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危ない危ない危ない!!キャッチボールだったはずなのに、途中から一方的な的当てになってきているような気がする。ボールは明らかにキャッチできないくらいの強さになっているし、途中から剣みたいな、ボールじゃないものも飛んできている……うん?
「ちょっと!実体化は使ったらダメでしょうが!魔力の消費が半端ないんだから!」
ジルが飛ばしているのは、おそらくは実体化と呼ばれる魔法。膨大な魔力を消費する代わりに、魔力を好きな形に変えて実体化させる。魔力が尽きたら消えてしまうけど、球体はもちろん、武器の形にして飛ばすこともできる。
便利である分、魔力の消費量が多い。私も、100が限界かな。
なんとかジルの魔法を弾こうとすると、何かが飛んできて、地面に着地する。その衝撃で、砂煙が起こった。
それと同時に、ジルからの攻撃も止んだので、その砂煙を観察していると、見覚えのあるシルエットだった。
……もしかして、あなたも?
「おねーさま!」
「メ、メイ!?寝てたんじゃないの!?」
それ以前に、ミリスはどうしたの!?一人で空を飛んできたの!?
私が焦ってたずねると、メイはほっぺを膨らませる。
「だって、おねーさまがいないんだもん!みりすさんにきいたら、じるとあそびにいったっていうんだもん!」
それで、私たちを探しに来たというわけか……。そういえば、メイーーメイだけでなくジルもーー起きたら真っ先に私のところに来ていたな。それどころか、気づいたら私のベッドで一緒に寝ていたこともあったような気がする。
この二人はいつになったら姉離れできるのかな……。一生無理だという声が聞こえてきた気がするけど、多分気のせいだろう。……気のせいだと言ってください!
「『まぎるーら』するんだったらまぜてよ!」
マギルーラというのは、簡単にいえば魔法戦闘のこと。でも、あくまでも遊びや競技の一環で、遊びとしてなら、そこまで制限があったりはしない。競技としてのほうは、魔力量が制限されて、それを越える魔力量を消費すれば失格など、魔法の応用が試されるもの。
ちなみに、致命傷を受けたとしても大丈夫なように、特別な施設でやると聞いたことがある。見たことないから、詳しく知っているわけではない。
あと、妹よ。これはマギルーラではないんだ。
「あのね、これはただのーーわっ!」
これはただのキャッチボールなんだけどと説明しようとしたら、問答無用で魔法が使われた。
私は、咄嗟に魔法障壁をして防ぐ。その魔法は、障壁にぶつかると、爆発した。これは、魔球かな。魔球は、球体の魔力の塊を放つだけの魔法。魔力量によって、大きさは変えられる。
実体化との違いは、形を変えられることと、実体化は、魔力が尽きたら消えてしまうけど、魔球は、何かにぶつかると爆発するのが特徴だ。あと、射程がそこまで長くないことかな。その分、実体化よりも消費量は少ないけど。
「ちょっと!話くらいは聞きなさいよ!」
「「もんどーむよう!!」」
「あーもう!」
双子らしく、息ぴったりな声を出して、私に魔法を使ってくる。もうボールは使っていない。もしかしたら、使っているのかもしれないけど、もうわからない。
私は、魔法障壁で体を中心に、球体のようにして覆う。
「なんでそんなに攻撃してくるの!」
私が怒鳴るようにそう聞くと、ジルとメイはむすっとする。
「べつに、またされたことにおこってなんかないから!」
「べつに、かってにいなくなったことにおこってなんかないから!」
あぁ、うん。その二つが理由ね。ジルに関しては、本当に申し訳ないと思っているけど、メイは、仕方なくない?こんな危険なもの、部屋でやるわけにはいかないし、だからといって、あんなに気持ち良さそうに寝ていたメイを起こせとでも?
