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第一章 襲われがちなアラサー女子
第29話 過去に引き戻されるっ!④
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◇◇◇◇
(これは……妄想展開?)
私ほどのエロ漫画愛好家となれば、妄想は日常茶飯事。
ただこのような非常事態が起こると、とっさに妄想の世界に逃げ込んでしまうことが往々にしてある。
私はこの現象を、"妄想展開"と呼んでいる。
なお、夢の中で妄想するという経験は流石に初めてだが。
「ん?」
突然、目の前に「可愛らしいロケットのようのような何か」が現れた。
イソギンチャクのようにモキュモキュしたメルヘンチックな存在。
ゆるキャラにデフォルメされているが、よくよく見てみればそれは「ちんちん」である。
「もきゅー! もきゅ! もきゅ!」
ちんちんのゆるキャラは、何やら楽しそうにモキュモキュしている。
顔を真赤にして上下にピストン運動のようなことをし始めた。
するとだんだん膨張していき、形状が変化し始める。
「もっきゅーーーー!」
ムキッ!
そんな擬音が聞こえるかのように、「芯を覆うもの」の上端が裂け、中身というべきか、亀の頭のような本体が顔を出し始めた。
「もっきゅう! もっきゅ、もっきゅ!」
ちんちんのゆるキャラは、私に何か伝えようとしてか近づいてくる。
そのゆるい見た目からか、私は無警戒に理解しようと務める。
しかし、それは間違いだった。
「へっ、なに? ……ひゃぁぁああ!」
ちんちんのゆるキャラが突如、真っ赤に変色し、体当たりして押し倒してきたのだ。
私にスリスリと自らの体を擦り付け始める。
ゆるキャラの突然の奇行に、私は恐怖に駆られた。
「もきゅ……もきゅ……もきゅもきゅもきゅもきゅーーーーー!」
「あっ、嫌! や、やめて! やめてよ!」
私は抗うこともできず、ちんちんのゆるキャラに蹂躙されてしまった。
そのモキュモキュ運動は次第に加速していき、やがて力が溜まったのか、亀の頭の先を私に向ける。
亀頭からは、透明な液体が滲み出ていた。
それはまるで何かを噴出する前兆のようで、私はとても嫌な予感がする。
「もっっっっ! きゅぅぅぅぅううううう!」
「い、嫌ぁぁぁぁあ!」
ちんちんのゆるキャラが絶頂を迎えるかのように叫んだ。
このままでは大変なことになる、その時だった。
「ブルァァァァァアアアアアアア!」
まるで恐ろしい肉食動物のような、低く、野太い声が響き渡った。
「っ……! も、もきゅ……?」
「な、何?」
ちんちんのゆるキャラと私は何事かと、周囲を見回す。
そしてそれはやってきた。
二つの巨大な玉で交互に、ドシンと地響きを鳴らしながら進む。
玉の間からは巨大な黒光りする巨塔が伸びていた。
ちんちんのゆるキャラとは明らかに一線を画するその存在は、口が避けてもゆるキャラとは言えない。
――黒巨根
そう呼ぶべき存在が私達の前に現れたのだった。
「もきゅ! もきゅぅぅぅううううう!」
ちんちんのゆるキャラ「邪魔するな!」とでも言うかのように、黒巨根に立ち向かっていく。
体振り回してペチペチと叩くが黒巨根にはまるで通用しない。
「ブルゥッ……?」
黒巨根が何事かと、ちんちんのゆるキャラを見た。
まるでハエが鬱陶しく飛び回っているとでも思ったのだろうか。
黒巨根はつまらなそうに一瞥した後、胴体をグググッっと動かし、振りかぶる。
そして黒巨根は、その力を解き放った。
「も、もきゅ……? ……ッもぎぃぃぃっ!」
巨根の絶好のミートポイントが、ちんちんのゆるキャラにクリーンヒットする。
