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神殿から帰還〜箱庭の夜〜
しおりを挟むうぅ~~頭痛いっ・・
滅多にない頭痛で目が覚めて辺りを見回すと・・ん?
いつもの自分の部屋じゃないな、っと。
暗くて良く見えなくてキョロキョロしていると、段々と目が慣れてきた。
あー・・
箱庭のリビングだ。
外も暗い・・何時刻くらいだろうか??
神殿に行って、神殿長の最期に立ち会って、箱庭に帰る途中で大泣きしたんだっけ・・
・・・ヴァルにしがみついてたような??
その後はもう思い出せないんだけど、と思って側を見ると・・何かいっぱいいるなぁ(笑)
いつもは禁止のカリンとマロンも両隣に寄り添って寝てくれていて、カリン側にはジーンとルイが寝てるし、マロン側にはヴァルとテンダが、その少し離れたところにメイとガロが2人寄り添って座って寝ているし、1人掛けのはずのソファにはスカラさんが座ってそこにナナリーが横抱きされた状態で寝ている。
リビングはギュウギュウ詰め(笑)
この光景は後にも先にも、いまこの瞬間しか見られないだろう・・なんて幸せな時。
幸せだと感じるのは私が生きているから。
うん、私は生きてる・・神殿長の死に目はやっぱり衝撃だった・・でも、だからこそ、私はこれから生きるということをもっと考えなきゃ。
ただのんびりしてるだけでも良いって言ってくれるけれど。
それじゃ駄目だと思う、やりたいこと、将来の目標・・なんせまだ11歳だからね。
選択肢はいっぱいだよね。
でも、シトラス家からは出ないと行けない・・コレは決定事項。
だから夫探しをするという名目で旅に出たんだもん・・それはわかってる。
・・・チラっと、マロンを抱っこして寝ているその人を見る。
褐色の肌に肌の色と同じくらいの赤茶色の瞳に夕陽のような橙色の髪・・初めて会った時はツンツンな短髪だったのに、そこから切るタイミングを逃しているのか、はたまた伸ばしているのかはわからないけど、いまではサラサラストレートのショートヘアだ。
少し髪の毛を触ってみる・・サラっと手から落ちる感触に、ヴァルが身動ぐ。
慌てて手を引っ込めて平静を装うけど、良かった・・起きてない。
どうしようかな・・でも頭痛はする。
まだ暗いしもう少しだけ寝てもいいよね??と誰にでもなく問いかけて、カリンのフワフワな体に寄り添って瞼を閉じた。
数秒でスースゥーという寝息が響いて、リビングは静まり返る中・・1人瞼を開いた人物が。
ヴァル「俺の髪の毛なんていじって・・どうしたいんですか・・まったく・・」
そう言って、まだあどけない頬に手の甲を滑らせてから、背中まで伸びたフワフワな綿菓子のような髪の毛を撫でる。
くすぐったいのかピクっと反応するが、起きる気配はない。
たぶん、俺の気持ちはみんなにはバレてるんだと思う・・だから、これからは遠慮しないで攻めていこうかな・・少しずつだけどね。
まぁ・・ルイとジーンの2人には許可を貰わないとな。
そう思いながら小さく息を吐いて、まだ少し寝ることにした。
そうして数時間後、箱庭の空も白けてきた。
メイとナナリーが起き出して、互いの恋人を起こしにかかる。
メイ「ガロ、ほら起きて・・ルナ様が起きる前に身支度してこないと」
大きな体を揺すって起こすと、寝起きの良い男はすぐに体を起こした。
ガロ「あぁ、変な態勢で寝てたから首がちょっと痛いな・・よし、身支度してくるか~あ?まだみんな寝てるのか?」
メイ「精神的に疲れると、体にも影響出ちゃうから仕方ないよ~私達は先に起きてなきゃ!」
ガロ「そうだな・・よし、俺はヴァルとテンダを起こすか」
熊みたいな見た目だけど、中身は面倒見の良い兄貴的である。
一方ナナリーのほうも、膝に抱っこされたままの状態ではあるけれど・・
ナナリー「スカラ、起きて~~~この態勢まずいってば・・・おきてよ~~」
と悪戦苦闘してるようである。
メイ「うわぁ・・ナナリー普段そんなだったの??恥ずかしい・・私なら耐えられない・・」
ナナリー「ちょ、そんなこと言わないでっ私だって不本意っ!しかもみんないるし・・・」
メイ「あー・・ご愁傷様?」
ナナリー「うーーー他人事だと思って・・ガロさんにやってもらったらいいんだよ」
メイ「ちょ、それはほんとにやめて・・ごめんって!」
そんな言い合いをしていると、下から声がした。
スカラ「おはよ~ハニー。朝から元気だねぇ~んー・・良く寝た!・・痛いっっ」
