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これからの関係
しおりを挟むいまの私の気持ちを精一杯伝えたつもりだ。
王様と王妃様の反応を待っている間・・数秒刻だったはずだけど、死刑宣告でも待ってるの??ってくらい長い時間に思えた。
駄目なのかなぁ・・とか考えていると、
エールド
「愛し子様、いや、ルナ様。
まずはうちの息子のこと選んで下さり心から感謝いたします。
そして、我が国を気に入ってくださったこと、人々とも交流してくださっていることも聞き及んでおります。
民もとても喜んでいると報告を受けました。
・・婚約に関しては、私は歓迎いたします。
ルドリアは王太子、あなたも王妃となる覚悟が必要ですが、それだけが心配です。
王妃は王の補佐であるようで、王妃だけの仕事もありますし、他国とのやり取りや招待に応じたり・・優雅にお茶会だけをしていればいいというものでは無いのです。
婚約して時期が来たら、ルナ様も城へ入り王妃教育も進めなければいけません・・幸い年齢的には始めるのに遅くはありませんが。
そういうものを背負っていかなければなりません・・その覚悟がおありか聞きたく存じます。」
可哀想ではあるが、嫌なことは一気にまくし立てて話さなければやっていられないのだ・・
かくいう自分だって王になるための学びは大変な道のりであった。
子どもや嫁にはなるべく厳しくはしたくない・・だが、現実的にはやらねばならない最低限のこともある。
なんにせよ覚悟が必要なのである。
結婚や婚約を認めるのは簡単であっても、それではい終わりではないのだから。
嫁ぐということはそういうことだ・・
サイカナ
「そうですね・・私も随分と王妃教育では苦しみましたし・・でも、アレに耐えたからこそ王妃としての自信もついたと思っています。
この人の横に立ちたかった・・この人の横に並んで恥ずかしくない妻でありたかったから頑張れたのです。
この人ったら自分も公務や教育で忙しいくせに、私とのティータイムは必ず時間を取ってくれていたの・・愚痴を言い合ったり、意見交換したり、将来のことを話してみたり、
それが何よりも嬉しかったんですよ。
・・好きな人と支え合って頑張れるって素敵なことです。
ルナ様、ルドリアと2人支え合っていけそうですか?
それこそ、2人でなら地獄だって行ってやるくらいの覚悟をして下さい。」
お2人の言葉は、まだふわっとしている自分の心に真っ直ぐに突き刺さった。
ルドへの恋心はただ一緒に居たいだけなのかな??
確かに彼は次期国王・・平民同士の結婚とはわけが違うのだ・・好きだからやれる!だけでは絶対に折れるだろう。
考えるんだ・・一緒に居たいという他にも覚悟出来る決定的なことを・・
1分刻ほど沈黙が続いた。
考えてみた・・私の思う覚悟を。
いくら愛し子とはいえ、一介の子爵令嬢ごときが王妃になりえるような教育は受けていない・・
だけど、教育なら十分これからでも間に合う年齢だと確約をいただいている。
私の強みをあげてみる。
まずは愛し子であること
神々をいつでも呼び出せること
各国のマナー・礼儀・言語を習得済み
あとは・・個人的に箱庭・使用人(影も)を所有(所有はあくまでも言い方だけ・実際は本人たちの意思に任せている)でも、この事はあまり公にしたくないから言わないでおこう。
これくらいかなぁ??と思いながら、隣のルドを見つめる。
・・・
やっぱり好きだ。
王様と王妃様へ向き直り、まとまった考えを伝えた。
お二人は頷いてはくれたけど、よいお返事ではなさそうだ・・
その空気を感じ取ってシュンとなってしまうのは仕方ないと思う。
エールド
「ルナ様、私達は婚約についてはもちろん反対ではないのですよ。
だけどいまの時点で婚約まで決めるのは、あなたの将来を縛ってしまうことになる・・
旅はまだこれからも続きますよね?