「ブルァァァァアアアア!」
「もぎゃぁああああああああ…………」
ちんちんのゆるキャラは、断末魔の叫び声を上げながら、空の彼方へ消えていった。
私は一体何が起こったのかわからず、それを呆然と見送る。
「……助かったの?」
「ブルッ……」
黒巨根は、「つまらぬ者を打ってしまった」とでも言うように、踵を返そうとする。
私は、まだ黒巨根にお礼を言っていないことに気づく。
「ま、待って! 黒巨根さん!」
「……」
しかし私の声は届かない。
何か透明な壁のようなものが私と黒巨根を隔てていたのだ。
どんなに追いかけても届かない、そんな気がして心が締め付けられるた。
「待ってよーーーーーー……!」
私の声が、虚しく妄想世界に響き渡る。
やがて水中から急激に上昇するかのように私の意識は、夢の世界に回帰していった。
◇◇◇◇
「おまたせ……あれどうかした? 上村さん、妙に顔が赤いけど」
場面は九条くんが水着に着替えたときに戻る。
少し下品な妄想をしていたなど言えるはずもない。
"男根の序列を決める闘いの妄想"など、はしたないし、失礼極まりないことである。
私は、即座に妄想の内容を忘れようと努めた。
「あっ……なっ、なんでもないです!」
「?」
ただ間接的にとはいえ、陰部を隠れ見てしまった美男子を相手に、どんな顔をしてよいのかわからない。
世の女子たちが歓喜しそうなあられもない姿を見てったことに罪悪感を抱く。
そんな私の気も知らず、九条くんは爽やかに飛び込みのレクチャーをする。
「それじゃ一度姿勢の練習しようか。まずはクラウチングスタートのような形から引き絞って飛び出す、このときに肩甲骨を占めるように腕を振り上げて、顎を引く。で、最後は体はまっすぐキープ! 意識するのはこれだけかな。引き絞り、肩甲骨、全身をまっすぐ、これを1・2・3のリズムでいくよ。それじゃ上村さんもやってみようか」
「う、うん」
九条くんの健気な姿を見て、しっかりしなければと思い直す。
アラサー女が取り乱す姿など、一体どこに需要があるものか。
「はい、1・2・3!」
私は九条くんのリズムに合わせて、先程の実演を真似てみる。
うーん、なんだかあまりうまく言っている気がしない。
「ごめん上村さん、少し体に触れるよ」
「へっ?」
「しっかり顎を引いて、腕の下に……こう」
「ぁっぐ……」
私は九条くんに後頭部をくっと押し込まれ、腕の内側に頭が来る。
すると自然と肩が上がって、腕がピンと伸びる。
「そうすると、ほら自然と肩甲骨が締まるでしょう? これをもう少しキュッとコンパクトに」
「あうっ……!」
九条くんが私の両肩に手を触れ、肩甲骨同士がくっつくように引き寄せる。
すると胸がピンと張り、体の軸がまっすぐになったような気がする。
……しかしこの格好は恥ずかしい。
面積の少ない水着で、全力でチンアナゴのマネをさせられている気分だ。
「驚いた……上村さん、かなり体が柔らかいんだね。何かスポーツはやってるの?」
「……えっと、バレエを少し」
「そうか、だから泳ぎの姿勢はきれいなんだね」
「そ、そんなこと……ないよ」
私の泳ぎを褒められ、心做しか少しうれしくなってしまう。
九条くんから肯定されると、奥にしまっていた女心を強く揺さぶられるようだった。
これがイケメンという存在なのだろうか、いやらしい感じが一切しない。
「それじゃ、今の一連の動作で飛び込みをやってみるからよく見ていて」
「は、はいっ」
九条くんは安心させるような微笑みを私に向ける。
この人は信頼できる、そう心から思わせるような優しい笑み。
私は思わず頬が上気するのを感じた。
(うぅ……しっかりしろアラサー!)
私はなけなしの根性で理性を保つ。
「……それじゃ、スタートの合図をお願い」
九条くんは堤防の縁に指をかけ、飛び込みの準備を始めた。
私は突き出した九条くんのおしりに一瞬気を取られた後、慌てて合図をする。
「……よ、よーい……! どん!」
私が掛け声を上げると、九条くんは勢いよく海に向かって飛び出した。
その空中姿勢があまりにきれいで、思わず見とれてしまったのだった。
◇◇◇◇
夕焼けが赤く染まりはじめていた。
あと三十分もすれば、日没だろう。
逆算すれば、だいたい十八時半を過ぎた頃くらいだろうか。
あれから何度も陸上で、フォームを覚え込ませては、実際に飛び込んでを繰り返した。
ずっと練習に付き合ってくれた九条くんには感謝したい。
「よーい…………ゴっ!」
ぱちんと九条くんの手拍子が響き渡る。
私は調教されたイルカのように、その音とともに海へ飛び出した。
何度も体に覚え込ませた動き。
私はしなやかに、水しぶきも少なく入水した。
当然、お腹を水面に打ち付けることもない。
「やったぁ! できたぁ!」
私は年甲斐もなく、水面にプカプカと浮かびながらはしゃいでしまった。
「おめでとう上村さん。文句なしに完璧な飛び込みだったよ」
「ううん、九条くんのおかげだよ! 本当にありがとう!」
「俺はただ基本を教えただけだよ、よく頑張ったね上村さん」
九条くんはそう言って私の頭を優しく撫でた。
その居心地の良さに、思わず俯いてしまう。
「……少し、座ろうか」
「……うん」
私と九条くんの間に、少し甘い空気感が流れ出す。
これがイケメンのオーラなのだろうか、私は抗うことができず、言われるがまま九条くんの隣に腰を下ろす。
(青春してるなぁ……私)
ふと、そんなことを思った。
意外と私の高校生活も捨てたものじゃなかったのかもしれない。
このまま雰囲気に流されて九条くんと付き合う、そういう未来もあったのではないか。
この世界がずっと続いたらどんなにいいか、そう願うほどに私は……。
(あれ……?)
ふと、私にこの胸に去来したのはーー僅かな違和感。
しかし考えれば考えるほど、それは大きくなっていった。
おそらく"彼氏いない歴=年齢"のアラサー女だからこそ気づけたのだろう。
(……あ、そっか)
私はハッとすると同時に恐ろしさを感じた。
気づかぬうちに蜘蛛の糸におびき寄せられてしまったかのような錯覚に陥る。
”観測者であるはずの28歳の私”さえも、絡め取ってしまうような……。
(私――こんなイベント知らない……!)
たしかに私は、高校生のときこの大村湾の堤防近くで飛び込みの練習をしたことはあるが、九条くんと出会ったというような記憶はない。
夢だから、私の過去と異なっていたとしても不思議ではない。
ただ、ここにきて突然イレギュラーが発生するのも状況的に不自然だ。
私の中に猜疑心が宿り始めたその時。
「きゃっ」
私は肩を抱かれ、その胸に引き寄せられていた。
体が傾き、九条くんに半身が接する。
いきなりのことで私は混乱した。
「ごめん、嫌だった?」
「……」
言葉が出なかった。
浅ましい女の部分が、まるで何かを期待するかのように高鳴るのを感じる。
とっさに「嫌」と言えなかったことに――どうしてか自分自身に対する嫌悪感を覚えた。
「……上村さん、何か俺に聞きたいことがあるんじゃない?」
九条くんの言葉に目を見張った。
まるで私が今何を考えているかまで、見透かしたような瞳。
私は胸のうちに生じた強烈な違和感に対する答えが欲しくて、確信に迫るような質問を投げかける。
「……九条くん、君は一体……何者なの?」
九条くんは私の疑いの視線を意に介すことなく朗らかに笑った。
「あはは、変な質問だね。俺は九条涼也だよ」
「……いいえ、違うわ。だって、私と九条くんがここで会った事実はないもの」
「……確かに現実に起こった出来事ではないね。でもね、だからこそ見えてくる事実もあるんだよ」
九条くんは意味深な言葉を私に告げる。
その瞳には、私を惹きつけてやまない怪しい光を宿していた。
「……どういうこと?」
「わからないかい? この世界はーー君が望んだ世界なんだよ」
「っ……!」
私は言葉を失った。
信じられないという思いと同時に、自分の中の疑問が否応なく氷解するように感じたからだ。
「だからね……俺はいわば、上村さんの理想の男性ということになるかな」
「私の……理想の男性……?」
「そう。俺がこうして見つめれば……君は顔を赤くし、俺が触れれば……君は無意識に体を寄せる」
九条くんはそう言って実演して見せる。
私はその瞳に吸い込まれるような錯覚に陥り、まるで糸で操られているかのように九条くんに引き寄せられていくのを感じる。
「上村さん……、君は高校時代――俺に思いを寄せていたよね?」
「ッ……」
九条くんのその言葉はひどく私を不安にさせた。
その言葉が見当違いであれば、どれほど良かったか。
それが事実でなければ、こんなに胸をかき乱すことはなかったし、これほどに懐かしく切ない寂寥感が込み上げてくることはなかっただろうから。
「……九条くんの目的は何?」
「それはもうじきわかるよ……。僕達は、現実世界で再び出会う。これはもう定められた未来だからね」
「……」
ついに九条くんは、決定論者のようなことを言い始めた。
流石の私もこれには苦笑いを浮かべる。
これだけ好き放題言われれば、私だって認めるわけにはいかない。
(やられっぱなしっていうのも、私らしくないよね……?)
