『 私、悪役令嬢にはなりません! 』っていう悪役令嬢が主人公の小説の中のヒロインに転生してしまいました。

さらさ

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7話 私が望むもの

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「エリシア、いつもは優しいお前がレオンハルト様にはなんであんなに冷たいんだ? 」

レオンハルト様を見送った後、意気揚々と部屋に戻ろうとする私をお兄様が呼び止める。

「・・・だって、私王子様には興味ありませんし、レオンハルト様って行動が女慣れしてそうで嫌なのです 」

正直にレオンハルト様に興味が無いと言っておかないと、お兄様はまたレオンハルト様を連れて来そうなので正直に話す。
すると、お兄様は嘆息してしばらく黙り込んだ。

「どうされました? 」

「レオンハルト様はお前が思ってるような人じゃないよ 」

お兄様、何故いちいちかっこいいのですか、そんな風に見つめられると照れます。

「どのような人でも、私は興味ありません 」

どちらかと言うと、お兄様の方が素敵だと思う。お兄様も攻略対象なので、いつクリスティーナ様と関わるか分からない以上、お兄様も危険なんだけど、お兄様とは血の繋がりがあるから変なことにはならないと思う。

クリスティーナ様のお相手はレオンハルト様、ジルフレアお兄様、第三王子のエドワルド様、騎士のヨシュア様、それと公爵家のレイモンド様の五人、その方と近寄りさえしなければ問題ないはず。

「エリシアは私が嫁に貰いたいくらい可愛くて美人で、教養もあって、それでいてそんな自分を自慢する訳でもない。だけど私が間違った時にはちゃんと正してくれる理想の女性なんだけどな、レオンハルト様なら譲ってもいいと思ったのに、王子に興味ないって言うとは思わなかったよ  」

「なら、お兄様のお嫁さんにしてください 」

まぁ、無理だというのがわかってるから言ってみた戯言だけど、お兄様は、目をキラキラさせて私を見る。

「エリシア、可愛いことを言ってくれるね、本当に嫁にしたいよ 」

お兄様はそう言うと、私をぎゅっと抱きしめる。

「ちょっと、お兄様、そんなこと言っても兄妹で結婚は無理ですわ、私は慎ましやかに暮らすことが出来ればそれでいいので、もうしばらくここにいてもいいですか? 」

お兄様がレオンハルト様を勧めてきたってことは私の嫁ぎ先を探してるってことだと思う。
私も年頃だから、売れ残りになる前に片付けてしまいたいのはわかるけど、まだ私は誰かと結婚なんて考えられない。
もう暫くはこの家でゴロゴロしていたい。

「もうしばらくなんて寂しいこと言わないで、エリシアが居てくれるなら私はずっとエリシアと一緒に居たいな 」

「お兄様、ありがとうございます。そろそろ部屋に戻りますね 」

よし、お兄様の許可は得た。今この家で権力を持ってるのはどちらかと言うとお父様よりお兄様なので、お兄様を、味方につけておけば大丈夫、変な所に嫁がされることもないわ。
安心したので部屋に戻って本の続きを読もう。
私はお兄様に一礼をして部屋へと戻った。


それにしても・・・レオンハルト様は私なんかに興味を持ったとはいえ会ってどうするつもりだったのかしら? もし一目惚れされていたとしても、私の身分じゃ釣り合わないというのに・・・本当にただの興味本位だったのかもね、私も冷たい態度をとったし、もう一度会おうとは思わないでしょう。

そんな事を思いながら私は本の中へと意識を戻し、しばらくして今日の記憶も日々の日常の中に薄れて行った。

そして二ヶ月がたった頃、またお兄様が嫌な話をもってきた。

「お兄様、私は興味無いと申し上げたはずですけど? 」

「うん、分かってる。でも、今回はレオンハルト様の開かれるパーティーで、直々にお誘いを受けた我が家は家の格式上断ることは出来ないんだよ 」

「なら、お兄様だけで行ってくればいいでしょ? 」

なぜ私が行かないといけないの?
私は元々社交界にはあまり出ていないから、私が今更そんな所へ行く必要も無いし、行けば噂の的になるのは目に見えてる。なんたって王子様直々のお誘いなのだから、他のご令嬢の目が恐ろしい。

「それが、『是非美しいと噂の兄妹揃って参加してください』って言われちゃったんだよ 」

お兄様が困ったように私を見る。
そんな顔されても私は行かないわよ!

「レオンハルト様からこんな物を預かってるんだけど・・・」

私が断固として行かない意志を表してお兄様から顔を背けていると、お兄様が意味ありげな言葉を口にされる。
その言葉に、お兄様の方を振り向くと、お兄様は手に一枚の封書を持っていた。

「・・・それは何ですか? 」

「エリシアが欲しいもの 」

「私が欲しいもの? 」

お兄様は答えを言わずに焦らすように微笑む。お兄様って最近私に意地悪じゃない?

「わからないわ、何なの? 」

「王立図書館の閲覧禁止区間の立ち入り許可書 」




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