婚約破棄されたら騎士様に彼女のフリをして欲しいと頼まれました。

屋月 トム伽

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伯母様の小間使いはメイベル

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伯母様の屋敷に来てから、毎朝が早起きさせられる。

いつもなら朝食を食べると、ゆっくりソファーに座り休めるが、ここでは伯母様に書斎に連れて行かれて、伯母様の手伝いをさせられる。

今日も伯母様がやっているマナー講師の資料の清書だった。

「メイベル、もっと手早くしなさい。」
「伯母様ぁ、これは専門の方に頼まないんですかぁ?」
「あなたがいるのですから必要ありません。」

伯母様…これでは伯母様の小間使いですぅ!
終わる頃には既にお昼過ぎ。

「…お腹が過ぎましたぁ…」
「早くしないからです。」

伯母様はイライラして、いつも怒っている。
怖いですぅ!

お姉様の結婚式が近いから早く準備をしないといけないのに!

「伯母様…結婚式のドレスはいつ作るのですか?」
「…ドレス?」
「はい、綺麗なドレスにしないとクロード様が困ってしまいます!」

「あなたは何を言っているのです。あなたのドレスなんて、どうでもいいのです。クロード様はラケルが綺麗なら他は気になりませんよ。」
「そんなのおかしいですぅ!」
「おかしくありません!」

うぅっ…、また怖い顔です。

「いいですか、メイベル。あなたのように下品なもの言いで殿方を誘惑してはいけません。淑女として毅然としていれば、良い縁談は自然と来るのです。」
「…私が可愛いってことですか?」
「違います!!あなたに常識がないということです!立ち振舞いもまだまだです!」
「…早く帰りたいです…」
「…一生私と住みますか。」

伯母様の眉間にシワが寄ったままの笑顔は怖かった。
伯母様と一生一緒なんて絶対嫌ですぅ!

「さぁ、今から慈善活動にいきますよ。お供するのです!」
「伯母様の所に来てから一度もお昼寝がありません。」
「私の屋敷にお昼寝という言葉はありません!」

そして、今日も慈善活動に連れて行かれた。
その間も伯母様はずっと私を後ろから、見ている。
そのうち刺されるかもしれないです…。
怖いのです。

難しいことばかりで大変な私ですが、伯母様の屋敷に来てどれくらいでしょうか。
ある日伯母様が、2日間留守にしました。
外泊でいなかったのです。

屋敷に鍵をかけられ、使用人も私を屋敷から出してはくれませんでしたが、やっと私にお昼寝の時間ができました。

お昼寝を堪能してやりました。

そして伯母様が、外泊から帰りましたが、あっさり使用人がバラしてしまいました。
ひどいです。

外泊の理由はもっとひどかったです。
なんと、お姉様があの素敵なクロード様と結婚したのです。
私は結婚式に呼ばれていませんでした。

そして、今日も伯母様に刺されそうな視線を浴びながら、お昼寝のない大変な1日が過ぎて行きました。





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