これが『契約』だとおっしゃったのはあなたです!~貧乏令嬢は、夫の愛は望まない~

りーさん

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次世代ファンタジーカップで60位ほどまで上がりました!この調子で、欲をいえば10位……最低でも、50位までは行きたいので、ぜひとも閲覧してください。
宣伝用にさくっと書いただけなんで、付け足すかもしれません。

↓本編

 晩餐も終わって、私はジルとメイと一緒に部屋に戻る。
 もう就寝の準備もできていて、二人のベッドが私のベッドの横に並んでいる。これは、私が希望したこと。二人が私がいないと悲しむというのもあるんだけど、一番は二人を守るため。
 男爵家は、レンディアお兄様が強力な魔法障壁プロテクトを張っていたから、動物の侵入すらも許さなかったけど、ここは公爵家。そんなものがあるとは言いきれない。公爵家だから、大丈夫だとは思うけど、このことは慎重になりすぎて悪いということはない。

「言っておくけど、ここは公爵家で、男爵家ではないわ。私のベッドに潜り込むなんてことはしないようにね」
「「はーい」」

 自分で注意しておいてなんだけど、やけに素直なのにちょっと驚いてしまう。
 私があそこまで怒ることはなかったから、それで素直になったのかもしれない。叱る側としては、素直なほうがありがたいけど。

*ー*ー*ー

 もうジルとメイはすっかり眠っている。なるべく私の側には寄っているけど、私のベッドには入ってきていない。

「さて……っと」

 私は、二人の周りに魔法障壁プロテクトを張っておく。
 そして、二人を起こさないように部屋の外に出た。そのまま、屋敷の外まで歩いていく。ここまでに、誰にも見つからないように行動するのがポイント。

「いるのはわかってるわよ。出てきなさい」

 私がそう言うと、どこからともなく複数の人間が現れる。

「一応聞いておくけど、何の用かしら?」
「我々と来てもらうぞ。アリジェントのために」
「……やっぱり帝国の差し金なのね。私がここにいると突き止めるのが、ずいぶんと早かったから、ジルとメイの後をつけてきたのかしら?」
「「「…………」」」

 私がたずねると、沈黙が返ってくる。これは、肯定したも同然だ。
 私の嫌な予感は本当によく当たる。きっと、私を寄越せという文面も、すでに届いているに違いない。お兄様が知らないのは、あそこの警備隊長が、お兄様に教えていないからだろう。
 いくら向こうが仕掛けてきているとはいえ、問答無用で虐殺するのはまずい。お兄様は、まったく関係のない帝国民に手を出す可能性があるから。

「あの子たちに手は出させないわ。相手してあげるから来なさい」

 私がそう言うと、一部が襲いかかってくる。身体強化ブーストをして、動きを見極める。身体強化ブーストもしていない動きなんて、文字通り止まって見える。
 私は、殺さないように手加減しつつも、手刀で確実に気絶させていく。もちろん、正面からだと防がれる可能性もあるので、背後から叩いている。
 それを繰り返すこと数十分。
 私の周りには、黒い衣服を来た者たちが転がっている。

「ふぅ……疲れた」

 なんとか返り討ちにはしたけど、ここにまで来るようになっていたのは驚いた。帝国も、公爵様の話は知っているはず。公爵様がここにいるかもしれないのに、私たちを連れ去るためにこんなことをするなんて。
 それほどに、私たちの血は欲しいのだろうか。

「この人たち……どうしようかな」

 いつもはお兄様とお父様に任せていたけど、今はいない。でも、そのまま放っておくと、使用人たちが不審がってしまうだろう。
 公爵家に侵入してきたのだから、公爵様に報告して、処罰を待たせるのがいいかも。それなら、私の事情を知っている人がいい。

「夜中で申し訳ないけど、シアンを起こしましょうか」
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