『 私、悪役令嬢にはなりません! 』っていう悪役令嬢が主人公の小説の中のヒロインに転生してしまいました。

さらさ

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28話 いえ、貴方は二重人格ですよ

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会場に入ると、既にたくさんの方が来ていて、会場内は賑わっている。
私、派手なパーティーとか苦手なんだけどな・・・
そんな事を思っていると、各国の代表者がレオンハルト様の所に挨拶にやってくる。
私は隣でにこにことしていればいい。
実際相手の同伴者の方も笑顔を絶やさずただにこにこと愛想を振りまくだけなのよ、私も話すことは無いので笑顔を貼り付ける。

しばらくお互いの挨拶は続き、一時間ほどたった頃にやっと一通りの挨拶が終わる。

「エリシア、疲れたかい? あちらの席に座らせてもらおうか 」

レオンハルト様が私の腰に手を添えながら隅に用意された席を指す。
あんな所に席があったのね、良かった、ずっと立ったままかと思ってたから嬉しいわ。

「ええ、そうですわね 」

「エリシアはこういうの慣れてないから疲れるだろ 」

席に向かって歩きながら、私にだけ聴こえるように耳元で話しかけてくる。
レオンハルト様! 耳元で囁くイケボは反則です! 
思わず赤くなるのを隠しながら声もなく頷いて返事をする。

「ふふっ、どうしたの? 」

レオンハルト様は私の反応を見て楽しんでいるのか、また耳元で囁く。

「レオンハルト様のお声があまりにも素敵すぎて恥ずかしいのです 」

何遊んでるんですか!って怒鳴りたい所をぐっと我慢して恥じらったように返す。
また遊ばれている。私はレオンハルト様のおもちゃじゃないんだからね!

「さ、着いたよ、ここに座ってて、私はなにか飲み物を貰ってくるよ 」

レオンハルト様はそう言うとにっこり笑ってから離れて行った。
そつのない演技、さすがは猫かぶり王子。
私の事はきっとおもちゃだと思ってるけどね、でも時々優しいところもあるのよね、今みたいに。

みんな社交界慣れしている方ばかりなので元気ね、楽しそうに会話を続ける人達を見ながら私には無理だなーと思っていると、私の方に近付いてくる人が居る。誰だっけ?

「こんばんは、お嬢さん、おひとりですか? 」

話しかけて来たのは赤毛に金色の瞳を持った男性だ。
まだ若い、レオンハルト様くらいの歳かしら、顔立ちはハッキリとしていて目鼻立ちが通っているので派手な美形さんだわ。
あれ? こんな人居たかしら、ああ、今日来た方ね?

「ごきげんよう、一人ではありませんわ 」

話しかけられたので立ち上がって挨拶をすると、唐突に手を取られて甲にキスをされた。

「え? 」

突然のことに驚く私にその人は笑いかける。

「ごめん、あまりにも美しいからつい、なあ、暇ならしばらく俺と話でもしないか? 」

「いえ、ご遠慮致します・・・ 」

「そんな事言わないで、話し相手になってくれよ、俺さっき着いたばかりで、なんか場の雰囲気に着いて行けなくてさ、困ってたんだ 」

「連れがもうすぐ戻って来ますので・・・」

何? このグイグイ来る人は?
私より身分の高い方なのは確かだろうけど、誰なの?

「少しくらいいいだろ? 」

「私の婚約者に何をしているのですか? ジャスタ皇子 」

不意に、イケメンの後ろから声がしてイケメンが振り返る。私も、その声にほっと安心してレオンハルト様を見る。

「うわ、レオンハルト! え? この綺麗な子、レオンハルトの婚約者? 」

「ええ、そうですが何か? 私の婚約者にちょっかい出さないでいただけますか? 」

あれ? この二人は知り合いなのかしら。
レオンハルト様の事を呼び捨てにする人なんて初めて見たわ。
さっきレオンハルト様はなんと呼んでいたかしら、確か・・・ジャスタ皇子? ・・・え? うそ、クシャナ帝国の赤髪のジャスタ皇子??

「なあ、こんな二重人格より俺にしろよ 」

ジャスタ皇子が私に向き直って話しかける。
え? ジャスタ皇子はレオンハルト様が猫かぶってるの知ってるの?

クシャナ帝国はアイスバーグ王国の南に位置していて、交易は盛んにしているから王族同士も仲がいいのかしら。
って言うか、ジャスタ皇子は第二部の登場人物なのに、何故今出てきたの?

「失礼な、私は二重人格なんかでは無い 」

いえ、二重人格ですよ、レオンハルト様!
心の中で思わずツッコミを入れてしまった。

「その話し方が二重人格なんだよ、普段の話し方しろよ、俺とお前の仲だろ? 」

あれ? レオンハルト様とジャスタ皇子ってそんな仲のいい設定だったかしら?

「・・・私はいつもこうです、いい加減私の婚約者を離して貰えませんか? 」

そう言われて、ジャスタ皇子が私の腰に手を回していることに気がついた。
なっ、いつの間に?!
レオンハルト様が私の手を掴んで引き寄せるけれど、ジャスタ皇子が離してくれない。

「あの、お話中申し訳ございません、私はレオンハルト様以外の方と一緒になるつもりはございませんわ 」

そう言うと、ジャスタ皇子が顔を近づけて囁く。

「俺にしときなよ、俺は時期皇帝だ、国も継げない第二王子よりずっといい物件出ぜ 」

ああ、この自信満々な俺様皇子様、二部のメインキャラなだけあってカッコイイ。





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