「随分自信家なんだね、九条くん。……私の知る九条くんは、もう少し慎み深い人だと思ってたんだけどな」
意趣返しのつもりで私は言葉を返す。
九条くんは、鳩が豆鉄砲を食らったような表情をしていた。
しかしそれほど有効打になっているような気はしない。
「あはは、やっぱり上村さんは手強いね。……そうだ。一つだけ、忠告しておくよ」
「?」
ただ、九条くんも一筋縄ではいかないと悟ったのか、話題を変えてきた。
「堂島清光――あいつには気をつけたほうがいい」
九条くんは神妙な顔をして私に告げた。
声のトーンが先程よりも何段階も低い。
「……どうして? 堂島くんは良い人よ」
「いや、あいつは最低の人間だ。これ以上、関係を持つべきじゃない」
九条くんの口から、他人を卑下するような言葉が出たことに私は驚いた。
その表情からは、これまでの余裕が感じられない。
「堂島くんは悪い人じゃないよ?」
「それは……上村さんが堂島という男を理解していないからそう言うんだ」
これには私もムッとする。
それほどに私は堂島くんに恩義以上のものを感じていた。
「誰と付き合うかは私が決めることよ。九条くんが口出しすることじゃないわ」
「……もちろん俺は上村さんの判断を尊重したい。……でも、きっと後悔することになる」
「それでも私は……自分の直感を信じてるから」
私は毅然とした態度で九条くんの瞳をまっすぐに見据える。
……迷いは、なかった。
やがて、九条くんの方が折れたようにため息をつく。
「そうか……残念だ。……一応、忠告はしたよ?」
九条くんは少し落胆したような表情で言った。
思い通りにならないことを、不思議に思っているようでもある。
「忠告はわかった。ちなみに理由は聞かせてくれないの?」
「……本人がいないところで悪口を言うのは、フェアじゃないだろう? それに俺が何を言っても上村さんは自分の目で見たものしか信じないだろうからね」
九条くんはそう言って肩を竦めた。
全く、どこまで私のことを理解しているのか。
「ふふ、それもそうだね」
この奇妙な夢体験に思わず笑みがこぼれた。
ーーふと、視界が光に包まれ始めていることに気づく。
おそらく、現実で覚醒の時が近いのだろう。
夢世界が終わりを告げようとしていた。
「……どうやら時間みたいだね。上村さん……何か辛いことがあったら、現実の俺を頼ると良い。きっと力になってくれるからさ」
「……ありがとう、一応、覚えておくね」
私の言葉に、九条くんははにかんだような笑顔を見せた。
相変わらず爽やかで、魅力的な笑みだ。
夢の中の九条くんは、最後まで掴めない青年だった。
これほどリアルな過去の夢を見たのには――きっと何か意味がある。
薄れゆく意識の中、私はそんな予感めいたことを思ったのだった。
第一部 完?
ーーーー
作者よりお知らせ
雪見サルサです。ここまで「エロ漫画先生に犯されるっ!」をご愛顧いただきありがとうございます。
アルファポリス様で連載を開始して、約一ヶ月ほど、なんとかある程度区切りの良いところまでこれました!(どこがや!?
本当はもう少し進めたかったのですが、賞レースに向けて新作に注力することになったので、一ヶ月ほど休載させていただきます。
ですので柚月が活躍、もとい、襲われてしまうのはもう少し先になってしまうこと、誠に申し訳なく(人д`o)。
新作は、カクヨム様、小説家になろう様での連載となります。
男性向け小説なので御縁があるかはわかりませんが、もしよろしければこちらも一読してみては?!
それと7/30には拙作「墜星の最強魔道士」が発売されます!
こちらはちょっとエッチな男性向けの異世界小説です。
とても面白いので、ぜひチェックしてみてください!
