123 / 129
第5章 クトゥルフ再始動
第114話 商会オープン
しおりを挟む秘密基地でやいやいしつつ、自己研鑽してるとあっという間に商会のオープン日。
カタリーナとローザのレベルを追い抜きたいのに、俺が狩りに出ると毎回ついてくるから、差が縮まらない。
まぁ、ボスの面目を保つのに苦労してる俺の事はさておき。
「ふむ。意外と来るもんだな」
「物珍しさもあると思います」
思ったよりもお客さんが来てくれる。
新しくオープンした商会で気になるのもあるんだろう。
早速暇してる戦闘部の人間を冒険者登録させて、冒険者と交流を持つようにお願いしてるけど、宣伝効果が出るほど信頼やらを積み重ねてない。現に来てる人達は普通の街に住んでる人達だ。
まだ宣伝するにも商品を売り出してもないしね。
「うちはなんでも売る感じの商会を目指したいからな。人以外は」
「奴隷にするぐらいならクトゥルフで使いますよね」
その通り。別に奴隷が悪だーとか、解放しろーだとか、勇者みたいな事を言うつもりは毛頭ない。俺も契約で縛ったりしてるからね。
それに奴隷ってのは、寒村とかのセーフティネットになったりもしてるんだ。
俺が変に正義感とか出して奴隷を解放させたとしても、絶対に裏で出回るに決まってる。あれだけ発展した現代ですら、人身売買ってのは撲滅出来なかったんだ。
こんな人権があってないような感じの異世界でやるなんて無理だろう。
「まぁ、俺が表裏完全に支配出来たらそれも可能なのかもしれんが。働く場所がクトゥルフになるだけだよね」
「奴隷よりは断然マシな生活が出来ますし、それもありなのでは?」
まだまだ先の話だよ。何年掛かるか分かったもんじゃない。俺には孤児0、異世界に娯楽を広めるという崇高な使命がある。
………なんかこの目標の為に活動してたら、自然となんとかなってるかもしれんな。
「さてと。じゃあ後はホルトに任せるぞ。働き過ぎには注意してな」
「はい。お任せを」
俺は三階から一緒に客入りを見ていたホルトに後を任せて地下室へ。
そしてそこから、デッカー領のスラムに転移した。こっちの状況も確認しておきたかったしね。
「あ、自分で転移すれば良かった」
転移装置を使う必要なかったじゃんね。
☆★☆★☆★
「へぇ。ここが新しくオープンした商会か」
冒険者ギルドのすぐ近く。
以前は老夫婦がやってた雑貨屋があった場所に新しく『ルルイエ商会』というのがオープンしていた。
少し前から改装作業をしてて、何が出来るのか気になってた冒険者の男は、少し外から眺めつつ、ウロウロしていた。
「ちょっくら入ってみっか」
見た感じ高級商会という感じではない。
冒険者ギルドから近い事もあり、良い感じの店ならお得意様になるのもやぶさかではない。そう思って店に入る。
「いらっしゃませ」
応対してくれたのは、20代前半ぐらいの女性。飛び抜けて美人という訳ではないが、かなり身綺麗な格好をしていた。
外観と違って実は高級商会だったのだろうかと少し身構える。
「これは制服というものでして」
気後れしていた冒険者の男を察したのか、それともジロジロと見ていたせいか、応対した女性が服について説明する。
この世界に服を統一するという概念はない。騎士団が鎧を揃える事はあるが、服飾関係が発展していないせいで、そこまで手が回ってなかった。
レイモンドは当たり前のように、制服を用意していたが、服を揃えるというのはかなり見栄えが良い。
「ん? あれはなんだ?」
「あれは--」
冒険者の男が制服に感心してると、目に入ったのは、店の隅で向かい合って座ってる二人。その周りには少し人だかりが出来ていた。
女性に詳しい話を聞くと、あれはこの商会で売り出してる娯楽らしい。
簡単なルールで手軽に遊べるらしく、野次馬達も興味深々だ。
少しでも新しい娯楽を楽しんでもらう為にと、店の一角で遊べるようにしていると教えてもらった。
「ほー。武器も中々。ベテランの人間が使うにはちと心許ないが、初心者が使うには悪くねぇ。値段もかなり良心的だ」
「はい。商会で抱えてる鍛治師の練習品ですね。練習品とはいえ、初心者の方が使いやすいようにはなってます」
女性に説明してもらいながら、店内を見て回る。この『ルルイエ商会』には、大体なんでも置いてあるらしく、日用品や武器防具、食料から服に魔道具、ポーションまで置いてある。
「この魔道具は良いな」
男が手に取ったのは、火を付ける魔道具。
魔道具は職人が少ない事もあり、どこの商会でもかなり高価な値段で売られてるのだが、この商会はかなり安い。
個数制限はしてあるものの、これを買ってよそに持っていけばかなりの値段になるんじゃないか。
男はそんな事を考えながらも、買い物カゴに火を付ける魔道具、綺麗な水を出せる魔道具、リバーシなど目に付く面白そうなモノをぽんぽんと放り込んでいく。
「ポイントカードはお作りになられますか?」
「なんだそりゃ?」
そしてお会計。
物珍しさもあって、けっこうなお値段になってしまったが男は満足していた。
ソロで活動して、それなりに実力もある為お金にはそこまで困ってない。
会計時にポイントカードなるものの説明を受けた。一定金額毎にハンコを押してもらえて、それが全部貯まると割引券を貰えるらしい。
男は勿論作った。
値段もかなり良心的だし、欲しいモノは大体ここで買える。これから通うと自然とポイントは貯まるだろうと思ったのだ。
「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
男はホクホク顔で店を出る。
あまり期待してなかったが大満足。
冒険者ギルドから近い事もあり、ほぼ間違いなくリピーターになるだろう。
「これは付き合いのある冒険者達にも教えてやらねぇとな」
55
あなたにおすすめの小説
最凶と呼ばれる音声使いに転生したけど、戦いとか面倒だから厨房馬車(キッチンカー)で生計をたてます
わたなべ ゆたか
ファンタジー
高校一年の音無厚使は、夏休みに叔父の手伝いでキッチンカーのバイトをしていた。バイトで隠岐へと渡る途中、同級生の板林精香と出会う。隠岐まで同じ船に乗り合わせた二人だったが、突然に船が沈没し、暗い海の底へと沈んでしまう。
一七年後。異世界への転生を果たした厚使は、クラネス・カーターという名の青年として生きていた。《音声使い》の《力》を得ていたが、危険な仕事から遠ざかるように、ラオンという国で隊商を率いていた。自身も厨房馬車(キッチンカー)で屋台染みた商売をしていたが、とある村でアリオナという少女と出会う。クラネスは家族から蔑まれていたアリオナが、妙に気になってしまい――。異世界転生チート物、ボーイミーツガール風味でお届けします。よろしくお願い致します!
大賞が終わるまでは、後書きなしでアップします。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる