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第一章 辺境の街 カルファ
23. 森への道中
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ついに、お出かけ当日となった。新たに作ったウァノスをカバンに詰めて、すべての荷物を持って出かける。
ルーナはというと……
「おっでかけ~おっでかけ~」
ウキウキでクッションを抱いている。自分の荷物は背負ってくれているけど、出かける前からこんなノリでは、すぐに疲れるだろうな。
まぁ、さっきの状態よりはましだけど。
「ルーナ、行くよ」
「はーい」
僕たちは部屋を出て、エントランスまで向かう。
「おっ、来たか」
「早かったですね」
そこには、すでにレイクスさんとウォルターさんが待機していた。
二人とも、軽いものではあるけど、防具に身を包んでいて、いかにも騎士さまといった格好だ。
「今日はよろしくお願いします」
「おねがいしまーす!」
僕がペコリと頭を下げると、レイクスさんとウォルターさんに訝しい目を向けられる。
だけど、理由はなんとなく想像できた。
「……なんか、今日は嬢ちゃんのテンションが高いな」
「ええ。フラッフィーのベッドで寝られないとなれば、あまり機嫌はよくないかと思っていたのですが……」
ほら、やっぱり。普段のルーナの無気力さを見ている人なら、今のルーナは別人だと思うよね。
「最初はごねてましたよ」
僕は、先ほどまでの出来事を説明する。
朝、僕が起きたころには、珍しくルーナも起きていた。とはいっても、ぼんやりと意識があるだけで、ほぼ寝ているようなものだったけど。
『ルーナ、準備するよ』
『う~ん……やりたくない……』
ベッドのシーツをぎゅっと掴みながら、ルーナはイヤイヤと拒否をする。
『今からやらないと間に合わないから』
『わたしのベッド。フラッフィーのベッド~』
『起きなさい』
ルーナの体をゆさゆさと揺らす。時には服を引っ張ったりもしたけど、ルーナは普段とは桁違いのパワーを発揮して、まったくベッドから離れようとしない。
『やだやだ!ベッドから離れたくな~い!』
『……あっ、そう。なら、自分だけのフラッフィーのベッドはもういらないんだね』
このセリフ、もう何回目だろうか。ルーナは、自分の欲望が溢れると僕が言っていたことは頭からすっぽ抜けるらしい。
『い、いや……それは……』
ルーナはとたんにしどろもどろになる。これ、もうテンプレみたいになってるよね。
『僕は食べ歩きのお金が欲しいから行くけど、荷物は持っていくから、その間はウァノスはあげられないよ』
『ガビーン……』
効果音を口にする人って本当にいるんだな。まさか、妹がそうだとは思わなかったけど。
『で、ファイナルアンサーは?』
『準備します……』
そうして涙目になりながら準備してたんだけど、途中からだんだんとハイテンションになってきたのだ。
「つまりは、空元気ってことか」
「まぁ、そんな感じかと……」
僕はあははと乾いた笑いしかできなかった。
テンションをあげないとやってられないのかもしれないと思うと、どうもいたたまれない。
「まぁ、やる気があるんならいい。行くぞ」
「はい」
「はーい……」
いざ出発となった瞬間、ルーナのテンションは駄々下がりとなった。
◇◇◇
僕たちは、馬車で街の入り口へとやってきた。僕たちがくぐった正面入口だ。そこまで時間は経っていないはずなのに、どこか懐かしく感じる。
ちなみに、移動途中での睡眠防止として、ルーナの持っていたクッションはカバンのなかに仕舞わせた。
ルーナは絶望の表情を浮かべたけど、周りに迷惑をかけるわけにはいかない。
「どこまで行くんですか?」
「コーゼル大森林っていうでっかい森があるんだが、そこの入口までだ。街から少し離れてるから、馬車で移動するほうがいいんだ」
コーゼル大森林……聞いたことないな。でも、大森林って言うからには、いろいろな生き物や植物がありそうだ。
もしかしたら、精霊もいるかもしれないな。
「どうしてそこに行くの?欲しい薬草があるとか?」
珍しく起きていたルーナが尋ねる。確かに、わざわざそこを選んだ理由は気になるな。
わざわざ馬車を使うくらいなら、徒歩で行けるような近場でもよかったのではないだろうかと思う。
「それも理由の一つではあるんだが、一番は魔物の調査だな」
「その森危ないの?」
「多くの魔物が生息していますからね。街道などに溢れるようなことがあってはならないので、定期的に間引きしているんですよ」
「ふーん……」
ルーナは興味をなくしたのか、ふわぁとあくびをすると、そのまま眠りこけた。隣に座っていた僕の肩を枕代わりにして。
自分から聞いたくせに、飽きるのが早すぎる。それとも、自分のなかでは納得したからもういいやってなったのかな?
でも、ルーナの寝顔を見てると、僕もだんだんと眠く……
「……眠いんなら寝てていいぞ?着いたら起こしてやるから」
「では、お言葉に甘えて……」
僕も、ふわぁと大きくあくびをして、そのまま気絶するように眠りについた。
◇◇◇
ゆさゆさと揺らされるような感覚がある。
う~ん……これは……
「……ろ」
うん?なんか、聞こえる……?