それでは(*´︶`*)ノ"
(これは……妄想展開?)
私ほどのエロ漫画愛好家となれば、妄想は日常茶飯事。
ただこのような非常事態が起こると、とっさに妄想の世界に逃げ込んでしまうことが往々にしてある。
私はこの現象を、"妄想展開"と呼んでいる。
なお、夢の中で妄想するという経験は流石に初めてだが。
「ん?」
突然、目の前に「可愛らしいロケットのようのような何か」が現れた。
イソギンチャクのようにモキュモキュしたメルヘンチックな存在。
ゆるキャラにデフォルメされているが、よくよく見てみればそれは「ちんちん」である。
「もきゅー! もきゅ! もきゅ!」
ちんちんのゆるキャラは、何やら楽しそうにモキュモキュしている。
顔を真赤にして上下にピストン運動のようなことをし始めた。
するとだんだん膨張していき、形状が変化し始める。
「もっきゅーーーー!」
ムキッ!
そんな擬音が聞こえるかのように、「芯を覆うもの」の上端が裂け、中身というべきか、亀の頭のような本体が顔を出し始めた。
「もっきゅう! もっきゅ、もっきゅ!」
ちんちんのゆるキャラは、私に何か伝えようとしてか近づいてくる。
そのゆるい見た目からか、私は無警戒に理解しようと務める。
しかし、それは間違いだった。
「へっ、なに? ……ひゃぁぁああ!」
ちんちんのゆるキャラが突如、真っ赤に変色し、体当たりして押し倒してきたのだ。
私にスリスリと自らの体を擦り付け始める。
ゆるキャラの突然の奇行に、私は恐怖に駆られた。
「もきゅ……もきゅ……もきゅもきゅもきゅもきゅーーーーー!」
「あっ、嫌! や、やめて! やめてよ!」
私は抗うこともできず、ちんちんのゆるキャラに蹂躙されてしまった。
そのモキュモキュ運動は次第に加速していき、やがて力が溜まったのか、亀の頭の先を私に向ける。
亀頭からは、透明な液体が滲み出ていた。
それはまるで何かを噴出する前兆のようで、私はとても嫌な予感がする。
「もっっっっ! きゅぅぅぅぅううううう!」
「い、嫌ぁぁぁぁあ!」
ちんちんのゆるキャラが絶頂を迎えるかのように叫んだ。
このままでは大変なことになる、その時だった。
「ブルァァァァァアアアアアアア!」
まるで恐ろしい肉食動物のような、低く、野太い声が響き渡った。
「っ……! も、もきゅ……?」
「な、何?」
ちんちんのゆるキャラと私は何事かと、周囲を見回す。
そしてそれはやってきた。
二つの巨大な玉で交互に、ドシンと地響きを鳴らしながら進む。
玉の間からは巨大な黒光りする巨塔が伸びていた。
ちんちんのゆるキャラとは明らかに一線を画するその存在は、口が避けてもゆるキャラとは言えない。
――黒巨根
そう呼ぶべき存在が私達の前に現れたのだった。
「もきゅ! もきゅぅぅぅううううう!」
ちんちんのゆるキャラ「邪魔するな!」とでも言うかのように、黒巨根に立ち向かっていく。
体振り回してペチペチと叩くが黒巨根にはまるで通用しない。
「ブルゥッ……?」
黒巨根が何事かと、ちんちんのゆるキャラを見た。
まるでハエが鬱陶しく飛び回っているとでも思ったのだろうか。
黒巨根はつまらなそうに一瞥した後、胴体をグググッっと動かし、振りかぶる。
そして黒巨根は、その力を解き放った。
「も、もきゅ……? ……ッもぎぃぃぃっ!」
巨根の絶好のミートポイントが、ちんちんのゆるキャラにクリーンヒットする。
「ブルァァァァアアアア!」
「もぎゃぁああああああああ…………」
ちんちんのゆるキャラは、断末魔の叫び声を上げながら、空の彼方へ消えていった。