そもそも、メイがもっともっとっておねだりしなければ、ジルを待たせることはなかったと思うんだけど……。
はっきりと断らないお前も悪いと言われればそうなんだけどさ。
子どもを育てるのって、本当に大変だなぁ。お父様も、私に押しつけてきた感がありそう。いや、お母様は亡くなっていたし、二人で育てていたのは間違いないんだけど、お父様には全然懐かないのに、私にばかり懐いてきたお陰で、お父様は二人を私に一任してくるようになった。
お父様の名誉のために言っておくと、自分に懐いてくれないから放置したわけではない。お父様が近づくと、まるで親の敵を見るような目でお父様を睨むのだ。4歳の子どもたちが。……いや、睨んでいたのは一年前からなので、3歳からだな。実の親なのに、親の敵を見るような目で睨まれるのである。
それで、私の言うことしか聞かないので、躾などの、直接的な子育てに関しては、私が任されたというわけ。
お父様も、同じくらい触れあってたはずなのになぁ……。なんでだろう。
お母様の言葉を引用するなら、こういうのは『しすこん』と言うらしい。お母様に聞いてみたけど、本当にそれがあの二人には当てはまっているんだよね。今は子どもだからで片づけられるかもしれないけど、大きくなったらどうするのだろうか。
二人の今後については、後で考えるとして、侍女長に見つかるのと、使用人や騎士のみんなに被害が出る前に、二人を止めないといけない。
(重力)
重力は、重力をあげて、相手を押し潰すもの。もちろん、本気で押し潰すわけにはいかないので、それなりに手加減はしている。
「「わっ!!」」
二人が地面に伏せたのを確認して、私は二人の近くによる。そして、一応魔法を解いて、二人の側にしゃがんだ。
「はい。私が悪かったから、もうおしまい。これ以上は危ないわ」
「「はーい……」」
二人は、なぜか不満げだけど、一応は了承してくれたみたい。
そんな顔をされても、もうやめないとまずいと思うわよ。辺りを見渡すと、被害がよくわかる。
木は何本か折れている。(私が折ったのは一本のみ)
地面はぼこぼこにへこんでいる。
お屋敷の壁にヒビが入っている……うん?
ヤバいヤバいヤバい!!!木や地面はなんとかなるにしても、お屋敷に傷をつけたのはヤバい!
「ジル!メイ!どうしよう!お屋敷の壁にヒビが入ってしまったわ!」
私が焦ってジルとメイにそう言うと、ジルは一言こう言った。
「なおせばいいじゃん」
そんなお手軽に直せるんだったら、こんなに焦ってないわよ!
お屋敷自体は直せるかもしれないけど、後で修繕費とかを要求される可能性がある。いや、それどころか、ここを追い出されるかもしれない。
結婚初日にして、離婚されるなんて、国中の笑い者になるのは間違いない。……いや、まぁ、結婚式をしていないから、まだ婚約状態なんだけどさ……。
それはともかくとして、追い出されたら領民たちへの援助がなくなってしまう!それどころか、修繕費という名の借金まで背負ってしまうはめになるかもしれない!
私がこれからのことに悲嘆に暮れていると、ついてきていたレーラが私に声をかける。
「あの……私たちが直しておきますよ?」
「直せるかどうかはそこまで重要じゃないわ!修繕費を請求されでもしたら、ユールフェースは終わりよ!」
「いえ、魔法で直しますから、お金はかかりません」
その言葉は、私にとって、一筋の光にも等しかった。
そうだ。魔法があった。あまりにも焦っていて忘れていた。
「そうね。魔法で元通りにすればいいんだわ!」
「……はい?」
そんな声が聞こえてきたが、そんなのは気にも止めずに、私は残っている魔力を使って、屋敷全体……とまではいかないけど、被害があった場所に魔法をかける。
(逆行)
膨大な魔力を消費する代わりに、その物の時間を巻き戻す魔法。ちなみに、生物を巻き戻すことはできないので、巻き戻せたのは、地面とお屋敷の壁のみだった。ついでに、服もすっかりきれいになっている。服の素材は生き物なのにね。死んでたら関係ないってことなのかしら?この魔法に関しては、私もあまり知らないのよね。
「あの木は、後で植え直しておきます……」
私が申し訳ない気持ちでシアンや騎士の人たちを見ると、みんなポカーンと口を開けている。
あれ?どうしたの?そんなにおかしなことをした?
「みんな、どうかしたの?」
「……いえ。あまりにも非現実的な光景が見えましたので……」
そんな光景なんてあったかな?どれも、マギルーラや男爵家でよく使っていたものばかりなんだけど。
でもまぁ、無属性魔法自体が珍しいみたいだし、見たことがなかったのかも。それなら驚くかもしれないわね。
「奥様は、ジルスタ様とメイロード様とともに屋敷内にお戻りください。後片付けは我々がいたします」
「え、ええ……。二人とも、行きましょうか」
少し戸惑いながらも、私はジルとメイに声をかける。
「こんどはいなくならないでね?」
「はいはい」
「もうちょっとあそびたかった……」
「今日はおしまいよ」
ぶーぶーと文句を言っている二人の手を引きながら、私は屋敷に戻った。
「ちょっと!実体化は使ったらダメでしょうが!魔力の消費が半端ないんだから!」
ジルが飛ばしているのは、おそらくは実体化と呼ばれる魔法。膨大な魔力を消費する代わりに、魔力を好きな形に変えて実体化させる。魔力が尽きたら消えてしまうけど、球体はもちろん、武器の形にして飛ばすこともできる。
便利である分、魔力の消費量が多い。私も、100が限界かな。
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「だって、おねーさまがいないんだもん!みりすさんにきいたら、じるとあそびにいったっていうんだもん!」
それで、私たちを探しに来たというわけか……。そういえば、メイーーメイだけでなくジルもーー起きたら真っ先に私のところに来ていたな。それどころか、気づいたら私のベッドで一緒に寝ていたこともあったような気がする。
この二人はいつになったら姉離れできるのかな……。一生無理だという声が聞こえてきた気がするけど、多分気のせいだろう。……気のせいだと言ってください!
「『まぎるーら』するんだったらまぜてよ!」
マギルーラというのは、簡単にいえば魔法戦闘のこと。でも、あくまでも遊びや競技の一環で、遊びとしてなら、そこまで制限があったりはしない。競技としてのほうは、魔力量が制限されて、それを越える魔力量を消費すれば失格など、魔法の応用が試されるもの。
ちなみに、致命傷を受けたとしても大丈夫なように、特別な施設でやると聞いたことがある。見たことないから、詳しく知っているわけではない。
あと、妹よ。これはマギルーラではないんだ。
「あのね、これはただのーーわっ!」
これはただのキャッチボールなんだけどと説明しようとしたら、問答無用で魔法が使われた。
私は、咄嗟に魔法障壁をして防ぐ。その魔法は、障壁にぶつかると、爆発した。これは、魔球かな。魔球は、球体の魔力の塊を放つだけの魔法。魔力量によって、大きさは変えられる。
実体化との違いは、形を変えられることと、実体化は、魔力が尽きたら消えてしまうけど、魔球は、何かにぶつかると爆発するのが特徴だ。あと、射程がそこまで長くないことかな。その分、実体化よりも消費量は少ないけど。
「ちょっと!話くらいは聞きなさいよ!」
「「もんどーむよう!!」」
「あーもう!」
双子らしく、息ぴったりな声を出して、私に魔法を使ってくる。もうボールは使っていない。もしかしたら、使っているのかもしれないけど、もうわからない。
私は、魔法障壁で体を中心に、球体のようにして覆う。
「なんでそんなに攻撃してくるの!」
私が怒鳴るようにそう聞くと、ジルとメイはむすっとする。
「べつに、またされたことにおこってなんかないから!」
「べつに、かってにいなくなったことにおこってなんかないから!」
あぁ、うん。その二つが理由ね。ジルに関しては、本当に申し訳ないと思っているけど、メイは、仕方なくない?こんな危険なもの、部屋でやるわけにはいかないし、だからといって、あんなに気持ち良さそうに寝ていたメイを起こせとでも?
そもそも、メイがもっともっとっておねだりしなければ、ジルを待たせることはなかったと思うんだけど……。
はっきりと断らないお前も悪いと言われればそうなんだけどさ。
子どもを育てるのって、本当に大変だなぁ。お父様も、私に押しつけてきた感がありそう。いや、お母様は亡くなっていたし、二人で育てていたのは間違いないんだけど、お父様には全然懐かないのに、私にばかり懐いてきたお陰で、お父様は二人を私に一任してくるようになった。
お父様の名誉のために言っておくと、自分に懐いてくれないから放置したわけではない。お父様が近づくと、まるで親の敵を見るような目でお父様を睨むのだ。4歳の子どもたちが。……いや、睨んでいたのは一年前からなので、3歳からだな。実の親なのに、親の敵を見るような目で睨まれるのである。
それで、私の言うことしか聞かないので、躾などの、直接的な子育てに関しては、私が任されたというわけ。
お父様も、同じくらい触れあってたはずなのになぁ……。なんでだろう。
お母様の言葉を引用するなら、こういうのは『しすこん』と言うらしい。お母様に聞いてみたけど、本当にそれがあの二人には当てはまっているんだよね。今は子どもだからで片づけられるかもしれないけど、大きくなったらどうするのだろうか。
二人の今後については、後で考えるとして、侍女長に見つかるのと、使用人や騎士のみんなに被害が出る前に、二人を止めないといけない。
(重力)
重力は、重力をあげて、相手を押し潰すもの。もちろん、本気で押し潰すわけにはいかないので、それなりに手加減はしている。
「「わっ!!」」
二人が地面に伏せたのを確認して、私は二人の近くによる。そして、一応魔法を解いて、二人の側にしゃがんだ。
「はい。私が悪かったから、もうおしまい。これ以上は危ないわ」
「「はーい……」」
二人は、なぜか不満げだけど、一応は了承してくれたみたい。
そんな顔をされても、もうやめないとまずいと思うわよ。辺りを見渡すと、被害がよくわかる。
木は何本か折れている。(私が折ったのは一本のみ)
地面はぼこぼこにへこんでいる。
お屋敷の壁にヒビが入っている……うん?
ヤバいヤバいヤバい!!!木や地面はなんとかなるにしても、お屋敷に傷をつけたのはヤバい!
「ジル!メイ!どうしよう!お屋敷の壁にヒビが入ってしまったわ!」
私が焦ってジルとメイにそう言うと、ジルは一言こう言った。
「なおせばいいじゃん」
そんなお手軽に直せるんだったら、こんなに焦ってないわよ!
お屋敷自体は直せるかもしれないけど、後で修繕費とかを要求される可能性がある。いや、それどころか、ここを追い出されるかもしれない。
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それはともかくとして、追い出されたら領民たちへの援助がなくなってしまう!それどころか、修繕費という名の借金まで背負ってしまうはめになるかもしれない!
私がこれからのことに悲嘆に暮れていると、ついてきていたレーラが私に声をかける。
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その言葉は、私にとって、一筋の光にも等しかった。
そうだ。魔法があった。あまりにも焦っていて忘れていた。
「そうね。魔法で元通りにすればいいんだわ!」
「……はい?」
そんな声が聞こえてきたが、そんなのは気にも止めずに、私は残っている魔力を使って、屋敷全体……とまではいかないけど、被害があった場所に魔法をかける。
(逆行)
膨大な魔力を消費する代わりに、その物の時間を巻き戻す魔法。ちなみに、生物を巻き戻すことはできないので、巻き戻せたのは、地面とお屋敷の壁のみだった。ついでに、服もすっかりきれいになっている。服の素材は生き物なのにね。死んでたら関係ないってことなのかしら?この魔法に関しては、私もあまり知らないのよね。
「あの木は、後で植え直しておきます……」
私が申し訳ない気持ちでシアンや騎士の人たちを見ると、みんなポカーンと口を開けている。
あれ?どうしたの?そんなにおかしなことをした?
「みんな、どうかしたの?」
「……いえ。あまりにも非現実的な光景が見えましたので……」
そんな光景なんてあったかな?どれも、マギルーラや男爵家でよく使っていたものばかりなんだけど。
でもまぁ、無属性魔法自体が珍しいみたいだし、見たことがなかったのかも。それなら驚くかもしれないわね。
「奥様は、ジルスタ様とメイロード様とともに屋敷内にお戻りください。後片付けは我々がいたします」
「え、ええ……。二人とも、行きましょうか」
少し戸惑いながらも、私はジルとメイに声をかける。
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