サイコパス、異世界で蝙蝠に転生す。

Jaja

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第四章 迷宮都市ラビリントス

第109話 装備と魔王の話

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 あーすっきりした。ハーレム男をしっかり断罪して大分欲求が解消されたな。
 グレースの魔剣で性器を腐らせてやったぜ。
 結局その後に殺したんだけど。
 これからも世の男性の為に会長としてしっかり活動を続けていく所存であります。

 ハーレムパーティが持っていた装備やらアイテムはしっかりパクっていく。
 魔法鞄を持っていなかったらしく、荷物は結構多かったが、とりあえず影の中に放り込んでおいた。
 未使用の日用品はありがたく使わせてもらうけど、それ以外の服とかは廃棄だな。

 「悪くないな。それなりの物を持ってる。この階層まで来るぐらいだしな」

 俺達が使う程じゃないから、倉庫行きなんだけど。きっとそのうち何かで役に立つさ。
 貧乏性だから、少しでも価値があるととっておきたくなるんだよね。
 服とかはその限りじゃないんだけど。






 「この武器使うの難しいな」

 100階攻略報酬で手に入れた武器なんだけど、各々しっかり使いこなしている。
 妲己でさえ、使い辛そうな扇子を無理矢理使って遊んだりしている。

 「大体鎖鎌なんて使ってる強キャラなんて俺の知識にはないぞ」

 多分俺が一番使いこなせていない。
 鎖を自由自在に動かすのが難しすぎる。

 「時間はあるからゆっくり練習するけどさぁ。この吸血は良いんだけど」

 【血液魔法】で十分って思ってたけど、この鎖鎌はちょっと違う。
 なんと、血を流させなくても良いんだ。
 この鎖鎌に触れてる対象から抜き取れる。
 その代わり、血を流してなかったら抵抗力は半端じゃない。

 「妲己との押し合いには負けたしなぁ。雑魚キャラなら良いけど、同格以上の相手には通用しないんだよね」

 で、雑魚キャラは血を流させるのも簡単だから、結局【血液魔法】で良いんだよな。
 俺が全生物最強になれば、全てが雑魚キャラになるから使えるんだろうけど、果たしてそれはいつになるのやら。

 「ぶぺっ!」

 操作ミスして、体に当たった。
 うーん、難しい。ロマン武器なのは嬉しいけど、もう少し何かなかったのか。
 大鎌とかの方が嬉しかったな。かっこいいし。

 「苦戦してますね」

 「見ての通りだよ」

 因みに、今は49階だ。
 前の塔と比べるとかなりハイペース。
 この調子でさっさと攻略したい。
 でも、せっかくゲットした武器なのでしっかり使いたい。

 「総合武術って凄いよな。鎖鎌も使えるんだもん」

 「これが武術判定なのは納得いきませんが」

 グレースはスキルレベル相応に使えるんだよね。
 俺の武器なのに。なぜ? 俺の武器なのに。
 まぁ、使い方を見せてもらってそれを練習出来るから悪い事じゃないんだけど、釈然としない。

 「妲己は遊び道具としてしか使っていませんね。幻術もある程度【幻影魔法】で再現出来るみたいですし」

 アシュラとチェスをしている妲己を見る。
 【超念力】で扇いでいる。
 なんか強者っぽいムーブだな。羨ましい。

 「グレースの盾は使い易そうだよな」

 「結界展開は中々良いですね。反射はタイミングがシビアですが、慣れればどうという事はありません。【シックスセンス】との親和性も良いです。しかし、不壊がないのでどこまで耐えられるか」

 「それな。イージスなんて大層な名前なのに壊れる可能性があるんだよな。名前詐欺もいいとこだよ」

 「最近は盾もまともに使ってなかったので、無ければ無いで良いのですが、ここまで使い勝手が良いと壊れてほしくはないですね」

 「テレサは特に使いこなす必要ないしなぁ。やっぱり俺が一番遅れてるか」

 主人として情けないね。
 なんか俺だけ癖がありすぎると思うんだ。
 妲己も微妙だけど、使う分には問題ないしさ。

 アシュラは元から金棒使ってたから、衝撃の使い方を覚えるだけだった。
 【戦闘学習】があるからすぐ慣れてたしね。
 衝撃を飛ばして遊んだりする余裕がある。


 「まぁ、いいや。使いにくいなら、諦めるし。向いてないのを練習するより、体術の練習してる方がよっぽど良いだろ。ロマンも大事だけど、追い求めすぎると、魔法の時と同じ事になる。よしっ! そろそろ50階のボスと戦うか。この迷宮ともう一つは50階超えても、冒険者が居る可能性があるんだよな。S級とばったり会ったりしないかな」

 「会ったらどうするんです? 予定では三つとも攻略してからお相手願う筈でしたが」

 「どうしようね。舐めプ出来るまで強くなってから挑もうと思ってたけど」

 その時の気分次第? 相手の強さもしっかり確認するけど。
 もし見かけたら我慢出来なくなるかも。
 俺が戦うかは分からないけど。
 テレサも超越者になったし、S級が一人足りないんだよねぇ。

 「つまりいつも通り、その場のノリで決めると」

 「まあそうだね」

 これぞ、レトクオリティ。行き当たりばったりの方がなんだかんだ上手くいくんだよ。
 これまでもそうだったでしょ?
 無理矢理軌道修正してるのもあるけどさ。

 「あっ! 俺が犯人って分かれば、教会から超越者が派遣されてくるんだっけ? 俺が地上に戻った時はもう教会勢力は見かけなかったけど、大々的に宣伝すれば向こうから来てくれるんじゃない?」

 「それはそうですが…。その場合何人来るか分かりませんよ? 複数を相手にして勝てる自信があるならば良いと思いますが」

 「やばくなったら、眷属総動員すれば良くない? そりゃ、一人で勝てるに越した事はないけど、負けるのは嫌だし。10人とか連れて来られれば無理だけど、そんなにいるのかな?」

 絶対に一人で勝つとかそんなプライドはない。
 勝てば良かろうなのだ。
 二人ぐらいまでなら今でも余裕だと思うけど…。
 見た事ある超越者が少なすぎて、強さをイマイチしっかり計れてないんだよなぁ。
 あの獣人レベルなら何人居ても大丈夫だけど。

 「私が知ってるのは神聖王国に5人ですが、まだもう少しは居ると思いますね。それでも流石に全員が来るって事はないでしょうし、多くても3人じゃないでしょうか?」

 「3人ならなんとかなりそうだなぁ。俺が魔王って分かれば総動員して来るんだろうけど」

 「いえ、魔王という事が分かれば、下手すると撤退の可能性がありますね。そのぐらいこの世界では魔王は恐れられています。討伐しようと思っても割に合わないんですよ」

 「4.50年前に討伐されてるんじゃなかったっけ?
フェンリルのなり損ないみたいな狼系の魔王」

 「誕生したのは150年程前なんですよ。手を出さずに監視だけはしてたのですが、冒険者が手を出してしまって、近くの国は崩壊。王族とその側近以外はほぼ全滅。そこからも亡命した同盟国にひっきりなしに襲いかかってくるので、仕方なく世界で協力して、長い時間をかけて討伐したのです。被害は甚大。今尚、その国は付近は荒れたままですし、とてもじゃありませんが、討伐する気にはならないと思います。超越者も何人か死んだみたいですし」

 ふーん? そんなに魔王ってやばいのか。
 って事は俺がやってる事はまだまだ可愛いもんじゃんね。
 他の魔王に負けない様に精進せねば。
 
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