私は一体何が起こったのかわからず、それを呆然と見送る。
「……助かったの?」
「ブルッ……」
黒巨根は、「つまらぬ者を打ってしまった」とでも言うように、踵を返そうとする。
私は、まだ黒巨根にお礼を言っていないことに気づく。
「ま、待って! 黒巨根さん!」
「……」
しかし私の声は届かない。
何か透明な壁のようなものが私と黒巨根を隔てていたのだ。
どんなに追いかけても届かない、そんな気がして心が締め付けられるた。
「待ってよーーーーーー……!」
私の声が、虚しく妄想世界に響き渡る。
やがて水中から急激に上昇するかのように私の意識は、夢の世界に回帰していった。
◇◇◇◇
「おまたせ……あれどうかした? 上村さん、妙に顔が赤いけど」
場面は九条くんが水着に着替えたときに戻る。
少し下品な妄想をしていたなど言えるはずもない。
"男根の序列を決める闘いの妄想"など、はしたないし、失礼極まりないことである。
私は、即座に妄想の内容を忘れようと努めた。
「あっ……なっ、なんでもないです!」
「?」
ただ間接的にとはいえ、陰部を隠れ見てしまった美男子を相手に、どんな顔をしてよいのかわからない。
世の女子たちが歓喜しそうなあられもない姿を見てったことに罪悪感を抱く。
そんな私の気も知らず、九条くんは爽やかに飛び込みのレクチャーをする。
「それじゃ一度姿勢の練習しようか。まずはクラウチングスタートのような形から引き絞って飛び出す、このときに肩甲骨を占めるように腕を振り上げて、顎を引く。で、最後は体はまっすぐキープ! 意識するのはこれだけかな。引き絞り、肩甲骨、全身をまっすぐ、これを1・2・3のリズムでいくよ。それじゃ上村さんもやってみようか」
「う、うん」
九条くんの健気な姿を見て、しっかりしなければと思い直す。
アラサー女が取り乱す姿など、一体どこに需要があるものか。
「はい、1・2・3!」
私は九条くんのリズムに合わせて、先程の実演を真似てみる。
うーん、なんだかあまりうまく言っている気がしない。
「ごめん上村さん、少し体に触れるよ」
「へっ?」
「しっかり顎を引いて、腕の下に……こう」
「ぁっぐ……」
私は九条くんに後頭部をくっと押し込まれ、腕の内側に頭が来る。
すると自然と肩が上がって、腕がピンと伸びる。
「そうすると、ほら自然と肩甲骨が締まるでしょう? これをもう少しキュッとコンパクトに」
「あうっ……!」
九条くんが私の両肩に手を触れ、肩甲骨同士がくっつくように引き寄せる。
すると胸がピンと張り、体の軸がまっすぐになったような気がする。
……しかしこの格好は恥ずかしい。
面積の少ない水着で、全力でチンアナゴのマネをさせられている気分だ。
「驚いた……上村さん、かなり体が柔らかいんだね。何かスポーツはやってるの?」
「……えっと、バレエを少し」
「そうか、だから泳ぎの姿勢はきれいなんだね」
「そ、そんなこと……ないよ」
私の泳ぎを褒められ、心做しか少しうれしくなってしまう。
九条くんから肯定されると、奥にしまっていた女心を強く揺さぶられるようだった。
これがイケメンという存在なのだろうか、いやらしい感じが一切しない。
「それじゃ、今の一連の動作で飛び込みをやってみるからよく見ていて」
「は、はいっ」
九条くんは安心させるような微笑みを私に向ける。
この人は信頼できる、そう心から思わせるような優しい笑み。
私は思わず頬が上気するのを感じた。
(うぅ……しっかりしろアラサー!)
私はなけなしの根性で理性を保つ。
「……それじゃ、スタートの合図をお願い」
九条くんは堤防の縁に指をかけ、飛び込みの準備を始めた。
私は突き出した九条くんのおしりに一瞬気を取られた後、慌てて合図をする。
「……よ、よーい……! どん!」
私が掛け声を上げると、九条くんは勢いよく海に向かって飛び出した。
その空中姿勢があまりにきれいで、思わず見とれてしまったのだった。
◇◇◇◇
夕焼けが赤く染まりはじめていた。
あと三十分もすれば、日没だろう。
逆算すれば、だいたい十八時半を過ぎた頃くらいだろうか。
あれから何度も陸上で、フォームを覚え込ませては、実際に飛び込んでを繰り返した。
ずっと練習に付き合ってくれた九条くんには感謝したい。
「よーい…………ゴっ!」
ぱちんと九条くんの手拍子が響き渡る。
私は調教されたイルカのように、その音とともに海へ飛び出した。
何度も体に覚え込ませた動き。
私はしなやかに、水しぶきも少なく入水した。
当然、お腹を水面に打ち付けることもない。
「やったぁ! できたぁ!」
私は年甲斐もなく、水面にプカプカと浮かびながらはしゃいでしまった。
「おめでとう上村さん。文句なしに完璧な飛び込みだったよ」
「ううん、九条くんのおかげだよ! 本当にありがとう!」
「俺はただ基本を教えただけだよ、よく頑張ったね上村さん」
九条くんはそう言って私の頭を優しく撫でた。
その居心地の良さに、思わず俯いてしまう。
「……少し、座ろうか」
「……うん」
私と九条くんの間に、少し甘い空気感が流れ出す。
これがイケメンのオーラなのだろうか、私は抗うことができず、言われるがまま九条くんの隣に腰を下ろす。
(青春してるなぁ……私)
ふと、そんなことを思った。
意外と私の高校生活も捨てたものじゃなかったのかもしれない。
このまま雰囲気に流されて九条くんと付き合う、そういう未来もあったのではないか。
この世界がずっと続いたらどんなにいいか、そう願うほどに私は……。
(あれ……?)
ふと、私にこの胸に去来したのはーー僅かな違和感。
しかし考えれば考えるほど、それは大きくなっていった。
おそらく"彼氏いない歴=年齢"のアラサー女だからこそ気づけたのだろう。
(……あ、そっか)
私はハッとすると同時に恐ろしさを感じた。
気づかぬうちに蜘蛛の糸におびき寄せられてしまったかのような錯覚に陥る。
”観測者であるはずの28歳の私”さえも、絡め取ってしまうような……。
(私――こんなイベント知らない……!)
たしかに私は、高校生のときこの大村湾の堤防近くで飛び込みの練習をしたことはあるが、九条くんと出会ったというような記憶はない。
夢だから、私の過去と異なっていたとしても不思議ではない。
ただ、ここにきて突然イレギュラーが発生するのも状況的に不自然だ。
私の中に猜疑心が宿り始めたその時。
「きゃっ」
私は肩を抱かれ、その胸に引き寄せられていた。
体が傾き、九条くんに半身が接する。
いきなりのことで私は混乱した。
「ごめん、嫌だった?」
「……」
言葉が出なかった。
浅ましい女の部分が、まるで何かを期待するかのように高鳴るのを感じる。
とっさに「嫌」と言えなかったことに――どうしてか自分自身に対する嫌悪感を覚えた。
「……上村さん、何か俺に聞きたいことがあるんじゃない?」
九条くんの言葉に目を見張った。
まるで私が今何を考えているかまで、見透かしたような瞳。
私は胸のうちに生じた強烈な違和感に対する答えが欲しくて、確信に迫るような質問を投げかける。
「……九条くん、君は一体……何者なの?」
九条くんは私の疑いの視線を意に介すことなく朗らかに笑った。
「あはは、変な質問だね。俺は九条涼也だよ」
「……いいえ、違うわ。だって、私と九条くんがここで会った事実はないもの」
「……確かに現実に起こった出来事ではないね。でもね、だからこそ見えてくる事実もあるんだよ」
九条くんは意味深な言葉を私に告げる。
その瞳には、私を惹きつけてやまない怪しい光を宿していた。
「……どういうこと?」
「わからないかい? この世界はーー君が望んだ世界なんだよ」
「っ……!」
私は言葉を失った。
信じられないという思いと同時に、自分の中の疑問が否応なく氷解するように感じたからだ。
「だからね……俺はいわば、上村さんの理想の男性ということになるかな」
「私の……理想の男性……?」
「そう。俺がこうして見つめれば……君は顔を赤くし、俺が触れれば……君は無意識に体を寄せる」
九条くんはそう言って実演して見せる。
私はその瞳に吸い込まれるような錯覚に陥り、まるで糸で操られているかのように九条くんに引き寄せられていくのを感じる。
「上村さん……、君は高校時代――俺に思いを寄せていたよね?」
「ッ……」
九条くんのその言葉はひどく私を不安にさせた。
その言葉が見当違いであれば、どれほど良かったか。
それが事実でなければ、こんなに胸をかき乱すことはなかったし、これほどに懐かしく切ない寂寥感が込み上げてくることはなかっただろうから。
「……九条くんの目的は何?」
「それはもうじきわかるよ……。僕達は、現実世界で再び出会う。これはもう定められた未来だからね」
「……」
ついに九条くんは、決定論者のようなことを言い始めた。
流石の私もこれには苦笑いを浮かべる。
これだけ好き放題言われれば、私だって認めるわけにはいかない。
(やられっぱなしっていうのも、私らしくないよね……?)