そんな呑気な声をあげてる語尾で、ナナリーが勢いよくバシバシとスカラを叩く。
スカラ「え、なになにっ痛いから・・何怒ってるの?俺はナナリーを抱いたまま寝られて最高の朝を迎えてるっていうのに~」
その言葉に顔面真っ赤になったナナリーが・・
ナナリー「うるさいですっもうっみんないるんだから早く起きて、早く降ろしてっ」
スカラ「えーーーどうしようっかなぁ・・このままナナリーの部屋・・痛いっっ、ごめん、冗談だってば」
ナナリー「あなたの冗談は冗談じゃないってわかってるの!早く身支度してきて!まったくもう・・」
ぷんぷんするナナリーを甘い目で眺めて幸せを噛み締めてるらしいスカラ・・を見て、ガロとメイは呆れている。
メイ「怒られてニヤけてるのはヤバいですよ、スカラさん・・」
ガロ「俺もアレは無理だぞ・・」
メイ「誰がああなれと言ったのかな??なったら別れ「ない!!別れないっ」・・・」
メイ「不用心だね・・そんな発言は今後しないように」
ガロ「すんませんでした!!!身支度してまいりますっ」
メイ「よろしい」
そんなやり取りを見て、ナナリーもクスクス笑っている。
ナナリー「ふふっお二人とも、結局仲良しですねぇ~あ、そろそろ本当に時間が!」
スカラ「よし、俺も一旦部屋戻って身支度するわーーまたあとでね」
ナナリー「はーい」
メイ「ナナリー行きましょう」
そうして侍女2人とそれぞれの恋人もリビングを後にした。
騒々しさが消えた頃、ルイが起き出してジーンも一緒に目を覚ました。
ルイ「お嬢・・良く寝てるな、良かった」
ジーン「そうね・・あ、そろそろ身支度しないとじゃない?」
ルイ「ん・・そうだな、おーいヴァル、テンダ、そろそろ起きろ~」
ちょっと揺さぶると、さすが商人付き護衛だっただけあって、すぐに起きた。
テンダ「うーーおはよう。あれ?ガロは??もう部屋いったんかな?」
ルイ「だろうな、メイとナナリーはもう居ないから、起こされて身支度をせっつかれたかもしれない」
テンダ「なるほど、俺等も部屋戻って着替えるかな~」
ヴァル「うぇ~~二度寝きっつ・・やるべきじゃないな」
テンダ「二度寝??一度起きたのか?」
ヴァル「あぁ、でも眠くてな(笑)また寝たらコレだわ(笑)」
ルイ「寝違いとか大丈夫か??」
ヴァル「んー体のほうは大丈夫みたいだな、よし、俺も着替えてくる!」
ジーン「そしたら、また朝食でね」
ルイ「お嬢は俺が運ぶわ(笑)まだ寝るんかなー・・」
ジーン「しばらくそっとしておきましょう。寝間着じゃないから、ここで寝かせてても問題ないわよ」
ルイ「そうか・・お、ちょうどハイエンとポルトが来たな、誰かお嬢の側に居てて・・っと」
執事のどちらかを呼ぼうかと思ったら、横から急にヌッと出てきた。
リルのメンバー、カガミとエニシだ。
ルイ「おまえらなぁ・・急に現れるのやめろって言ってるだろ、心臓に悪いっての・・」
カガミ「すまない・・しかし、ルナ様のお側にと聴こえたから・・」
エニシ「俺達が居てもいいだろうか?」
ルイ「ん?まぁ、構わないが・・朝食とか・・「「済んでいる」」おぉ・・」
圧が凄いな。
こいつらなりに、お嬢のこと心配してるんだよな・・それはわかる。
ルイ「まぁ、ならいいけどよ。じゃぁお嬢のこと頼んだぞ。何かあったら念話でよろしく。」
カガミ「承知」
エニシ「まかせて」
そうか、こういう手が足りない時はリルを呼べば手伝って貰えるんだな・・と今更ながらに新しい発見をした気分になったルイであった(笑)
まだ気持ち良さそうに寝る主の両側、起こさないようにゆっくりと座ってそれぞれカリンとマロンを撫でながら言葉もなくただ静かに見守る。
リビングを通る他のみんなも、時々寄って喋っていく・・家族ってこういうのだろうなと噛みしめるカガミとエニシは、自分たちには無かった温かさに心が満たされるのを感じながらも、小さな主を眺めている。
結局、ルナティカが起きたのはお昼時だった(笑)
ルナ「え・・私寝すぎなんですけど・・・何で誰も起こしてくれなかったの!!!!」
「「「「「「「「「気持ちよさそうでしたので」」」」」」」」」
そんな理由・・そんな気遣い要らない・・夜寝られないよ~~~(泣)
その後、疲れるために箱庭の森へ探索へ行ったり、川釣り勝負をしたり、騎獣に乗ってかけっこしてみたり・・
夜にはいつも通りぐっすり寝ましたとさ(笑)
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