神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ

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笑顔で隠された現実

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王と王妃との話も終わり場を離れて気まずい空気を纏いながら移動する、話の流れが流れだから先ほどまでのような軽口は叩けない。

ねぇ・・
なぜこちらを見てくれないの・・
なぜ怖い顔をしているの・・

思っているだけで問いかけられない疑問が軽い風に乗って飛ばされていくように。
この恋も何事もなかったように流されていくのかな。

私の本気の恋は・・・

ルドも先程からずっと何も言わない。

城へ来た時と同じように、私の両隣にはルイとジーンがいてしっかりと手を繋いでいてくれている。
そして・・来た時とは違って、少し離れたところで”リル”の気配が薄っすらと感じられる。
・・・彼らが気配を晒すことは無かったのに・・珍しいなと思った。

後に、彼らも相当怒りを抑えながらも見守っていたことを知ることになるのだけど。





黙ってルドの後を付いて歩いているけど、このまま行けば城を出てしまう・・


少しだけ見えるルドの表情はやっぱり怒っているみたい。
どうしたらいいかわからず、声をかけることも出来ないまま歩き続けて着いた場所は城の門・・
事前に門兵が離れたところへ待機させられていた。
向こうからはこちらの話し声などは確認出来ないだろう距離だ。

ようやくこちらを向いたルドは、どこか泣きそうな顔をしている。

ルドリア
「っルナ・・嫌な思いをさせてしまってすまない・・でも、あなたを想う気持ちは本物なんだ・・あなたの旅が終わる頃、合流しよう・・その時には一緒になろうっ」

考えてくれてたんだね・・
うん、私も頑張れる・・その約束があれば・・

ルナ「わかった・・頑張ろうね。一旦さよならだけど・・っまたね(ニコ)」
そう伝えながら、我慢していた涙が頬を伝っていく。

子どもの涙・・大人よりも止めるのは難しいのだ。
未来の約束が何の確約もないことを理解していて何も望めないことを憂いてしまったから。
ハラハラと流れるまま溢れていく涙は聡いがゆえに、もう会えないであろうことを知っているかのよう・・

そんな主の姿に胸を痛める従者数人・・優しい国だと思っていた・・ここならばと安心すらしたくらいだ・・それなのに愛し子である主をこのように泣かせたこと・・許すはずがないのだ。
箱庭の使用人も皆、ルナティカの心の機微には敏感であり、彼女が憂うことなどあってはならないというのが総意だ。
一刻も早く箱庭へ戻らないと・・

もうこれ以上関わらせたくない!と、ルナティカの前に立ちはだかりルナティカには聞こえないほどの声音で言い放つ。

ルイ「今日までお世話になりました。この国はとても優しく、人々も街も実に愛し子様に相応しいと思ってたのですが・・俺等の思い違いでしたね。
まさか、愛し子様にこのような思いをさせるとはねぇ・・本当はあと半分程の滞在日数を考えておりましたがね、駄目ですねぇ・・まぁ、せいぜい今度我らがこちらへ来ることがありましたら、国が存続しているといいですねぇ・・・とても残念ですよ、あなたもね。」

不穏なことを言い、いままで見たこともないほどの笑顔で「さようなら」だけを残して城を後にした愛し子様一行。

事前に調べていた抜け道を使って、街の人には合わずに箱庭へと帰る。

先ほど王子へ伝えた言葉は、わざと箱庭と神々へも聞こえるようにリルの闇魔法を通してもらっていた。
いま頃神々も発狂しているだろう・・

あと1時間刻もすれば頼んでいたリルの報告があがるはずだ、それも箱庭全体と神々へと共有したい。

”我らの主はこのような惨めな扱いを受けて良い立場ではないっ”

怒り渦巻く気持ちを表に出さないように、いまはただ主に寄り添う・・
逆側のジーンもいつもの穏やかさは無く、無表情で怒りを溜め込んでいる。
箱庭に着けば爆発するだろうことは分かっているが、止めるつもりも毛頭ない。
気持ちは痛いほどわかるから・・






城から30分刻だろうか、無事に箱庭へ帰還した。
玄関ホールでは留守番していた皆が集まっていて、みんなが主を心配している。

ルナ「・・・ただいま・・みんなっ・・・・うっわぁぁぁぁっぁあっっうぅっ」
無理やりな笑顔を作りながら「ただいま」を告げて、泣き叫ぶ。

ここまでずっと無言で瞳は光も無く・・安心出来る箱庭へ辿り着いて、我慢の限界を超えたんだろう。
そりゃそうだ・・

その姿を見て、まずメイとナナリーの侍女2人が動き出し、リラックス出来るお茶とアロマを焚ける準備へ走ると、ジーンがルナ様をリビングへと連れてソファへと座らせる。
(まずは興奮してるはずだからとの配慮だろう・・さすがだな)
ハイエンとポルトの執事父子は、枕と包まれる大きめなブランケットを用意、目元を温めるお湯とタオルの準備などをする。
(いつでも主の状態を気にかける仕事の出来る2人だな)
庭師のモリーがルナ様の大好きなセイレナの花を摘んでミニブーケにして小さな花瓶へ飾っている・・目でも香りでも癒されるからな。
(セレイナの花は、シトラス領でも咲く花弁から中心にかけてオレンジから白にグラデーションになっている花で庶民にも親しまれている花だ)
獣番のサベロは、最近獣舎の仲間入りになった小動物、立ちウサギのポピーを連れて来てルナ様の膝へと乗せる。
(ポピーはルナ様に撫でられるのが大好きだからな、ルナ様もあのモフモフに少しでも癒されてくれるといいが・・)
料理人ズも、一口サイズに切った数種類のお菓子を用意してくれる。ポピー用のフルーツも小さくカットしておやつ仕様にして持ってきてくれた。
(彼らも日々、ルナ様のために!!と腕を磨いている・・みんな彼らの料理は大好きだ・・ポピーへの配慮も忘れないところもさすがだ)

ヴァル・テンダ・ガロの3人はとにかく皆の邪魔にならないように動かないようにしている・・

うん、仕方ない。
いまは3人の出番はないからな・・ただ、彼らもルナ様の心配をしていることはわかる。
ただな、顔が険しいんだよ・・まだ全貌は話してないってのに・・話したらどんな顔になるってんだよっ


ーーーーーー
いつも読んでくださりありがとうございます!

明日・明後日の投稿は20時に予約済みです。




 
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