24 / 153
愛し子様
しおりを挟む
なんだろう・・こうも緊張することってなかなか無いだろうに。
なんなら、陛下への謁見よりも緊張するってどういうことだ・・
チラリと横の息子を見やると、彼も同じような心境らしい。
固まってるじゃないか・・
侯爵とグリドールは緊張のあまり変な汗が出ていた。
2人とも口にはしないが、心臓が飛び出そうな程緊張しているのだ。
そんな2人を目の前に、侯爵夫人と子爵は和気あいあいと話をしている。
妻は一度会っているから緊張もないのだろう・・
そう思っていると、扉がノックされ執事が入ってきた。
執事「旦那様、お嬢様をお連れいたしました。お嬢様、どうぞこちらへ。」
と促されて入室してきたのは、10歳だという女の子。
その容姿は間違えようのない神の色と造形美。
いまはまだ子どもだが、数年もすれば女神のごとく美しい女性になるだろうことがすでに想像出来るほどだ。
おずおずと入ってきて、こちらを眺めてから挨拶をしてくれた。
ルナ「初めまして、シトラス子爵家長女のルナティカと申します。
以後、お見知り置きください。」
と丁寧にお辞儀をしてから、妻のほうへ向くと、
ルナ「ベリル先生!!先日ぶりですっ!
私、先生から教わりたいことがたーーくさんあって、もう毎日先生にお会いしたいくらいですっ!!
改めて、これからよろしくお願いしますっ」
とかなり食い気味。
押しが・・圧が強いとはこのことだ。
妻は一瞬驚いたような顔をして、すぐに笑顔に変わっていた。
嬉しいのだろう。
エンドレス夫人
「えぇ、お待たせしてごめんなさいね。
こんな素敵な生徒さんを待たせてしまうのが私も心苦しかったわ・・来たばかりだし、新居が落ち着くまでは子爵家でお部屋を用意してくれると夫人がおっしゃっていたから、せっかくなのでお言葉に甘えようと思ってるの。
そうしたら明日から授業が始められますからね、それでどうかしら??」
そういう妻はどこか新しいことの始まりにワクワクしているようだ。
ルナ「そんなっ!!素敵な提案嬉しいです!
ぜひっ明日からよろしくお願いします。
侯爵様、子息様もうちでゆっくり滞在なさっていただきたいです!
あ・・そうだ」
お客様が嬉しいのか、テンションの上がったルナティカは喋りまくってしまって思い出したかのように止まった。
そして・・
ついっと侯爵とグリドールのほうへ向かうと、
ルナ「興奮してしまって、きちんと挨拶が出来ていなくてすみませんでした。
侯爵様、ベリル先生・・奥様が家庭教師をすることにご協力してくださってありがとうございます。
本当に感謝しています。
侯爵様もどうかシトラス領で素敵な毎日を過ごして生活していただきたく思います。」
そう言って、侯爵の両手を握って”侯爵様が健康で楽しく日々を過ごせますように”と祈った。
瞬間、ふわっと金色の温かい光が舞って収まるまでじっと目を閉じていたルナ本人はその事象を知らないまま。
その目に見える現象こそが、愛し子からの願いで神々から贈られる祝福であることは言い伝えられている。
だからこそ、その場に居た者はみんなハッとなり神々へ感謝をするのだ。
目を開けて、ふにゃっと笑ったルナティカの顔にまたメロメロになるのは誰もが同じ。
侯爵「愛し子様、いえルナティカ嬢素敵な言葉をありがとう。
私もこれからの老後、妻とゆっくり過ごしたかったんじゃ・・新天地で過ごすことは考えたこともなかったが、年甲斐も無く私もワクワクしていてね。
このような機会をいただけたことに感謝しているよ。
こちらこそ、これからよろしく。」
2人は握手して笑いあった。
そして同じく、グリドールへ向って同じようにする。
ルナ「ご子息様、これからいっぱい大変なこともあると思いますが、お嫁さんと笑顔の絶えない素敵なご家庭を築いてくださいね。お子様にも恵まれますように。」
そう祈った。
もちろん、光が溢れたのはルナは見ていないけど。
グリ「愛し子様っっ、いえ、ルナティカ嬢、ご丁寧な挨拶をありがとう。
僕はグリドール、婚約者はネロリといいます。彼女もあなたに会いたがっていたので、ウェディングの時に是非会っていただけませんか?」
咄嗟にネロのこともお願いしてしまった。
すると、ルナティカはきょとんとして目を見開いて言った。
ルナ「え!お嫁さんにお会いしてもいいのですか!?
