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黒猫ツバキとペット騒動
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黒猫ツバキは、魔女コンデッサ(20代前半の美人さんなのだ!)の使い魔だ。
「ご主人様! アタシ、ペットを飼いたいニャ!」
「……ペットはお前だろ? ツバキ。ペットがペットを飼って、ど~すんだ」
「アタシはペットじゃ無いニャ! 使い魔ニャ!」
「どっちも、似たようなモンだろ」
「全然、違うのニャ! 使い魔が〝夜空に輝くデッカいお星様〟にゃら、ペットはさしずめ〝浜辺に打ちあげられて干からびてるヒトデ〟といったところなのニャン」
「お前が使い魔としての自分に誇りを持っていることは分かるが、いくらなんでもその例え方は、ペットに対して酷すぎるぞ。ペットには、飼い主の心を癒すという立派な役目があるのを忘れるな」
「それにゃら、ペットを飼っても良いよネ?」
「う~ん……そもそも、ツバキはどうして『ペットを飼いたい』なんて思ったんだ?」
「神様からのお告げがあったのニャ」
「余計なことを言ったのは、どの神様だ?」
「トイレの神様にゃ!! おトイレの掃除をしていたら、急に『ペットが欲しいニャ~』って気持ちになったんニャ。これは、きっとトイレの神様がアタシに『ペットを飼いなさい』って仰ってるのに違いないのニャ」
「それは、単にツバキの願望が妄想化しただけだろ……で、どんなペットが欲しいんだ? まさか、犬とか猫とかじゃないだろうな。犬をペットにする猫。猫をペットにする猫。どちらも、私はゴメンだぞ」
「リスにゃ!」
「ああ、ドングリを四六時中むさぼり食ってる小動物ね」
「悪意のある物言いニャ。リスはとっても可愛いニャよ~」
その夜、コンデッサは魔女仲間のバンコーコに《メール魔法》で連絡を取ってみた。ツバキが『ペットを飼うのニャ~』とゴネたので、どうすべきか相談するためだ。
《メール魔法》は離れた場所に居る相手へ自分の考えを伝える魔法であり、魔力を持つ者の間でのみ意思疎通が成立する。
ちなみに面倒くさがりなコンデッサは、着信は片っ端から拒否するくせに、発信は自由気ままにヤっている。実に我が侭な魔女だ。
『……そんな訳で、ツバキのおねだりに困ってるんだ』
『ああ~。それは、きっとアレね。少し前にうちのプリンが森でケガしてたリスを拾ってきて、治るまでの2~3日ほど、世話したことがあったのよ。たまたま遊びに来ていたツバキちゃんが、その様子を羨ましそうに見ていたわ。それで、ペットが欲しくなっちゃったんじゃないかしら?』
プリンは魔女バンコーコの使い魔で、ツバキの黒猫友だちである。
『まったく、ツバキのヤツ。数日の間だけ世話するのと、ペットとして飼うのとでは、手間ひまの度合いがまるで違うんだぞ』
コンデッサは溜息を吐いた。
翌日。
「一晩たったが、ツバキの考えは変わらないんだな?」
「もちろんニャ」
「それなら、お前に《ペット探し魔法》を掛けてやる」
「《ペット探し魔法》?」
「この魔法を掛けられたモノが自分の欲しいペットを頭の中に思い浮かべると、イメージに反応して、そのモノに相応しいペットが現れるんだ」
「おお~、凄いニャ」
「キャンセル出来るのは、ペットが出現してから3日間だけだ。〝3日のお試し期間〟というヤツだな」
「アタシは、ペットを大事にするニャ! 返品なんて、しないのニャ!」
「分かった分かった。それじゃ、魔法を掛けるぞ~」
コンデッサがツバキに《ペット探し魔法》を掛ける。ツバキは「リス、リス、リス」と目を閉じて一心不乱に念じる。
そんなツバキを眺めながら、コンデッサは呆れ顔になった。
(やっぱりバンコーコのところで見たリスに触発されて、ペットが欲しくなったのか)
しばらくして、ボンッと音を立てて空中に何かの動物が姿を現す。
「やったニャ! 《ペット探し魔法》は、大成功にゃ!」
喜ぶツバキの顔に、その動物はペタッと貼り付いた。
「にゃ~! にゃんか、顔にくっついたニャン!」
ツバキが懸命に首を振ると、動物はポトリと床に落ちた。
「ニャに? このちっこいの?」
ツバキの瞳が、まん丸になる。
なんか変な動物が来た。リスのようで、リスでは無い。
ソイツは壁をヨジヨジと上ると、いきなりビューンと滑空した。
「うわわ! 飛んだニャ~!」
「良かったな、ツバキ。望み通りのリスだ」
「そんな訳ないニャン! リスが飛べるはずないのニャ! あれは、きっと別の生き物なのニャ」
「いいや、あれはリスだよ」
「嘘にゃ!!」
ビューン! ソイツは、またツバキの顔に引っ付いた。
「にゃにゃにゃ」
パニックになりながらもツバキはその小動物を顔から剥がし、マジマジと見つめた。
「にゃに? この動物」
確かにリスに似ている。でもリスより目はデッカいし、前足と後ろ足の間に膜みたいなのがある。リスの新種だろうか?