世界の半分も見ていないはずです。
ならば・・旅を終えて、その時にやはりルドリアとの未来を見るのでしたら、その時に婚約・婚姻どちらでもしたらよろしいのではないでしょうか?」
サイカナ
「そうですよ・・ルナ様はまだ11歳です。
まだまだ色々なことを見て吸収して下さい。
私達はユメイルにおりますから、どこにも逃げたりいたしません。
ルドリアも急に憧れていた愛し子様という存在に出会えて、心が舞い上がってしまっているのは否めません。
冷静になった時に、色々と見えてくることもあるかと思います。
焦ってまとめることが良いことではないのです。
ですから・・どうか、ご自分の人生を大事にして下さいませ。
こちらへ来てくれることは、いつでも大歓迎ですから。」
わかりやすく、そして嘘偽り無くしっかりと話して下さったと思う。
お二人の目は真剣そのもの。
そうだ!・・私はずっと自分でも言っていたじゃないか・・まだ11歳の小娘だと。
人生はまだまだ長い、この世界での結婚は早いけれどそれでも・・まだ私には人生経験が圧倒的に足りていないのはわかる。
つい数ヶ月前まで親元でぬくぬく過ごしていた令嬢なのだから。
そう、世間知らずのお嬢様っていうやつなの。
ルドのことは大好き・・みなさんのことも・・だけど、早まっては見える物も見えなくなってしまうだろう。
正論しかないお二人の話に、雷に打たれたみたいに目が覚めたようだ。
大好きだけど・・いまはその時じゃないってことだね。
離れたくないよ、でも好きだから・・あなたの隣に立てる私になって帰ってきたい。
ルナ「王様、王妃様、こんな子どもに嘘偽り無くはっきりと話してくれてありがとうございます・・私突っ走ってしまっていましたね。
なのに、真剣にお話を聞いてくれてたことも本当に感謝しかないです。
・・ルドのことは大好きです・・大好きだから、もっと成長してルドの隣に立っても恥ずかしくない私になります。
止めてくださってありがとうございました。間違えるところでした・・」
そう伝えると、お二人はふふっと笑って「「いいんだよ(のよ)」」と返してくれる。
こうやってちゃんと諭してくれる存在は貴重だから・・有難いな。
自分の中で結論を出すと、ルドに向き合う。
彼もまた、考えたみたいだ・・先ほどまでと瞳が違っている。
私を愛しそうに見ていた彼とは違う・・
ちょっと寂しいかな、そう思うと胸は正直にチクリとなる。
ルドリア
「・・・ルナ、ごめんね。
私も初めての気持ちに浮かれて・・だいぶ焦っていたみたいだよ。
父上と母上の言葉で気付かされた。
だから、私もルナと同じ選択をしよう・・
次に会うまでには私も、もっと胸を張って君へ伝えられるようになるよ。
だから・・
いまはお別れだ。
ルナと出会えてよかった、大好きだよ、ほんとに。
一緒に行けないけど、応援してるからね。」
ゆっくり言葉を紡ぐルドの瞳は少し潤んでいるように見える・・それはお互い様だけど・・
ルナ「うん、お別れね。
ルド・・大好きだよ、私も・・応援してる。」
本当は言いたくもない言葉を口から吐く・・これが最善。
まさかの展開に見守っていたそれぞれの従者たち(ぷらすリラ)は、”嘘だろう” という思いしか見つからない。
ルイ”まじかよ・・こうなるなんてな・・”
ジーン”そんなっ・・ルナ様っっ”
リル”主・・・”
確かに人生まだこれからだとか、この先ほかの出会いもあるかもしれないとか先見的には王と王妃の意見はわかるのだ・・
だけど、それなら一度仮婚約などしておいてから、旅はそのまま続けてもし何かしらの事態には解消することも出来るから・・ということでもいいのでは?と思う。
なぜ婚約しない になったのだろうか。
もしかしてあの優しい笑顔の裏で別の事情が動いていた・・?
わからん・・
チラっと横のジーンを見ると目線が合う。
・・・あぁ。
ルイ”ふぅ・・リル・・動いてくれるか?”
”もちろんです・・何を探ればいいでしょう?”
ルイ”王と王妃は何か隠していると思う・・本心だろうが言ってないことがある気がするんだ探れるか?”
”2時間刻ほどあれば・・”
ルイ”上等・・頼んだぞ”
創造神様から貰った俺等だけの能力・・箱庭の使用人同士で念話出来る能力だ。
コレはお嬢も知らないスキルだけど、使用人同士ではかなり頻繁に使っている。
なにせ・・箱庭内の拡声器要らなくなったからな(苦笑)
さすが・・神々様々だな・・
そして今回のこと、神々はどう判断するかねぇ?
ま、俺が知ったことではないけどな・・俺等が心を配るのはルナティカ・シトラスその人だけなのは揺らぐことはない。
さて、何が出るやら。
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