異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第3章 勢力増強

第63話 社畜戦士

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 「血生臭いな」

 「あら? もう時間ですか?」

 「うん。そうだね」

 一時間ぐらい経ったあとに地下牢に戻ってきたんだけど、それはもう悲惨だった。
 ジェイクはピクピクと痙攣してて、体の穴という穴から液体を垂れ流している。

 「これ、使いもんになるかな」

 「大丈夫ですよ。人間の心はそう簡単に壊れません」

 そんな自信満々に言われても説得力がありませんよ。まぁ、良いや。さっさと契約しちゃおう。




 「って事で社畜戦士を確保しました」

 「よろしくお願いします!!!」

 ビシッと立って90度のお辞儀をするジェイク。
 一緒について来ていたマリクが満足そうな表情をして頷くのを見て、あからさまにホッとしている。

 「……何があったのかは想像つきますが、ここまで変わると気持ち悪いですね」

 「マリクが良い仕事をしてくれました」

 回復して契約条項を読み上げてると、なんでも良いから早くここから助けてくれって懇願されたからね。可哀想に。なんかまだ余裕そうだなって思っちゃって、もう少しマリクの遊び相手になってもらおうかなって思っても仕方ないよね。

 まぁ、慈悲深いレイモンド君はそんな事しないけど。しっかり社畜してくれるなら問題ない。

 「ジェイクの詳しい仕事内容はカタリーナから聞いてくれ。基本的に書類仕事をしてもらう事になるけど良いよね?」

 「勿論です! 早く働かせて下さい!」

 「お、おう」

 これが下賤なガキとか叫んでた奴なんですかね。
 拷問って性格まで変える事が出来るんだなぁ。




 「それにしても、お館様…ベルリンが探してたエルフがクトゥルフに居たとは。探しても見つからない訳ですね」

 「地下水道で死にかけたのを拾ったんだ。カタリーナの存在だけはひた隠しにしてたからね」

 ジェイクがクトゥルフで書類仕事を始めて一週間が経った。
 最初の2.3日は慣れない書式に四苦八苦してたけど、慣れ始めると早速優秀さを出し始めた。
 今では書類仕事もカタリーナの次に早い。あいつはそういう職業を持ってないのに、ビビるくらい書類仕事が早いからな。それでいてミスがない。

 「スラムの組織はもう二つしか無いのですね。レーヴァンには領主共々煮湯を飲まされましたからな。潰す手伝いをするのに否はありません」

 「ボスがバケモンみたいに強いらしいけどね。一回目の弾圧で、領主の精鋭部隊がほぼ一人にやられたって聞いたけど?」

 最初はガチガチに緊張してたジェイクだけど、慣れてくれば世間話も出来るようになってきた。
 俺は喋る度に手を止めてるんだけど、ジェイクの手は高速で動いている。同じ文官って職についてるのにな。どこで差が出てるんだろう。経験なのかね。前世での書類仕事は手書きじゃなかったからなぁ。

 因みに今日はカタリーナは街の外に出て狩りをしている。
 ジェイクが書類仕事を代行出来るようになって、交代で休めるようになったのは大きい。これで俺達のレベルアップ速度が早まれば良いんだけど。

 「あぁ…。あれは痛ましい事件でした。ここで言う所の深層にも足を踏み入れる事が出来た領主の精鋭部隊がほぼ壊滅ですからね。なんであんなに強い人間がスラムのボスなんてやってるんだか。冒険者にでもなれば、富と名声は手に入れられた筈なんですが」

 「元傭兵って聞いたけど。魔物を殺すより、人を殺す方が得意なんじゃない? その話を聞いてますます会いたくなくなったけど」

 深層って。
 俺達はやっとこさ中層に入って頑張ってる所なのに。詐欺男を回収した方がいいかも。バレたら終わりじゃん。
 いや、今撤退させるのもやばいか。逆に不自然になりそう。

 「はぁ。やだやだ。裏から世界征服大作戦はまだまだ遠いな。なんで初手からお隣にバケモンが居るんだよ。ゲームみたいに徐々に強い相手が出てこいよな」

 「ボスの言うレベルはすごい高そうですな。流石にまだ挑むのは時期尚早でしょう。今はスラムの縄張りを改装していき、利益が上げるのがよろしいかと。ベルリンも私が居なくなって、まともに領地経営が出来るとは思えません。ベルリンが混乱してる隙に勢力を伸ばしていきましょう」

 「だな。そういえば、お前が領主の屋敷から引き抜きたい優秀な奴はどうなった?」

 「それは今、商人に仲介してもらってる最中ですな。みんなが逃げ出す前に優秀な人材は確保しておかねば」

 ジェイクは一週間ですっかりクトゥルフに染まっちゃってるな。
 平気で領主の所から引き抜きたいとか言うんだもん。俺はありがたいけどさ。

 「懸念があるとすれば領地が荒れる事だよな。国が介入してきたりしたら面倒だ」

 「ここは国からしたら重要な土地ですからね。魔物の脅威を食い止めるのもそうですが、そこから得られる魔物素材の利益が馬鹿になりません」

 「そんな重要な土地にあんなポンコツを据えるなよ」

 「先代は優秀な方だったんです…。ベルリンの嫡男も優秀な方なんですがね…。貴族学校から帰ってくるまで領地が持つかどうか…」

 なんであんな馬鹿から優秀な子が生まれるんだ。
 子育てなんてまともに出来るとは思えないけど?

 「奥様が優秀な方なのです。しかし、現領主のベルリンに対しては諦めが入ってるみたいで、嫡男でなんとか立て直そうとしてるみたいですね」

 嫁にも見放されてるのか。
 ってか、優秀な執事、嫁、嫡男に囲まれてあんな馬鹿なの? 成長の兆しがゼロじゃん。
 嫡男が帰ってきたら暗殺してやろうか。それまでには俺の組織も手を出せなくなるくらい強くなってる筈だ。後はまともに領地経営してくれれば、勝手に利益は伸びて行くはず。
 持ちつ持たれつみたいな関係性がベストなんだけど、果たしてどうなるか。
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