異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第5章 クトゥルフ再始動

第102話 順調な道中

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 ☆★☆★☆★

 これは一体なんなんだ?
 いつもの様にこの街道を通る馬車を襲って略奪する。簡単な仕事だった筈だ。国境の兵士に金を掴ませ、ここらを縄張りにしてる盗賊団を討伐しに来る者は居なかった。俺達の天下、楽園だったのだ。
 それなのに。それなのに…。

 「歯応えがないわねぇ」

 「ぎゃーっ!」

 「助けてくれぇ!!」

 「いでぇ…いでぇよ…」

 目の前で行われてるのは蹂躙。
 大きめの箱馬車が通りかかり、これは積荷にも期待出来ると意気揚々と襲いかかった。
 しかし、中から出てきた護衛が馬鹿みたいに強い。人数では圧倒的にこちらが上。
 最初は出て来た護衛の数を見て鼻で笑っていた。

 「馬鹿だった」

 余程高貴な人間が乗ってるのだろうか。
 どいつもこいつも魔法を使ってきやがる。
 見た感じは商人の馬車にしか見えないのに。

 「あら? あなたで最後かしら? 逃げなかったのねぇ。アジトまで案内してもらおうと思ったのに、逃げないのは予想外だったわ」

 そして俺の前に強さが異次元の女がやってきた。
 どの護衛も強かったが、この女は尋常じゃない。
 俺達もそれなりに戦闘に自信があると思ってたのだが話にならない。明らかに戦い慣れてる雰囲気。
 名の知れた傭兵なのだろうか。それとも貴族の騎士? 格好からして傭兵だと思うのだが。

 「もうどうでも良いか」

 「あら。諦めが早いのね。でもダメよ? アジト場所を吐いてもらわないと」

 諦めの境地でその場に座り込み、殺されるのを待つばかり。アジトの場所でもなんでも教えてやる。
 だからせめて楽に殺してくれ。

 ☆★☆★☆★

 「ボス。終わったわよ」

 「ふぁーい」

 夜番でどんな職業を取るか吟味してたら、しっかりと睡眠不足になった。
 だから馬車で寝てたんだけど、そこに二度目の盗賊からの襲撃。アンジーが余裕って言うから構わず寝てたんだけど、すぐに終わったみたいだ。

 俺はあくび混じりに返事をして馬車から出る。
 盗賊も確保してうちのクトゥルフで働かせる案は無しになった。囚われてる人が居たらそっち優先だし。今まで好き放題されてきたのに、一緒に働きたいなんて思わないだろう。

 元から裏の人間だったらある程度割り切れるだろうけどね。そうじゃない人はきついと思う。
 だから盗賊は皆殺し。アジトの物は根こそぎクトゥルフのもの。臨時収入ありがとうございますって感じだ。

 「アジトの場所は?」

 「この男がペラペラ喋ってくれたわ。嘘かと思うほど従順だったわね。変な感じもしなかったから、多分大丈夫だと思うわよ」

 アンジーが斬り飛ばした首を刀で突き刺して見せてくれる。なんか悲壮感漂わせてる表情だな。
 まぁ、死ぬって分かってたらそうなるか。
 俺も最後はあんな表情かもね。

 「グロいな。さっさと燃やしてアジトに行こう」

 拷問やら人殺しやらでグロ耐性はそれなりについたけどね。それでも見てて気持ち良いもんじゃない。そういうのを好むのはマリクぐらいだろう。

 「情報では後一つ盗賊団があるんだよねぇ。そこを仕留めたら、次は国境の兵士かなぁ」

 「そこも殺すのかしら? それなら相手の人数次第ではボスにも出てもらうわよ?」

 「相手の出方次第だよね。盗賊と繋がってるのは一部の兵士だけらしいし。上がまともなら、この契約書を渡しておしまいだろ」

 まぁ、部下を統制出来てない時点で上の人間が関わってなくても有能ではないんだろうなと思うけどね。期待薄かね。国境の兵士を殺したら面倒事になりそうなんだよなぁ。俺達が行ったら既に死んでたとか言って信じてもらえるかしらん。

 その後アジトに向かい物資と金目のモノをもらった後は、やっぱり居た囚われていた人を回収。
 秘密基地に送って後はお任せである。

 「有望な人間ってのはそう簡単に見つからないね。恩恵持ちってどれだけ居るんだろう」

 「私が戦場に居た頃はチラホラと不思議な力を使う人間が居たけどねぇ。そんな珍しくないと思うんだけど」

 ふーむ。クトゥルフ陣営には俺は含め6人の恩恵持ちが居るわけだが。
 これは果たして多い方なのか。鑑定がないと恩恵持ちなんて気付かないだろうしなぁ。
 よっぽど分かりやすい能力なら別だけど。

 アンジーの超直感しかり、エリザベスの精密操作、ホルトの鬼謀もローザの戦闘学習も言われないと分からないだろう。
 つくづく鑑定さんはチートだなって思いますね。

 「そういう不思議能力の人ってどういう扱いなの? 重宝されたりする? それとも迫害対象?」

 「どうかしらねぇ。その国によってまちまちじゃないかしら?」

 人は知らないものを排除したがるからね。
 迫害対象とかならやりやすかったのに。そういうのを俺が保護して厚遇してれば、勝手に敬ってくれるだろう。

 中には使えるものはなんでも使うタイプの人間もいるだろうけどね。そっちの方が少数派だろう。

 「街に行ったら、そういう不思議能力者の噂も集めようか。恩恵持ちは今の所、例外なく有能な人間だからね。是非是非その力をクトゥルフで奮ってもらおう」

 ささっ。旅を続けよう。
 後一週間もしたら隣国だ。
 他にも何かお約束イベントがないかね。
 襲われてる貴族の令嬢を救出するとかさ。
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