ちょっとエッチな短編集

さち

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吸血鬼

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 郊外に建つ古い洋館。そこには祖父から洋館を引き継いだという銀髪の綺麗な青年と、洋館で働く黒髪の青年が住んでいた。
「旦那さま、おはようございます」
日が暮れた時間、洋館の主人である銀髪の青年が部屋から出てくる。黒髪の青年が挨拶すると、銀髪の青年はにこりと笑った。
「おはよう。ルカ、今日は何もなかった?」
「はい。日中は特にかわりなく」
ルカと呼ばれた黒髪の青年が軽く頭を下げてうなずく。銀髪の青年はルカが用意した水を飲むとほうっと息を吐いた。
「今日の食事は用意できた?」
銀髪の青年の言葉にルカはうなずいて応接室のドアを開いた。そこにはまだあどけなさの残る少年がソファに座っていた。
「こんばんは」
「こ、こんばんは…」
にこりと笑って声をかけた銀髪の青年に少年が怯えながら挨拶を返す。銀髪の青年は向かいのソファに座ると安心させるように微笑んだ。
「そんなに怯えなくても大丈夫だよ」
「あの、簡単な仕事をしたら、金をもらえるって聞いて…」
「うん。難しいことじゃないよ。心配いらない」
にこりと笑う銀髪の青年に少年が少しだけ安心した表情を浮かべた。
「ルカ」
「はい」
呼ばれたルカが透明な液体の入ったグラスを少年の前におく。銀髪の青年はそれを飲むように言った。
「ん、甘い…」
液体を飲み干した少年が呟く。すると、すぐに少年の体はふらふらと揺れだした。
「ふふ、効いてきたね。ルカ、寝室へ」
銀髪の青年の言葉にうなずいてルカが少年を抱き上げる。少年は虚ろな表情をして抵抗しなかった。

 寝室に運ばれた少年は大きなベッドに寝かされ、衣服を全て脱がされた。その間も抵抗せずにいる。銀髪の青年はルカがベッドからおりると自らも上着を脱いだ。
「ギルティギアさま、加減はなさってくださいね?」
「うん。殺したりはしないよ。ちゃんと朝には返す。この子への謝礼を用意しておいて」
ギルティギアと呼ばれた銀髪の青年はにこりと笑うとルカを下がらせた。
「さあ、食事にしよう」
笑うギルティギアの口に鋭い牙が覗く。ベッドに上がったギルティギアは少年の体を抱き締めるとその首筋に牙を突き立てた。
「あぁぁぁっ!」
牙を突き立てられた少年が悲鳴をあげてビクビクと体を震わせる。痛みに目を見開いて少年の目がすぐにとろんと蕩ける。その口から悲鳴ではなく喘ぎがこぼれるまで時間はかからなかった。
「ぁ、あん…やぁん…」
「嫌じゃないでしょ。こんなに感じてる」
クスクス笑いながらギルティギアが少年の乳首を摘まむ。少年の乳首は真っ赤に尖って存在を主張していた。
「気持ちいいね?」
乳首をしゃぶりながら牙を軽く突き立てて血を吸う。すでに首筋から血を飲まれていた少年はその甘美な痛みに体を震わせた。
「ぁぁ、やぁ…」
「ふふ、僕に噛まれて気持ちいいね?大丈夫、殺しはしないよ。血をもらうかわりに極上の快楽をあげるからね」
ギルティギアは吸血鬼だった。金に困った者を簡単な仕事があるからと連れてくる。そして薬を使って意識を混濁させ、血をもらう。吸血鬼に血を吸われた人間はこの世のものとは思えない快楽を得るという。ギルティギアは血を飲みながら体を重ねるのが好きだった。警戒されないよう、翌朝にはきちんと人間は返す。その際、噛み痕や情事の痕は綺麗に消し、謝礼として十分な金銭も渡した。
「ああ、きみの血は美味いね」
満足そうに呟いてギルティギアが少年の足を開かせる。少年のぺニスはタラタラと蜜をこぼし、アナルは物欲しそうにヒクついていた。
「すぐに入れられそうだね」
「きゃぁぁぁっ!」
少年のアナルにギルティギアが容赦なく自身のぺニスを突き入れる。少年は悲鳴をあげて仰け反るとガクガク震えながら白濁を噴き上げた。
「ああ、いいね。気持ちいいよ」
「ああんっ、やぁ、すごい!気持ちいいよぉっ!」
激しい突き上げに少年が喘ぎながらよがり狂う。ギルティギアは満足そうに笑みを浮かべながら少年を犯し、犯しながらあらゆる場所に牙を突き立てて血を飲んだ。少年は血まみれになりながら狂ったように喘ぎ、その声は空が白み始めるまで途絶えることはなかった。

 翌朝、少年が目を覚ますと客間のベッドで寝ていた。慌てて少年が起きるとルカが部屋に入ってくる。ルカは仕事が終わると疲れて眠ってしまったのだと少年に言い、仕事に対する謝礼金を渡した。
「こんなにたくさん?」
「はい。あなたの仕事振りに主も大変満足されていました。ご病気のお母様がいるのでしょう?治療の足しにしてください」
ルカの言葉に少年はどんな仕事をしたのか思い出せなかったが深く頭を下げた。
「またお願いすることがあるかもしれませんが、かまいませんか?」
「はい。俺でよければ」
少年の言葉にルカが「ありがとうございます」と頭を下げる。ルカは少年に朝食を用意し、家で待つ家族のために菓子の土産も持たせて送り出した。

 郊外の洋館に住む青年は人間ではないのではないかという噂は時々人の口にのぼることがある。だが、青年たちの人当たりのよさと、仕事を頼んだときの謝礼の気前のよさから、町の人々は青年たちの正体に見てみぬふりをした。
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