「ああ。ソイツは、モモンガだな」
「モモンガ! 初めて見たニャ。でも、アタシがペットにしたいのはリスにゃ! モモンガは、お呼びじゃないのニャ!」
ツバキの言いぐさに、モモンガは怒ったようだ。オシッコを、ツバキへひっかける。
「うにゃ~! にゃんで、モモンガが出てきたんニャ!? 《ペット探し魔法》は失敗にゃ」
「いいや、成功だよ」
「リスじゃ無くて、モモンガが出てきたニョに?」
「モモンガも、リスだからな」
モモンガの正式名称は、ネズミ目リス科リス亜科モモンガ族である。
「そうニャにょ? でもニャ~、リスは〝森のアイドル〟だけど、モモンガは〝正体不明の空飛ぶ布切れ〟って感じなのニャ」
ビューン!! ツバキの意見に抗議するかのように、モモンガが宙を飛ぶ。
「うわ! また、オシッコしたニャ!」
♢
それからツバキは3日間、モモンガの世話をした。
「ニャンで、アタシの言うことをちっとも聞いてくれないんニャ~! 夜中に飛び回るし、粗相ばっかりするし。オカしいニャ。トイレの神様の言いつけで飼うことにしたペットにゃのに、トイレをキチンと出来ないにゃんて、間違ってるにゃ」
3日目。
ヘトヘトになったツバキは、モモンガの返品をコンデッサに申し出た。
「ペットを飼うのは、当分あきらめるニャ」
その夜、コンデッサは再び《メール魔法》を使ってバンコーコへ結果報告をした。
『コンデッサも意地悪ね~。モモンガは世話するのが難しい動物だから、ツバキちゃんじゃ手に負えないのも無理ないわ。リスだったら、ツバキちゃんでも面倒みれたでしょうに。貴方、わざとモモンガを呼び出したわね』
『ペットを安易に飼おうとしたツバキには、良い薬になっただろ』
『ふふふ。貴方、ツバキちゃんとの2人きりの生活が楽しいもんだから、たとえペットでも割り込んできて欲しくなかったんでしょ』
『そ、そんなことは無いぞ! でも、ツバキには少し可哀そうなことをしたから、明日の夕御飯は高級マグロ丼にしてやるかな』
『ハイハイ。ごちそうさま』
翌日。
「あれ? 思ったより元気そうだな、ツバキ。ペットが飼えなくて、ガッカリしたんじゃないのか?」
「よくよく考えてみたら、アタシ、もうペットを飼っていたのニャ」
「初耳だな。そのペットは何処に居る? どんなヤツだ?」
「アタシの目の前に居るのニャ。いつもエラそうだけどぐうたらで、アタシがお世話しないと、日々の暮らしもままならない困ったさんニャ」
「ほほ~」
ツバキの夕御飯は、10日連続で煮干しになった。
「ご主人様、ごめんなさいニャ~」
「どちらが飼い主か、理解したか?」
「良く理解したニャン。やっぱり、ペットを飼うのは難しいにゃ。アタシには、とても無理だニャ」
「これっぽっちも分かってないな、ツバキ」
コンデッサとツバキは、今日も仲良しである。
「ご主人様! アタシ、ペットを飼いたいニャ!」
「……ペットはお前だろ? ツバキ。ペットがペットを飼って、ど~すんだ」
「アタシはペットじゃ無いニャ! 使い魔ニャ!」
「どっちも、似たようなモンだろ」
「全然、違うのニャ! 使い魔が〝夜空に輝くデッカいお星様〟にゃら、ペットはさしずめ〝浜辺に打ちあげられて干からびてるヒトデ〟といったところなのニャン」
「お前が使い魔としての自分に誇りを持っていることは分かるが、いくらなんでもその例え方は、ペットに対して酷すぎるぞ。ペットには、飼い主の心を癒すという立派な役目があるのを忘れるな」
「それにゃら、ペットを飼っても良いよネ?」
「う~ん……そもそも、ツバキはどうして『ペットを飼いたい』なんて思ったんだ?」
「神様からのお告げがあったのニャ」
「余計なことを言ったのは、どの神様だ?」