絶対綺麗だし、絶対見たいし、見たら絶対幸せになれるじゃないですか!
ぜひっ私もお会いしたいですっっ」
と、逆に興奮して目を輝かせてくれた。
なんて素敵な子だろう・・
こんな子が自分の子どもだったら嬉しいなぁ
と将来生まれるであろう自分の子どもたちに思いを馳せる。
そんなお子様に会えるにはまだ少し先のお話。
目の前で我が子の奇跡の行いを見た子爵は、この子は本当に愛し子なんだなと事実を噛み締めた。
この子が不幸になることは有り得ない・・あってはならないと。
神々よ、どうか・・どうかルナティカを守ってください。
そう祈らずにはいられない。
愛し子とは神々の寵愛を受けし者、そんな存在は世界中探してもいまの世でルナティカ一人なのだから・・
なんなら、陛下への謁見よりも緊張するってどういうことだ・・
チラリと横の息子を見やると、彼も同じような心境らしい。
固まってるじゃないか・・
侯爵とグリドールは緊張のあまり変な汗が出ていた。
2人とも口にはしないが、心臓が飛び出そうな程緊張しているのだ。
そんな2人を目の前に、侯爵夫人と子爵は和気あいあいと話をしている。
妻は一度会っているから緊張もないのだろう・・
そう思っていると、扉がノックされ執事が入ってきた。
執事「旦那様、お嬢様をお連れいたしました。お嬢様、どうぞこちらへ。」
と促されて入室してきたのは、10歳だという女の子。
その容姿は間違えようのない神の色と造形美。
いまはまだ子どもだが、数年もすれば女神のごとく美しい女性になるだろうことがすでに想像出来るほどだ。
おずおずと入ってきて、こちらを眺めてから挨拶をしてくれた。
ルナ「初めまして、シトラス子爵家長女のルナティカと申します。
以後、お見知り置きください。」
と丁寧にお辞儀をしてから、妻のほうへ向くと、
ルナ「ベリル先生!!先日ぶりですっ!
私、先生から教わりたいことがたーーくさんあって、もう毎日先生にお会いしたいくらいですっ!!
改めて、これからよろしくお願いしますっ」
とかなり食い気味。
押しが・・圧が強いとはこのことだ。
妻は一瞬驚いたような顔をして、すぐに笑顔に変わっていた。
嬉しいのだろう。
エンドレス夫人
「えぇ、お待たせしてごめんなさいね。
こんな素敵な生徒さんを待たせてしまうのが私も心苦しかったわ・・来たばかりだし、新居が落ち着くまでは子爵家でお部屋を用意してくれると夫人がおっしゃっていたから、せっかくなのでお言葉に甘えようと思ってるの。
そうしたら明日から授業が始められますからね、それでどうかしら??」
そういう妻はどこか新しいことの始まりにワクワクしているようだ。
ルナ「そんなっ!!素敵な提案嬉しいです!
ぜひっ明日からよろしくお願いします。
侯爵様、子息様もうちでゆっくり滞在なさっていただきたいです!
あ・・そうだ」
お客様が嬉しいのか、テンションの上がったルナティカは喋りまくってしまって思い出したかのように止まった。
そして・・
ついっと侯爵とグリドールのほうへ向かうと、
ルナ「興奮してしまって、きちんと挨拶が出来ていなくてすみませんでした。
侯爵様、ベリル先生・・奥様が家庭教師をすることにご協力してくださってありがとうございます。
本当に感謝しています。
侯爵様もどうかシトラス領で素敵な毎日を過ごして生活していただきたく思います。」
そう言って、侯爵の両手を握って”侯爵様が健康で楽しく日々を過ごせますように”と祈った。
瞬間、ふわっと金色の温かい光が舞って収まるまでじっと目を閉じていたルナ本人はその事象を知らないまま。
その目に見える現象こそが、愛し子からの願いで神々から贈られる祝福であることは言い伝えられている。
だからこそ、その場に居た者はみんなハッとなり神々へ感謝をするのだ。
目を開けて、ふにゃっと笑ったルナティカの顔にまたメロメロになるのは誰もが同じ。
侯爵「愛し子様、いえルナティカ嬢素敵な言葉をありがとう。
私もこれからの老後、妻とゆっくり過ごしたかったんじゃ・・新天地で過ごすことは考えたこともなかったが、年甲斐も無く私もワクワクしていてね。
このような機会をいただけたことに感謝しているよ。
こちらこそ、これからよろしく。」
2人は握手して笑いあった。
そして同じく、グリドールへ向って同じようにする。
ルナ「ご子息様、これからいっぱい大変なこともあると思いますが、お嫁さんと笑顔の絶えない素敵なご家庭を築いてくださいね。お子様にも恵まれますように。」
そう祈った。
もちろん、光が溢れたのはルナは見ていないけど。
グリ「愛し子様っっ、いえ、ルナティカ嬢、ご丁寧な挨拶をありがとう。
僕はグリドール、婚約者はネロリといいます。彼女もあなたに会いたがっていたので、ウェディングの時に是非会っていただけませんか?」
咄嗟にネロのこともお願いしてしまった。
すると、ルナティカはきょとんとして目を見開いて言った。
ルナ「え!お嫁さんにお会いしてもいいのですか!?
絶対綺麗だし、絶対見たいし、見たら絶対幸せになれるじゃないですか!
ぜひっ私もお会いしたいですっっ」
と、逆に興奮して目を輝かせてくれた。
なんて素敵な子だろう・・
こんな子が自分の子どもだったら嬉しいなぁ
と将来生まれるであろう自分の子どもたちに思いを馳せる。
そんなお子様に会えるにはまだ少し先のお話。
目の前で我が子の奇跡の行いを見た子爵は、この子は本当に愛し子なんだなと事実を噛み締めた。
この子が不幸になることは有り得ない・・あってはならないと。
神々よ、どうか・・どうかルナティカを守ってください。
そう祈らずにはいられない。
愛し子とは神々の寵愛を受けし者、そんな存在は世界中探してもいまの世でルナティカ一人なのだから・・
96
あなたにおすすめの小説
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
無能令嬢、『雑役係』として辺境送りされたけど、世界樹の加護を受けて規格外に成長する
タマ マコト
ファンタジー
名門エルフォルト家の長女クレアは、生まれつきの“虚弱体質”と誤解され、家族から無能扱いされ続けてきた。
社交界デビュー目前、突然「役立たず」と決めつけられ、王都で雑役係として働く名目で辺境へ追放される。
孤独と諦めを抱えたまま向かった辺境の村フィルナで、クレアは自分の体調がなぜか安定し、壊れた道具や荒れた土地が彼女の手に触れるだけで少しずつ息を吹き返す“奇妙な変化”に気づく。
そしてある夜、瘴気に満ちた森の奥から呼び寄せられるように、一人で足を踏み入れた彼女は、朽ちた“世界樹の分枝”と出会い、自分が世界樹の血を引く“末裔”であることを知る——。
追放されたはずの少女が、世界を動かす存在へ覚醒する始まりの物語。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる