異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja

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第5章 クトゥルフ再始動

第107話 目標追加

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 「なんかあれだな。全体的にレベルが低いな」

 「ペテスは魔物が強かったもの。必然的にそれなりに強くなるわ」

 店舗へ向かう道すがら、色々鑑定しながら思った。なんか弱いなと。
 伯爵の騎士も弱かったし、これがスタンダードなのかね。

 「とりあえず店舗の改装からやるか。あ、その前に宿に伝言残しておかないと。散ってる奴らと合流出来なくなる」

 スラムも見に行きたいんだけどな。商人の坊ちゃんが近付く場所じゃないし。
 その辺はもう少し日付を空けてこっそりと行くべきかな。


 諸々の雑務を済ませて、店舗にやって来た。
 まずやるのは地下室の作成だ。

 「2階か3階からしか地下室に行けないようにしてくれ。何か手伝う事はある?」

 「人手が欲しいっす」

 一緒に来てた生産部の奴に聞いてみる。
 まあ、そりゃそうだよな。少人数でやる仕事じゃねぇや。地下室に転移装置を設置する予定なんだけど、それ以前の問題でした。

 って事で、とりあえず俺の魔法で生産部の人間を呼び出す。
 作業にはちょっと時間が掛かるらしいので、それまでは宿で待機かね。


 「平均レベル50もないな。これ、帝国が攻めてきたら普通に終わるんじゃない?」

 「帝国は質は良いんだけどねぇ。周りは敵ばかりだから。連合を組まれると厳しいのよ。数には勝てないって事ね」

 散ってた人間も戻って来て、情報をまとめる。
 裏の方もチラッと覗いてきたらしいけど、制圧は容易そうらしい。
 帝国の、ってか、ペテス領のスラムが魔境すぎた。レーヴァンが居たからだけど。

 そんな魔境で揉まれ続けてきたクトゥルフがこんな弱小国のスラムに負ける道理はないね。
 これは結構簡単にこの街を握れるかもなぁ。

 「握ってからが問題でしょ。使えない人間を一定レベルまで押し上げるのは時間が掛かるわよ。基礎教育もしようって考えてるんでしょ?」

 「そりゃな。馬鹿はいらないよ」

 「基礎教育して、戦闘部や情報部は強さもいる。契約した人員を今のクトゥルフレベルの人間にするには最低でも半年は必要よね」

 うーむ。そんな時間が掛かるか。
 確かにクトゥルフが今の感じになるまでも結構な時間を掛けてるしなぁ。

 「このまま勢力を拡大していくなら、育成は絶対必要だもの。時間を掛けてゆっくりやっていくしかないわ」

 仕方ないか。時間が足りないなぁ。
 俺が生きてるうちに世界を手に入れられるだろうか。長寿のカタリーナに後を託す感じになっちゃいそう。エリザベスに不老薬でも作ってもらわないとな。

 「とりあえず地下室の完成までは街を見て回ろう。この街の需要とかも調べたいしね」

 「街の外に何があるかも確認しておきたいわね。私達が来た方にはフレリア王国側の国境門しかないけど。後はここの伯爵の政敵とかも知りたいわ」

 調べる事がいっぱいだ。
 情報部の人間も追加しないと。
 あそこは人員追加が急務な部署なんだけどな。
 これから転送箱を使い始めたら激務になるのは間違いないし。書類仕事が出来る人間を増やさないと。

 「子供達でもそろそろ働ける人間が出てきたらしいわよ?」

 「らしいなぁ。成人するまでは勉強と遊ぶのだけで過ごしてもらっても良いんだけど」

 「ホルトやローザ、エリザベスが普通にバリバリ働いてるからねぇ。ボスも成人前から動いてたでしょ? それが普通になってるのよ」

 12歳からとか働くの普通だしな、この世界。
 この辺も価値観の違いがあるよね。俺が順応しないといけないところだろうか。
 子供達がそれで良いならいいけどさ。

 「遊ぶってのも娯楽が少ないしな」

 「ボードゲーム、カードゲームが増えただけでも充分よ? 今思えば賭場でサイコロ転がしてるだけだった頃が懐かしいわ。良く飽きもせずにあんな事やってたわねぇ」

 チンチロも普通に面白いけどな。
 前世で結構動画を見てた。いや、見てたのは一つか。お笑い芸人が4人くらいで滅茶苦茶楽しそうにやってるやつ。武道館でチンチロやるって、頭イカれてるだろ。それで客を集められるのが凄い。
 まぁ、面白いからだろうな。狙ったかのように面白いところで面白い出目が出るんだもん。
 笑いの神に愛されてるぜ。

 「もっと娯楽を増やしたいけど、その辺は時期尚早かな。娯楽を増やすにはこの世界は危険が多すぎる」

 「正直生きるのに精一杯ってところはあるのよねぇ」

 特権階級が富を独占してますからなぁ。
 まぁ、それは前世でもそうだったけど、それでも前世では庶民でも娯楽を楽しむ程度の事は出来た。
 魔物とかの外敵がいないお陰でもあったんだろうけど。

 「レイモンド君に新たな目標が出来ました。庶民でも娯楽を楽しめる世界にする」

 「孤児0並みに壮大な夢ねぇ。裏社会の王になろうとしてる人間が持つような夢じゃないわ」

 夢はでっかくないとね。
 てか、この世界の人間はタチが悪いのが多すぎて、ダークな方に進もうとしてるのに、それを上回ってくる奴が平気で出てくる。
 なんか結果的に俺が善行してるような感じになってるんだよね。

 いや、別に良いんだよ。マフィアが善行したって。ヤクザがハロウィンの時に近隣住民にお菓子配るようなもんでしょ。
 でもなぁ。なんだかなぁって思っちゃうよね。
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