神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ

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愛し子様

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なんだろう・・こうも緊張することってなかなか無いだろうに。

なんなら、陛下への謁見よりも緊張するってどういうことだ・・

チラリと横の息子を見やると、彼も同じような心境らしい。
固まってるじゃないか・・

侯爵とグリドールは緊張のあまり変な汗が出ていた。

2人とも口にはしないが、心臓が飛び出そうな程緊張しているのだ。

そんな2人を目の前に、侯爵夫人と子爵は和気あいあいと話をしている。

妻は一度会っているから緊張もないのだろう・・

そう思っていると、扉がノックされ執事が入ってきた。
執事「旦那様、お嬢様をお連れいたしました。お嬢様、どうぞこちらへ。」

と促されて入室してきたのは、10歳だという女の子。
その容姿は間違えようのない神の色と造形美。
いまはまだ子どもだが、数年もすれば女神のごとく美しい女性になるだろうことがすでに想像出来るほどだ。

おずおずと入ってきて、こちらを眺めてから挨拶をしてくれた。

ルナ「初めまして、シトラス子爵家長女のルナティカと申します。
以後、お見知り置きください。」
と丁寧にお辞儀をしてから、妻のほうへ向くと、

ルナ「ベリル先生!!先日ぶりですっ!
私、先生から教わりたいことがたーーくさんあって、もう毎日先生にお会いしたいくらいですっ!!
改めて、これからよろしくお願いしますっ」

とかなり食い気味。
押しが・・圧が強いとはこのことだ。

妻は一瞬驚いたような顔をして、すぐに笑顔に変わっていた。
嬉しいのだろう。

エンドレス夫人
「えぇ、お待たせしてごめんなさいね。
こんな素敵な生徒さんを待たせてしまうのが私も心苦しかったわ・・来たばかりだし、新居が落ち着くまでは子爵家でお部屋を用意してくれると夫人がおっしゃっていたから、せっかくなのでお言葉に甘えようと思ってるの。
そうしたら明日から授業が始められますからね、それでどうかしら??」

そういう妻はどこか新しいことの始まりにワクワクしているようだ。

ルナ「そんなっ!!素敵な提案嬉しいです!
ぜひっ明日からよろしくお願いします。
侯爵様、子息様もうちでゆっくり滞在なさっていただきたいです!
あ・・そうだ」

お客様が嬉しいのか、テンションの上がったルナティカは喋りまくってしまって思い出したかのように止まった。
そして・・
ついっと侯爵とグリドールのほうへ向かうと、

ルナ「興奮してしまって、きちんと挨拶が出来ていなくてすみませんでした。
侯爵様、ベリル先生・・奥様が家庭教師をすることにご協力してくださってありがとうございます。
本当に感謝しています。
侯爵様もどうかシトラス領で素敵な毎日を過ごして生活していただきたく思います。」
そう言って、侯爵の両手を握って”侯爵様が健康で楽しく日々を過ごせますように”と祈った。
瞬間、ふわっと金色の温かい光が舞って収まるまでじっと目を閉じていたルナ本人はその事象を知らないまま。

その目に見える現象こそが、愛し子からの願いで神々から贈られる祝福であることは言い伝えられている。
だからこそ、その場に居た者はみんなハッとなり神々へ感謝をするのだ。

目を開けて、ふにゃっと笑ったルナティカの顔にまたメロメロになるのは誰もが同じ。

侯爵「愛し子様、いえルナティカ嬢素敵な言葉をありがとう。
私もこれからの老後、妻とゆっくり過ごしたかったんじゃ・・新天地で過ごすことは考えたこともなかったが、年甲斐も無く私もワクワクしていてね。
このような機会をいただけたことに感謝しているよ。
こちらこそ、これからよろしく。」

2人は握手して笑いあった。

そして同じく、グリドールへ向って同じようにする。
ルナ「ご子息様、これからいっぱい大変なこともあると思いますが、お嫁さんと笑顔の絶えない素敵なご家庭を築いてくださいね。お子様にも恵まれますように。」

そう祈った。
もちろん、光が溢れたのはルナは見ていないけど。

グリ「愛し子様っっ、いえ、ルナティカ嬢、ご丁寧な挨拶をありがとう。
僕はグリドール、婚約者はネロリといいます。彼女もあなたに会いたがっていたので、ウェディングの時に是非会っていただけませんか?」

咄嗟にネロのこともお願いしてしまった。
すると、ルナティカはきょとんとして目を見開いて言った。

ルナ「え!お嫁さんにお会いしてもいいのですか!?
絶対綺麗だし、絶対見たいし、見たら絶対幸せになれるじゃないですか!
ぜひっ私もお会いしたいですっっ」

と、逆に興奮して目を輝かせてくれた。
なんて素敵な子だろう・・
こんな子が自分の子どもだったら嬉しいなぁ
と将来生まれるであろう自分の子どもたちに思いを馳せる。

そんなお子様に会えるにはまだ少し先のお話。

目の前で我が子の奇跡の行いを見た子爵は、この子は本当に愛し子なんだなと事実を噛み締めた。

この子が不幸になることは有り得ない・・あってはならないと。

神々よ、どうか・・どうかルナティカを守ってください。

そう祈らずにはいられない。

愛し子とは神々の寵愛を受けし者、そんな存在は世界中探してもいまの世でルナティカ一人なのだから・・

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