異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第2章 抗争

第37話 奇襲

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 「全域制圧完了です」

 「おっけー」

 ラブジーの縄張りに侵攻してから約1時間。
 ほとんどの戦闘員が出払ってる事もあり、制圧は容易だった。
 集中しないといけないのはここからだ。

 「動ける奴は全員集めろ。背後からゲリラ戦だ」

 「既に招集済みです」

 はい。優秀。トップが馬鹿でもそれを補佐してくれる人が優秀だと助かるね。
 カタリーナさんがいなかったらここまで順調に事は運ばなかっただろう。

 「五人一組作れ。誰も死ぬなよ。やばかったら引き返せ」

 既に俺たちの人員は戦闘員だけで200人は超えている。防衛に100人は残すけど、それ以外はゲリラ戦だ。ラブジーを背後から襲撃してトドメを刺す。

 「では、行って参ります」

 ゲリラ戦を指揮するのはカタリーナ。
 俺じゃないかと思うだろう。違うんです。

 「気を付けてな」

 「ボスもご健闘を祈ります」

 俺達は縄張りに逃げてくるであろうラブジーの残敵掃討だ。
 十中八九ボスや幹部達は逃げてくる。
 これだけ大組織を運営してたんだ。状況変化には機敏だろうし、引き際は間違えないはず。
 ある程度消耗しながら逃げてきてほしい。


 ☆★☆★☆★

 「ん? 後ろが騒がしいな?」

 「なんすかね?」

 ラブジーは多少の困難がありながらも、順調に侵攻していた。
 領主軍との戦いで相当弱ってるのか、武闘派で鳴らしているレーヴァンの面々を簡単に処理出来る。
 中には手強い敵もいたが、そこは大組織のボス。
 手傷を負いながらも撃退して、更なる侵攻を繰り返していた。

 そんな時、後方から悲鳴が聞こえたような気がした。ラブジーのボスとアハムは先頭を切って攻めているので、後ろは味方しか居ない筈なのだが。

 「ぎゃーっ!」

 「て、敵襲!」

 予想もしてなかった後ろからの襲撃。
 どうやら少人数グループで一撃離脱を繰り返しているらしい。
 ボスはすぐに状況確認をする。

 「どこの組織かすぐに確認しろっ! 人数もだ!」

 「ボス! 俺が後ろに行って纏めてくるっす!」

 「よし! 俺達は現状維持だ! キバれよ!」

 アハムが後方に向かい、ボスは今の戦闘を現状維持する。
 後ろの状況が分かるまで、安易に攻める訳にはいかない。弱ってるとはいえ、レーヴァンは強い。挟み討ちされながら戦えるほどラブジーの戦闘力は高くないのだ。

 (まさか嵌められたのか? やべぇな。縄張りは大丈夫か?)

 ラブジーのボスは一抹の不安を抱えながらも戦闘を続けた。

 ☆★☆★☆★

 「風の精霊よ」

 ゲリラ班はラブジーの後方をしっかり捉えていた。かなり前がかりでレーヴァンを攻めているらしく、警戒が疎かになっている。
 そういった事もあり、初撃でかなりの戦果を挙げられた。

 カタリーナは状況をしっかり観察しながらも、精霊魔法を使ってラブジーの下っ端を仕留めていく。

 「なるほど。魔力の能力値が上がりましたかね。かなりの余裕があります」

 精霊魔法を行使しながら独り言を呟く。
 先程から魔法を多発してるが、魔力切れになる様子はない。
 一応、エリザベス謹製の魔力回復ポーションを持ってきているが、まだ使う必要はなさそうだ。

 「逃げる面々は追いかけなくて結構。あちらはボスに任せますよ。私達は引き際だけは間違えないように。深追いも厳禁です。これだけは周知徹底しておいて下さい」

 既に縄張り方面へ逃げている下っ端が結構いる。
 既にあちらにもボスは網を張ってる事だろう。

 「適当に作戦を考えてるように見えて、何だかんだ上手くいくんですよね。ボスは神に愛されてるんでしょうか」

 普段鉄面皮のカタリーナが笑ってる事に、周りの護衛は驚く。しかし、それを言及する者はいない。
 何倍にもなって毒舌が返ってくるからだ。
 クトゥルフにはそれが良いんだという特殊性癖の面々が多数存在するが、幸いこの護衛達はまともであった。

 ☆★☆★☆★

 「来たな」

 ラブジーの縄張りで逃げてくる面々を待ってると、早速下っ端が何人も半泣きになりながら逃げてきた。

 「なるべく生け捕りで。どんどん吸収していくぞ」

 「了解」

 ラブジーは人数が多いんだ。質は決して良いとは言えないが、それでも数ってのは偉大な訳で。
 数だけでレーヴァンに対抗してた訳だしね。殺すなんて勿体無い事はしない。しっかりと吸収して、クトゥルフの為に働いてもらう。

 「捕まえた奴はどんどんこっちに連れて来てー。怪我した奴もポーションで治らないなら、すぐに来るようにー」

 これだけ逃げてくるって事は、カタリーナの方は順調っぽいな。
 とめどなく下っ端が流れてくる。ラブジー崩壊も間近か。

 「なんだかんだ流れで決めた作戦だけど上手くいってるな。俺ってば天才なのでは?」

 何故かカタリーナがジト目をしてる気がする。
 調子に乗るなと言われてる感じだ。

 「まぁ、まだ前哨戦だしな。本番はボスや幹部が流れてきてからだ」

 「そいつらも生け捕りにするんで?」

 「出来ればだな。それに固執し過ぎるのも良くない。こっちに被害が出そうなら殺してしまおう」

 努力目標ってやつだな。
 相当優秀な奴なら下っ端を犠牲にしてでも欲しいって思うかもだけどさ。
 はてさて俺にその非情な決断が出来るか。
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