「……きろ」
まあいいか。もう少しゆっくりとーー
「起きろって言ってるだろ!!!」
「ひゃい!?」
大声が耳に響き、僕は飛び起きる。
僕が前に飛び出したことで、枕がなくなったからか、ルーナは頭をガクンとさせて、その衝撃で目を覚ました。
「お兄ちゃん、どうしたの~?」
「もう着いたんだよ。お前ら、何度起こしても起きねぇから……」
「いや~、すみません……」
まったくと呆れたように言うレイクスさんに、僕は頭を下げることしかできなかった。
ちゃんと、起きられるようになるまではお昼寝はやめておこうかな……
ルーナはというと……
「おっでかけ~おっでかけ~」
ウキウキでクッションを抱いている。自分の荷物は背負ってくれているけど、出かける前からこんなノリでは、すぐに疲れるだろうな。
まぁ、さっきの状態よりはましだけど。
「ルーナ、行くよ」
「はーい」
僕たちは部屋を出て、エントランスまで向かう。
「おっ、来たか」
「早かったですね」
そこには、すでにレイクスさんとウォルターさんが待機していた。
二人とも、軽いものではあるけど、防具に身を包んでいて、いかにも騎士さまといった格好だ。
「今日はよろしくお願いします」
「おねがいしまーす!」
僕がペコリと頭を下げると、レイクスさんとウォルターさんに訝しい目を向けられる。
だけど、理由はなんとなく想像できた。
「……なんか、今日は嬢ちゃんのテンションが高いな」
「ええ。フラッフィーのベッドで寝られないとなれば、あまり機嫌はよくないかと思っていたのですが……」
ほら、やっぱり。普段のルーナの無気力さを見ている人なら、今のルーナは別人だと思うよね。
「最初はごねてましたよ」
僕は、先ほどまでの出来事を説明する。
朝、僕が起きたころには、珍しくルーナも起きていた。とはいっても、ぼんやりと意識があるだけで、ほぼ寝ているようなものだったけど。
『ルーナ、準備するよ』
『う~ん……やりたくない……』
ベッドのシーツをぎゅっと掴みながら、ルーナはイヤイヤと拒否をする。
『今からやらないと間に合わないから』
『わたしのベッド。フラッフィーのベッド~』
『起きなさい』
ルーナの体をゆさゆさと揺らす。時には服を引っ張ったりもしたけど、ルーナは普段とは桁違いのパワーを発揮して、まったくベッドから離れようとしない。
『やだやだ!ベッドから離れたくな~い!』
『……あっ、そう。なら、自分だけのフラッフィーのベッドはもういらないんだね』
このセリフ、もう何回目だろうか。ルーナは、自分の欲望が溢れると僕が言っていたことは頭からすっぽ抜けるらしい。
『い、いや……それは……』
ルーナはとたんにしどろもどろになる。これ、もうテンプレみたいになってるよね。
『僕は食べ歩きのお金が欲しいから行くけど、荷物は持っていくから、その間はウァノスはあげられないよ』
『ガビーン……』
効果音を口にする人って本当にいるんだな。まさか、妹がそうだとは思わなかったけど。
『で、ファイナルアンサーは?』
『準備します……』
そうして涙目になりながら準備してたんだけど、途中からだんだんとハイテンションになってきたのだ。
「つまりは、空元気ってことか」
「まぁ、そんな感じかと……」
僕はあははと乾いた笑いしかできなかった。
テンションをあげないとやってられないのかもしれないと思うと、どうもいたたまれない。
「まぁ、やる気があるんならいい。行くぞ」
「はい」
「はーい……」
いざ出発となった瞬間、ルーナのテンションは駄々下がりとなった。
◇◇◇
僕たちは、馬車で街の入り口へとやってきた。僕たちがくぐった正面入口だ。そこまで時間は経っていないはずなのに、どこか懐かしく感じる。
ちなみに、移動途中での睡眠防止として、ルーナの持っていたクッションはカバンのなかに仕舞わせた。
ルーナは絶望の表情を浮かべたけど、周りに迷惑をかけるわけにはいかない。
「どこまで行くんですか?」
「コーゼル大森林っていうでっかい森があるんだが、そこの入口までだ。街から少し離れてるから、馬車で移動するほうがいいんだ」
コーゼル大森林……聞いたことないな。でも、大森林って言うからには、いろいろな生き物や植物がありそうだ。
もしかしたら、精霊もいるかもしれないな。
「どうしてそこに行くの?欲しい薬草があるとか?」
珍しく起きていたルーナが尋ねる。確かに、わざわざそこを選んだ理由は気になるな。
わざわざ馬車を使うくらいなら、徒歩で行けるような近場でもよかったのではないだろうかと思う。
「それも理由の一つではあるんだが、一番は魔物の調査だな」
「その森危ないの?」
「多くの魔物が生息していますからね。街道などに溢れるようなことがあってはならないので、定期的に間引きしているんですよ」
「ふーん……」
ルーナは興味をなくしたのか、ふわぁとあくびをすると、そのまま眠りこけた。隣に座っていた僕の肩を枕代わりにして。
自分から聞いたくせに、飽きるのが早すぎる。それとも、自分のなかでは納得したからもういいやってなったのかな?
でも、ルーナの寝顔を見てると、僕もだんだんと眠く……
「……眠いんなら寝てていいぞ?着いたら起こしてやるから」
「では、お言葉に甘えて……」
僕も、ふわぁと大きくあくびをして、そのまま気絶するように眠りについた。
◇◇◇
ゆさゆさと揺らされるような感覚がある。
う~ん……これは……
「……ろ」
うん?なんか、聞こえる……?
「……きろ」
まあいいか。もう少しゆっくりとーー
「起きろって言ってるだろ!!!」
「ひゃい!?」
大声が耳に響き、僕は飛び起きる。
僕が前に飛び出したことで、枕がなくなったからか、ルーナは頭をガクンとさせて、その衝撃で目を覚ました。
「お兄ちゃん、どうしたの~?」
「もう着いたんだよ。お前ら、何度起こしても起きねぇから……」
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まったくと呆れたように言うレイクスさんに、僕は頭を下げることしかできなかった。
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