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④女の子でした
しおりを挟む「どうしました?!」
俺が叫んだ後すぐに、ユリアンさんが扉を荒々しく空けて入ってきたので、俺のスッポンポンの姿を見られてしまった。
「し、失礼致しました!」
ユリアンさんは慌てて後ろをむく。
「何かあったのですか?」
なんか言ってるけど、俺、今放心状態。
無理です。立ち直れません。そっとしといてください。
俺、どう見ても女の子だよね・・・
顔は元のままだだけど・・・
神様・・・どういうこと?
俺男なんだけど、間違えたの?
まさかの強制性転換?
俺、健全な男の子だよ?女の子が好きなのに、男を好きになんてなれないよ?
ふと、男に抱かれる俺を想像してしまう。
・・・無理無理!絶対無理!
女の子と恋愛もした事ないのに!男と恋愛とか無理!
これから俺、どうすればいいの?
考えてると、涙があふれる。
「本当に何があったのですか?」
悲しくなってシクシク泣いていると、ユリアンさんが背を向けた状態で話しかけてくる。
「ユリアン様、お嬢様は何かにショックを受けておいでのようです。お湯で温まってからお連れしますのでお待ちください。」
メイドさんがそう言ってユリアンさんを追い出すと、お風呂に入れてくれた。
この身体、どう扱えばいいのか分からないから洗ってもらえる方が助かる。
・・・女の体だ・・・自分のだけど、女の体を見て興奮する俺の大事なヤツも今は無い。
風呂から上がると身体を拭いてもらってふんわりしたワンピースを着せられた。
髪を乾かしてもらってからユリアンさんの待つ部屋に戻ると、ユリアンさんは心配そうに俺を見る。
この世界に来て一番最初に出会ったのがユリアンさんだからなのか、ユリアンさんの顔を見ると少し安心する。
こう言うのなんだっけ?刷り込み効果?
でも、最初に出会ったのがユリアンさんで良かった。荒っぽい男に出会ってたら、俺、乱暴されてたかもしんない。
俺はぽてぽてとユリアンさんの方へ歩いていってユリアンさんにしがみついた。
「ど、どうされました?」
突然抱きつかれて慌てるユリアンさん。
ゴメンね、今ちょっとぬくもり欲しいの。何時もならねーちゃんが抱きしめてくれるのに、ねーちゃん居ないし。
しばらくユリアンさんの逞しい胸に顔を埋めていたらユリアンさんが優しく頭を撫でてくれる。
「俺、・・・女の子だった・・・」
ぽつりと呟くと、ユリアンさんはよしよしと頭を撫でながら言う。
「そうですね。貴方は可愛い女性ですよ?」
きっと、何言ってんだコイツとか思ってるんだろうな・・・でも、ユリアンさんは顔に出さない。何処までもイケメンな奴め。
「俺の事、女だと思ってた?」
「ええ、出会った時から。」
やっぱりかー・・・俺、なんで今まで気が付かなかったんだろう?
てか、基本外見に興味なかったから気にしてなかったなー。女顔嫌だからイケメンになってて欲しいとは思ってたけど・・・まさか男じゃなくなってるなんて思わなかったよ!
ショックからしばらく立ち直れそうにありません・・・
「大丈夫ですか?」
しばらくして、ユリアンさんが気遣って声をかけてくれる。
こんなにメソメソしてたら女だよな。
「大丈夫です。ユリアンさんゴメン。」
「謝ることはありません。落ち着いたら食事出来そうですか?何か持って来させますよ。」
そう言われて、腹ぺこなのに気がついた。
「うん、食べる。」
そういえば、異世界の食事って不味いとかよくあるけど、食べれる味なのかな?
ちょっと不安。
って思ったけど、全然大丈夫だった。
「美味しい!」
「お口にあって良かった。」
ユリアンさんは俺1人じゃ寂しいだろうって一緒に食事をしてくれてる。
「沢山食べてくださいね。」
「うん!」
こんな美味しいの食べたことない~!
美味しい~♪
ニコニコしながら黙々と食べてると、ユリアンさんが俺を見て朗らかな顔になる。
「貴方はやっぱり・・・」
「ん?なんか言った?」
「いえ、何でもありません。」
ユリアンさんはニッコリ笑う。
「そういえば、まだお名前を聞いていませんでしたね。」
「あ、そういえばそうだね。」
すっかり忘れてたよ。
異世界だし、名字は無くていいかな?
「俺の名前は真羅。」
「シンラ?素敵な名前ですね。」
わーい褒められた。
自分でも気に入ってる名前だから褒められると嬉しい。
俺がニコニコ笑うと、ユリアンさんがほんわか微笑む。
そういえば、ユリアンさんって何歳くらいなんだろう?
しっかりしてるし、怪しい俺に根掘り葉掘り事情聞いたりしないし、落ち着きがあって長身イケメン。
「ユリアンさんって何歳?」
「私ですか?19です。」
「え?マジ?」
もっと年上かと思ってた・・・
20代だと思ったら意外と歳近い。
俺、姉ばっかりだからこんな兄ちゃん欲しかったなー。
「ユリアンさんってなんかお兄ちゃんみたい。」
うん、いっぱい助けてくれるし、優しいし、紳士だし。理想のお兄ちゃんだ。
「お兄ちゃん・・・ですか。」
俺の言葉にユリアンさんが微妙な顔になる。
あれ?迷惑だったかな?
「ゴメンなさい。俺、失礼な事言った。」
「いえ、良いんですよ。私の事は兄だと思って頼ってください。」
ユリアンさんやっぱりいい人~!
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