Arousal of NPC‘s

猫乃麗雅

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Chapter 1/最初の国

№21 WWにおける設定⑥

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スライムの一体が、風呂敷みたいに〝ブワッ!〟と広がりながら、セブンの顔に迫る。
右のてのひらを突き出して、
「風遁の術!!」
セブンが唱えたところ、最大幅5㎝×長さ20㎝の[白い風]が弓なり・・・に飛んでいった。
それが直撃した“コア”にひびが生じ、球体に戻ったスライムが、土路どろに着地する。
もう一匹の方は、クマッシーに体当たりを試みた。
しかし、冷静に[木の大楯]で防いだクマッシーである。
 
カリンのった“ホワイトに輝く一本の矢”が、[フラワーモンスター]の“花の部分”に刺さった。
この流れで、
「炎の精霊!」
エイトが唱えたら、背丈20㎝ほど/全身が赤い/ふんわり逆立っている髪の毛/目つきは悪いが可愛らしい“人型”が、宙に出現したのである。
そんな精霊が飛行して、[食人花]にタックルしたところ、直径10㎝の範囲が〝ボウッ!!〟と燃えたのだった。
なお、ひと仕事を終えた【炎の精霊】は、既に消えている。
こうして戦闘を繰り広げていく[イッチューズ]であった…。
 
 

帝都の[中央広場]にて。
「困ったなぁー。」
「“お嬢さまの猫ちゃん”は何処に居るんだろう?」
[男性ガンナーのクーガ]が首を傾げ、
「そうだねぇ~。」
「何か新しい情報が欲しいとこだよぉー。」
[女性アーチャーのキエラ]が同調する。
「……。」
暫し考えた様子の[男性黒魔術士]が、
「そうじゃ!」
「あの“道具屋の主人”を訪ねてみるというのは、どうであろうか??」
「〝困ったことがあれば協力する〟と言うておったしのッ。」
そのように述べたら、
「おぉ~、いいねぇー。」
クーガが表情を明るくしつつ、
「ここは、ケイルの考えを採用すべきかもよ?」
キエラに提案したのだった。
これに、
「りょ~かぁい。」
「それじゃあ、“テレポート”するよぉー。」
[Teamチーム Kケイ]のリーダーたるキエラが、仲間に伝えたのである。
 
 

「とりゃあ!」
セブンが[短い木刀]を叩き付けた事によって、スライムの“コア”が粉々になった。
別の一体には、
「ふんッ!!」
クマッシーが盾の先端を突き刺し、コアを砕く。
スライム達が死滅するなか、二頭の[ダークドック.Jr]が、それぞれ猛ダッシュで左右に回り込んで来る。
狙いは、最後尾のエイト&カリンのようだ。
「地の精霊!」
エイトに応じて、身長20㎝ほどの、リーゼントで、やはり目つきは悪いものの可愛らしい“人型”が、現れた。
体は、まさに“土色”である。
この精霊が、“体育座り”みたいな姿勢となり、〝くるくるくるくるッ〟と前転で飛んで行き、犬の鼻に当たったのであった。
カリンは、矢を放ち、もう一匹の右目に命中させている。
それらの攻撃で、どちらの[ダークドック.Jr]もが動きを止めたなか、
「セブンは、カリンを、お願い!!」
こう告げたクマッシーが、エイトのほうに〝ドタドタ〟と走っていく。
「任せて!」
簡略的に返したセブンは、カリンへと駆けたのである。
 
二体の[食人花]が、またしても【毒霧】を吐いた。
顔の下半分を片手で塞いだヤトやニケに、ネズミどもが武器を払う。
ニケは、[木製の棍棒こんぼう]で咄嗟に〝ガツン!!〟と防いだ。
ヤトはというと、左頬に〝バシィン!〟とヒットしてしまったようだ。
「やってくれたなッ、この!!」
ヤトの木刀で胸元を突かれた[ダークマウス.Jr]が、よろめく。
そのタイミングで、ヤトの足元から白金はっきん色で直径1Mくらいの“円柱”が〝シュバァーン!〟と1秒ほど立ち昇った。
これ・・はレベルが上がった報せである。
ちなみに、[Wonder Worldワンダーワールド]においては、レベルがアップするのと同時にHPなどが“全回復”する仕組みとなっているのだそうだ。
ステータスがフルになったヤトは、
「くらえッ!!」
ネズミめがけて、おもいっきり[木刀]を振り下ろすのだった…。
 
 

“資産家の邸宅”に、[Team K]が訪問している。
クーガが“シャトルリュー”を令嬢に手渡し、彼女の父親からキエラが報酬を貰う。
「次は、どうするぅ~??」
そう尋ねたキエラに、
「防具を購入してぇ、そのあと、ギルドで冒険のクエストを受けてみようかぁ。」
「“厄難やくなんの日”までには、少しでも強くなっておきたいしぃ。」
クーガが答える。
これによって、
「じゃあ、とりあえずぅ、お外に出よぉーう!」
右の拳を掲げるキエラであった。
 
 

魔物らを倒しきった[イッチューズ]は、誰もが安堵しているみたいだ。
「それにしても……、今回は敵が多かったわね。」
カリンが何気に感想を口にしたところ、
「あー、まぁ、登場するモンスターの数は、パーティーの規模や、ソロかによって、変わってくるらしい。」
「俺らみたいな六人組だと、ランダムで5体から8体ってとこだろうな。」
「十人組とかになれば、7~12になるんじゃねぇか?」
「単独は、1から3ぐらいだと思う。」
「詳しくは知らねぇけど…。」
そのようにヤトが教えたのである。
「さ。」
〝パチン!!〟と両手を合わせたクマッシーが、
「先に進もう。」
「現実の正午までには“最先端の村”に到着したいからね。」
メンバーを促す。
「何かあるの??」
セブンが首を傾げたら、
「え?」
「お昼ご飯だけど??」
「よく言うでしょ、〝腹が減ってはいくさはできぬ〟って。」
「それに、こまめに休憩しないと疲れちゃうしね。」
こう説明したクマッシーだった。
それによって、〝あぁー〟と納得した女性陣である。
「よし!」
「じゃ、まずは、途中に在る町を目指そう!」
こう方針を決めて、歩きだすヤトであった―。
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