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プロローグ
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最終的に、朝露の採取はヴィンセントも同行する事になった。
今日も昼間に女遊びに行くらしく──酒場とかで出会いを待つらしい。勝手にしてくれ──俺と出かける約束を取り付けだしたので、セリオンがついでに採取に呼んだのだ。
「ほんと最悪なんだけど。お前らこんな朝早くから起きてんの?」
「謝罪はもうしたはずだが」
「王族のくせに錬金術もできない奴に言われたくない」
「こっ、このガキ!」
誰がガキだ俺の可愛い弟をつかまえて。
怪我をさせた相手を治療するとかいう無駄行動をさせたのには申し訳ないと思っている。し、朝五時なので眠いのはわかる。
分かるが我らがプリンセスがやりたいと言っているので仕方がないね。
さっさと採取しながらヴィンセントを観察する。
文句を言いながらも動きは迅速。
教科書通りの真面目な動きだが、本人の要領の良さで乗り切っている。俺が初めての頃とは比べ物にならない。
「別にいちいち測らなくていい。どうせ後で精製するし、採取が優先だ」
「は? 言えやし」
「言った」
言ってなかったらごめん。
女性の理想を詰め込んだみたいに甘い顔立ちは朝早い気だるさが滲み出ていて、それがまた匂い立つ色香を醸し出している。
朝の白んだ淡い光によく似合う美しい男である、思考回路は最悪だけどね……
セリオンはさっきからなぜか不機嫌で、普段よりずっとヴィンセントに当たり散らかしている。一応相手は王子であることも自覚しているはずなのだが……
「セリオン。殿下の前でその態度は何だ、シャキッとしなさい」
どうせ君がこの家を継ぐんだから──とは言わない。未来予知はこの好奇心旺盛な弟を刺激しすぎるらしく、言っちゃ悪いが碌なことがないので。
「……った」
「?」
パシリと言い含めると、セリオンがふわふわの頭を下げて何やらモゴモゴ言う。しゃがんで首を傾げてやれば聞こえてないのに気づいたらしく、普段より少し大きな声で拗ねた顔をした。
「……今日は箒見に行くって言った」
「? そうだな」
ええーーーッッッ覚えてたのセリオンきゅん相変わらず世界一可愛くまた天才的な頭脳をしていらっしゃる~!!!!!!!!!
そう、セリオンの入学届が来たために、入学セット一式を買わなければならなくなったのだ。
幼い頃に使わなくなったお道具箱はボタンや小さなペンの一つにまで名前を書かなければならない。
俺が使わなくなったものをいくつか渡したが、お下がりも申し訳ないしな。
しかしそれ以外にも新調しなければいけないもの──七年通して使うものや逆にもう捨ててしまったもの──もある。箒もその一つで、今日はそれを見に行く約束があったのだ。
(いくら金払って欲しいとは言え、お兄ちゃんと一緒に入学準備したいとか可愛すぎるな)
本格的に細かい必要物を買うのは今週末……明後日だが、箒屋は週末に空いていないのだ。落下版ハリポタみたいなシナリオだからインフラでも負ける。
「はぁー? 買ってくりゃいいだろ」
「あんたはついてこないでいい」
「どうしてそんなに人を煽るの? このおガキ様」
今日も昼間に女遊びに行くらしく──酒場とかで出会いを待つらしい。勝手にしてくれ──俺と出かける約束を取り付けだしたので、セリオンがついでに採取に呼んだのだ。
「ほんと最悪なんだけど。お前らこんな朝早くから起きてんの?」
「謝罪はもうしたはずだが」
「王族のくせに錬金術もできない奴に言われたくない」
「こっ、このガキ!」
誰がガキだ俺の可愛い弟をつかまえて。
怪我をさせた相手を治療するとかいう無駄行動をさせたのには申し訳ないと思っている。し、朝五時なので眠いのはわかる。
分かるが我らがプリンセスがやりたいと言っているので仕方がないね。
さっさと採取しながらヴィンセントを観察する。
文句を言いながらも動きは迅速。
教科書通りの真面目な動きだが、本人の要領の良さで乗り切っている。俺が初めての頃とは比べ物にならない。
「別にいちいち測らなくていい。どうせ後で精製するし、採取が優先だ」
「は? 言えやし」
「言った」
言ってなかったらごめん。
女性の理想を詰め込んだみたいに甘い顔立ちは朝早い気だるさが滲み出ていて、それがまた匂い立つ色香を醸し出している。
朝の白んだ淡い光によく似合う美しい男である、思考回路は最悪だけどね……
セリオンはさっきからなぜか不機嫌で、普段よりずっとヴィンセントに当たり散らかしている。一応相手は王子であることも自覚しているはずなのだが……
「セリオン。殿下の前でその態度は何だ、シャキッとしなさい」
どうせ君がこの家を継ぐんだから──とは言わない。未来予知はこの好奇心旺盛な弟を刺激しすぎるらしく、言っちゃ悪いが碌なことがないので。
「……った」
「?」
パシリと言い含めると、セリオンがふわふわの頭を下げて何やらモゴモゴ言う。しゃがんで首を傾げてやれば聞こえてないのに気づいたらしく、普段より少し大きな声で拗ねた顔をした。
「……今日は箒見に行くって言った」
「? そうだな」
ええーーーッッッ覚えてたのセリオンきゅん相変わらず世界一可愛くまた天才的な頭脳をしていらっしゃる~!!!!!!!!!
そう、セリオンの入学届が来たために、入学セット一式を買わなければならなくなったのだ。
幼い頃に使わなくなったお道具箱はボタンや小さなペンの一つにまで名前を書かなければならない。
俺が使わなくなったものをいくつか渡したが、お下がりも申し訳ないしな。
しかしそれ以外にも新調しなければいけないもの──七年通して使うものや逆にもう捨ててしまったもの──もある。箒もその一つで、今日はそれを見に行く約束があったのだ。
(いくら金払って欲しいとは言え、お兄ちゃんと一緒に入学準備したいとか可愛すぎるな)
本格的に細かい必要物を買うのは今週末……明後日だが、箒屋は週末に空いていないのだ。落下版ハリポタみたいなシナリオだからインフラでも負ける。
「はぁー? 買ってくりゃいいだろ」
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