしまう瑞成の素直さに香姫がクスクスと笑う。
「尻に敷かれとんなぁ」
「雪儿軽いからね。意外とヘーキ」
「いつまでそう言えるかなぁ?」
「しわくちゃになっても言ってると思うよ」
「なんやこいつ~。惚気る奴はあっち行って~!」
香姫たちは楽しげに笑うが、瑞鳳の顔には微笑み一つ滲まない。
唐志龍は厄介な男だ。それは黒龍白虎の人間ですらそう認識している。猛虎邪蛇のような雑魚とは違う。金の亡者だからこそ、その資金を使って更に至福を肥やそうとする。そのためならいくらでも払うだろう。だからこそ心配だった。業を煮やした唐志龍が何か仕掛けてくるのではないかと。
「瑞成、警察と黒龍白虎の関係は?」
「俺らが揉め事起こしても警察は出動しない。良くも悪くもね」
本当に良くも悪くもだと思った。
唐志龍が本気で杏儿を手に入れようと思えば誘拐だってするだろう。しかし、それは辰龍が許さない。だからこそ正当な手段で向かってきているのだが、これもいつまで続くかわからない。
「何を心配してんの? 大丈夫だよ、瑞鳳。もし唐志龍が香月街で問題起こしたら俺が処分してあげる」
「茶香里の人間を始末しちゃあ、辰龍が黙ってないだろう」
「知ったこっちゃないね。よその人間が人の縄張りで揉め事起こしたら粛清。これはどこの世界でもそうなんだよ」
「うちらの世界ではそうやないけどな?」
「そりゃお姫様たちがそんな汚い世界にいるわけないじゃん」
「お姫様やって! いややわぁ!」
上機嫌になって瑞成の膝を叩いた紅蓮の手の威力はなかなかのもので、瑞成は苦笑しながら膝を撫でる。
紫雫楼が営業停止になった過去は瑞鳳に問題があるわけではないが、トラウマになっているのは瑞成にもわかった。
「いつまで続くんやろ……」
ポツリと呟いた雪儿の言葉に場が水を打ったように静まり返った。
「あ……ご、ごめんやで。ただ……しつこいなぁって……」
うんざりなのは雪儿も同じ。中身を読まずとも唐志龍から手紙が送られてきたと知るだけで心が重くなる。手紙を受け取るのは雪儿の役目で、唐志龍という名前を見るだけでうんざりする。
「瑞成さん、そろそろ時間です」
「え~、もうそんな時間? もうちょっといーじゃん。今大事な話してるとこなんだけど」
「瑞成さん別に何もしてないですよね?」
「相談役みたいな?」
「それは瑞鳳に任せて、アンタは仕事してください」
舌打ちをして立ち上がった瑞成は皆に片手を上げて紫雫楼を出ていった。
杏儿が唐志龍に目をつけられたのは厄介で、これが他の香姫ならそれほど気にしないのだが、相手は雪儿の姉。杏儿が困れば雪儿も困り、落ち込む。恋人としてそれを見ているのはなかなか精神的にクるものがある。だから瑞成は仕事を無視して黒龍白虎のアジトへと向かった。
「入るよ~」
バンッと大きな音を立ててドアが開いた。中にいたのは辰龍と父親。手で開ければいいものをわざわざ足で蹴り飛ばして開けた瑞成に二人は揃って同じように眉を寄せていた。
「手はどうした? ヘタ打って失くしたのか?」
「ポケットの中で迷子かな」
「瑞成、どうした?」
ポケットに突っ込んだ手を出さないまま辰龍の嫌味に肩を竦めてソファーに腰掛け、テーブルの上に乱暴に乗せた足を組む。
「唐志龍どうにかしてくんない?」
「彼がどうかしたか?」
「紫雫楼のナンバーワンに仕事辞めて茶香里で店出せって手紙をずーっと送ってくるんだよ。一回ちゃあんと断ってんだよ? 理解力ないみたいだから仕方ないけどさぁ、毎週毎週送られてくることにさすがにうんざりしてんの。だからどうにかしてくんない? 茶香里は辰龍の担当でしょ?」
辰龍の表情は常にこちらを嘲笑するような笑みを浮かべてくる。瑞成の嫌いな反応だ。辰龍は昔からそう。一見すると爽やかなイイ男でも内面はそうじゃない。利己的な部分がある。だからこそ茶香里を任されたのだと瑞成は思っている。
「まあ、お節介かもしれんが、唐志龍は親切心で言ってるんだろう」
「は?」
「娼婦の仕事は楽じゃない。金もかかる。だが、茶香里で飲茶を売る仕事なら着飾る必要はないし、媚びを売る必要はない。楽だろ」
「媚びを売る必要がないとかマジで言ってんの? 茶香里で唐志龍に媚びを売らずに生きていけるって?」
あからさまな嘲笑を見せる瑞成を諌めるように父親が名前を呼ぶも瑞成は止まらない。
「茶香里の支配者である唐志龍に逆らって一体何件の屋台が店を畳んだ? 何人の人間が追い出された?」
「自主的な選択だ」
「そりゃそうだ。選択肢は二つあって、出ていくか、追い出されるか。素晴らしい選択肢じゃん。俺も見習おうかな?」
「瑞成、その見下した態度をやめろ」
「褒めてんじゃん。人に嫌がらせを続ける諦めの悪い狸爺を庇う低脳な人間なんか見下されて当然だし」
向かいに座った辰龍が怒りの表情を見せても瑞成の表情は変わらない。片眉を上げて肩を竦め、挑発めいた動きを返す。
「親父、こいつ殴っていいか?」
「その前に撃つけどダイジョブ?」
「拳のほうが早ぇんだよ」
「あーまだいるんだ。そうやって拳が最強だって思ってる馬鹿」
辰龍が机に足を乗せて構えた拳を瑞成の鼻先で止めるも瞬き一つしなかった。うっすらと弧を描く口元が「ね?」と声を出した。
「雷真テメー……どういうつもりだ?」
「すんません、辰龍様。でもこれは親父から許可されてることなんです」
辰龍のこめかみには雷真が押しつけた銃口が当たっている。下っ端の人間が銃を向けるだけでなく銃口を押し付けている状況に辰龍の額に青筋が浮かぶ。
「親父……許してんのか?」
「兄弟喧嘩とてお前らの実力では殺し合いになる。一方的な暴力はあってはならんと言ったはずだ」
「だからって俺の頭に風穴開いてもいいってのか?」
「拳のほうが速いなら止められるはずだろう」
「ふざけんじゃねぇぞ親父!!」
踵を叩きつけたテーブルが真っ二つに割れ、そのまま父親の前に立った辰龍の拳が机に振り下ろされた。厚みのある重厚な机でさえ、辰龍にかかれば腐った板も同然。
「図星突かれてキレるとか子供かよ。辰龍のそういう幼稚なとこ、瑞鳳は知ってんの?」
「テメーにゃ関係ねぇだろ!」
冷静を装うことが多い辰龍の本当の姿を瑞成はいつも嘲笑う。それが辰龍は気に入らない。
「丁寧にお願いしに来たのに唐志龍と同じだってわかったから帰るわ。無駄足だった」
ポケットに手を突っ込んだまま立ち上がると父親とは目を合わさずそのまま部屋を出た。
「どういう意味だ?」
「理解できない低脳だってことじゃん。ああ、ごめん。低脳だからわかんなかったか」
「瑞成……いい加減にしろよ……」
「そりゃこっちのセリフだろ、兄貴。紫雫楼の香姫に何かあったらタダじゃ済まさねぇぞ」
「殺すってか?」
瑞成は何も言わなかった。だが、目が物語っていた。「当然だ」と。部屋の入り口で足を止めた辰龍が「やってみろ!」と吠えるのを無視してアジトを出た。
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