「トイレの神様にゃ!! おトイレの掃除をしていたら、急に『ペットが欲しいニャ~』って気持ちになったんニャ。これは、きっとトイレの神様がアタシに『ペットを飼いなさい』って仰ってるのに違いないのニャ」
「それは、単にツバキの願望が妄想化しただけだろ……で、どんなペットが欲しいんだ? まさか、犬とか猫とかじゃないだろうな。犬をペットにする猫。猫をペットにする猫。どちらも、私はゴメンだぞ」
「リスにゃ!」
「ああ、ドングリを四六時中むさぼり食ってる小動物ね」
「悪意のある物言いニャ。リスはとっても可愛いニャよ~」
その夜、コンデッサは魔女仲間のバンコーコに《メール魔法》で連絡を取ってみた。ツバキが『ペットを飼うのニャ~』とゴネたので、どうすべきか相談するためだ。
《メール魔法》は離れた場所に居る相手へ自分の考えを伝える魔法であり、魔力を持つ者の間でのみ意思疎通が成立する。
ちなみに面倒くさがりなコンデッサは、着信は片っ端から拒否するくせに、発信は自由気ままにヤっている。実に我が侭な魔女だ。
『……そんな訳で、ツバキのおねだりに困ってるんだ』
『ああ~。それは、きっとアレね。少し前にうちのプリンが森でケガしてたリスを拾ってきて、治るまでの2~3日ほど、世話したことがあったのよ。たまたま遊びに来ていたツバキちゃんが、その様子を羨ましそうに見ていたわ。それで、ペットが欲しくなっちゃったんじゃないかしら?』
プリンは魔女バンコーコの使い魔で、ツバキの黒猫友だちである。
『まったく、ツバキのヤツ。数日の間だけ世話するのと、ペットとして飼うのとでは、手間ひまの度合いがまるで違うんだぞ』
コンデッサは溜息を吐いた。
翌日。
「一晩たったが、ツバキの考えは変わらないんだな?」
「もちろんニャ」
「それなら、お前に《ペット探し魔法》を掛けてやる」
「《ペット探し魔法》?」
「この魔法を掛けられたモノが自分の欲しいペットを頭の中に思い浮かべると、イメージに反応して、そのモノに相応しいペットが現れるんだ」
「おお~、凄いニャ」
「キャンセル出来るのは、ペットが出現してから3日間だけだ。〝3日のお試し期間〟というヤツだな」
「アタシは、ペットを大事にするニャ! 返品なんて、しないのニャ!」
「分かった分かった。それじゃ、魔法を掛けるぞ~」
コンデッサがツバキに《ペット探し魔法》を掛ける。ツバキは「リス、リス、リス」と目を閉じて一心不乱に念じる。
そんなツバキを眺めながら、コンデッサは呆れ顔になった。
(やっぱりバンコーコのところで見たリスに触発されて、ペットが欲しくなったのか)
しばらくして、ボンッと音を立てて空中に何かの動物が姿を現す。
「やったニャ! 《ペット探し魔法》は、大成功にゃ!」
喜ぶツバキの顔に、その動物はペタッと貼り付いた。
「にゃ~! にゃんか、顔にくっついたニャン!」
ツバキが懸命に首を振ると、動物はポトリと床に落ちた。
「ニャに? このちっこいの?」
ツバキの瞳が、まん丸になる。
なんか変な動物が来た。リスのようで、リスでは無い。
ソイツは壁をヨジヨジと上ると、いきなりビューンと滑空した。
「うわわ! 飛んだニャ~!」
「良かったな、ツバキ。望み通りのリスだ」
「そんな訳ないニャン! リスが飛べるはずないのニャ! あれは、きっと別の生き物なのニャ」
「いいや、あれはリスだよ」
「嘘にゃ!!」
ビューン! ソイツは、またツバキの顔に引っ付いた。
「にゃにゃにゃ」
パニックになりながらもツバキはその小動物を顔から剥がし、マジマジと見つめた。
「にゃに? この動物」
確かにリスに似ている。でもリスより目はデッカいし、前足と後ろ足の間に膜みたいなのがある。リスの新種だろうか?
