サイコパス、異世界で蝙蝠に転生す。

Jaja

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第四章 迷宮都市ラビリントス

第100話 能力の見直し

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 あれから、妲己とは模擬戦を繰り返しているが、勝率は悪くない。
 ってか、負けはない。引き分けはあったが。

 「分かっちゃったよ。魔法向いてないんだわ、俺」

 【魔纏鎧】を練習してからというもの、フィジカル爆上がり。
 魔法は補助程度に使うと、妲己を圧倒できる。
 やはり、力こそパワー。脳筋万歳。

 「同格以上相手には近接ゴリゴリの方がいいな。引き分けたのも、魔法でなんとかしようとしたせいだし」

 「【魔纏鎧】良いですね。私ももう少しで覚えられそうなんですが…」

 「俺は次は【音魔法】との併用の練習だな。更に纏える様になると、物理最強だろこれ」

 前世のかっこいい魔法とかに引っ張られすぎたのかもしれんな。無理に再現しようとして、幅を狭めてる気がするんだよ。
 高速思考の【魔眼】も手に入った事だし、これからはもっと近接を磨くべきか。

 「今の俺は、魔法は格下専門になるな。進化していけば、格下ばかりになるだろうけど、この世界には魔王という強者がいる訳だし」

 ただなぁ。竜王とかに近接を挑んで勝ち目があるのかが、微妙なんだよな。
 滅茶苦茶でかいらしいし。質量って大事だよ。

 「次の能力は魔法にしようかと思ったけど、考え直しだな。近接向けのスキルとかにしたい」

 「一撃が大きい能力がいいのでは? 広範囲に攻撃する時や多数を相手にする時は魔法の方が良いでしょうし」

 「【魔纏鎧】も近接向けの能力だけど、これは防御面で取得したって感じだからなぁ。正直ここまで身体能力が上がるとは思ってなかった」

 嬉しい誤算ってやつだな。
 雑魚狩りと格下は今の能力構成で十分だし、タイマン性能を上げる事を考えよう。
 進化、まだまだ先なんだけど。

 「魔法ももっと磨かないとなぁ。魔力頼りのゴリ押しばっかりだし、妲己とかテレサの方がよっぽど良い使い方をしてるよね」

 「私は魔法を補助程度にしか使わないので、なんとも言えませんね」

 グレースを見本にすれば良いのかな?
 なんかそれは違う気がするなぁ。
 ってか、強者の魔法の使い方を知らないんだよね。ラノベ知識でしか。
 この世界の魔法の使い方を勉強する必要があるな。全然人と関わらないで過ごしてきたのが仇となってる。

 「ラビリントスの超越者に魔法使いっていたかな? ちょっと戦闘を見てみたい」

 血液、影、音って参考に出来るか分からんが。
 もう、基礎的で良いから見せて欲しい。 

 「武器を持つ事も視野に入れてみては? あれだけ体術でセンスを見せてるんですし、それなりに武器適性もありそうですが」

 「それなりじゃだめだよ。天性の才能がないと。モブはともかく、魔王とか妲己にはそれなりじゃ勝てない。無理して使うぐらいなら、体術の方が良いと思う」

 刀とかね。使ってみたいとは思うんだけど。
 そろそろ、見栄えとかプライドを抜きにして、強くなる事を考えないと、本当の上澄み連中には勝てない。
 舐めプは雑魚相手だけにするべきだ。
 まぁ、元々プライドはほぼ無いんだけど。

 「【魔眼】なんて、異能を貰ってるのに妲己と互角近いんじゃ、もしあいつが異能とか手に入れたら、確実に負けるぞ」

 「妲己の強さで魔王じゃないのは、詐欺だと思うんですが…」

 ってか、俺の異能を与えられたタイミングもおかしいよな。
 盗賊に腕を斬られた魔王ってダサすぎだろ。
 なんで、あんな早い段階で魔王認定される異能が与えられたんだろうか。
 森の中で比較的外敵が少なかったから良かったけど、すぐ見つけられてたら討伐されてるぞ。
 上位存在さんに何かしらの思惑があったりしたのかしらん?

 【魔眼】も使いこなせてないしな。
 魔力視だってしっかり使ってれば、妲己が使ってきた追尾してくる魔法をもっと簡単に避けられた筈だし、停止も魔力消費が大きいけど、可能性は無限大の筈だ。

 「まっ、俺はこれからも成長余地がたくさんあるって事だな。もっと色んな視点から能力について考えていこう」

 飽きないだろうか。妲己がいるから大丈夫だろうけど。
 結局脳筋ゴリ押しに落ち着きそうな予感。
 今の所、それが一番強いんだけど。




 「一点集中! 【感覚狂乱】!!」

 「キュ!?」

 ふははははは!!
 これなら、お前にも多少は効くだろう!
 その隙は見逃さないぜー!!

 「どらどらどらどらぁ!」

 ふらついた妲己を逃さずに殴る殴る。とにかく殴る。ゴリ押し万歳!!

 「キュ、キュン…」

 【再生魔法】で対抗しつつ、どうにか逃げようとしてたけど、【魔纏鎧】で爆上がりした俺の身体能力頼りの高速ラッシュからは逃げられまい。
 今日も今日とて、勝利である。

 「ふむん。この【感覚狂乱】の使い方は良いな。今までばら撒くように使ってたけど、特定の部位だけを狙って使うと中々よろしい。人間で実験した時の応用だな」

 人間相手には触覚やら、嗅覚やらを過敏にして遊んだけど、今回は足の一本だけに集中して使ってみた。
 一点集中しただけあって、即座に抵抗も出来てなかったし、狙う部位を変えるだけで、色々な対応に迫れる。

 「【感覚狂乱】を同格以上のタイマンに使える様になりそうなのは僥倖。この調子だな」

 妲己も反省して強くなって来てるからな。
 まだ【幻影魔法】を使わせない様に立ち回れてるけど、これの対処も考えとかないと。
 妲己二体相手とか考えたくないね。
 
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