異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第2章 抗争

第30話 一気に攻める

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 「きついっす。領主は馬鹿そうっすけど、執事が疑ってますね」

 連絡員としてサギ男と潰した商会長を領主の家に報告に行かせた。
 ついでに自分の所の商会員が全員ラブジーに殺された事も報告。

 「レーヴァンにカタリーナがパクられたって伝えた?」

 「うっす。領主は激昂してましたけど、執事はしつこかったですね」

 領主はすぐにでもレーヴァンに向けて兵を出そうとしたらしい。
 執事が止めたらしいけど。そりゃそうだよな。

 「確かスラムの弾圧に失敗してるんだよな。領主が及び腰になるかと思ったけど、執事か」

 まずは事実確認をするらしい。
 レーヴァンにエルフがいることを確かめてからこれからの事を決めると。

 「居ないんだからどうしようもないわな」

 「否定すればするほど怪しくなるのでは? ラブジーと揉めてるのは本当ですし、報復としてカタリーナ姉さんを攫ったとしてもおかしくはないでしょう」

 「レーヴァンまでで終わればな」

 ホルトが一緒に話を聞いていたので、自分の考えを出してくれる。
 歳に似合わず、中々聡明な子だ。恩恵のお陰かな。

 「領主の調べがラブジーまで行くと嘘がバレる」

 「確かにそうですね」

 ちょっと作戦がガバすぎたかな。
 まぁ、上手くいけば儲けものぐらいの考えだったし別に良いんだけど。

 「とりあえずラブジーの縄張りは見張りを置こうか。ラブジー以外の人間が近付こうとしたら、接触させないようにしよう。時間稼ぎにしかならないけど、その間に領主が暴発してくれる事を祈ろうじゃないの」

 「しかし、領主の兵がスラムに入ってくると、私達の縄張りもただじゃすみませんよね?」

 「大人しく通せばいいだろ。一回失敗してるんだし、あっちもスラム全体と戦うのは避けたいはず。大人しくしておけば手は出して来ないんじゃないかな」

 ちょっと希望的観測も入ってるけど。
 こっちに手を出してきたら仕方ない。
 全面戦争に巻き込もう。

 「うーん。やっぱりそろそろ俺達も本格的に動かないとダメっぽいな。もう少し隠れて勢力増強したかったんだけど」

 「今のうちに周りの中堅組織も縄張りに組み込んでおきますか? いざという時に頭数が足りないのは問題です」

 「だな。よし、動くぞ。戦闘員は招集。子供達は縄張りの安全な所から出さないように」

 周りの組織を吸収したら、流石に俺達クトゥルフの存在も無視出来なくなるだろう。
 二つある組織を潰したら人数的にはレーヴァンと並ぶぐらいには増えるし。

 「質も揃えたいところなんだけどな」

 「子供達に期待しましょう」

 ホルト達が大きくなるまでの我慢か。
 ホルトは既にカタリーナの元で働けるぐらいには聡明だしな。
 頭脳労働はなんとかなるけど、戦闘ばっかりは成長するのに時間がかかる。
 俺だってボスって言われてるけど、まだまだ弱い部類だしな。
 魔法のお陰で誤魔化せてるだけだし。




 「レイモンドー! ローザも行きたい! 剣でばったばったと薙ぎ倒したい!」

 「留守番だ」

 「ぶーぶー!」

 戦闘員を招集すると、何故かローザもやってきた。お前の実戦デビューまだは早い。ローザサイズの剣もないし。

 「カタリーナ達と家を守っててくれ」

 「ちぇー」

 拗ねた様子だけど、なんとか了承させる。
 10歳の子供を鉄火場に送り込むほど、俺は畜生ではない。12歳の俺が行ってるから納得出来ないんだろうけど。俺は組織のボスって事で一つ納得して頂けたらなと思います。

 「これ、ポーション。まだ下級だけど」

 「ほう。作れたのか」

 「薬師の人より効能が良くないけど」

 何故か白衣を着ているエリザベスが、戦闘員にポーションを渡して回っている。
 白衣のサイズが全く合ってないから、滅茶苦茶裾を引き摺ってるけど。
 白衣なんてどこにあったんだ?

 「潰した商会にあったらしいよ」

 そうなの。本人が気に入ってるなら別に良いけど。錬金道具とかもその商会にあった物を使ってるらしいし。

 「薬師とは作り方が違うのか?」

 「全然違う。薬師は薬をすり潰したりして調合するけど、錬金術は素材を釜に入れて魔力を流すだけ」

 錬金術の方が断然便利じゃん。
 何も考えなくて良いじゃん。

 「効能が同じ素材を使っても1.5倍ぐらい違う。私がもっと錬金術を使いこなせていれば、その差もなくなるんだけど」

 そこからエリザベスの怒涛の錬金術講座が始まった。なんかいけないスイッチを押してしまったらしい。信じられるか? これでまだ6歳なんだぜ?

 「ふむ。なるほどな。錬金術は大量生産向けって事か。薬師は質勝負と」

 「錬金術師が質で勝負しようと思ったら、途轍もない研鑽が必要。もっと頑張る」

 かなり長くてなった話をかい摘んで理解する。
 エリザベスは、オタクは好きな事には饒舌になる典型的な奴だな。


 「よーし。揃ったな。今回はポーションがあるとはいえ、無茶は禁物。命大事に。どんな弱い奴相手でも油断せずに複数人でボコれ。卑怯なんて知ったこっちゃない。勝った奴が偉いんだ」

 「「「うす!」」」

 一応俺も回復はしてあげるけど。
 今回は俺も経験値が欲しいので。
 なるべく前線で戦おうかなと思ってます。
 まっ、そこは戦いの流れ次第かな。やばそうなら全体のフォローに回るけどさ。
 
 
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