「ああ。ソイツは、モモンガだな」
「モモンガ! 初めて見たニャ。でも、アタシがペットにしたいのはリスにゃ! モモンガは、お呼びじゃないのニャ!」
ツバキの言いぐさに、モモンガは怒ったようだ。オシッコを、ツバキへひっかける。
「うにゃ~! にゃんで、モモンガが出てきたんニャ!? 《ペット探し魔法》は失敗にゃ」
「いいや、成功だよ」
「リスじゃ無くて、モモンガが出てきたニョに?」
「モモンガも、リスだからな」
モモンガの正式名称は、ネズミ目リス科リス亜科モモンガ族である。
「そうニャにょ? でもニャ~、リスは〝森のアイドル〟だけど、モモンガは〝正体不明の空飛ぶ布切れ〟って感じなのニャ」
ビューン!! ツバキの意見に抗議するかのように、モモンガが宙を飛ぶ。
「うわ! また、オシッコしたニャ!」
♢
それからツバキは3日間、モモンガの世話をした。
「ニャンで、アタシの言うことをちっとも聞いてくれないんニャ~! 夜中に飛び回るし、粗相ばっかりするし。オカしいニャ。トイレの神様の言いつけで飼うことにしたペットにゃのに、トイレをキチンと出来ないにゃんて、間違ってるにゃ」
3日目。
ヘトヘトになったツバキは、モモンガの返品をコンデッサに申し出た。
「ペットを飼うのは、当分あきらめるニャ」
その夜、コンデッサは再び《メール魔法》を使ってバンコーコへ結果報告をした。
『コンデッサも意地悪ね~。モモンガは世話するのが難しい動物だから、ツバキちゃんじゃ手に負えないのも無理ないわ。リスだったら、ツバキちゃんでも面倒みれたでしょうに。貴方、わざとモモンガを呼び出したわね』
『ペットを安易に飼おうとしたツバキには、良い薬になっただろ』
『ふふふ。貴方、ツバキちゃんとの2人きりの生活が楽しいもんだから、たとえペットでも割り込んできて欲しくなかったんでしょ』
『そ、そんなことは無いぞ! でも、ツバキには少し可哀そうなことをしたから、明日の夕御飯は高級マグロ丼にしてやるかな』
『ハイハイ。ごちそうさま』
翌日。
「あれ? 思ったより元気そうだな、ツバキ。ペットが飼えなくて、ガッカリしたんじゃないのか?」
「よくよく考えてみたら、アタシ、もうペットを飼っていたのニャ」
「初耳だな。そのペットは何処に居る? どんなヤツだ?」
「アタシの目の前に居るのニャ。いつもエラそうだけどぐうたらで、アタシがお世話しないと、日々の暮らしもままならない困ったさんニャ」
「ほほ~」
ツバキの夕御飯は、10日連続で煮干しになった。
「ご主人様、ごめんなさいニャ~」
「どちらが飼い主か、理解したか?」
「良く理解したニャン。やっぱり、ペットを飼うのは難しいにゃ。アタシには、とても無理だニャ」
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