「随分自信家なんだね、九条くん。……私の知る九条くんは、もう少し慎み深い人だと思ってたんだけどな」
意趣返しのつもりで私は言葉を返す。
九条くんは、鳩が豆鉄砲を食らったような表情をしていた。
しかしそれほど有効打になっているような気はしない。
「あはは、やっぱり上村さんは手強いね。……そうだ。一つだけ、忠告しておくよ」
「?」
ただ、九条くんも一筋縄ではいかないと悟ったのか、話題を変えてきた。
「堂島清光――あいつには気をつけたほうがいい」
九条くんは神妙な顔をして私に告げた。
声のトーンが先程よりも何段階も低い。
「……どうして? 堂島くんは良い人よ」
「いや、あいつは最低の人間だ。これ以上、関係を持つべきじゃない」
九条くんの口から、他人を卑下するような言葉が出たことに私は驚いた。
その表情からは、これまでの余裕が感じられない。
「堂島くんは悪い人じゃないよ?」
「それは……上村さんが堂島という男を理解していないからそう言うんだ」
これには私もムッとする。
それほどに私は堂島くんに恩義以上のものを感じていた。
「誰と付き合うかは私が決めることよ。九条くんが口出しすることじゃないわ」
「……もちろん俺は上村さんの判断を尊重したい。……でも、きっと後悔することになる」
「それでも私は……自分の直感を信じてるから」
私は毅然とした態度で九条くんの瞳をまっすぐに見据える。
……迷いは、なかった。
やがて、九条くんの方が折れたようにため息をつく。
「そうか……残念だ。……一応、忠告はしたよ?」
九条くんは少し落胆したような表情で言った。
思い通りにならないことを、不思議に思っているようでもある。
「忠告はわかった。ちなみに理由は聞かせてくれないの?」
「……本人がいないところで悪口を言うのは、フェアじゃないだろう? それに俺が何を言っても上村さんは自分の目で見たものしか信じないだろうからね」
九条くんはそう言って肩を竦めた。
全く、どこまで私のことを理解しているのか。
「ふふ、それもそうだね」
この奇妙な夢体験に思わず笑みがこぼれた。
ーーふと、視界が光に包まれ始めていることに気づく。
おそらく、現実で覚醒の時が近いのだろう。
夢世界が終わりを告げようとしていた。
「……どうやら時間みたいだね。上村さん……何か辛いことがあったら、現実の俺を頼ると良い。きっと力になってくれるからさ」
「……ありがとう、一応、覚えておくね」
私の言葉に、九条くんははにかんだような笑顔を見せた。
相変わらず爽やかで、魅力的な笑みだ。
夢の中の九条くんは、最後まで掴めない青年だった。
これほどリアルな過去の夢を見たのには――きっと何か意味がある。
薄れゆく意識の中、私はそんな予感めいたことを思ったのだった。
第一部 完?
ーーーー
作者よりお知らせ
雪見サルサです。ここまで「エロ漫画先生に犯されるっ!」をご愛顧いただきありがとうございます。
アルファポリス様で連載を開始して、約一ヶ月ほど、なんとかある程度区切りの良いところまでこれました!(どこがや!?
本当はもう少し進めたかったのですが、賞レースに向けて新作に注力することになったので、一ヶ月ほど休載させていただきます。
ですので柚月が活躍、もとい、襲われてしまうのはもう少し先になってしまうこと、誠に申し訳なく(人д`o)。
新作は、カクヨム様、小説家になろう様での連載となります。
男性向け小説なので御縁があるかはわかりませんが、もしよろしければこちらも一読してみては?!
それと7/30には拙作「墜星の最強魔道士」が発売されます!
こちらはちょっとエッチな男性向けの異世界小説です。
とても面白いので、ぜひチェックしてみてください!
それでは(*´︶`*)ノ"
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