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第3章 秋までの道程
第63話 お家デート?
しおりを挟む三高戦の翌日。
今日はレオンと渚ちゃんが来る日だ。
ウルは妹とデート…
あいつ狼になったりしないだろうな?
名前に狼が入ってるから油断出来ん。
朝から妹の機嫌が滅茶苦茶良かったのが兄離れをより一層意識させられる。
まぁ幸せになってくれるなら応援します…。
「よし! 準備は万端だ」
部屋を綺麗にして、お菓子ジュース完備。
ゴミ箱にイカくさいティッシュもない。
「お邪魔する」
「お邪魔しま~す」
「いらっしゃーい」
ぎょえー。
スタンドに応援来たりしてくれてたけど、間近で見るの久々だから油断してた。
めっちゃ綺麗に成長なされてる。
「渚ちゃんは会うの久々だね。元気にしてた?」
「元気ですよ~! お仕事も順調で楽しく過ごせてます~」
「それなら良かった。今日はゆっくりしてってよ」
「ありがとうございます~」
よしよし。出だしは順調。
レオンが胡乱な目で見てくるけど、これは気付かなかった事にする。
「パン君は、怪我は大丈夫なんですか~?」
「ほとんど完治してるよ。まだ激しい運動は出来ないけど軽い運動は始めてる」
「それなら良かったです~! また早くかっこいい所見せて下さいね?」
おおふ。
そんな事言われたら頑張るに決まってるじゃないか。
おじさん、単純なんだぞ?
西東京の単純男とは、俺の事で有名よ。
「パンよ。復帰したらまずは勝負だ。そのにやけた顔にライナーを叩き込んでやる」
「渚ちゃん、兄貴が随分乱暴だよ? 大丈夫かな?」
「まあ~! 兄さんも冗談言う様になったんですね」
「たまにはな」
いやいや、渚ちゃん。
レオンの目はマジだったよ。
狩人みたいな目してたもん。
その後は、最近あったことや日常的な話をする。
「へぇー。じゃあ龍宮高校が第一志望なんだ?」
「そうなんです~。入試の成績優秀者の上位10人に入ると学費免除ですし~。それを狙っていこうかと~」
「渚ちゃんが後輩になるなら大歓迎だよ」
因みに、渚ちゃんは頭がとても良い。
全国模試でも上澄みにいる。
レオンも頭良いし、浅見家が優秀すぎる。
前世ブーストしてる俺とは大違いだね。
「でも、お金は大丈夫なの? 学費は免除でも私立って結構お金かかるよ?」
「幸い、兄さんが特待生で家計に余裕があるそうで~。私もそれなりに稼いでますし~。高校に入ってからも、モデルは続ける予定なので~。私立の方が融通がきくかな~と思いまして~」
ほわ~。そうなんですか~。しっかり考えてるんですね~。
いかんいかん。
渚ちゃんのおっとりした雰囲気に釣られてしまった。
「まぁ、レオンが高卒でプロに入るなら最悪養ってもらえるしな」
「当たり前だ。高卒3年目迄には億越えプレイヤーになっている」
「ほーん。じゃあ俺は2年目で億越え目指そーっと」
「俺にぽこすか打たれてる癖に。無理に決まってるだろう」
「はぁー? それは俺がまだ完全体じゃないからですぅ。卒業する頃にはくるくる回る扇風機になってるだろうね!」
「自信過剰も大概にしておけ。見苦しいぞ」
「わあ~! じゃあ将来はパン君に養ってもらいますね~!」
「まっかせといてよ!」
「パン、表に出ろ。ぶっ殺してる」
渚ちゃんから実質結婚宣言頂きました。
これは勝ち組では? 冗談だとしても嬉しいね。
問題は、この荒ぶる獅子をどう宥めるか。
妹の事になると途端にバカになるんだから。
その後も渚ちゃんと仲良くしては、レオンが怒り俺が逃げ回る。
騒がしい休日を過ごしたけど、これはこれで楽しいよね。
応援ありがとうございます!
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